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第241話 【閑話】リリアンとエリシモア
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やっと来られたわ…、突然来たらシャルル様は驚かれるかしら…。
シャルル様に身体を若々しく変貌させていただいてから、出来る限り女性器の観察と胸を揉み続けてきました。
ルーシャ様に女性器について教えていただいた時はびっくりしましたが、そのおかげで今も変わらず女性らしく艶々としています。
小さかったプックリしたところも今では少し大きくなってきたように思えます。
あ~、早くシャルル様と一緒にお風呂に入って観察の成果を褒めてもらいたいわ…。
「メルモア先輩! ここでしたか…」
「どうしたの、ヌエット…」
「タイロンのリリアン様が来られました…が…」
「リリアン様が…? どうしてこんな時に…」
「それが…、その…、とりあえず応接室にお通ししていますのでお願いします」
「分かりました。ではヌエットも一緒に…」
コンコン、コン。
ガチャ…。
「リリアン様、ようこそおいでくださいました…」
「えっ…!?」
「リリアン様?…ですよね…」
ヌエットが躊躇したのも分かります。
まさかそんなにお変わりになられていたなんて…。
でも理由を聞く必要はありません。
こんなことシャルル様にしか出来ないのですから…。
「メ、メルモアさんでしたよね?」
「「ど、どうして……(ヒソヒソ…)」」
リリアン様のお共のメイドのお二人も私のことを覚えていたのか、こちらを見て驚いているようです。
私がシャルル様に疲れや弱っているところを無くしてもらったのはタイロンを離れてからでしたからね。
「それで、どうして突然に…?」
「もちろん、シャルル様にお会いしに来たのですが、どちらにいらっしゃるのですか?」
目をキラキラとさせて、早く…早く…という気持ちが伝わってきます。
うっ…、心が痛いですね。
「あ、あいにくシャルル様は、ルーシャ様と一緒にリコッタに領内会議に行かれています」
「えぇ~~~っ!! そんな…、せっかく来たのに…」
リリアン様はキラキラした目から一転、光を失い涙をポロポロと流されていました。
本当にすぐ泣かれるお人ですね。
私達は普段シャルル様と一緒にいられるから良いけれど、簡単に会えないとやっぱりあんな風に悲しくなるのかもしれませんね。
シャルル様の側にいられる私達はとっても幸せなのでしょう。
「とりあえず、もうしばらくすると夕食の時間となります」
「旅の疲れを癒してください…」
「ヌエット、お供の方達を先にお部屋に案内してあげて下さい」
「私はリリアン様ともう少しお話をしますので…」
「はい。では、どうぞこちらへ…」
ヌエットがリリアン様のお共として付いてきたメイドの方達と一緒に応接室から出ていきました。
「それでリリアン様、収穫祭の後、シャルル様と一緒にお風呂に入られたのですね?」
「ええ、ルーシャ様の言う覚醒をしてもらいました」
「やっぱりそうでしたか…」
ルーシャ様はまた私達を驚かそうとされていたのですね。
グレイス様の時も黙っておられましたし…。
「私もタイロンから出発した後にシャルル様によってこんなに変貌を遂げたのですよ」
実際には疲れや弱っているところを無くしていただいているので、もう覚醒というものではないのですけどね…。
「リリアン様も同じだったと思いますが、屋敷に戻ってみると他の者から変わりすぎだと驚かれ、ルーシャ様によってこの屋敷内では“シャルル様の奇跡”と説明されています」
「“シャルル様の奇跡”ですか…」
「本当にそうですね」
「詳しいことはルーシャ様に聞いていただくしかありませんので、また日を改めて領都に来ていただくことになりますが…」
「そうですか…、シャルル様には一目でもお会いしたかったです」
「……」
なんだかリリアン様がとっても気の毒に思えました。
私はリリアン様を迎賓館に案内し、フラン達に食事のことを伝えに行きます。
