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第198話 タイロンの収穫祭5
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昼食後の一つ目の競技は『二人三脚』というものでした。
またもや泥の中で走るのですが、この競技は二人並んでお互いの内側の足を布で括って離れないようにするみたいです。
なるほど、『二人三脚』とはよく言ったものです。
「シャルル様…」
「じゃあ、僕とエリシアで参加してみようかな」と、言った途端、お姉ちゃん達ががっかりとした表情をしていました。
「ぼ、僕とエリシアだったらそんなに身長差も無いからね…」
「それはそうですけれど…」
ヌエットお姉ちゃんもとても残念そうです。
「でも、女の人同士でも参加出来るんだよ。ヌエットお姉ちゃんがトリスお姉ちゃんと一緒に参加するとか…」
「え~、シャルル様と一緒じゃないなら応援しておきます」
「ヌエットもひどいわね…」
「じゃあエリシア、受付に行こうか」
「は、はい…」
受付が済むと布紐が渡されさました。
これでお互いの内側の足を括るようです。
シャルルが布紐で足を括ると身体が密着してしまいます。
嬉しいような…、恥ずかしいような…。
周りを見ても女性が男性と二人一組になっているチームは数えるほどもいません。
やっぱりそうよね。こんな競技で二人一組になっているなんて、普通はパートナーかそれに近い関係じゃなきゃ出来ないものね。
(い…痛い…)
女性同士で組んでいる方からの視線が私に突き刺さってきます。
特に男性がシャルルですもの…。
もし私が王女と知られると顰蹙をかうかもしれませんね。
「なんだか皆がエリシアを見ているようだね」
「シャルル、男性とこうやってくっ付けることは女性にとっては稀なんですよ」
「そうなんだ…」
(さて、どうやって走るかなんだけれど…)
「向こうに見えるチームを見ると、密着して一体になれるようにしているよね」
「エリシアも僕の腰に腕を回してガッシリと抱きついてくれるかな?」
「えっ、あ…、はい…。こうですか…?」
「うん」
シャルルも私の右肩に手を掛けしっかりと抱き寄せてくれています。
ひぃ~~~、ドキドキするぅ~。
「じゃあ、内足から動かしてみようか…」
「は、はい…」
「キャッ…」
ベチャ…。
シャルルの胸の上に抱きつくように倒れてしまいました。
(ヒィッ…)
周りの女性から殺気を感じます。
「エリシア、内足からだよ…」
「す、すいません」
ドキドキし過ぎて舞いあがってしまっていました。
「ごめんね。シャルル。痛くなかった?」
「うん、僕は大丈夫だから…」
「じゃあ、もう一度、内足からね…」
私達は、内・外・内・外…と数歩歩いて確かめていきます。
「僕がエリシアの歩幅に合わせるからね」
「後は動かす足の順番だけ間違えないようにしよう」
「はい、そうですね」
「う~ん、シャルル様とあんなにくっ付いて…、エリシアさんが羨ましいですね」
「確かに…」
「でも、歩幅のこともありますからシャルル様のおっしゃる通りなんですけれどね」
「周りの女性の目も怖いですよ。私達よりエリシアさんで良かったのでは…」
「シャルル様がどうやって1番になられるのか楽しみですね…」
XX XY
「『二人三脚』はシャルル様とエリシア様のようですね」
『身長のことを考えるとちょうど良いわね』
「領民もまさかシャルル様と一緒におられるのが王女様とは思っていないでしょう」
『そうね。これまで王領を出たことがないとおっしゃっていたから…』
「今度は二人一緒に走りますからねぇ。シャルル様もさすがに1番は難しいかもしれませんよ」
『……』
シャルルが出て1番じゃないわけがないじゃない…。
リリアンは何を言っているのかしら…。
XX XY
「それでは、男女のチームがとっても羨ましい『二人三脚』を始めたいと思います」
「皆さん、準備は良いですかぁ~」
「「「おぉ~っ!!」」」
「「「「潰してやれぇ~」」」」
「「くぅ~、羨ましい~!」」
なんだか応援じゃない方が多い気がします。
「この『二人三脚』は開始地点から走っていき、向こう側で空気の入った球を受け取って、再びこの開始地点まで戻ってくる競技となります」
「この競技も『玉入れ』同様に2組に分かれています」
「各組、上位10チームが次の決勝へと進めますので、皆さん頑張ってください」
「シャルル、走るだけじゃなくて、向こう側で球を受け取って走るのですね」
「本当だね。これは予想外だよ」
「エリシア、僕が内側の足を出す時にだけ声を出すから、それに合わせて動いてくれる?」
「最初は内側からだよ」
「わ、分かったわ」
「では、用意は良いですか~、開始しますよ~」
パァーン!!
