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第394話 招待と正体
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ジャトワン領都に行ってから2日後、今日はエンターシャ様達をエルスタイン領都へ招待することになっています。
昨晩はサマンサの番だったのでルージュ領都に泊まり、ここからジャトワン領都の“転移の祠”に迎えに行く予定です。
マイヤはまだ王都に滞在するという事なので置いて来ています。
メロお姉さん達もとっても頑張っているそうなので機会があれば“シャルル巻き”を差し入れしてあげようかな。
結局サマンサもその前日のシェリーも受精はしませんでした。
二人共とても残念がっていますが仕方がありません。
「サマンサとシェリーも元気を出して。その内受精するから…」
「私の“せっくす”が下手だからでしょうか…」
「やっぱり年齢が問題なのでしょうか…」
「だからそんなことは関係ないから…。セックスは子供を作る目的だけじゃなく、お互いが大切で愛おしいと思う気持ちを深める行為でもあるんだよ」
「僕の精子には制限はないけれど、子供を作る為だけに僕はいるわけじゃないからね!」
まぁ、使命は子作りなんだけれど…。
それでもあまりがっかりした顔は見たくはありません。
「……、ご…ごめんなさいシャルル…」
「すいません。つい焦ってしまいました」
「うん、シェリーもサマンサも慌てなくても大丈夫だからね」
「それに二人とセックスをするのはとっても気持ち良いよ」
「「シャルル…」」
(シャルル様…)
私も先日はこんな風だったのですね。
頭では分かっていてもシエラ先輩やメンテール先輩が受精するのを見て、私も受精をすることが最終目標みたいになってしまっていました。
シャルル様の側にいる為に私も初心に戻ってシャルル様と一緒に愛おしい気持ちを深めていきたいと思います。
「さて、朝食を食べたらジャトワン領都にエンターシャ様達を迎えに行こうよ」
「「はい」」
XX XY
今回は僕の屋敷の魔動力車なので運転席にはメンテールとキルシッカが座っていて、反対に乗客室にはルチアお姉さんとグリシャが座っています。
魔動力車一台で移動出来れば良いと思っていたのですがグリシャ達も付いてきたそうにしていましたし、エンターシャ様も数名で魔動力車に乗って来られると思ったのです。
「エンターシャ様も驚かれるでしょうね」
「本当ですね。まさか他国に行くとは思っておられないでしょう」
ジャトワン領都の“転移の祠”に着くと、すでに魔動力車が止まっているのが見えました。
「じゃあ僕は先にエンターシャ様達をエルスタイン領都に転移させるよ。シェリー達は少し待っていてくれるかな」
「「はい」」
そう言って魔動力車を降りエンターシャ様の魔動力車へ向かうと、運転席に見えた二人の内の一人が降りてきました。
「シャルル様、おはようございます」
「あっ、ヨルンお姉さん、おはよう。これから転移するから運転席に戻って【転移】の発動範囲内に移動してくれるかな」
「わ…分かりました。転移ってルージュ領都ですよね?」
「まぁ、それは着いてのお楽しみかな…。それにルージュ領都なら迎えに来ないよ」
「確かにそうですよね…」
コンコン、コン。
ガチャ…。
「エンターシャ様、おはようございます。お待たせして申し訳ありません」
「アデル様もおはようございます」
「えっ、シャ…ルル様、おはようございます。私達も先ほど来たばかりですよ」
「シャルル様おはようございます。今日が待ち遠しくて昨日はよく眠れませんでしたよ」
「ハハ…、では早速ですがこれからご案内しますね」
乗客室は二人だけだったので、先日応接室で会った4人だけのようです。
僕が魔動力車に乗り込みアデル様の隣に座ると動き出しました。
「えっと…、まずはルージュ領都に転移すれば良いのですか?」
「エンターシャ様はそのまま座っていてくださいね」
「では、行きますよ~。【転移】…」
「「えぇ~~~っ!!」」
XX XY
ガチャ…。
「みんなお待たせ~」
「シャルルは本当に凄いですね。すぐに行って戻って来られるなんて…」
「エンターシャ様もさぞ驚かれていることでしょうね」
「そうだね、ちょっと放心されていたから何も言わずにすぐこっちに戻ってきたよ…」