「メルモアせんぱ~い!」
「ヌエット、今度は何ですか…」
「そ、それが…、ナモアイの…、エリシモア様が屋敷に来られました」
「な、なんですって…」
「何でこんな時に揃って…」
「とにかく、応接室にお通ししてありますのでお願いします」
「フラン、エリシモア様達の分も増えそうよ。お願いね…」
「わ、分かりました」
コンコン、コン。
ガチャ…。
「エリシモア様、ようこそおいでくださいました」
「突然どうされたのですか?」
「え~っと、あなたは…?」
「メルモアと言います」
「現在ルーシャ様達はリコッタへ領内会議に行かれていますので、私が屋敷を任されております」
「そうですか…マドリーンのところへ…、それは残念です」
「それにしても変わったメイド服ですね」
「見たこともない形なのでどう表現すればいいのか分かりませんが素敵ですよ」
「ありがとうございます。これはうちのメイドとシャルル様の考えでこのような形になっているんですよ」
「シャルル様もルーシャ様と一緒にリコッタに行かれているんですよね」
「はい…」
「そ、そうですか…」
「それで、どうして領都まで?」
「シャルル様に“シャルル巻き”や“シャルルの風”についてのお礼をと思いまして…。機会があればメイド達が“シャルルの風”を購入したいと言っているんです」
「そうでしたか…」
「しかし、先日販売日があったところなのでご購入していただくのは難しいですね」
私がそう言うと、エリシモア様の後ろにいたメイドの方達ががっかりとした顔をしていました。
「あのう…、キルシッカはいないのでしょうか?」
「キルシッカは私の幼馴染でもあるのです…」
その内の一人はキルシッカと同じ薄褐色の肌の女性で、目が合うとキルシッカのことについて聞いてきました。
「そうでしたか…、でもごめんなさい。キルシッカもお供でリコッタに行っているの」
「残念です…」
「エリシモア様達も旅でお疲れでしょう。ゆっくりして旅の疲れを癒してください」
「もうしばらくすると夕食の時間となります」
「まずは迎賓館の方にご案内させていただきます」
「それからタイロンのリリアン様もエリシモア様のお着きになる前にこちらに来られていますよ」
「えっ!? リリアンが…」
「もうずいぶん会っていなかったからそれは楽しみね…」
「エリシモア~、お久しぶり~」
「元気そうね、リリアン…?」
案内された迎賓館の食堂には大きなテーブルに6人分の食事の準備がされ、リリアン達3人が先に座って待っていました。
「エリシモアがルーシャ様のお屋敷に来たと聞いてびっくりしたわよ」
「リリアンこそ…、まさか偶然会えるとは思ってもみなかったわ」
「まずはエリシモアも早く座って…、お腹がすいているので早く食事にしましょうよ」
「ええ、そうね…」
私達が席に着くと夕食が運ばれてきました。
リリアンに向かい合って顔をよく見ると、予想していた幼馴染の顔ではありませんでした。
確かに見覚えはありますが、それは何年も前に見ていた彼女に近い顔立ちだったのです。
「あなた、本当にリリアンなの?」
「エリシモアもおかしなことを言いますね…」
やっぱりこれだけ変貌したら幼馴染には異様に見えますか…。
エリシモアの朱色の瞳がこちらを怪訝そうに見ています。
「だったらなぜそんな若返ったように見えるのですか?」
トトはルーシャ様と同い年だけど、私とリリアンとマドリーンは一つ下で同じなのに…。
「それは…」
「それは…?」
「何よりも大切な人が見つかったからでしょうか…」
「はぁ~? 何を分けのわからない事を…」
「エリシモアも心から大切に想えるような人に出会えると変わるわよ」
「まぁ、男性が苦手なら仕方がないですけれどね…」
エリシモアには悪いですが、本当にそれしか言いようがないです。
「も、もう…男性は苦手じゃないわよ…」
「それでも男性とは触れ合ったこともほとんど無いんでしょ?」
くっ…、男性に触れたと言えば2年前にシャルル様に触れた程度ですね。
なんだか自分は男性と触れ合っているような話し方ですね。
「ま、まさかパートナーを見つけたのですか?」