開始の合図で約20チームが開始地点から泥の中に入り対面に向かって走り出します。
「内……、内……、内……、内……、内……」
僕はエリシアの動きに合わせて声を出していきます。
一人で走るのとは違って、エリシアは泥の中で走るのが今日が初めてなので、とても辛そうです。
声を掛けたくても、足を動かしている間は“内”以外の言葉を言うとエリシアも混乱してしまうので言えません。
もうすぐ対面に着くところで、エリシアの外側の足が上手く泥から引き出せずヨロついてしまいました。
僕はエリシアの肩を抱いていた腕を脇の下に入れ直し、抱き支えて一度止まります。
「大丈夫? エリシア…」
「うん、ありがとうシャルル。あなたが抱き寄せてくれなかったら泥の中に倒れてしまうところだったわ」
「対面まではあと少しだよ。それに今でも十分10番以内に入っているよ」
「そ、そうね…」
僕たちは対面にたどり着き、球を受けとって今度は開始地点に戻ります。
戻りかけにコースを見渡すと、他のチームは足がもつれたりして泥まみれになっているところが多いようでした。
「思った以上に大きな球だね」
「そうですね。二人で持つようになっているので足元が見えないですよ~」
「じゃあ、戻りも内からだよ」
「はい」
「内……、内……、内……、内……、内……」
シャルルが声を出してくれているので、足元が見えなくてもなんとかシャルルに合わせていけました。
泥の中でこんなに不安定なのにシャルルはヨロつくこともありません。
シャルル一人だと泥の中でも驚くほど速く走れるのだから、やっぱり私が迷惑を掛けているのかな…。
「あっ…」
他の事を考えてしまったせいで、また外側の足が泥にとられてしまいました。
「大丈夫…?」
「ええ…、ごめんなさい。あんっ…」
シャルルが脇の下から差し入れた手が私の右胸をグヮシっと掴んでいます。
モニュ…。
「うひぃ…っ」
シャルルの抱き支えている手が胸を揉む形になっています。
「エリシア、ちょっと力を入れるから球は離さないでね」
そうシャルルが言った途端、身体がフッと軽くなり気付けば開始地点にまで戻っていました。
「おーっと、すごい速さで領主チームのシャルル様が3番目になり決勝進出です!」
「「「おぉ~、なんて速さだ~」」」
「「女性が浮いているように見えたわ~」」
「「「「羨ましい~」」」」
僕たちは一度足の布紐を解いてお姉ちゃん達のところに戻ります。
「シャルル様、お疲れ様です」
「最後はすごい速さでしたね」
「エリシアさんも頑張っていたわね~」
「お姉ちゃん達も応援ありがとう」
「ごめんね。シャルルの足手まといになっちゃって…」
「そんなこと全然ないよ。エリシアも頑張っているよ」
「決勝は最初からちょっと力を出すから…」
2組目も終わり、いよいよ決勝が行われます。
「エリシア、今度は最初から抱き支えておくからね。倒れることを心配しないで僕の腰に抱きついて足を動かしてくれればいいから」
「はいっ」
脇の下から回されたシャルルの手が私の胸を押えています。
「それでは、『二人三脚』の決勝を始めたいと思います」
「男女のチームは領主チームのシャルル様のところだけとなっています」
『オォ~~~ッ!』
「「「シャルル様~」」」
「精子くださ~い」
「皆さん、準備は良いですかぁ~」
パァーン!!