「じゃあ僕達も転移するよ…【転移】…」
エルスタイン領都の“転移の祠”に戻ると、ヨルンお姉さんに合図をして僕達の魔動力車に付いて来てもらうようにします。
「お…お母様、これは一体…。先ほどはシャルル様が【転移】を発動されたのですよね?」
「えぇ…、そうですね」
シャルル様は私達をここに転移させると魔動力車を降り、歩いて再び“転移の祠”を使って戻って行かれたのです。
「だ…男性が魔法を…、【転移】を発動されたのですよ。こんなことって…」
「それにも驚きましたが、まず今はここがどこかです」
見たこともない“転移の祠”からシャルル様達に続いて出ると、同じように見たことも無い土地が目の前に広がっていました。
バルトリア王国内に私の知らない“転移の祠”があったのかしら…。
「お母様、大きな町? いえ都市が見えてきましたよ…」
街を通り抜けしばらくすると先を走る魔動力車が門をくぐり、大きなお屋敷の玄関で停車するのが分かりました。
目的の場所はこのお屋敷のようです。
私達の魔動力車も停車したので降りてみると、シャルル様を出迎えるように二人のメイドが出てきていました。
「「お帰りなさいませ、シャルル様」」
「「シェリー様もサマンサ様もようこそおいでくださいました」」
「ただいま、ヌエット、エリオン…」
「「シャルル様、ここは一体…?」」
「エンターシャ様、アデル様、ここが僕の家ですよ。ようこそエルスタイン領都へ」
「なっ…、エ…エルスタイン領都ですって!?」
「エンターシャ様、シャルル様はローマン帝国エルスタイン領、領主様のご子息なのですよ」
「シェ…シェリー様…、そんな…まさか…」
「お母様、私達は他の国へ来てしまったのですか…!?」
シャルル様が領主様のご子息…。
もちろん他の大陸があってローマン帝国があることも教わってはいます。
ローマン帝国ってジャトワン領とは反対のルージュ領から海を渡った大陸じゃない…。
そんなところにジャトワン領都の“転移の祠”からこのエルスタイン領都に来られたって言うの…。
「ヌエット、ルーシャに応接室に来てもらえるかな? こちらのエンターシャ様達を紹介したいから…」
「はい、直ちに…」
「エリオンはオーリエ達を呼んできてくれる?」
「かしこまりました」
「そちらはエンターシャ様とアデル様でしたね。ようこそおいでくださいました」
「そうか、エリオンは前に二人に会っていたよね」
「あの時に一緒だったヨルンお姉さんとマリンお姉さんも一緒だから…」
「「エ…エリオンさん、よろしくお願いします…」」
「はい…、他の者にお部屋へ案内させますね…」
「……」
なるほど、魔道具を発明されるほどの方とはいえメイドの方が多かったのも、シェリー様とサマンサ様がシャルル様の事を様付で呼ばれているのも他国の領主様のご子息であれば納得です…。
コンコン、コン。
ガチャ…。
『シャルル、お帰りなさい』
「シャルル、戻ってきたのですね。待っていましたよ~」
「ただいま、ルーシャ。やっぱりグレイスも来ていたんだね」
“転移の祠”にグレイス用の魔動力車が無かったのを見ています。
「ルーシャ様、グレイス様、この間以来ですね」
「ルーシャ様、突然訪問することになって申し訳ありません」
『いえ、シェリー様もサマンサ様もいつでも歓迎しますよ』
「私もお二人に会えて嬉しいですよ。こっちに来ていて良かったです」
『それでシャルル、そちらの皆さんがお客様の…?』
「うん、こちらは…」
「初めまして、バルトリア王国ジャトワン領領主、エンターシャ・ジャトワンです。こちらが娘の…」
「ア…アデル・ジャトワンです。初めまして、ルーシャ様…、グレイス様…」
『……なるほど分かりました。シャルルが招待したのですね』
『私はこのエルスタイン領領主のルーシャ・エルスタインです。ようこそおいでくださいました』
「私はローマン帝国女王、グレイス・ローマンです」
「えっ…、じょ…女王様!?」
「女王様って、あの女王様ですよね。シェリー様と同じ…」
「そうですよ、エンターシャ様。こちらは正真正銘ローマン帝国のグレイス女王様です」
「まさかシェリー様達がローマン帝国の方々と交流があっただなんて…」
「まぁ、エンターシャ様が驚かれるのも無理はありませんね。私も最初ルーシャ様やグレイス様にお会いした時は驚きましたよ。今では大切な家族みたいなものですけれどね」
「家族…?」
