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第217話 【閑話】お嬢様達の初対面
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エバーミット様に言われ、メイドの方の案内でリビングに向かいます。
(ナーナルンさんはいくつでしたっけ…?)
斜め前を歩く後姿を見ると、少し赤めの茶色の髪が後ろで三つ網にされていて、歩かれるたびに左右に揺れています。
リビングに通されると、エバーミット様のお嬢様であるメラニーさんが長椅子に座ってこちらを見ていました。
確か6歳だったかしら…、柔らかな癖のある金色の髪が眩しいわ。
ちょこんと座っておられるとまるでお人形みたい…。
「初めましてメラニーさん、バルゼ領主シクスエスの娘のナーナルン・バルゼです」
「初めましてメラニーさん、カプランド領主サリーの娘のジェシカ・カプランドです」
「メラニー・ケープノットよ」
「ダメですよメラニー様。きちんとご挨拶して下さい。そんなことではシャルル様に嫌われてしまいますよ」
ハッ…!
「メラニー・ケープノットです。皆様初めまして、よろしくお願いいたします…」
「改めまして、私はメラニー様の専属のメイドのラランと申します」
「フィルと申します…」
「カリーナと申します…」
カリーナとナーナルンさんの専属のフィルさんも挨拶を交わしたあと、私達も長椅子に座らせていただきました。
ーナーナルンー
お母様が言っていたけれど、このメラニーさんがシャルルをパートナーにすると言ったのね。
かわいいけれど、さすがに私より3つも年下だとお子様です。
私も3年前はこんな感じだったものね。
でも、さっきの挨拶といい、ちょっと気が強そうだわ。
さて、どうしましょうか…。
まさかエルスタイン領都で皆さんとお会いする前に前哨戦があるなんて…。
でも良く考えるとこれは良い機会かもしれないわね。
お母様はジェシカさんがシャルルのことをどう思っているか分からないって言っておられたけれど、確実に意識しておられるわ。
ラランさんがシャルルの名前を出した時に、メラニーさんと同じようにピクッとされていたもの…。
ジェシカさんは確か11歳よね…。
サリー様とはちょっと雰囲気の違う大人しそうな女の子だけれど、青紫の髪の色のせいか、とても大人っぽく見えます。
やっぱり先に“女”になられるのは不利ですね…。
ージェシカー
ラランさんの口調からすると、メラニーさんはシャルルに嫌われないように頑張っておられるみたいですね。
フフッ…、シャルルはこんな小さな女の子にも影響を与えているのね。
私もあなたに会えたおかげで変われたと思うの…。
話をしてみると、メラニーさんが水属性で、ナーナルンさんが土属性でした。
私が火属性なので、属性がかぶらず良かったです。
シャルルは魔法の優劣で人を見ることはないですが、やはり気になりますものね。
それぞれのメイドの方も同じ属性だと言う事でした。
私も専属をカリーナに代えてもらっておいて良かったわ。
皆さんも専属の方から日々魔法を教わるようにされているのでしょう。
それにしてもナーナルンさんは私をジッと見ていますね…。
「メ…メラニーさん…、シャルルは元気にしていましたか?」
最初にシャルルと会ってからもう2年が経っているものね…。
「……うん、シャルルはとっても元気だったよ」
「それにとっても大きくて、優しくてずっと膝の上に座らせてもらっていたの~」
((なっ……))
「そ…そうですか…。メラニーさんはまだ小さいですからね…。私は火属性ですが、シャルルに優しそうだと言ってもらいましたよ」
ウフッ…、2年前にシャルルに言われた言葉がまだ頭の中に残っています。
「……」
ジェシカさん…、やっぱりシャルルに興味があるのですね…。
「わ…私はシャルルにナーナって呼んでもらっているぐらい仲が良いのよ~」
(ナーナルン様、それはその方が呼びやすいと思われただけなのですが…)
私が何かを言いたそうにしていると、ナーナルン様がキッと私を睨まれます。
「「むっ……」」
「そ、それはナーナルンさんがシャルルより年下だからですよ…」
「シャルルは年齢の割に男性らしいですからね~」
「私とも話が合って最初にお友達になったのですよ~」
「年齢なんて……」
そうくるのね…。
「私は…、私が…。うぅ~、シャルルは私のパートナーなんだからぁ~二人とも取っちゃダメ~」
「メ、メラニー様、シャルル様はまだ誰のパートナーでもありませんよ」
「だって…、二人が…」
「大丈夫ですよ。シャルル様が褒めてくださるような素敵な女性になれば良いのですから…」
「うん……」
頑張ってシャルルにまた頭を撫でてもらうんだからぁ~。
「ラランさんの言う通りね。誰が最初に友達になったかなんて関係ないわよね。ねぇ~、ジェシカさん?」