「そ、それはまだ…、パートナー候補止まりですよ」
「……」
それでも私より先にパートナー候補を見つけるだなんて…。
たくましい男性を理想にしていたはずですが、そんな男性が見つかったのでしょうか…。
だからと言ってそんなに若々しく見えるだなんて…。
夕食後、メルモアさんの案内で私とエリシモアはシャルル様の考えられたお風呂に向かいます。
「あ~、シャルル様の考えられたお風呂ってどんなのかしら楽しみだわ~」
「リリアン、あなた夕食の時からシャルル様…、シャルル様…とシャルル様の話しかしないのね」
「だって、“シャルル巻き”も“シャルルの風”もシャルル様が考えられた物ですもの…」
「それ以外の話題があるならどうぞ…」
「それはそうだけど…。そういえばメルモアさん、シャルル様は“男”になられたのですか?」
結局自分もシャルル様の事を聞いてしまっていました。
「リコッタに向かわれる時はまだ“男”にはなっておられませんでしたよ。11歳とは思えないほど体躯がしっかりされていますから、いつ“男”になられてもおかしくないのですが…」
「ルーシャ様も屋敷の皆も待ち望んでいますよ」
「シャルル様って本当にたくましいですものねぇ」
リリアンがシャルル様のたくましさについて話しているのを見ていると、なんだかうっとりしているようにも見えます。
まさか、リリアンがシャルル様のパートナー候補ってことは…、まぁ、それはありえませんか…。
橋を渡り、脱衣場に入るといつものように服を脱ぎ始めます。
お二人も私の行動を見て、いそいそと脱ぎ始められました。
「リリアン、あなた…、何…その身体つきは…」
顔付は若返って見えていたけれど、身体まで見て分かるほど若々しいだなんて…。
筋肉質で細身だった身体が女性らしくなり、硬そうだった胸やお尻も柔らかそうにプルンッとしています。
しかも、それ以上に髪は艶々で肌も瑞々しくなっているのです。
慌てて自分の肌と見比べてしまいます。
「良いでしょう~。とっても女性らしくなったのよ」
「良いでしょうって…、確かに女性らしくなったけれど、本当に身体まで若返って見えるじゃない!」
「何か新たな魔法か身体が若返る食べ物でも見つかったの?」
「そんな物あるわけないでしょ!」
エリシモア様の言葉にリリアン様の身体を見ると、私や屋敷の皆と同じように女性らしく瑞々しい身体をされていました。
元々筋肉質だったのか腹部が締まっていてとても腰が細く見えます。
私がリリアン様の顔を見ると目が合い、ニッコリと微笑んでおられました。
「確かに若々しくてお綺麗ですね…ハハ…」
「まぁ、お二人とも早く浴場内に入りましょう」
「そうね…!? メ、メルモアさん、失礼ですがおいくつでしたか?」
「へっ…? こ、今年で26歳ですが…」
「な…、な、なんなの~!?」
私より一つ下なだけなのに身体つきを見ると20歳になっているか、なっていないかぐらいに見えます。
「ちょっとリリアン、メルモアさん、あなた達本当に異常よ…」
メルモアさんの胸は私よりもかなり大きいのに張りがあって形も綺麗で、突起部分もピンッと上を向いています。
胸だけじゃないわ。
腰周りはすっきり締まっていて、お尻も無駄なお肉は付いておらずプリっとしているのでした。
「異常と言われても…、ねぇ~メルモアさん…?」
「そ、そうですね…」
「……」
これまで自分の身体に自身が無かったわけでもないし、人よりは恵まれた体型だと思っていたけれど、二人を見てしまったおかげで一気に歳をとった気分になってしまいました。
「さ…さぁ、お二人とも、こんなところで裸で話をしないで浴場に入りましょうよ」
「そ、そうよ、エリシモア…」
ルーシャ様をはじめ皆がとても若々しくなって、以前の自分達がどうだったかも忘れてしまっていたけれど、本来なら私もエリシモア様ぐらいだったのよね…。
改めてシャルル様のすごさに気付かされます。
この後も、お風呂に入りながらリリアン様がエリシモア様から若々しさの秘訣を追求されていましたが、はぐらかすのに大変そうでした。
リリアン様、私はゆっくりお風呂に入りたいので、こちらを見て助けを求められても困りますよ…。
