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第363話 食べ歩き
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「シャルル様、私が運転しなくて良いのですか?」
「いいよ、クリス…。僕が運転したいんだよ。身体が大きくなってこれで自由に魔動力車を運転できるからね」
身体さえ大きくなれば魔動力車の運転は簡単なものです。
まだ雨期が終わったという訳ではありませんが、それでも久しぶりに屋敷から出られて気分が良いです。
この間12歳になったばかりなのに、なんだかずいぶん前のように感じるよ…。
「それでどこへ向かわれるのですか?」
「今日はねアシュリとフラネルもいるし、カプランド領都とバルゼ領都、ケープノット領都にも行ってみようかな」
「え~っ、そんなに…!?」
「“転移の祠”を使うからすぐだよ。それより他領の“転移の祠”に着いたら上手く挨拶して通してもらってね」
「わ、分かりました」
瞳が黒いのはジッと見ない限り気付かれにくいと思いますが、髪は目立つので前世の記憶にある海賊の手下のように一応布地を巻いて隠しています。
領民の中にも同じように布地を頭に被っている人もいるみたいですが、仕事をするための頭巾のようです。
いつかクーシアに帽子を作ってもらおうかな…。
止められることも無くスムーズにカプランド領都の“転移の祠”を出ることが出来ました。
カプランド領都はさっきまで雨が降っていたみたいですが、今は雲の切れ間から日差しが降り注いでいて良い天気です。
僕達は魔動力車を街の中心付近に止めると皆で少し歩いてみます。
「カプランド領都に来たのも4年ぶりだよ…。あまり変わっていないなぁ~」
でも僕の視点が変わったので新鮮な気分です。
「クリス達は来たことがあるの?」
「私は一度だけ…、あの商人と一緒に…」
「そうなんだ…」
クリスは思い出したくもないと言うような顔をしています。
「私達は初めてですね。シャルル様にお会いしに行く為にエルスタイン領に行くまではバルゼ領から出たことがありませんでしたから…」
アシュリがそう答えている間にも、フラネルは物珍しそうにあたりをキョロキョロと眺めています。
本当は領都から違う都市にも行ってみたいけれど、屋敷に戻らないといけないだろうしなぁ。
そう言えば今年の領主会議はカプランド領都で行われるんだったよね。
僕が“男”になった報告をすると騒ぎになりそうで心配です。
「フラネル、柔らかクリームでも食べる? カプランド領の柔らかクリームはエルスタイン領の物より美味しいよ」
ようするにソフトクリームです。
記憶が戻ってから思いましたが、食べ物の名前は微妙に違いますが前の世界で食べられていた物がこちらでも見られます。
この世界の食文化は進んでいませんが、食材については僕がまだ知らないだけで豊富なのかもしれません。
「そうなのですか? ぜひ食べてみたいです」
「それに向こうに見える“天使も食べたコロケ”という看板が気になって…」
「あっ…、あのお店かぁ。まだあの看板を使っているんだ…」
「シャルル様、ご存知なのですか?」
「うん、4年前に来た時にあのお店に皆で行ったことがあるんだよ。“コロケ”というカプランド領都の名物なんだよ」
ようするにコロッケです。
「それも食べてみたいです~」
「そうだね…。じゃああれは後で食べようか」
あの母娘も元気かな…。
大きくなって見た目が変わった僕のことには気付かないだろうなぁ…。
「「「はい!」」」
柔らかクリームを食べながら街を歩いていると、『シャルル魔道具販売所』もありました。