「フフ…、そうねナーナルンさん…」
私も年下の女の子達と張り合っていても仕方が無いないわね…。
それにメラニーさんはまだ小さいから簡単に言うけれど、シャルルにパートナーになってもらうのは領間のこともあって難しいのに…。
私も“女”になったらパートナー候補について考えていかないといけないけれど、シャルルと出会ってしまったら他の男性なんて選べる事が出来ないわ…。
だけど、ナーナルンさんはそれを承知で明らかにシャルルを慕っているみたいだし…。
万が一にもこの二人にシャルルを取られるのは嫌だわ…。
でも、私の方が先に“女”になるでしょうし、シャルルが“男”になるのもナーナルンさんが“女”になるより早いでしょう。
とりあえず今度シャルルに会った時は、私も素敵な女性になったと言ってもらえるようになっておかないと…。
シャルルが“男”になってパートナーを決めるまでは譲れませんね。
「み…皆さんは“シャルルの風”のためにケープノット領都へ来られたのですよね?」
「「はい…」」
雰囲気を察したラランさんが話を変えてこられました。
確かにシャルルもいないのに、ナーナルンさんやメラニーさんと腹の探り合いをしていても仕方がないですね。
「もう手に入れられましたか?」
「エバーミット様と同じように各領主には6個を譲っていただきました」
「それは良かったですね。あの“シャルルの風”はすごい魔道具ですよ~」
「私はもう使っているんだから…ねっ!」
メラニーさんが自慢顔でそう言ってきます。
やっぱりまだお子様ね…。
「私達はまだ実物には触っていないのですが、どういった魔道具なんですか?」
「髪を乾かす魔道具ですよ」
「髪をですか…?」
「“シャルルの風”を使うようになってから、髪がしっとり・さらさらでとっても快適なんです」と、ラランさんは自分の髪を撫でながら説明をしてくれました。
確かに良く見るとラランさんの髪は艶々としていて整えられています。
「メラニー様の髪を乾かす為に使ったら、すぐに私も欲しくなりましたよ~」
「幸運にも注目される前だったので初回発売日に購入できましたが、今は取り合いのようになっていますよ…」
「カリーナさんとフィルさんも気合を入れないと手に入らないかもしれませんね」
「……」
カリーナはシャルルに会ったこともありませんし、まだ使ってみてもいないので重要性を分かっていない顔をしていますが、ナーナルンさんのメイドのフィルさんは一瞬で顔色が変わっていました。
おそらく、明日の販売日には並ばれるのかもしれませんね。
(ナーナルンさんはいくつでしたっけ…?)
斜め前を歩く後姿を見ると、少し赤めの茶色の髪が後ろで三つ網にされていて、歩かれるたびに左右に揺れています。
リビングに通されると、エバーミット様のお嬢様であるメラニーさんが長椅子に座ってこちらを見ていました。
確か6歳だったかしら…、柔らかな癖のある金色の髪が眩しいわ。
ちょこんと座っておられるとまるでお人形みたい…。
「初めましてメラニーさん、バルゼ領主シクスエスの娘のナーナルン・バルゼです」
「初めましてメラニーさん、カプランド領主サリーの娘のジェシカ・カプランドです」
「メラニー・ケープノットよ」
「ダメですよメラニー様。きちんとご挨拶して下さい。そんなことではシャルル様に嫌われてしまいますよ」
ハッ…!
「メラニー・ケープノットです。皆様初めまして、よろしくお願いいたします…」
「改めまして、私はメラニー様の専属のメイドのラランと申します」
「フィルと申します…」
「カリーナと申します…」
カリーナとナーナルンさんの専属のフィルさんも挨拶を交わしたあと、私達も長椅子に座らせていただきました。
ーナーナルンー
お母様が言っていたけれど、このメラニーさんがシャルルをパートナーにすると言ったのね。
かわいいけれど、さすがに私より3つも年下だとお子様です。
私も3年前はこんな感じだったものね。
でも、さっきの挨拶といい、ちょっと気が強そうだわ。
さて、どうしましょうか…。
まさかエルスタイン領都で皆さんとお会いする前に前哨戦があるなんて…。
でも良く考えるとこれは良い機会かもしれないわね。
お母様はジェシカさんがシャルルのことをどう思っているか分からないって言っておられたけれど、確実に意識しておられるわ。
ラランさんがシャルルの名前を出した時に、メラニーさんと同じようにピクッとされていたもの…。
ジェシカさんは確か11歳よね…。
サリー様とはちょっと雰囲気の違う大人しそうな女の子だけれど、青紫の髪の色のせいか、とても大人っぽく見えます。
やっぱり先に“女”になられるのは不利ですね…。
ージェシカー
ラランさんの口調からすると、メラニーさんはシャルルに嫌われないように頑張っておられるみたいですね。
フフッ…、シャルルはこんな小さな女の子にも影響を与えているのね。