サマンサ様の言われる意味がよく分かりません。
『とりあえず皆さん歓迎しますので、ゆっくりしていってください』
コンコン、コン。
ガチャ…。
「「「シャルル、お帰りなさい」」」
「ただいま、みんな…」
「ユナさん…?、オーリエさん…?」
「ユナ様…、オーリエ様…」
「エ…エンターシャ様…、それにアデルさん…」
「エンターシャ様にアデル様…、それにお母様にシェリー様まで…」
「ユナ、久しぶりですね。シャルル様の為に頑張っていますか?」
「もちろんです。でもシャルルは出掛けていることが多くて…」
「ごめんね、ユナ…」
「オーリエも少し見ないうちにまた成長しましたねぇ~。ちょっと信じられないくらいですよ」
この間会ってからまだそんなに経っていないのにまた少し女性らしい身体つきになっています。
フフ…、胸も私の娘らしく段々と大きくなってきたじゃない…。
「そうでしょう。たくさん食べて運動して、観察も頑張っていますからね!」
「アデル様、お久しぶりですね。昨年ルージュ領都に来られていたのはシャルルから聞いていますよ」
「本当にユナ様もオーリエ様もシャルル様のパートナー候補としてここに住んでおられるのですね…」
「アデルさんがここに来たという事はまさかアデルさんも…?」
「はい、私もシャルル様のパートナー候補の一人にしていただきたくてお願いしたのです」
『まぁ、その話についてはもう一度ゆっくりエンターシャ様とアデル様から話を聞いてからにしましょう』
「エンターシャ様、アデル様、紹介が遅れましたがこちらのエリシアも僕のパートナーの一人なんですよ」
「ありがとう、シャルル」
「初めまして、エリシア・ローマンです。よろしくお願い致します」
「「えっ…!?」」
「エンターシャ様、エリシアは私の娘ですよ」
「そんな…、ロ…ローマン帝国の王女様までがシャルル様のパートナー候補……」
ドサッ…。
「お、お母様、気をしっかりぃ~!」
お母様が気を失わなければ私が気を失うところでした。
あんなに若々しくて綺麗なメイドの方達以外にユナ様、オーリエ様、それにこの国の王女様までがシャルル様のパートナー候補だなんて…。
あれっ? さっきシャルル様はエリシア様のことをパートナーの一人だと言ったような…。
私はとんでもない希望を持ってここに来てしまったのかもしれません。
昨晩はサマンサの番だったのでルージュ領都に泊まり、ここからジャトワン領都の“転移の祠”に迎えに行く予定です。
マイヤはまだ王都に滞在するという事なので置いて来ています。
メロお姉さん達もとっても頑張っているそうなので機会があれば“シャルル巻き”を差し入れしてあげようかな。
結局サマンサもその前日のシェリーも受精はしませんでした。
二人共とても残念がっていますが仕方がありません。
「サマンサとシェリーも元気を出して。その内受精するから…」
「私の“せっくす”が下手だからでしょうか…」
「やっぱり年齢が問題なのでしょうか…」
「だからそんなことは関係ないから…。セックスは子供を作る目的だけじゃなく、お互いが大切で愛おしいと思う気持ちを深める行為でもあるんだよ」
「僕の精子には制限はないけれど、子供を作る為だけに僕はいるわけじゃないからね!」
まぁ、使命は子作りなんだけれど…。
それでもあまりがっかりした顔は見たくはありません。
「……、ご…ごめんなさいシャルル…」
「すいません。つい焦ってしまいました」
「うん、シェリーもサマンサも慌てなくても大丈夫だからね」
「それに二人とセックスをするのはとっても気持ち良いよ」
「「シャルル…」」
(シャルル様…)
私も先日はこんな風だったのですね。
頭では分かっていてもシエラ先輩やメンテール先輩が受精するのを見て、私も受精をすることが最終目標みたいになってしまっていました。
シャルル様の側にいる為に私も初心に戻ってシャルル様と一緒に愛おしい気持ちを深めていきたいと思います。
「さて、朝食を食べたらジャトワン領都にエンターシャ様達を迎えに行こうよ」
「「はい」」
XX XY
今回は僕の屋敷の魔動力車なので運転席にはメンテールとキルシッカが座っていて、反対に乗客室にはルチアお姉さんとグリシャが座っています。
魔動力車一台で移動出来れば良いと思っていたのですがグリシャ達も付いてきたそうにしていましたし、エンターシャ様も数名で魔動力車に乗って来られると思ったのです。
