DNAの改修者

kujibiki

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第351話 シャルル様の服

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ルーシャ様の執務室からエリシアさん達や皆が出て行った後、ルーシャ様とシャルル様もラルク様のお部屋へ向かわれました。

「シエラ先輩、お願いがあるのですが…」

シエラ先輩と二人きりになれたので、早速シエラ先輩にシャルル様の着ている服について聞いてみます。

「どうしたのトリス、あなたはシャルル様にクーシアさんを屋敷に呼んでくるように言われたのでしょ…」

「はい、これから行ってきますよ」

「それで…、お願いなんですが、シャルル様が今着ておられる服を譲ってもらえないかと思いまして…」

結局、適当な理由も思いつかず素直に頼んでみることにしました。

「えっ!?」
「ダメですよ、あれは私のお気に入りの服なんです。それにトリスには大きいじゃないですか…」

「大きくても大丈夫です。着心地が良さそうだなぁって思って…」

「それならトリスも今からクーシアさんの所へ行くなら買ってくれば良いじゃないですか。色違いならあるかもしれませんよ」

あっ、そうだわ、シャルル様の髪と瞳の色に合わせて黒色がないかクーシアさんが屋敷に来たら聞いてみましょう。

「そ、それは…、新しい物よりあれが欲しいのですよ。私がシエラ先輩の物を新しく買いますから譲ってもらえませんかぁ~?」

「ダメですよ~」

「そこをなんとか…」
「ま、まさか、シエラ先輩もシャルル様の着ていた服を裸の上に着て匂いを楽しもうなんて……、ハッ…」

「なっ…何を言っているのトリス! そんなことおも…って…ない…」

ハッ!
盲点でした。
そんな素敵なことに気付かなかったなんて…。
シャルル様の匂いに包まれるなんて最高じゃないですか。

「ありがとう、トリス。大切に使わせていただきます!」

「あぁ~、しまったぁ~!」

う、迂闊でした! つい、自分の楽しみ方を口にしてしまいました。
シエラ先輩もその価値に気付いてしまったようです。

「それよりも、トリス!」

「は、はい…」

「シャルル様は私と同じくらいに大きくなられたのよ…、分かる?」

「そ…それがなにか…?」
ハッ!
まさかっ…。

「これからはシャルル様が衣服を買い換えられる場合は私にも相談するように!」

「うぅ…」

つい欲張ってしまってシエラ先輩にも気付かれてしまいました。
こんなことをお願いしなければ独り占め出来たかもしれなかったのに私の馬鹿…。

「そういえばトリス、シャルル様が着ておられたパジャマはどうしたの?」

「いっ…!? そ、それは…」

パ…パジャマだけは取られるわけにはいきません。
精通の跡があるパジャマは私の宝物になったのです…。

「トリス…?」

「そ、そろそろクーシアさんの所に行かないと…」

私はそう言いながら急いでシエラ先輩から離れてクーシアさんの所へ向かうのでした。



XX XY



ガランゴロン…。

「いらっしゃいませ~。あっ、トリスさん…」

「クーシアさんお久しぶりです。クーシアさんも12歳になられたのですよね?」

「はいっ、それに今日“女”にもなったのですよ!」

「え~っ! それはおめでとうございます。実はシャルル様も今朝“男”になられたのですよ」
「誕生日も“男”“女”になる日も同じだなんてなんだか運命的ですね」

「本当ですか!? トリスさんにそう言ってもらえるととっても嬉しいですよ」

「それなら、とうとう屋敷に来るのですよね?」

「はい、そのつもりです。まずは近日中にルーシャ様にご挨拶に伺う予定です」
「それでトリスさん、今日はどうされたのですか?」

「そうでした。実は急いでシャルル様の服を作っていただきたいのです」
「シャルル様にお会いすれば分かると思いますが、ちょっと外出できなくて屋敷に採寸に来ていただきたいのです」

