DNAの改修者

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第267話 ルージュ領編15

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ルージュ領都へ来てもう今日で5日目です。

朝からエリオンお姉ちゃんに口を付けられながら起こされました。

突然息苦しくなり驚きましたが、柔らかい唇の感触で起こされるのも意外に悪くないなぁっと思ってしまいました。
エリオンお姉ちゃんもこんなに艶々と綺麗になって喜んでもらえると僕も嬉しくなります。

「シャルル様のおかげで今も身体中がムズムズします」

「それって良い事なの?」

「はい、子宮から活力が溢れてくる感じでしょうか…。シャルル様に胸もいっぱい揉んでもらったので、胸も胸の突起部分もまだ触ってもらっている感じがしますよ」

「そ、そうなんだ…」
「またお姉ちゃん達が驚くんじゃない…?」

「これからもっとシャルル様の為に綺麗になりますからね!」



XX XY



朝食時にお母さんやお姉ちゃん達、それにサマンサ様もエリオンお姉ちゃんを見て驚いていました。

「ルーシャ様、“シャルル様の奇跡”は本当にすごいですね…」

『まぁ、一度目は確かに奇跡ですが、それ以降は彼女たちのシャルルに対する想いや努力ですよ』
『シャルルも昔から今のような能力を持っていたわけではありません。日々私達が喜ぶように頑張ってくれているのです』
『ですからサマンサ様もこれからも若々しくいたいのなら、女性器の観察は出来るだけ欠かさずされた方が良いですよ』

「もちろんです。ルーシャ様に教えていただいてから毎日していますよ」



「エリオン、良いわね~。シャルル様と2人部屋の時に順番が回ってくるだなんて…」

「本当に幸運だったわよ~。この間覚醒したときは驚いてばかりだったけれど、シャルル様に触ってもらうのがこんなにも気持ち良いだなんて…ねっ」

これからは早くキルシッカにも追いつけるように頑張らないとね…。

「シャルル、今日は私よね?」

「オーリエ、それは僕に言われても分からないよ…」

「メンテールさんがおっしゃっていたことは皆さん体験されたのですよね?」
「この中で体験していないのは私だけのはずですよ…」

「そう言われたらそうですね」

「先日覚醒したのもエリオンの翌日でしたか…」

「まぁ、一応オーリエさんとしておきましょう」

「トリスさん、メンテールさん、ありがとう」
「シャルル、今晩は私の部屋に泊まってくださいね!」



『さて、今日はどうしましょうか…』
『と、言うかそろそろエルスタイン領へ帰ることも考えておかないといけませんね』

「えぇ~っ、ルーシャ様、もっといてくださいよ。お帰りは“転移の祠”でも帰れるわけですから…」

『いえ、帰りにシャルルも寄りたいところがあるそうですし、私もリコッタという都市に一度戻る約束をしていますので…』

「そ、そうなのですか…」

「僕はね、今日は厨房でやってみたいことがあるんだけど、サマンサ様、厨房を使わせてもらえますか?」

「ええ、もちろん。シャルル様のお好きなように使ってください」
「必要な食材や器具は厨房にいる者におっしゃってください」

「シャ、シャルル様、何かお作りになられるんですか?」

「うん、ちょっと思いついたことがあってね」

「私も行きます!(×全員)」

「えっ…、全員? まぁいいけれど…」



XX XY



「ルーシャ様、シャルル様はよく厨房へ?」

朝食の後、オーリエの案内でシャルル様達は厨房へ行ってしまわれました。

『ええ、美味しい食べ物を考えたりするのが好きですからね』
『いずれ召し上がっていただきたいですが、エルスタイン領の名物である“シャルル巻き”もシャルルが考えたのですよ』