「エンターシャ様も驚かれるでしょうね」
「本当ですね。まさか他国に行くとは思っておられないでしょう」
ジャトワン領都の“転移の祠”に着くと、すでに魔動力車が止まっているのが見えました。
「じゃあ僕は先にエンターシャ様達をエルスタイン領都に転移させるよ。シェリー達は少し待っていてくれるかな」
「「はい」」
そう言って魔動力車を降りエンターシャ様の魔動力車へ向かうと、運転席に見えた二人の内の一人が降りてきました。
「シャルル様、おはようございます」
「あっ、ヨルンお姉さん、おはよう。これから転移するから運転席に戻って【転移】の発動範囲内に移動してくれるかな」
「わ…分かりました。転移ってルージュ領都ですよね?」
「まぁ、それは着いてのお楽しみかな…。それにルージュ領都なら迎えに来ないよ」
「確かにそうですよね…」
コンコン、コン。
ガチャ…。
「エンターシャ様、おはようございます。お待たせして申し訳ありません」
「アデル様もおはようございます」
「えっ、シャ…ルル様、おはようございます。私達も先ほど来たばかりですよ」
「シャルル様おはようございます。今日が待ち遠しくて昨日はよく眠れませんでしたよ」
「ハハ…、では早速ですがこれからご案内しますね」
乗客室は二人だけだったので、先日応接室で会った4人だけのようです。
僕が魔動力車に乗り込みアデル様の隣に座ると動き出しました。
「えっと…、まずはルージュ領都に転移すれば良いのですか?」
「エンターシャ様はそのまま座っていてくださいね」
「では、行きますよ~。【転移】…」
「「えぇ~~~っ!!」」
XX XY
ガチャ…。
「みんなお待たせ~」
「シャルルは本当に凄いですね。すぐに行って戻って来られるなんて…」
「エンターシャ様もさぞ驚かれていることでしょうね」
「そうだね、ちょっと放心されていたから何も言わずにすぐこっちに戻ってきたよ…」
「じゃあ僕達も転移するよ…【転移】…」
エルスタイン領都の“転移の祠”に戻ると、ヨルンお姉さんに合図をして僕達の魔動力車に付いて来てもらうようにします。
「お…お母様、これは一体…。先ほどはシャルル様が【転移】を発動されたのですよね?」
「えぇ…、そうですね」
シャルル様は私達をここに転移させると魔動力車を降り、歩いて再び“転移の祠”を使って戻って行かれたのです。
「だ…男性が魔法を…、【転移】を発動されたのですよ。こんなことって…」
「それにも驚きましたが、まず今はここがどこかです」
見たこともない“転移の祠”からシャルル様達に続いて出ると、同じように見たことも無い土地が目の前に広がっていました。
バルトリア王国内に私の知らない“転移の祠”があったのかしら…。
「お母様、大きな町? いえ都市が見えてきましたよ…」
街を通り抜けしばらくすると先を走る魔動力車が門をくぐり、大きなお屋敷の玄関で停車するのが分かりました。
目的の場所はこのお屋敷のようです。
私達の魔動力車も停車したので降りてみると、シャルル様を出迎えるように二人のメイドが出てきていました。
「「お帰りなさいませ、シャルル様」」
「「シェリー様もサマンサ様もようこそおいでくださいました」」
「ただいま、ヌエット、エリオン…」
「「シャルル様、ここは一体…?」」
「エンターシャ様、アデル様、ここが僕の家ですよ。ようこそエルスタイン領都へ」
「なっ…、エ…エルスタイン領都ですって!?」
「エンターシャ様、シャルル様はローマン帝国エルスタイン領、領主様のご子息なのですよ」
「シェ…シェリー様…、そんな…まさか…」
「お母様、私達は他の国へ来てしまったのですか…!?」
シャルル様が領主様のご子息…。
もちろん他の大陸があってローマン帝国があることも教わってはいます。
ローマン帝国ってジャトワン領とは反対のルージュ領から海を渡った大陸じゃない…。
そんなところにジャトワン領都の“転移の祠”からこのエルスタイン領都に来られたって言うの…。
「ヌエット、ルーシャに応接室に来てもらえるかな? こちらのエンターシャ様達を紹介したいから…」
「はい、直ちに…」
「エリオンはオーリエ達を呼んできてくれる?」
「かしこまりました」
「そちらはエンターシャ様とアデル様でしたね。ようこそおいでくださいました」
「そうか、エリオンは前に二人に会っていたよね」
「あの時に一緒だったヨルンお姉さんとマリンお姉さんも一緒だから…」