私もあなたに会えたおかげで変われたと思うの…。
話をしてみると、メラニーさんが水属性で、ナーナルンさんが土属性でした。
私が火属性なので、属性がかぶらず良かったです。
シャルルは魔法の優劣で人を見ることはないですが、やはり気になりますものね。
それぞれのメイドの方も同じ属性だと言う事でした。
私も専属をカリーナに代えてもらっておいて良かったわ。
皆さんも専属の方から日々魔法を教わるようにされているのでしょう。
それにしてもナーナルンさんは私をジッと見ていますね…。
「メ…メラニーさん…、シャルルは元気にしていましたか?」
最初にシャルルと会ってからもう2年が経っているものね…。
「……うん、シャルルはとっても元気だったよ」
「それにとっても大きくて、優しくてずっと膝の上に座らせてもらっていたの~」
((なっ……))
「そ…そうですか…。メラニーさんはまだ小さいですからね…。私は火属性ですが、シャルルに優しそうだと言ってもらいましたよ」
ウフッ…、2年前にシャルルに言われた言葉がまだ頭の中に残っています。
「……」
ジェシカさん…、やっぱりシャルルに興味があるのですね…。
「わ…私はシャルルにナーナって呼んでもらっているぐらい仲が良いのよ~」
(ナーナルン様、それはその方が呼びやすいと思われただけなのですが…)
私が何かを言いたそうにしていると、ナーナルン様がキッと私を睨まれます。
「「むっ……」」
「そ、それはナーナルンさんがシャルルより年下だからですよ…」
「シャルルは年齢の割に男性らしいですからね~」
「私とも話が合って最初にお友達になったのですよ~」
「年齢なんて……」
そうくるのね…。
「私は…、私が…。うぅ~、シャルルは私のパートナーなんだからぁ~二人とも取っちゃダメ~」
「メ、メラニー様、シャルル様はまだ誰のパートナーでもありませんよ」
「だって…、二人が…」
「大丈夫ですよ。シャルル様が褒めてくださるような素敵な女性になれば良いのですから…」
「うん……」
頑張ってシャルルにまた頭を撫でてもらうんだからぁ~。
「ラランさんの言う通りね。誰が最初に友達になったかなんて関係ないわよね。ねぇ~、ジェシカさん?」
「フフ…、そうねナーナルンさん…」
私も年下の女の子達と張り合っていても仕方が無いないわね…。
それにメラニーさんはまだ小さいから簡単に言うけれど、シャルルにパートナーになってもらうのは領間のこともあって難しいのに…。
私も“女”になったらパートナー候補について考えていかないといけないけれど、シャルルと出会ってしまったら他の男性なんて選べる事が出来ないわ…。
だけど、ナーナルンさんはそれを承知で明らかにシャルルを慕っているみたいだし…。
万が一にもこの二人にシャルルを取られるのは嫌だわ…。
でも、私の方が先に“女”になるでしょうし、シャルルが“男”になるのもナーナルンさんが“女”になるより早いでしょう。
とりあえず今度シャルルに会った時は、私も素敵な女性になったと言ってもらえるようになっておかないと…。
シャルルが“男”になってパートナーを決めるまでは譲れませんね。
「み…皆さんは“シャルルの風”のためにケープノット領都へ来られたのですよね?」
「「はい…」」
雰囲気を察したラランさんが話を変えてこられました。
確かにシャルルもいないのに、ナーナルンさんやメラニーさんと腹の探り合いをしていても仕方がないですね。
「もう手に入れられましたか?」
「エバーミット様と同じように各領主には6個を譲っていただきました」
「それは良かったですね。あの“シャルルの風”はすごい魔道具ですよ~」
「私はもう使っているんだから…ねっ!」
メラニーさんが自慢顔でそう言ってきます。
やっぱりまだお子様ね…。
「私達はまだ実物には触っていないのですが、どういった魔道具なんですか?」
「髪を乾かす魔道具ですよ」
「髪をですか…?」
「“シャルルの風”を使うようになってから、髪がしっとり・さらさらでとっても快適なんです」と、ラランさんは自分の髪を撫でながら説明をしてくれました。
確かに良く見るとラランさんの髪は艶々としていて整えられています。
「メラニー様の髪を乾かす為に使ったら、すぐに私も欲しくなりましたよ~」
「幸運にも注目される前だったので初回発売日に購入できましたが、今は取り合いのようになっていますよ…」
「カリーナさんとフィルさんも気合を入れないと手に入らないかもしれませんね」
「……」
カリーナはシャルルに会ったこともありませんし、まだ使ってみてもいないので重要性を分かっていない顔をしていますが、ナーナルンさんのメイドのフィルさんは一瞬で顔色が変わっていました。
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