開始の合図で20チームが開始地点から泥の中に入り対面に向かって走り出します。
「内……、内……、内……、内……、内……」
2回目なのでエリシアも動きが分かってきているようです。
「じゃあ、エリシア行くよ…」
「えっ!? わっ…、は、はや…、はやい…」
私の内側の足がとんでもない回転をしたかと思うとあっという間に対面に着きました。
あまりの速さに観客席からも声が聞こえません。
「お、おーっと、い、一瞬でシャルル様のチームが対面にたどり着きました。球を受け取って戻られます」
進行役のお姉さんも状況把握に遅れがあるようです。
「シャルル~」
「あれ、エリシア、速すぎた?」
「これでもゆっくり目に走ったんだけどなぁ」
「そ、そうなの? じゃあ、早歩きぐらいで…」
「分かったよ」
シャルルに半分抱き支えられている為かまったく泥の抵抗もなく進んでいきました。
私はシャルルから離されないようにギュッと力をいれて抱き付いているだけなのです。
「い、1番はシャルル様のチームです!」
パチパチパチパチッ…。
「「「シャルル様~~~っ!」」
「「「格好いい~っ!」」」
「精…子ぃ~」
「やった~、エリシア、一番だよ~」
「はいっ」
2番と3番が決まるのは布紐を解いて、しばらくしてからのことでした。
「シャルル様、さすがです!」
「やっぱりシャルル様が1番でしたね」
「シャルル様に勝とうと思うのが間違いなんですよ」
「トリスお姉ちゃん、それはいくらなんでも…」
「でも、とっても楽しい競技だったよね。エリシア?」
「はい、と言っても私はシャルルにしがみついていただけなんですけれどね…」
「でもこんなに身体を動かしたのは生まれて初めてですよ」
XX XY
「ルーシャ様、シャルル様達が1番ですよ!」
『ええ、そうね。見ていたので知っています』
「エリシア様はシャルル様につかまっていただけに見えましたが…、それにしてもシャルル様のあの足腰の強さは異常ですよ」
『リリアン、シャルルは本当に力強くてたくましいと言っておいたでしょう』
「それにしたって…」
「でもシャルル様なら本当に私の…」
『……』
またもや泥の中で走るのですが、この競技は二人並んでお互いの内側の足を布で括って離れないようにするみたいです。
なるほど、『二人三脚』とはよく言ったものです。
「シャルル様…」
「じゃあ、僕とエリシアで参加してみようかな」と、言った途端、お姉ちゃん達ががっかりとした表情をしていました。
「ぼ、僕とエリシアだったらそんなに身長差も無いからね…」
「それはそうですけれど…」
ヌエットお姉ちゃんもとても残念そうです。
「でも、女の人同士でも参加出来るんだよ。ヌエットお姉ちゃんがトリスお姉ちゃんと一緒に参加するとか…」
「え~、シャルル様と一緒じゃないなら応援しておきます」
「ヌエットもひどいわね…」
「じゃあエリシア、受付に行こうか」
「は、はい…」
受付が済むと布紐が渡されさました。
これでお互いの内側の足を括るようです。
シャルルが布紐で足を括ると身体が密着してしまいます。
嬉しいような…、恥ずかしいような…。
周りを見ても女性が男性と二人一組になっているチームは数えるほどもいません。
やっぱりそうよね。こんな競技で二人一組になっているなんて、普通はパートナーかそれに近い関係じゃなきゃ出来ないものね。
(い…痛い…)
女性同士で組んでいる方からの視線が私に突き刺さってきます。
特に男性がシャルルですもの…。
もし私が王女と知られると顰蹙をかうかもしれませんね。
「なんだか皆がエリシアを見ているようだね」
「シャルル、男性とこうやってくっ付けることは女性にとっては稀なんですよ」
「そうなんだ…」
(さて、どうやって走るかなんだけれど…)
「向こうに見えるチームを見ると、密着して一体になれるようにしているよね」
「エリシアも僕の腰に腕を回してガッシリと抱きついてくれるかな?」
「えっ、あ…、はい…。こうですか…?」
「うん」
シャルルも私の右肩に手を掛けしっかりと抱き寄せてくれています。