「「エ…エリオンさん、よろしくお願いします…」」
「はい…、他の者にお部屋へ案内させますね…」
「……」
なるほど、魔道具を発明されるほどの方とはいえメイドの方が多かったのも、シェリー様とサマンサ様がシャルル様の事を様付で呼ばれているのも他国の領主様のご子息であれば納得です…。
コンコン、コン。
ガチャ…。
『シャルル、お帰りなさい』
「シャルル、戻ってきたのですね。待っていましたよ~」
「ただいま、ルーシャ。やっぱりグレイスも来ていたんだね」
“転移の祠”にグレイス用の魔動力車が無かったのを見ています。
「ルーシャ様、グレイス様、この間以来ですね」
「ルーシャ様、突然訪問することになって申し訳ありません」
『いえ、シェリー様もサマンサ様もいつでも歓迎しますよ』
「私もお二人に会えて嬉しいですよ。こっちに来ていて良かったです」
『それでシャルル、そちらの皆さんがお客様の…?』
「うん、こちらは…」
「初めまして、バルトリア王国ジャトワン領領主、エンターシャ・ジャトワンです。こちらが娘の…」
「ア…アデル・ジャトワンです。初めまして、ルーシャ様…、グレイス様…」
『……なるほど分かりました。シャルルが招待したのですね』
『私はこのエルスタイン領領主のルーシャ・エルスタインです。ようこそおいでくださいました』
「私はローマン帝国女王、グレイス・ローマンです」
「えっ…、じょ…女王様!?」
「女王様って、あの女王様ですよね。シェリー様と同じ…」
「そうですよ、エンターシャ様。こちらは正真正銘ローマン帝国のグレイス女王様です」
「まさかシェリー様達がローマン帝国の方々と交流があっただなんて…」
「まぁ、エンターシャ様が驚かれるのも無理はありませんね。私も最初ルーシャ様やグレイス様にお会いした時は驚きましたよ。今では大切な家族みたいなものですけれどね」
「家族…?」
サマンサ様の言われる意味がよく分かりません。
『とりあえず皆さん歓迎しますので、ゆっくりしていってください』
コンコン、コン。
ガチャ…。
「「「シャルル、お帰りなさい」」」
「ただいま、みんな…」
「ユナさん…?、オーリエさん…?」
「ユナ様…、オーリエ様…」
「エ…エンターシャ様…、それにアデルさん…」
「エンターシャ様にアデル様…、それにお母様にシェリー様まで…」
「ユナ、久しぶりですね。シャルル様の為に頑張っていますか?」
「もちろんです。でもシャルルは出掛けていることが多くて…」
「ごめんね、ユナ…」
「オーリエも少し見ないうちにまた成長しましたねぇ~。ちょっと信じられないくらいですよ」
この間会ってからまだそんなに経っていないのにまた少し女性らしい身体つきになっています。
フフ…、胸も私の娘らしく段々と大きくなってきたじゃない…。
「そうでしょう。たくさん食べて運動して、観察も頑張っていますからね!」
「アデル様、お久しぶりですね。昨年ルージュ領都に来られていたのはシャルルから聞いていますよ」
「本当にユナ様もオーリエ様もシャルル様のパートナー候補としてここに住んでおられるのですね…」
「アデルさんがここに来たという事はまさかアデルさんも…?」
「はい、私もシャルル様のパートナー候補の一人にしていただきたくてお願いしたのです」
『まぁ、その話についてはもう一度ゆっくりエンターシャ様とアデル様から話を聞いてからにしましょう』
「エンターシャ様、アデル様、紹介が遅れましたがこちらのエリシアも僕のパートナーの一人なんですよ」
「ありがとう、シャルル」
「初めまして、エリシア・ローマンです。よろしくお願い致します」
「「えっ…!?」」
「エンターシャ様、エリシアは私の娘ですよ」
「そんな…、ロ…ローマン帝国の王女様までがシャルル様のパートナー候補……」
ドサッ…。
「お、お母様、気をしっかりぃ~!」
お母様が気を失わなければ私が気を失うところでした。
あんなに若々しくて綺麗なメイドの方達以外にユナ様、オーリエ様、それにこの国の王女様までがシャルル様のパートナー候補だなんて…。
あれっ? さっきシャルル様はエリシア様のことをパートナーの一人だと言ったような…。
私はとんでもない希望を持ってここに来てしまったのかもしれません。
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