残念ながら“シャルルの風”は在庫が無く、販売所は閉まっています。
常に開いているようになるのはまだまだ先のようです。
昨夜ルーシャとセックスしたことによって、僕は水属性と風属性の魔法が使えるようになりました。
使えるようになって思いついたのがジェットバス、いわゆるジャグジーです。
水流と気泡を同時に噴出できるようにして新しい僕の部屋の浴槽に付けたいと考えています。
きっとキルシッカでも気泡はイメージ出来なかったことでしょう。
完成したら岩風呂にも付けてみたいところです。
「シャルル様、何か街の者達がこちらを見ているように思います」
「シャルル様のように格好良くてたくましい男性はいませんからね…」
「あっ、やっぱり目立ったかなぁ」
僕としては紫色の髪のアシュリ、薄褐色の肌のフラネル、地味に綺麗なクリス、この3人が脚を露わにしたミニのメイド服を着て歩いているのも原因だと思いたいです。
「私はシャルル様のお傍にいられて光栄ですよ」
私はそう言いながら出来るだけシャルル様に近寄って歩きます。
こんなに素敵な男性の側に私のような薄褐色の肌の女性がいるのが驚きなのか、街ですれ違う女性達が私を羨むような目で見ていくのです。
「では、そろそろ先ほどフラネルが言っていた“コロケ”のお店に行きましょうか?」
「そうだね、クリス…」
「そうそうみんな、お店の中では僕の名前を言っちゃダメだよ…」
「「「はい…?」」」
店先に来ると懐かしい匂いがしてきます。
まだお昼前なのでお店に人は並んでいませんでした。
僕たちは徐に店内に入ると空いていた奥の席に向かいます。
「えっ!? い…いらっしゃいませ~」
席に着くと、駆け寄ってきた女の子に各自お肉コロケと野菜コロケが一つずつになるように注文を済ませました。
4年でかなり大きくなった女の子は、今ではしっかりお手伝いをしているようです。
「お待たせいたしました~」
しばらくすると8個の茶色い塊がのったお皿がテーブルに置かれました。
「「「これが“コロケ”ですかぁ~」」」
「皆、こっちの色の濃い方がお肉コロケ、薄い方が野菜コロケだよ。調味料は甘い目と辛い目があるから好きな方をかけて食べてね」
「とっても熱いから気を付けるんだよ」
僕はそう説明した後、お肉コロケを取り皿に入れ、前と同じように辛い目の調味料をかけてから食べていきます。
「フーフー、ハフハフ…」
パク…。
「うん、やっぱり美味しいなぁ」
この世界の食べ物はそれぞれ美味しいのですが食べ合わせる考えがないようです。
今まで気にしたこともありませんでしたが普通にパンみたいな物もあるし、コロッケパンにしたら美味しいと思うのになぁ~。
これから食べ方を考えていくのも楽しみの一つです。
「「「美味しい~!」」」
クリス達も僕の真似をしながら“コロケ”を口にしています。
「失礼ですが…」
「な…なにか…?」
僕が食べ合わせの考えを巡らせているとあの女の子が側まで近寄ってきていました。
「あなたはもしかしてシャルル様ではありませんか…?」
「えっ!?」
「……、や…やっぱり気付いた?」
まぁ、大きく成長したからと言っても顔を整形したわけではないからね。
「お母さ~ん! やっぱりそうだったよ~!」
僕の返事を聞くと、大きな声を出しながら足早に厨房に戻っていきました。
「「「シャ…ルル様…」」」
「バレちゃったね…」
「もう僕の名前を言っても良いよ」
「シャ、シャルル様、お久しぶりです…」
「シャ…ルル…様、会いたかったですぅ~」
すぐに厨房から母娘が駆け寄ってくると、女の子がそう言いながら僕に飛び付いてきました。
ま…まだ“女“になっていないよね?
