DNAの改修者

kujibiki

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第378話 三人の決意

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「「「なっ!? サマンサ様…」」」

翌朝、シャルル様達が先に朝食をとられている途中でサマンサ様が遅れて食堂へ来られました。

ルーシャ様もグレイス様も遅れて来られるのは仕方がないからとおっしゃっておられたのですが、一体何が…。

これまで何度か“シャルル様の奇跡”を体験された方を見てきましたが、今朝のサマンサ様の変貌は綺麗になったとかそんな言葉では言い表わせないのです。

シェリー様もサマンサ様をご覧になられて少し驚かれています。
もちろん、オーリエ様も…。

私とサンディとローザは顔を見合わせると、自然と頷いてしまうのでした。



「サマンサ様、驚きましたよ。なんと言っていいかこれまでとは違う変貌ですね。それにしても変な歩き方ですね。腰もフラフラじゃないですか…」

「シェリー様も明日の朝はこうなっていますよ」

『サマンサ様もかなりされたみたいですね』

「分かりますよ…、えぇ、分かります…」

「私にもグレイス様のおっしゃっていたことが分かりましたよ。シャルル様…いえシャルルのパートナーになれて本当に幸せです…」

「お母様までシャルルを呼び捨てに…」
「「シャルル~」」

「ルーシャもグレイスもそうだからって言われたら僕も断れなくて…」

『た…確かにそうね』

「私達は何も言えないわね」

『サマンサ様と色々話をしたいところですが明日シェリー様を交えてにしましょうか』

「それが良いですね」



「オーリエ、ちょっといいかしら…」

私は朝食を食べていたオーリエを食堂の隅に呼びます。

「何? お母様…」

「あなた、あのシャルルの男性器を、その…入れる事が出来たの?」

「えぇ、なんとか…。キツくてお腹の中がいっぱいでしたよ」
「膜が破れる時はとても痛かったですが、お母様も私が産まれる時はあの痛みがあったのですよね…」

「そ…そうね」

そうでした、オーリエ達は女性器の外側からあの薄い膜をシャルルによって破られたのですよね。
すっかり忘れていました。

「次の日はずっと女性器が開きっぱなしになっている感覚だったんですよ」
「残念ながらシャルルの全てを受け入れることは出来ませんでしたが、これから頑張っていくつもりです」

「そう…、よ…よく入ったわねぇ」

私でもシャルルの全部は入っていません。
オーリエの言うとおり、まだシャルルの男性器が女性器に入っている感じがします。
まぁ、朝から“せっくす”をしてもらいましたからね…。



「シャルル様、私も先にシャルルと呼ばせていただいても良いでしょうか?」

「なんだか私だけ仲間外れみたいなんですもの…。シャルル様も私の事はシェリーと呼び捨てでお願いします!」

「お…お母様…」

「えっ、良いけれど…。今晩はシェリー様…、シェリーとするわけだし…」

「ありがとうございます、シャルルさ…、シャルル…」

グレイスがパートナーになった時点でこうなることは分かってはいたけれど…。



XX XY



朝食後、僕はオーリエ、ユナ、エリシアを連れ、差し入れの“シャルル巻き”を持って魔道具製作所に向かいました。

え~っと、いつから来ていなかったんだっけ…。
サマンサ様から少し前に各領都にも販売が開始されたとは聞いているけれど…。
そうだ、お給金の話もしていなかったんじゃ…。

もし初回以降お給金が行き渡っていなかったら…、少し焦りながら魔道具製作所の建物の中に入ります。

僕の運転する魔動力車が中庭に着くと、それに気付いた皆が集まってきました。

「シャ…シャルル様…?」

「うそ…、シャルル様ですか?」

「ローリー、タニア久しぶりだね。ちょっと見た目が変わって驚いたと思うけれど僕だよ」
「説明をしたいから皆に中庭に集まってもらえるかな?」

「はい…、もう皆気付いていると思いますからすぐに集まると思います」

僕が中庭にある壇上に立つ頃には目の前にローリー達全員が整列していました。
壇の下にはエリシア、オーリエ、ユナが控えています。

「「「「シャルル様~!」」」」

「ミルキー、セレス、ユッカ、ウテナも元気そうで良かったよ」

「他の皆も驚いたかもしれないけれど、僕が少し前に“男”になった時に見た目が今のように変わったんだ…」
「身長も大きくなったし、髪や瞳の色が黒色になったから異様に思うかもしれないけれどちょっと割り切って理解してくれると嬉しいかな…」