埋もれなくなった胸の突起部分を見ながらシャルル様に想いを馳せるのでした。
シャルル様に身体を若々しく変貌させていただいてから、出来る限り女性器の観察と胸を揉み続けてきました。
ルーシャ様に女性器について教えていただいた時はびっくりしましたが、そのおかげで今も変わらず女性らしく艶々としています。
小さかったプックリしたところも今では少し大きくなってきたように思えます。
あ~、早くシャルル様と一緒にお風呂に入って観察の成果を褒めてもらいたいわ…。
「メルモア先輩! ここでしたか…」
「どうしたの、ヌエット…」
「タイロンのリリアン様が来られました…が…」
「リリアン様が…? どうしてこんな時に…」
「それが…、その…、とりあえず応接室にお通ししていますのでお願いします」
「分かりました。ではヌエットも一緒に…」
コンコン、コン。
ガチャ…。
「リリアン様、ようこそおいでくださいました…」
「えっ…!?」
「リリアン様?…ですよね…」
ヌエットが躊躇したのも分かります。
まさかそんなにお変わりになられていたなんて…。
でも理由を聞く必要はありません。
こんなことシャルル様にしか出来ないのですから…。
「メ、メルモアさんでしたよね?」
「「ど、どうして……(ヒソヒソ…)」」
リリアン様のお共のメイドのお二人も私のことを覚えていたのか、こちらを見て驚いているようです。
私がシャルル様に疲れや弱っているところを無くしてもらったのはタイロンを離れてからでしたからね。
「それで、どうして突然に…?」
「もちろん、シャルル様にお会いしに来たのですが、どちらにいらっしゃるのですか?」
目をキラキラとさせて、早く…早く…という気持ちが伝わってきます。
うっ…、心が痛いですね。
「あ、あいにくシャルル様は、ルーシャ様と一緒にリコッタに領内会議に行かれています」
「えぇ~~~っ!! そんな…、せっかく来たのに…」
リリアン様はキラキラした目から一転、光を失い涙をポロポロと流されていました。
本当にすぐ泣かれるお人ですね。
私達は普段シャルル様と一緒にいられるから良いけれど、簡単に会えないとやっぱりあんな風に悲しくなるのかもしれませんね。
シャルル様の側にいられる私達はとっても幸せなのでしょう。
「とりあえず、もうしばらくすると夕食の時間となります」
「旅の疲れを癒してください…」
「ヌエット、お供の方達を先にお部屋に案内してあげて下さい」
「私はリリアン様ともう少しお話をしますので…」
「はい。では、どうぞこちらへ…」
ヌエットがリリアン様のお共として付いてきたメイドの方達と一緒に応接室から出ていきました。
「それでリリアン様、収穫祭の後、シャルル様と一緒にお風呂に入られたのですね?」
「ええ、ルーシャ様の言う覚醒をしてもらいました」
「やっぱりそうでしたか…」
ルーシャ様はまた私達を驚かそうとされていたのですね。
グレイス様の時も黙っておられましたし…。
「私もタイロンから出発した後にシャルル様によってこんなに変貌を遂げたのですよ」
実際には疲れや弱っているところを無くしていただいているので、もう覚醒というものではないのですけどね…。
「リリアン様も同じだったと思いますが、屋敷に戻ってみると他の者から変わりすぎだと驚かれ、ルーシャ様によってこの屋敷内では“シャルル様の奇跡”と説明されています」
「“シャルル様の奇跡”ですか…」
「本当にそうですね」
「詳しいことはルーシャ様に聞いていただくしかありませんので、また日を改めて領都に来ていただくことになりますが…」
「そうですか…、シャルル様には一目でもお会いしたかったです」
「……」
なんだかリリアン様がとっても気の毒に思えました。
私はリリアン様を迎賓館に案内し、フラン達に食事のことを伝えに行きます。
「メルモアせんぱ~い!」
「ヌエット、今度は何ですか…」
「そ、それが…、ナモアイの…、エリシモア様が屋敷に来られました」
「な、なんですって…」
「何でこんな時に揃って…」
「とにかく、応接室にお通ししてありますのでお願いします」