ですが胸はすでにエリシアより大きいかもしれません。
かなりのボリュームが感じられました。
「良く分かったね。僕も“男”になってかなり大きくなったから分からないだろうと思っていたのに…」
「それに髪も瞳も黒色になっちゃったしさ…」
そう言いながら頭を覆っていた布を取り、改めて母娘の方を見つめます。
「あぁ~、本当だ~。とっても綺麗…」
「黒色の髪と瞳は初めて見ましたが、とっても素敵ですよ…」
「どうして分かったの?」
「シャルル様の雰囲気かな…? なんだかシャルル様ってとっても明るいの。お店に入って来られてすぐに分かったよ」
「なんでしょう、私も胸がドキドキっとしたのです…」
「お母さんったら…」
「そう…、僕も4年ぶりにカプランド領都へ来たんだ。君も大きくなったねぇ」
「私はケイトリンって言います」
「へぇ~、とってもかわいい名前だね」
「母親のリーナです」
「えっ、リーナさん!? エルスタイン領都の知り合いにもリーナさんがいるよ」
「特に変わった名前ではありませんから探せばけっこういると思いますね」
「だから娘にはちょっと長い名前を付けてみました…」
そ…そんな理由で…。
「シャルル様、あのドラという商人の新しい護衛も私と同じクリスと言う者でしたよ」
「へぇ~、そんなことってあるんだねぇ」
まぁ、この世界でいわゆる名字があるのは領主の家系か王族だけみたいだし、特に女性は多いから名前が被るのかもしれないな…。
「シャルル様、ようやく来て下さったのですからあれをお願いしますっ!」
「アレってもしかして“あ~ん”のこと…?」
「「「“あ~ん”?」」」
XX XY
「ナーナルン様、大変です!!」
「どうしたのフィル、そんなに慌てて…」
「なんだか街にとても目立つ4人が現れたそうなのです」
「それで…なに?」
「その内の1人は男性で、他の3人は変わったメイド服のような物を着ていたらしいのです」
その中には紫色の髪の女性と、薄褐色の肌色の女性もいたと聞きます。
それって昨年ルーシャ様のお屋敷で見かけたメイドの方じゃ…。
「変わったメイド服…?」
「ふ~ん、だから…?」
「ナーナルン様はお馬鹿なのですか? 男性が1人と変わったメイド服のような物を着ていた3人の女性ですよ」
「変わったメイド服と言えばルーシャ様のお屋敷のメイドさん達が着ておられたじゃないですか…」
「なんですって、それじゃあシャ…シャルルがバルゼ領都に来ていたってことなの?」
ここまで来ていたら私に会いに来てくれるはずよね…。
「そ、それが…、男性は子供ではなかったそうなのです」
「一番背の高い女性と同じくらいだったと…」
「じゃあ、シャルルじゃないわね…」
「もう、びっくりさせないでよ~」
「でも、その男性は誰もが二度見するほど格好良くてたくましい感じだったそうで、一時街に人だかりが出来たそうです」
「私の知る限り格好良くてたくましいと言えばシャルル様しか…」
「でもフィルはそれを知って、その者達を見つけられなかったのでしょう?」
「残念ながら…」
不覚です…。かなりの女性に目撃されているにも関わらず、私が見つけられないだなんて…。
ナーナルン様のおっしゃる通り、シャルル様が大人のように大きくなられていることは考えられませんが、そんなに格好良い男性なら私も一度見てみたかったです。
「もう…、フィルがそんなことを言うからシャルルに会いたくなってきたじゃない」
早く雨期が終わらないかしら、今日は曇っていて鬱陶しい天気ね…。
XX XY
“コロケ”のお店でケイトリンとリーナさんに“あ~ん”をねだられたせいで、クリス達にも“あ~ん”をすることになり、久しぶりに“あ~ん”で固まるのを見ました。
その後、バルゼ領都に行きましたが、天気があまり良くなかったので“りんこパフ”を食べたらすぐにこのケープノット領都に来たのです。
街を皆で歩いていると所々でメイドさんらしき女性がいるのが分かります。
エバーミット様の所のメイドさんなのかな…。
「シャルル様に“あ~ん”してもらったら“りんこパフ”もとっても美味しかったです」
「まさかあれほど味が変わるなんて…」
「フラネル、クリス、外では僕に“あ~ん”してもらったら味が美味しくなったって言ったらダメだよ」
「「わ…分かりました」」
「それにしてもバルゼ領都では女性達に囲まれてしまいましたね」
「アシュリが睨むと逃げて行ったけれどね」
今はとっても優しい顔をしていますが、紫色の髪に朱色の瞳は他の者からしたら怖がられるのかもしれません。
「それにクリスはともかくアシュリとフラネルは目立つからねぇ」
「シャルル様、どういう意味ですか~。ひどいです。どうせ私は地味で目立たない女性ですよ」
「フフ…、確かにクリスも容姿は良いのですが目立ちませんね」
「フラネルまでひどい…」
「良い事じゃない…。クリスは情報収集などをしていたんでしょ。目立ってどうするの…」
「それはそうですが…、なんだか納得できませんよ」
「まぁまぁ、それよりケープノット領都では“うな”を買って帰るよ」
食べ合わせを考えていて屋敷に“ここめ”があるのを思い出し、今晩はうな重にして食べてみようと思ったのです。
あ~、ご飯があれば何でも出来る!