「も、もちろんかまいませんがシャルル様が外出出来ないって…」

「あぁ…、心配されるようなことはありませんよ。ただ外出する服が無いのです」

それに髪と瞳が黒色に変わられたので街に出ると驚かれそうですからね。

「服が無い…のですか? わ…分かりました。とりあえずすぐに準備しますね」



トリスさんに言われすぐに採寸道具の準備をすると、トリスさんと一緒にルーシャ様のお屋敷に向かいます。

これまで何度かお屋敷まで来たことはありますが中に入ったことはありません。
もうすぐここに住み、シャルル様にお仕え出来る夢が叶うと思うと気持ちがはやります。

「クーシアさん、これからシャルル様のお部屋に案内しますね」

「私がシャルル様のお部屋に入っても良いのですか?」

「もちろん、シャルル様の採寸ですからね」

クーシアさんもきっと驚かれるでしょうね。
それにしてもシャルル様の身体をじっくり見られるのは羨ましいです。
誰が最初にシャルル様と一緒にお風呂に入ることになるのでしょうか…。
やっぱりルーシャ様かなぁ。



コンコン、コン。

「シャルル様、クーシアさんをお連れしました」

「は~い、入って良いよ~」

ガチャ…。
「シャ、シャルル様…!?」
「……」

「あれ? トリス、クーシアが…」

クーシアが僕を見たとたん動かなくなってしまいました。

「固まってしまわれましたね。やはり衝撃的だったのでしょうか」

ハッ…。
「シャルル様…ですよね?」

「うん、そうだよ。ちょっと見た目が変わっちゃったけれどね」

「ちょっとって…、そんな…」

シャルル様が側まで来られて部屋に迎い入れてもらうと、見上げるほど大きくなられていました。

「シャルル様、黒い髪と瞳が素敵です…」

髪は艶々として黒色なのに光をキラキラと反射させていて、瞳を見るとなんだか吸い込まれそうな気分になります。
顔付もこんなに凛々しくなられて…、でも優しい目元は変わっていません。



長椅子に座らせていただくと、トリスさんがお茶の用意をしてくださっている間にシャルル様の部屋をゆっくりと見渡します。
長椅子にベッド、机に椅子などがあって私にとってはとても大きな部屋ですが、想像していたより物は多くありません。
目を引くのは部屋の出入口近くに置いてある透明で綺麗な二つの丸い石ぐらいです。

あぁ~、それにしてもこの部屋はなんて良い匂いがするのかしら、ずっと嗅いでいたくなります。

「トリスに聞いたと思うけれど、今朝“男”になったら身体もこんなに大きくなっちゃってね。着られる服が全く無いんだよねぇ」
「今はシエラの服を借りているんだよ」

「そうでしたか…、ようやく理解しましたよ」

急に大きくなるだなんてありえるのかしら…。
トリスさんは意外に落ち着いておられますよね…。

「シャルル様、クーシアさんも今日“女”になられたそうですよ…」

トリスさんがお茶を私達の前に置かれる時そう言われます。

「そうなの? すごいよ! こんな偶然があるんだね~」
「じゃあ、クーシアも“女”になったから屋敷にくるんでしょ?」

「はいっ、ルーシャ様にご挨拶してからと思っています」

「後で僕がお母さんのところへ案内するよ。そうかぁ、クーシアに服を頼みやすくなって嬉しいよ」

「では、早速採寸をしましょうか?」

「そうだね。じゃあトリスは少し部屋から出ていてくれるかな」

「えぇ~っ! 側で見ていようと思っていたのですが…」

「何でだよ…。それより僕が採寸してもらっている間に、クーシアに持って帰ってもらう“あかべりーシャルル”をフランに頼んできてくれるかな」

「はぁ~い…」

トリスはそう返事をしながら渋々部屋から出ていきました。



シャルル様が上着を脱ぎ上半身裸になられると、ただ背丈が大きくなっただけではなく、胸やお腹、腕や背中まで至る所が筋肉でモコモコっとなっているのが分かりました。

「シャルル様、本当にたくましくて立派な体躯ですね」

採寸をしながら身体に触れていると思わず見蕩れてしまいます。

「ありがとう」
「ほら、クーシアだってこんなに軽々だよ」

僕は側にいたクーシアを“シャルル抱き”してみました。
これまでもお姉ちゃん達を重いと思ったことはありませんが、身体が大きくなったせいか抱きかかえる姿勢がとても楽になりました。
今なら片腕でも余裕で抱き上げられそうです。