「“シャルル巻き”ですか…、ぜひ食べてみたいですね」

『今日はもしかしたら何か美味しい物が出来るかもしれませんよ』

「お話し中すいません。サマンサ様、シェリー様とユナ様がお会いしたいそうですが…」

「一体、何でしょうか?」
「ルーシャ様、もしよろしければご紹介させていただきたいのですが…」

「シャルル様の事もあるでしょうが、何と言ってもこの国の女王様ですし…」

『サマンサ様のおっしゃるとおりですね。よろしくお願いします』

大戦後、他国の領主が来ること自体が異例ですからね。
この国の女王様にもきちんとご挨拶はしておきましょう。

「では、グリシャ、お二人を執務室へお願いします」

「かしこまりました」



コンコン、コン。

「はい…」

ガチャ…。
「シェリー様とユナ様をお連れしました」

「ありがとう、グリシャ。お二人ともどうぞこちらへ」

「お時間をとっていただきありがとうございます」
「そ、そちらの方は?」

サマンサ様の横に雰囲気の違う綺麗な女性が立っておられます。

『はじめまして、私はローマン帝国エルスタイン領領主ルーシャ・エルスタインと申します』

「えっ、ロ、ローマン帝国の領主様ですって!?」

『今回、縁あって海を渡ってルージュ領都にご訪問させていただくことになりました』

「……」
ローマン帝国って…。
私の探している男性が来られた可能性のある国じゃない…。

「シェリー様、私はこちらのルーシャ様と縁あって親交を深めているんですよ」
「今後、ルージュ領はエルスタイン領と友好関係を深めていくつもりです」

「そ、そんな…、他国の領主様が直接来られるだなんて…」

『驚かせて申し訳ありません。本当に偶然が重なって伺うことになりました…』

「お母様…」

「申し遅れました。私はバルトリア王国女王シェリー・バルトリア、こちらは娘の…」

「ユナ・バルトリアです。ルーシャ様はじめまして、お会いできて光栄です」

『……』
この方がもしかしたらシャルルを神様の子供として探しておられるのですね。
え~っと、おいくつでしたっけ…。
トリスぐらいの身長で胸もシエラぐらい大きくて立派な体型をされています。

「まさかこんなに若くてお綺麗な方が領主様とは驚きました」

『フフッ…、ありがとうございます。シェリー様…』
サマンサ様を見ると苦笑いをされています。

「……」
あぁ~、シェリー様もやっぱり私と同じことを思われているんだわ。



「と、ところでシェリー様、どういったお話ですか?」

「そ、そうでした…、それは…」

「サマンサ様、私が探している男性はシャルル様という方のようなのです」

『……!』
私が同席しているのも気にせず、ユナ様が真剣な顔でシャルルを探しているとおっしゃっています。
本当にずっと待っておられたようですね。

「“シャルルの風”のシャルル様ですか?」

「わ、分かりません…」
「昨日、領都内を探していると、先日キアルで行われた『男性選手権』の優勝者がシャルルという男の子だったというのが分かりました」
「領都内でそのシャルル様を見たという女性もいたのですが…」

『……』
『男性選手権』の優勝者がシャルルだということに気付かれたのですね。

「陽の沈む方角のキアルから来られたといい、男の子といい…、私が探している条件の方に合致するのです」
「もしかしたら、この優勝者のシャルル様は他国の方かもしれませんよ」

(ここまで偶然なのも異様なぐらい…)
そして目の前にはローマン帝国から来られたルーシャ様…。
私の探している男性はルーシャ様と同じローマン帝国の方だと思っているのですから…。

「……」
『……』

ユナ様が私をジッと見ています。
港町の方から来た他国の者となるとローマン帝国人の可能性が高いのですから当然でしょうね…。

それにこんなに偶然が重なるとそれは驚くでことしょう。

「同一人物かは分かりませんが、“シャルルの風”を発明されたシャルル様がもし男の子なのでしたらぜひ会わせていただきたいのです」

「『……』」

『分かりました…』

「ル、ルーシャ様…」

『“シャルルの風”の発明者であるシャルルは私の息子です』

「「なっ…、なっ…、ほ、本当ですか!?」」

『だからと言って、ユナ様がお探しの男性とは違うかもしれません。それでもかまいませんか?』

「あ、ありがとうございます。も、もちろん人違いであればそれでもかまいません」
「ルージュ領都に来てからシャルルという名前ばかりを聞くので気になっていたのです」
「それで、そのシャルル様は今どちらに…?」