「“うな”? ですか…」
「シャルル様と一緒にいると美味しい物が食べられて嬉しいです」
「フラネルも食べ過ぎるとトリスみたいにムッチリな身体になってしまうよ」
「フランさんやロッキさんも時々そう言ってからかっておられますが、若々しくて肌に張りがあって羨ましいですよ。私の肌には瑞々しさも張りもありませんから…」
「そんなことないよ…」
フラネルは昔のキルシッカのように肌が薄褐色のせいで自分に自身が無いようです。
まぁ、確かに今のトリス達と比べてしまうとそう思うのも分かるけれど…。
「さて、まずはここまで来たからマイヤお姉さんのところに寄っていくよ」
しばらく来ていなかったけれど“シャルルの渦”の販売の目処もたったのかな…。
ガチャ…。
「こんにちは~」
「は~い、何かご用ですか?」
「トイカお姉さん、マイヤお姉さんいるかな?」
「ど…どうして私の名前を…?」
「トイカお姉さん、僕だよ、シャルルだよ…」
「確かにあなたも格好良くてたくましくて、す…素敵ですがシャルル様な訳が…」
「どうしたの、トイカ…?」
「あっ、マイヤさん、こちらにシャルル様を名乗る方が…」
「えっ!? シャルル様…」
「こんにちは、マイヤお姉さん。ケープノット領都に来たついでに寄ってみたんだけれど…」
「この間“男”になったら見た目が変わっちゃったけれど僕だよ」
頭に巻いていた布地を取り改めてマイヤさんとトイカお姉さんを見ます。
「はい…、私には分かりますよ」
「“男”になられておめでとうございます。シャルル様、綺麗な黒色の髪と瞳ですね…」
確かに信じられない変貌ですが髪と瞳の色を除けば雰囲気は以前と全く変わっていません。
私をこんなに変えてくださったのですから、ご自身が変わられてもなんらおかしいこともありません。
「そんな…マイヤさん、黒色の髪と瞳、それにマイヤさんより背丈も大きくなられているのですよ」
「トイカさんでしたか…、信じられないのも無理はありませんがこの方は間違いなくシャルル様ですよ」
「そう…ですか…」
「クリスさん、アシュリさん、フラネルさんもお久しぶりです」
「もしかして3人でお供されているのですか?」
「はい、アシュリもフラネルもメイドの訓練を終え、今日はシャルル様に食べ歩きに連れてきていただいているのです」
「良いですねぇ、羨ましいですよ」
「そうです…、シャルル様。来ていただけるのを待っていたのです。実は…、“シャルルの風”の模倣品が出回っているそうなのです」
「なんだって!?」
「「「……」」」
「2日前にこの領都からバルゼ領の方向にある都市ユーグラ近郊の町で販売されていたことが知らされました」
「今はエバーミット様もユーグラの都市長のアネモネ様も模倣品を製作した魔道具製作所と販売者を捜索されているところです」
「どうやら王都の商人のドラと言う者が疑わしいそうです」
「えっ!? ドラさんが…」
「そうか…、僕も昨年クリスからそういう可能性があることは聞いていたよ」
「クリスはその商人の元護衛だったんだよ」
「そうだったのですか…」
「でも本当にあのクズがやったのなら許せないね。被害者も出ているなら…」
本当に僕の周りに迷惑をかけるヤツだなぁ。
確かムーランお姉さんにも迷惑をかけていたみたいだし…。
「ドラさんは利益の事しか考えていませんからね。初めは模倣品を作ったら“ドラの風”として売るつもりだったんですよ」
「ハハハ…、それじゃあ犯人が誰か言っているようなものじゃない…」
「それが分からないほど馬鹿なのですよ…」
こんなことになるなら忠告しなければ良かったです。