「フラン、エリシモア様達の分も増えそうよ。お願いね…」
「わ、分かりました」
コンコン、コン。
ガチャ…。
「エリシモア様、ようこそおいでくださいました」
「突然どうされたのですか?」
「え~っと、あなたは…?」
「メルモアと言います」
「現在ルーシャ様達はリコッタへ領内会議に行かれていますので、私が屋敷を任されております」
「そうですか…マドリーンのところへ…、それは残念です」
「それにしても変わったメイド服ですね」
「見たこともない形なのでどう表現すればいいのか分かりませんが素敵ですよ」
「ありがとうございます。これはうちのメイドとシャルル様の考えでこのような形になっているんですよ」
「シャルル様もルーシャ様と一緒にリコッタに行かれているんですよね」
「はい…」
「そ、そうですか…」
「それで、どうして領都まで?」
「シャルル様に“シャルル巻き”や“シャルルの風”についてのお礼をと思いまして…。機会があればメイド達が“シャルルの風”を購入したいと言っているんです」
「そうでしたか…」
「しかし、先日販売日があったところなのでご購入していただくのは難しいですね」
私がそう言うと、エリシモア様の後ろにいたメイドの方達ががっかりとした顔をしていました。
「あのう…、キルシッカはいないのでしょうか?」
「キルシッカは私の幼馴染でもあるのです…」
その内の一人はキルシッカと同じ薄褐色の肌の女性で、目が合うとキルシッカのことについて聞いてきました。
「そうでしたか…、でもごめんなさい。キルシッカもお供でリコッタに行っているの」
「残念です…」
「エリシモア様達も旅でお疲れでしょう。ゆっくりして旅の疲れを癒してください」
「もうしばらくすると夕食の時間となります」
「まずは迎賓館の方にご案内させていただきます」
「それからタイロンのリリアン様もエリシモア様のお着きになる前にこちらに来られていますよ」
「えっ!? リリアンが…」
「もうずいぶん会っていなかったからそれは楽しみね…」
「エリシモア~、お久しぶり~」
「元気そうね、リリアン…?」
案内された迎賓館の食堂には大きなテーブルに6人分の食事の準備がされ、リリアン達3人が先に座って待っていました。
「エリシモアがルーシャ様のお屋敷に来たと聞いてびっくりしたわよ」
「リリアンこそ…、まさか偶然会えるとは思ってもみなかったわ」
「まずはエリシモアも早く座って…、お腹がすいているので早く食事にしましょうよ」
「ええ、そうね…」
私達が席に着くと夕食が運ばれてきました。
リリアンに向かい合って顔をよく見ると、予想していた幼馴染の顔ではありませんでした。
確かに見覚えはありますが、それは何年も前に見ていた彼女に近い顔立ちだったのです。
「あなた、本当にリリアンなの?」
「エリシモアもおかしなことを言いますね…」
やっぱりこれだけ変貌したら幼馴染には異様に見えますか…。
エリシモアの朱色の瞳がこちらを怪訝そうに見ています。
「だったらなぜそんな若返ったように見えるのですか?」
トトはルーシャ様と同い年だけど、私とリリアンとマドリーンは一つ下で同じなのに…。
「それは…」
「それは…?」
「何よりも大切な人が見つかったからでしょうか…」
「はぁ~? 何を分けのわからない事を…」
「エリシモアも心から大切に想えるような人に出会えると変わるわよ」
「まぁ、男性が苦手なら仕方がないですけれどね…」
エリシモアには悪いですが、本当にそれしか言いようがないです。
「も、もう…男性は苦手じゃないわよ…」
「それでも男性とは触れ合ったこともほとんど無いんでしょ?」
くっ…、男性に触れたと言えば2年前にシャルル様に触れた程度ですね。
なんだか自分は男性と触れ合っているような話し方ですね。
「ま、まさかパートナーを見つけたのですか?」
「そ、それはまだ…、パートナー候補止まりですよ」
「……」
それでも私より先にパートナー候補を見つけるだなんて…。
たくましい男性を理想にしていたはずですが、そんな男性が見つかったのでしょうか…。
だからと言ってそんなに若々しく見えるだなんて…。