ひぃ~~~、ドキドキするぅ~。
「じゃあ、内足から動かしてみようか…」
「は、はい…」
「キャッ…」
ベチャ…。
シャルルの胸の上に抱きつくように倒れてしまいました。
(ヒィッ…)
周りの女性から殺気を感じます。
「エリシア、内足からだよ…」
「す、すいません」
ドキドキし過ぎて舞いあがってしまっていました。
「ごめんね。シャルル。痛くなかった?」
「うん、僕は大丈夫だから…」
「じゃあ、もう一度、内足からね…」
私達は、内・外・内・外…と数歩歩いて確かめていきます。
「僕がエリシアの歩幅に合わせるからね」
「後は動かす足の順番だけ間違えないようにしよう」
「はい、そうですね」
「う~ん、シャルル様とあんなにくっ付いて…、エリシアさんが羨ましいですね」
「確かに…」
「でも、歩幅のこともありますからシャルル様のおっしゃる通りなんですけれどね」
「周りの女性の目も怖いですよ。私達よりエリシアさんで良かったのでは…」
「シャルル様がどうやって1番になられるのか楽しみですね…」
XX XY
「『二人三脚』はシャルル様とエリシア様のようですね」
『身長のことを考えるとちょうど良いわね』
「領民もまさかシャルル様と一緒におられるのが王女様とは思っていないでしょう」
『そうね。これまで王領を出たことがないとおっしゃっていたから…』
「今度は二人一緒に走りますからねぇ。シャルル様もさすがに1番は難しいかもしれませんよ」
『……』
シャルルが出て1番じゃないわけがないじゃない…。
リリアンは何を言っているのかしら…。
XX XY
「それでは、男女のチームがとっても羨ましい『二人三脚』を始めたいと思います」
「皆さん、準備は良いですかぁ~」
「「「おぉ~っ!!」」」
「「「「潰してやれぇ~」」」」
「「くぅ~、羨ましい~!」」
なんだか応援じゃない方が多い気がします。
「この『二人三脚』は開始地点から走っていき、向こう側で空気の入った球を受け取って、再びこの開始地点まで戻ってくる競技となります」
「この競技も『玉入れ』同様に2組に分かれています」
「各組、上位10チームが次の決勝へと進めますので、皆さん頑張ってください」
「シャルル、走るだけじゃなくて、向こう側で球を受け取って走るのですね」
「本当だね。これは予想外だよ」
「エリシア、僕が内側の足を出す時にだけ声を出すから、それに合わせて動いてくれる?」
「最初は内側からだよ」
「わ、分かったわ」
「では、用意は良いですか~、開始しますよ~」
パァーン!!
開始の合図で約20チームが開始地点から泥の中に入り対面に向かって走り出します。
「内……、内……、内……、内……、内……」
僕はエリシアの動きに合わせて声を出していきます。
一人で走るのとは違って、エリシアは泥の中で走るのが今日が初めてなので、とても辛そうです。
声を掛けたくても、足を動かしている間は“内”以外の言葉を言うとエリシアも混乱してしまうので言えません。
もうすぐ対面に着くところで、エリシアの外側の足が上手く泥から引き出せずヨロついてしまいました。
僕はエリシアの肩を抱いていた腕を脇の下に入れ直し、抱き支えて一度止まります。
「大丈夫? エリシア…」
「うん、ありがとうシャルル。あなたが抱き寄せてくれなかったら泥の中に倒れてしまうところだったわ」
「対面まではあと少しだよ。それに今でも十分10番以内に入っているよ」
「そ、そうね…」
僕たちは対面にたどり着き、球を受けとって今度は開始地点に戻ります。
戻りかけにコースを見渡すと、他のチームは足がもつれたりして泥まみれになっているところが多いようでした。
「思った以上に大きな球だね」
「そうですね。二人で持つようになっているので足元が見えないですよ~」
「じゃあ、戻りも内からだよ」
「はい」
「内……、内……、内……、内……、内……」
シャルルが声を出してくれているので、足元が見えなくてもなんとかシャルルに合わせていけました。
泥の中でこんなに不安定なのにシャルルはヨロつくこともありません。