「そんな…、シャルル様はシャルル様ですよ」

「そうです、どんなに変わられても気にしませんよ」

「ありがとう、セレス、ウテナ…」

「サマンサ様から聞いているよ、皆が頑張ってくれて各領都での販売も始まっているってね」
「それでミルキー、お給金だけどどうしてた? 心配していたんだよ」

「えっ…、最初に頂いた後は…」

「やっぱり…、みんな本当にごめんね。これからこの間のように応接室で1チームごとにお給金を渡すから…」
「これからは僕が来れなくてもミルキー達6人が利益や経費などを管理して毎月お給金を配るようにして欲しいんだ」

「「「はいっ」」」
「「わ…分かりました」」
「お任せください!」



XX XY



無事に皆にお給金と差し入れの“シャルル巻き”を渡し終え、サマンサ様のお屋敷に戻ってくるとオーリエ達は着替えるために一度部屋に戻っていきます。

ふぅ~、外出しているとなかなか一人にはなれないなぁ。
一人でリビングに向かうと長椅子にゆっくり腰を下ろします。

《残念ながらマスターに一人の時はありませんよ》
《本当です。私達がいるんですから…》

《そうだったね》

誰にも見えていないと思いますが、通常サイズになったアイとマオが僕の左右の膝の上に腰を掛けて話しかけてきています。

《そうだ、マオ、今の内に属性石を産み出す事について教えてくれないかな?》

《そうですね。時間は掛かりますが特に難しいことではありません。属性石の原料はマスターの精液なのです》

《えっ、なんだか僕の精液は万能過ぎるよね…。それで…?》

《はい、属性石を生み出す事が出来るのはおよそ一月に一度で数は3~5個程度、マスターの精液を日々少しずつ蓄積していくことで造られていきます》

《私もマオと同じですね》
《もちろん子宮の方にいただかないといけませんし、精液の蓄積量が少ないと産みだせません》

《そ…それは確かに時間が掛かるね…》

《アイは急がなくてもマオの属性石が無いことには魔法が利用できないし、蓄積してもらっていかないとなぁ…》

《分かりました。次にセックスをした時から蓄積を始めます》

《うん、マオ頼むね》
《アイも急がないけれど少しずつ頼むよ。将来のことを考えて準備しておこう…》

《分かりました…》



「シャルル様…」

僕がマオ達と話していたらグリシャお姉さんが声をかけてきました。その後ろにはサンディお姉さんとローザお姉さんもいます。

「どうしたの三人とも…」

「少しお話があるのですが、よろしいでしょうか…」

神妙な面持ちでグリシャお姉さんが話を切り出してきました。

「何かな?」

「は…はい…、シャルル様…、以前はつい我慢出来ずにお願いしてしまいましたが、もう一度真剣に考えて“シャルル様の奇跡”を体験させていただきたいとお願いに来ました」

(そうだった…)

以前はサマンサが間に入って保留になっていたんだよね。

「シャルル様が“男”になられたらもう一度お願いしようと思っていたのです」

結局オーリエ様に“シャルル様の為に生きる覚悟”についてたずねる機会は無いままにこうしてシャルル様が“男”になられてしまいました。

以前シエラさんに相談してみた時に言われた言葉は私を悩ませました。
“かけがえのない男性はどういうものか”…。
“自分より大切な男性にはどうしてあげたいか”…。

先日、アデル様がシェリー様に“シャルル様の為に生きる覚悟”についてたずねられた時は私もドキッとしました。

“誰よりも…、自分よりもシャルル様が大切だと思えること”だとシェリー様もおっしゃっていました。
私がシャルル様にしてあげられることは少ないかもしれませんが、私もシャルル様の為に生きていきたいのです。

「ダメでしょうか…」
「「シャルル様~」」

「そうだね…。良いよ…、分かったよ」

特にサンディお姉さんとローザお姉さんはオーリエと一緒にエルスタイン領に来た時からの縁だからね。

「今晩は無理だけど明日から二人ずつね」
「だからグリシャお姉さんはソニアお姉さんと一緒にしてあげるよ」

ソニアお姉さんもルージュ領都へ来るようになってからお世話になっているし…。

「「「あ…ありがとうございます!」」」

「サマンサに報告だけはしておいてね」

「「「はい…」」」
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