“ドラの風”として販売していたら捕まえるのも簡単で、シャルル様にご迷惑をおかけすることもなかったでしょうに…。
「それでシャルル様、どうされますか…?」
「そうだね、これからユーグラに向かってみるよ。僕とクリスはそのクズの顔を知っているからね」
日帰りのつもりでしたが、数日は屋敷に戻れなくなりそうです。
「いいよ、クリス…。僕が運転したいんだよ。身体が大きくなってこれで自由に魔動力車を運転できるからね」
身体さえ大きくなれば魔動力車の運転は簡単なものです。
まだ雨期が終わったという訳ではありませんが、それでも久しぶりに屋敷から出られて気分が良いです。
この間12歳になったばかりなのに、なんだかずいぶん前のように感じるよ…。
「それでどこへ向かわれるのですか?」
「今日はねアシュリとフラネルもいるし、カプランド領都とバルゼ領都、ケープノット領都にも行ってみようかな」
「え~っ、そんなに…!?」
「“転移の祠”を使うからすぐだよ。それより他領の“転移の祠”に着いたら上手く挨拶して通してもらってね」
「わ、分かりました」
瞳が黒いのはジッと見ない限り気付かれにくいと思いますが、髪は目立つので前世の記憶にある海賊の手下のように一応布地を巻いて隠しています。
領民の中にも同じように布地を頭に被っている人もいるみたいですが、仕事をするための頭巾のようです。
いつかクーシアに帽子を作ってもらおうかな…。
止められることも無くスムーズにカプランド領都の“転移の祠”を出ることが出来ました。
カプランド領都はさっきまで雨が降っていたみたいですが、今は雲の切れ間から日差しが降り注いでいて良い天気です。
僕達は魔動力車を街の中心付近に止めると皆で少し歩いてみます。
「カプランド領都に来たのも4年ぶりだよ…。あまり変わっていないなぁ~」
でも僕の視点が変わったので新鮮な気分です。
「クリス達は来たことがあるの?」
「私は一度だけ…、あの商人と一緒に…」
「そうなんだ…」
クリスは思い出したくもないと言うような顔をしています。
「私達は初めてですね。シャルル様にお会いしに行く為にエルスタイン領に行くまではバルゼ領から出たことがありませんでしたから…」
アシュリがそう答えている間にも、フラネルは物珍しそうにあたりをキョロキョロと眺めています。
本当は領都から違う都市にも行ってみたいけれど、屋敷に戻らないといけないだろうしなぁ。
そう言えば今年の領主会議はカプランド領都で行われるんだったよね。
僕が“男”になった報告をすると騒ぎになりそうで心配です。
「フラネル、柔らかクリームでも食べる? カプランド領の柔らかクリームはエルスタイン領の物より美味しいよ」
ようするにソフトクリームです。
記憶が戻ってから思いましたが、食べ物の名前は微妙に違いますが前の世界で食べられていた物がこちらでも見られます。
この世界の食文化は進んでいませんが、食材については僕がまだ知らないだけで豊富なのかもしれません。
「そうなのですか? ぜひ食べてみたいです」
「それに向こうに見える“天使も食べたコロケ”という看板が気になって…」
「あっ…、あのお店かぁ。まだあの看板を使っているんだ…」
「シャルル様、ご存知なのですか?」
「うん、4年前に来た時にあのお店に皆で行ったことがあるんだよ。“コロケ”というカプランド領都の名物なんだよ」
ようするにコロッケです。
「それも食べてみたいです~」
「そうだね…。じゃああれは後で食べようか」
あの母娘も元気かな…。
大きくなって見た目が変わった僕のことには気付かないだろうなぁ…。
「「「はい!」」」
柔らかクリームを食べながら街を歩いていると、『シャルル魔道具販売所』もありました。