シャルル一人だと泥の中でも驚くほど速く走れるのだから、やっぱり私が迷惑を掛けているのかな…。
「あっ…」
他の事を考えてしまったせいで、また外側の足が泥にとられてしまいました。
「大丈夫…?」
「ええ…、ごめんなさい。あんっ…」
シャルルが脇の下から差し入れた手が私の右胸をグヮシっと掴んでいます。
モニュ…。
「うひぃ…っ」
シャルルの抱き支えている手が胸を揉む形になっています。
「エリシア、ちょっと力を入れるから球は離さないでね」
そうシャルルが言った途端、身体がフッと軽くなり気付けば開始地点にまで戻っていました。
「おーっと、すごい速さで領主チームのシャルル様が3番目になり決勝進出です!」
「「「おぉ~、なんて速さだ~」」」
「「女性が浮いているように見えたわ~」」
「「「「羨ましい~」」」」
僕たちは一度足の布紐を解いてお姉ちゃん達のところに戻ります。
「シャルル様、お疲れ様です」
「最後はすごい速さでしたね」
「エリシアさんも頑張っていたわね~」
「お姉ちゃん達も応援ありがとう」
「ごめんね。シャルルの足手まといになっちゃって…」
「そんなこと全然ないよ。エリシアも頑張っているよ」
「決勝は最初からちょっと力を出すから…」
2組目も終わり、いよいよ決勝が行われます。
「エリシア、今度は最初から抱き支えておくからね。倒れることを心配しないで僕の腰に抱きついて足を動かしてくれればいいから」
「はいっ」
脇の下から回されたシャルルの手が私の胸を押えています。
「それでは、『二人三脚』の決勝を始めたいと思います」
「男女のチームは領主チームのシャルル様のところだけとなっています」
『オォ~~~ッ!』
「「「シャルル様~」」」
「精子くださ~い」
「皆さん、準備は良いですかぁ~」
パァーン!!
開始の合図で20チームが開始地点から泥の中に入り対面に向かって走り出します。
「内……、内……、内……、内……、内……」
2回目なのでエリシアも動きが分かってきているようです。
「じゃあ、エリシア行くよ…」
「えっ!? わっ…、は、はや…、はやい…」
私の内側の足がとんでもない回転をしたかと思うとあっという間に対面に着きました。
あまりの速さに観客席からも声が聞こえません。
「お、おーっと、い、一瞬でシャルル様のチームが対面にたどり着きました。球を受け取って戻られます」
進行役のお姉さんも状況把握に遅れがあるようです。
「シャルル~」
「あれ、エリシア、速すぎた?」
「これでもゆっくり目に走ったんだけどなぁ」
「そ、そうなの? じゃあ、早歩きぐらいで…」
「分かったよ」
シャルルに半分抱き支えられている為かまったく泥の抵抗もなく進んでいきました。
私はシャルルから離されないようにギュッと力をいれて抱き付いているだけなのです。
「い、1番はシャルル様のチームです!」
パチパチパチパチッ…。
「「「シャルル様~~~っ!」」
「「「格好いい~っ!」」」
「精…子ぃ~」
「やった~、エリシア、一番だよ~」
「はいっ」
2番と3番が決まるのは布紐を解いて、しばらくしてからのことでした。
「シャルル様、さすがです!」
「やっぱりシャルル様が1番でしたね」
「シャルル様に勝とうと思うのが間違いなんですよ」
「トリスお姉ちゃん、それはいくらなんでも…」
「でも、とっても楽しい競技だったよね。エリシア?」
「はい、と言っても私はシャルルにしがみついていただけなんですけれどね…」
「でもこんなに身体を動かしたのは生まれて初めてですよ」
XX XY
「ルーシャ様、シャルル様達が1番ですよ!」
『ええ、そうね。見ていたので知っています』
「エリシア様はシャルル様につかまっていただけに見えましたが…、それにしてもシャルル様のあの足腰の強さは異常ですよ」
『リリアン、シャルルは本当に力強くてたくましいと言っておいたでしょう』
「それにしたって…」
「でもシャルル様なら本当に私の…」
『……』
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