夕食後、メルモアさんの案内で私とエリシモアはシャルル様の考えられたお風呂に向かいます。
「あ~、シャルル様の考えられたお風呂ってどんなのかしら楽しみだわ~」
「リリアン、あなた夕食の時からシャルル様…、シャルル様…とシャルル様の話しかしないのね」
「だって、“シャルル巻き”も“シャルルの風”もシャルル様が考えられた物ですもの…」
「それ以外の話題があるならどうぞ…」
「それはそうだけど…。そういえばメルモアさん、シャルル様は“男”になられたのですか?」
結局自分もシャルル様の事を聞いてしまっていました。
「リコッタに向かわれる時はまだ“男”にはなっておられませんでしたよ。11歳とは思えないほど体躯がしっかりされていますから、いつ“男”になられてもおかしくないのですが…」
「ルーシャ様も屋敷の皆も待ち望んでいますよ」
「シャルル様って本当にたくましいですものねぇ」
リリアンがシャルル様のたくましさについて話しているのを見ていると、なんだかうっとりしているようにも見えます。
まさか、リリアンがシャルル様のパートナー候補ってことは…、まぁ、それはありえませんか…。
橋を渡り、脱衣場に入るといつものように服を脱ぎ始めます。
お二人も私の行動を見て、いそいそと脱ぎ始められました。
「リリアン、あなた…、何…その身体つきは…」
顔付は若返って見えていたけれど、身体まで見て分かるほど若々しいだなんて…。
筋肉質で細身だった身体が女性らしくなり、硬そうだった胸やお尻も柔らかそうにプルンッとしています。
しかも、それ以上に髪は艶々で肌も瑞々しくなっているのです。
慌てて自分の肌と見比べてしまいます。
「良いでしょう~。とっても女性らしくなったのよ」
「良いでしょうって…、確かに女性らしくなったけれど、本当に身体まで若返って見えるじゃない!」
「何か新たな魔法か身体が若返る食べ物でも見つかったの?」
「そんな物あるわけないでしょ!」
エリシモア様の言葉にリリアン様の身体を見ると、私や屋敷の皆と同じように女性らしく瑞々しい身体をされていました。
元々筋肉質だったのか腹部が締まっていてとても腰が細く見えます。
私がリリアン様の顔を見ると目が合い、ニッコリと微笑んでおられました。
「確かに若々しくてお綺麗ですね…ハハ…」
「まぁ、お二人とも早く浴場内に入りましょう」
「そうね…!? メ、メルモアさん、失礼ですがおいくつでしたか?」
「へっ…? こ、今年で26歳ですが…」
「な…、な、なんなの~!?」
私より一つ下なだけなのに身体つきを見ると20歳になっているか、なっていないかぐらいに見えます。
「ちょっとリリアン、メルモアさん、あなた達本当に異常よ…」
メルモアさんの胸は私よりもかなり大きいのに張りがあって形も綺麗で、突起部分もピンッと上を向いています。
胸だけじゃないわ。
腰周りはすっきり締まっていて、お尻も無駄なお肉は付いておらずプリっとしているのでした。
「異常と言われても…、ねぇ~メルモアさん…?」
「そ、そうですね…」
「……」
これまで自分の身体に自身が無かったわけでもないし、人よりは恵まれた体型だと思っていたけれど、二人を見てしまったおかげで一気に歳をとった気分になってしまいました。
「さ…さぁ、お二人とも、こんなところで裸で話をしないで浴場に入りましょうよ」
「そ、そうよ、エリシモア…」
ルーシャ様をはじめ皆がとても若々しくなって、以前の自分達がどうだったかも忘れてしまっていたけれど、本来なら私もエリシモア様ぐらいだったのよね…。
改めてシャルル様のすごさに気付かされます。
この後も、お風呂に入りながらリリアン様がエリシモア様から若々しさの秘訣を追求されていましたが、はぐらかすのに大変そうでした。
リリアン様、私はゆっくりお風呂に入りたいので、こちらを見て助けを求められても困りますよ…。
埋もれなくなった胸の突起部分を見ながらシャルル様に想いを馳せるのでした。
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