残念ながら“シャルルの風”は在庫が無く、販売所は閉まっています。
常に開いているようになるのはまだまだ先のようです。
昨夜ルーシャとセックスしたことによって、僕は水属性と風属性の魔法が使えるようになりました。
使えるようになって思いついたのがジェットバス、いわゆるジャグジーです。
水流と気泡を同時に噴出できるようにして新しい僕の部屋の浴槽に付けたいと考えています。
きっとキルシッカでも気泡はイメージ出来なかったことでしょう。
完成したら岩風呂にも付けてみたいところです。
「シャルル様、何か街の者達がこちらを見ているように思います」
「シャルル様のように格好良くてたくましい男性はいませんからね…」
「あっ、やっぱり目立ったかなぁ」
僕としては紫色の髪のアシュリ、薄褐色の肌のフラネル、地味に綺麗なクリス、この3人が脚を露わにしたミニのメイド服を着て歩いているのも原因だと思いたいです。
「私はシャルル様のお傍にいられて光栄ですよ」
私はそう言いながら出来るだけシャルル様に近寄って歩きます。
こんなに素敵な男性の側に私のような薄褐色の肌の女性がいるのが驚きなのか、街ですれ違う女性達が私を羨むような目で見ていくのです。
「では、そろそろ先ほどフラネルが言っていた“コロケ”のお店に行きましょうか?」
「そうだね、クリス…」
「そうそうみんな、お店の中では僕の名前を言っちゃダメだよ…」
「「「はい…?」」」
店先に来ると懐かしい匂いがしてきます。
まだお昼前なのでお店に人は並んでいませんでした。
僕たちは徐に店内に入ると空いていた奥の席に向かいます。
「えっ!? い…いらっしゃいませ~」
席に着くと、駆け寄ってきた女の子に各自お肉コロケと野菜コロケが一つずつになるように注文を済ませました。
4年でかなり大きくなった女の子は、今ではしっかりお手伝いをしているようです。
「お待たせいたしました~」
しばらくすると8個の茶色い塊がのったお皿がテーブルに置かれました。
「「「これが“コロケ”ですかぁ~」」」
「皆、こっちの色の濃い方がお肉コロケ、薄い方が野菜コロケだよ。調味料は甘い目と辛い目があるから好きな方をかけて食べてね」
「とっても熱いから気を付けるんだよ」
僕はそう説明した後、お肉コロケを取り皿に入れ、前と同じように辛い目の調味料をかけてから食べていきます。
「フーフー、ハフハフ…」
パク…。
「うん、やっぱり美味しいなぁ」
この世界の食べ物はそれぞれ美味しいのですが食べ合わせる考えがないようです。
今まで気にしたこともありませんでしたが普通にパンみたいな物もあるし、コロッケパンにしたら美味しいと思うのになぁ~。
これから食べ方を考えていくのも楽しみの一つです。
「「「美味しい~!」」」
クリス達も僕の真似をしながら“コロケ”を口にしています。
「失礼ですが…」
「な…なにか…?」
僕が食べ合わせの考えを巡らせているとあの女の子が側まで近寄ってきていました。
「あなたはもしかしてシャルル様ではありませんか…?」
「えっ!?」
「……、や…やっぱり気付いた?」
まぁ、大きく成長したからと言っても顔を整形したわけではないからね。
「お母さ~ん! やっぱりそうだったよ~!」
僕の返事を聞くと、大きな声を出しながら足早に厨房に戻っていきました。
「「「シャ…ルル様…」」」
「バレちゃったね…」
「もう僕の名前を言っても良いよ」
「シャ、シャルル様、お久しぶりです…」
「シャ…ルル…様、会いたかったですぅ~」
すぐに厨房から母娘が駆け寄ってくると、女の子がそう言いながら僕に飛び付いてきました。
ま…まだ“女“になっていないよね?