『すいません。今は本当に忙しくしていますので、夕食後になってしまうと思います』

「そ、そうですか…」
一刻も早くお会いしたいわ…。
“シャルルの風”の発明者がルーシャ様のご子息だったなんて…。

「しかし、サマンサ様…、それでは“シャルルの風”の登録が…」

「はい、ですからシャルル様にはルージュ領の名誉領民になっていただきました」

「名誉領民ですって…?」

「ええ、オーリエはシャルル様のパートナー候補の一人でもあるのです」

「「えっ!? なんですって~っ!?」」

『……』
フフ…、さすがのユナ様も驚いて声を出されましたね。
さて、サマンサ様の名誉領民作戦が女王様達に通じるのでしょうか…。

「オーリエさんのパートナー候補ではなくて、オーリエさんがシャルル様のパートナー候補ですか…」

「そうですよ」
「仮にオーリエがパートナーに選ばれなくても、オーリエのこれからの人生はシャルル様と共にあります。ですから名誉領民になっていただいたのです」
「ルージュ領にとっても大切なお方ですので…」

「……」
「シャルル様のパートナー候補との事ですが、こ…後継者はどうされるおつもりなのですか?」

「まぁ、なんとかなるでしょう。いざとなれば私がもう一度“誕生の儀”を致します」

「なっ…!? “誕生の儀”ですって…」
「ご自身の年齢をお考えになると…」

「大丈夫です。私はまだまだ若々しいですし、子宮もとっても元気ですから…」

「うぐっ…」
それを言われると否定できません。
肌の瑞々しさや体型を見ると本当にまだ十分“誕生の儀”が出来そうに見えるのですから…。

「ということで、シャルル様はルージュ領の名誉領民でもありますので、“シャルルの風”の登録をお願いしますね」

「それでも…しかし…」

「登録していただけなかったら、ローマン帝国で作られた物をルージュ領だけで取引させていただくことにしますけれど…」

『……』
なるほど…、そうきましたか。
名誉領民について否定されたら“シャルルの風”を取引に利用するのですね。
現状でルージュ領と取引出来る数はないので実際には無理ですけれど…、サマンサ様も頭の切れるお人のようです。

「わ、分かりました。ルージュ領のことですから名誉領民のことは理解しました」
「まさかそんなことになっていたとは…」

(えっ!? えっ…)
オーリエ様がシャルル様のパートナー候補の一人…?
シャルル様が私の探していた男性なら私はどうしたらいいの…?



XX XY



「ユナ、シャルル様と会えることになって良かったわね」

「はい…」

私達はサマンサ様の執務室から迎賓館のリビングへ戻ってきています。

「どうしたの? 元気がないわね」

「だって、もしシャルル様が私の探している男性だったら…」

「オーリエさんに先を越されちゃったってことね」
「でも、まだルーシャ様のご子息があなたの探していた男性とは分からないわよ」

「それはそうだけど…」
「でも、もしシャルル様が私の探している男性だったら私もシャルル様のパートナー候補の一人に…」

サマンサ様はオーリエさんはシャルル様のパートナー候補の一人だって言っていたし…。

「何を言っているの、ユナ」
「シャルル様はローマン帝国の方なのよ」
「それに、あなたはこの国の王女なのよ。後継者はどうするの? パートナーになれるのが確実ならまだしも…」

「そ、そうだわ、シャルル様には王領でも名誉領民になってもらえれば良いのよ」
「もちろん私が後継者を産みたいけれど、お母様もサマンサ様のようにもう一度…」

「ユナ、ひどいわよ。何度見てもサマンサ様と私の若々しさが違いすぎます」
「今のサマンサ様なら本当に問題無く“誕生の儀”も行えそうだけれど、私の年齢だと精子をくれる男性すら見つかりませんよ」

「……、ごめんなさい、お母様…」

とりあえずシャルル様にお会いしてみるしかありませんね…。

「それにしてもルーシャ様はとっても若くてお綺麗な方でしたね」

「本当ね。これまでの容姿を知っているサマンサ様の変貌に驚いてしまっていたけれど、ルーシャ様って一体おいくつなのかしら…ねぇ」



XX XY



「ルーシャ様、あれで良かったのですか?」

『ええ、ユナ様も本気で探しておられるようですし…』
『とりあえず、名誉領民の件が上手くいって良かったですね』

「はい…、これで“シャルルの風”も登録できますし、名誉領民を決めるのは領の範疇だと言質をとりました」
「それで、本当にシャルル様がユナ様の探している男性だったらどうされるおつもりですか?」

『それはユナ様の反応次第ですね』
『もしそうだったとすれば、シェリー様もサマンサ様と同じ事で悩まれることになるでしょう』

「やっぱり後継者ですか…」
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