「キャッ」
「シャ…ルル様…」

上半身裸のシャルル様に抱きかかえられるだなんて…。
胸と腕の筋肉が本当にすごいわ。
硬い感触だけれどとっても安心します。
抱きかかえられるとシャルル様の顔がすぐ側に近づいてなんだか胸がドキドキしてきます。
あぁ~、シャルル様からとっても良い匂いが…、部屋に充満している匂いはシャルル様の匂いだったのね。



背丈などの採寸はすぐに終わりました。
しかし、問題は下着などの穿く物です。

「クーシア…、下着なんだけれど、今から説明するように作ってくれるかな?」

「はい、もちろん」

僕は股間部分が立体的になっているいわゆるボクサーパンツの絵を描き、クーシアに説明します。

「シャルル様、絵がとても上手なんですね。とても分かり易いです」
「股間部分が少し変わっていますけれど…」

「こういう風に立体的に作ると身体の形に合って着心地が良くなることもあるんだよ。これを伸縮性のある生地で作ってもらいたいんだ」

「なるほど立体的にですか…、シャルル様すごいです」
「でも、どうして股間部分をこんなに大きめに作るのですか?」

やっぱり気になるよね…。

「実はね、僕の男性器は普通の男性と違って大きいんだよ」

そう言うとクーシアが僕の股間部分を見つめてきます。

「クーシアは男性器を見たことがあるの?」

「そんな、ありませんよ…。どういう風になっているのかも知らないです…」

「普通はそうだよね。じゃあ、クーシアには見ておいてもらおうかな。これから僕の服を作ってもらわないといけないし…」

「え~っ、シャルル様の男性器をですか~!?」

「ごめん、見たくなかった?」

「そ、そういうわけでは…、いきなりでちょっと驚いただけです」
「シャルル様には着心地の良い服を着ていただきたいので、み…見せていただきます」

「じゃあ、脱ぐよ…」

僕はそう言いながらシエラから借りているスウェットのような服の下も脱ぎ、男性器をクーシアに晒します。
当然ながら今日は下着を穿いていません。
元の世界ならただの変態だよね…。

「こ…これが男性器ですか…」

なんだか大きい袋の上に長くて太い肉棒が載っているように見え、袋の両側には何か玉のような物が入っているようにも見えます。

「も…もう、いいかな…」

クーシアにジィ~っと見つめられると変な気持ちになってきます。

「す、すいません、ありがとうございます。男性器と女性器は全然違うのですね」

私には何も付いていませんよ…。

「一般の男性がどれくらいの大きさか見た事が無いので分かりませんが、想像以上に大きくて驚きました」

さすがに触ることは出来ませんでしたが袋部分は両手で受けるぐらいはありそうです。
特にあの肉棒は大きくて重そうですね。

「僕の男性器の大きさを考えると下着の形が絵のようになるのも分かるでしょ? 実はこのシエラの服もお尻部分はゆとりがあるけれど股間部分は窮屈なんだよ」

「そ、そうですよね…」

「だから僕の穿くズボンやパジャマなども考え直して欲しいかな…」
「例えば…」

僕はもう一度紙に絵を描き、ズボンの形やフライについて、パジャマの前開き等についてクーシアに説明します。

「そうそう、色はもう灰色にしなくていいから。派手な色でも僕の髪の色みたいに黒色でも良いかな」

「分かりました。絵もありますから下着はすぐに作れると思います」
「でも黒色の生地はありませんから、黒色の服は作るのにしばらく時間が掛かりますね」

「そうなんだ…。そういえばどうして黒色は無いの?」

これまで黒色の服飾品や物品も見た事がありません。

「黒色は生活の中に存在する色として認識されていないのかもしれません。夜の色ですからね…」
「私も今日シャルル様の黒い髪や瞳を見て、初めて綺麗な色なんだと分かったところです」

「そうなんだ…」

メイド服の紺色と変わらない気もするけれど…。

「黒い生地が出来たらシャツなども作ってもらいたいかな」

「もちろん、シャルル様のためなら何でも作りますよ!」
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