ですが胸はすでにエリシアより大きいかもしれません。
かなりのボリュームが感じられました。
「良く分かったね。僕も“男”になってかなり大きくなったから分からないだろうと思っていたのに…」
「それに髪も瞳も黒色になっちゃったしさ…」
そう言いながら頭を覆っていた布を取り、改めて母娘の方を見つめます。
「あぁ~、本当だ~。とっても綺麗…」
「黒色の髪と瞳は初めて見ましたが、とっても素敵ですよ…」
「どうして分かったの?」
「シャルル様の雰囲気かな…? なんだかシャルル様ってとっても明るいの。お店に入って来られてすぐに分かったよ」
「なんでしょう、私も胸がドキドキっとしたのです…」
「お母さんったら…」
「そう…、僕も4年ぶりにカプランド領都へ来たんだ。君も大きくなったねぇ」
「私はケイトリンって言います」
「へぇ~、とってもかわいい名前だね」
「母親のリーナです」
「えっ、リーナさん!? エルスタイン領都の知り合いにもリーナさんがいるよ」
「特に変わった名前ではありませんから探せばけっこういると思いますね」
「だから娘にはちょっと長い名前を付けてみました…」
そ…そんな理由で…。
「シャルル様、あのドラという商人の新しい護衛も私と同じクリスと言う者でしたよ」
「へぇ~、そんなことってあるんだねぇ」
まぁ、この世界でいわゆる名字があるのは領主の家系か王族だけみたいだし、特に女性は多いから名前が被るのかもしれないな…。
「シャルル様、ようやく来て下さったのですからあれをお願いしますっ!」
「アレってもしかして“あ~ん”のこと…?」
「「「“あ~ん”?」」」
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「ナーナルン様、大変です!!」
「どうしたのフィル、そんなに慌てて…」
「なんだか街にとても目立つ4人が現れたそうなのです」
「それで…なに?」
「その内の1人は男性で、他の3人は変わったメイド服のような物を着ていたらしいのです」
その中には紫色の髪の女性と、薄褐色の肌色の女性もいたと聞きます。
それって昨年ルーシャ様のお屋敷で見かけたメイドの方じゃ…。
「変わったメイド服…?」
「ふ~ん、だから…?」
「ナーナルン様はお馬鹿なのですか? 男性が1人と変わったメイド服のような物を着ていた3人の女性ですよ」
「変わったメイド服と言えばルーシャ様のお屋敷のメイドさん達が着ておられたじゃないですか…」
「なんですって、それじゃあシャ…シャルルがバルゼ領都に来ていたってことなの?」
ここまで来ていたら私に会いに来てくれるはずよね…。
「そ、それが…、男性は子供ではなかったそうなのです」
「一番背の高い女性と同じくらいだったと…」
「じゃあ、シャルルじゃないわね…」
「もう、びっくりさせないでよ~」
「でも、その男性は誰もが二度見するほど格好良くてたくましい感じだったそうで、一時街に人だかりが出来たそうです」
「私の知る限り格好良くてたくましいと言えばシャルル様しか…」
「でもフィルはそれを知って、その者達を見つけられなかったのでしょう?」
「残念ながら…」
不覚です…。かなりの女性に目撃されているにも関わらず、私が見つけられないだなんて…。
ナーナルン様のおっしゃる通り、シャルル様が大人のように大きくなられていることは考えられませんが、そんなに格好良い男性なら私も一度見てみたかったです。
「もう…、フィルがそんなことを言うからシャルルに会いたくなってきたじゃない」
早く雨期が終わらないかしら、今日は曇っていて鬱陶しい天気ね…。
XX XY
“コロケ”のお店でケイトリンとリーナさんに“あ~ん”をねだられたせいで、クリス達にも“あ~ん”をすることになり、久しぶりに“あ~ん”で固まるのを見ました。
その後、バルゼ領都に行きましたが、天気があまり良くなかったので“りんこパフ”を食べたらすぐにこのケープノット領都に来たのです。
街を皆で歩いていると所々でメイドさんらしき女性がいるのが分かります。
エバーミット様の所のメイドさんなのかな…。
「シャルル様に“あ~ん”してもらったら“りんこパフ”もとっても美味しかったです」
「まさかあれほど味が変わるなんて…」
「フラネル、クリス、外では僕に“あ~ん”してもらったら味が美味しくなったって言ったらダメだよ」
「「わ…分かりました」」
「それにしてもバルゼ領都では女性達に囲まれてしまいましたね」
「アシュリが睨むと逃げて行ったけれどね」
今はとっても優しい顔をしていますが、紫色の髪に朱色の瞳は他の者からしたら怖がられるのかもしれません。
「それにクリスはともかくアシュリとフラネルは目立つからねぇ」
「シャルル様、どういう意味ですか~。ひどいです。どうせ私は地味で目立たない女性ですよ」
「フフ…、確かにクリスも容姿は良いのですが目立ちませんね」
「フラネルまでひどい…」
「良い事じゃない…。クリスは情報収集などをしていたんでしょ。目立ってどうするの…」
「それはそうですが…、なんだか納得できませんよ」
「まぁまぁ、それよりケープノット領都では“うな”を買って帰るよ」
食べ合わせを考えていて屋敷に“ここめ”があるのを思い出し、今晩はうな重にして食べてみようと思ったのです。
あ~、ご飯があれば何でも出来る!
「“うな”? ですか…」
「シャルル様と一緒にいると美味しい物が食べられて嬉しいです」
「フラネルも食べ過ぎるとトリスみたいにムッチリな身体になってしまうよ」
「フランさんやロッキさんも時々そう言ってからかっておられますが、若々しくて肌に張りがあって羨ましいですよ。私の肌には瑞々しさも張りもありませんから…」
「そんなことないよ…」
フラネルは昔のキルシッカのように肌が薄褐色のせいで自分に自身が無いようです。
まぁ、確かに今のトリス達と比べてしまうとそう思うのも分かるけれど…。
「さて、まずはここまで来たからマイヤお姉さんのところに寄っていくよ」
しばらく来ていなかったけれど“シャルルの渦”の販売の目処もたったのかな…。
ガチャ…。
「こんにちは~」
「は~い、何かご用ですか?」
「トイカお姉さん、マイヤお姉さんいるかな?」
「ど…どうして私の名前を…?」
「トイカお姉さん、僕だよ、シャルルだよ…」
「確かにあなたも格好良くてたくましくて、す…素敵ですがシャルル様な訳が…」
「どうしたの、トイカ…?」
「あっ、マイヤさん、こちらにシャルル様を名乗る方が…」
「えっ!? シャルル様…」
「こんにちは、マイヤお姉さん。ケープノット領都に来たついでに寄ってみたんだけれど…」
「この間“男”になったら見た目が変わっちゃったけれど僕だよ」
頭に巻いていた布地を取り改めてマイヤさんとトイカお姉さんを見ます。
「はい…、私には分かりますよ」
「“男”になられておめでとうございます。シャルル様、綺麗な黒色の髪と瞳ですね…」
確かに信じられない変貌ですが髪と瞳の色を除けば雰囲気は以前と全く変わっていません。
私をこんなに変えてくださったのですから、ご自身が変わられてもなんらおかしいこともありません。
「そんな…マイヤさん、黒色の髪と瞳、それにマイヤさんより背丈も大きくなられているのですよ」
「トイカさんでしたか…、信じられないのも無理はありませんがこの方は間違いなくシャルル様ですよ」
「そう…ですか…」
「クリスさん、アシュリさん、フラネルさんもお久しぶりです」
「もしかして3人でお供されているのですか?」
「はい、アシュリもフラネルもメイドの訓練を終え、今日はシャルル様に食べ歩きに連れてきていただいているのです」
「良いですねぇ、羨ましいですよ」
「そうです…、シャルル様。来ていただけるのを待っていたのです。実は…、“シャルルの風”の模倣品が出回っているそうなのです」
「なんだって!?」
「「「……」」」
「2日前にこの領都からバルゼ領の方向にある都市ユーグラ近郊の町で販売されていたことが知らされました」
「今はエバーミット様もユーグラの都市長のアネモネ様も模倣品を製作した魔道具製作所と販売者を捜索されているところです」
「どうやら王都の商人のドラと言う者が疑わしいそうです」
「えっ!? ドラさんが…」
「そうか…、僕も昨年クリスからそういう可能性があることは聞いていたよ」
「クリスはその商人の元護衛だったんだよ」
「そうだったのですか…」
「でも本当にあのクズがやったのなら許せないね。被害者も出ているなら…」
本当に僕の周りに迷惑をかけるヤツだなぁ。
確かムーランお姉さんにも迷惑をかけていたみたいだし…。
「ドラさんは利益の事しか考えていませんからね。初めは模倣品を作ったら“ドラの風”として売るつもりだったんですよ」
「ハハハ…、それじゃあ犯人が誰か言っているようなものじゃない…」
「それが分からないほど馬鹿なのですよ…」
こんなことになるなら忠告しなければ良かったです。
“ドラの風”として販売していたら捕まえるのも簡単で、シャルル様にご迷惑をおかけすることもなかったでしょうに…。
「それでシャルル様、どうされますか…?」
「そうだね、これからユーグラに向かってみるよ。僕とクリスはそのクズの顔を知っているからね」
日帰りのつもりでしたが、数日は屋敷に戻れなくなりそうです。
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