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第161話 女王様と王女様
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翌朝、僕達は朝早くから出発します。
今日は領界の山を越えて王領内に入ったところの町に着かなければならないからです。
『トリス、ヌエット、山道の運転は気をつけてくださいね』
「「はい!」」
町を出て山道に入ると、商用の魔動力車がギリギリすれ違うことが出来るぐらいの道幅しかありません。
僕達の乗る魔動力車にとっては十分な道幅ですが、それでもがけ下に落ちないように気をつけなければなりません。
『トリスたちも運転が大変でしょうね』
「そうですね。これだけ曲がりくねっていると…。こまめに休憩してヌエットと交代しながら進むと言っていました」
しばらくすると魔動力車が急に止まり、ヌエットお姉ちゃんが乗客室の扉を開けてきました。
「ルーシャ様、前方でがけ崩れのようです」
『通り抜けることは出来ないのですか?』
「はい、私達のような魔動力車なら通れると思います」
休憩がてらに全員が魔動力車から降り、がけ崩れの場所を確認にいきます。
「ルーシャ様、シャルル様は危ないので下がっていてくださいね」
ヌエットお姉ちゃんが小さな岩を砕いて通りやすくなるようにしています。
「岩が落ちてきた時に誰も通っていなくて良かったね」
『そうね。ここはケープノット領と王領のどちらなのかしら? 知らせておかないと危険ですね』
「目印のような物はなかったと思うから、まだケープノット領内じゃない?」
『どちらにしてもこのまま王領に入って、今日向かう町で報告するしかないわね…』
「…けて…、だれ…か…、たす…」
「えっ!? お、お母さん、声が聞こえるよ!」
『ど、どうしたの突然…、私には何も…』
「みんな、ちょっと静かに…」
僕の声で、ヌエットお姉ちゃんも作業を止め静かにこちらを見ています。
「だれ…か…、たす…けて…」
「うん、やっぱり聞こえるよ。お母さん、崖下だよ!」
『シエラ、メルモア、急いで確認してちょうだい!』
「「はいっ」」
二人がそうっと崖下を見に行くと、二人が慌てた顔でこちらを見返してきました。
「ルーシャ様、魔動力車が少し下に落ちています!」
「かろうじて突き出した岩の上に載っているようです」
「お母さん、風属性の魔法で浮かせられない?」
『さすがにあの大きさは…、その場で少し浮かせても動かすことは出来ません』
「そう…」
「ルーシャ様、あの魔動力車、どうやら王都の物のようです」
『そんな…まさか…』
「シエラお姉ちゃん、何か括るものはある?」
「はい、荷物をまとめたり、固定するための物なら…」
「じゃあ、僕に括りつけて…、あの魔動力車から乗っている人を直接抱え出すよ」
「そ、そんな…、シャルル様に危険なことをさせられません」
「大丈夫だよ、お姉ちゃん達が紐を離さなければ僕は落ちないよ。お母さんは僕に魔法を使って手伝って」
『そうですね。それしかなさそうですね』
「ルーシャ様…」
僕はお母さん達に手伝ってもらいながら、山道から少し下に落ちている魔動力車の扉のところにたどり着きました。
落ちた拍子に魔動力車が横に倒れているからです。
乗客室の扉を開けると中には4人が乗っていて、一人の女の子がかろうじて意識のある状態でした。
「お母さ~ん、乗客室には4人いたよ~」
「僕は両腕で2人を抱えられるけれど、お母さん達は引き上げられそう~?」
『そうね~、念のために一人ずつにしてくれるかしら~』
「うん、わかった~」
まずは意識のある女の子を乗客室から引っ張り上げ、腕に抱きかかえます。
「お母さん、いいよ~」と声をかけると、お母さんとお姉ちゃん達の力で山道に引き上げられます。
『やっぱり、あなたはエリシア様…』
『そうしたらまだ中にいらっしゃるのはグレイス様なのね…』
「「「「えっ…、女王様…?」」」」
『シャルル次はグレイス様…、他の二人とは服装の違う女性をお願いね』
「うん…」
僕はさっきと同じように横倒しになっている魔動力車に降り立ち、それらしき女性を引っ張り出し、抱きかかえます。
(うっ…、この女の人、胸がメルモアお姉ちゃんぐらい大きいよ)
抱きかかえると、顔にムニュっと胸が当たってきます。
運転席にも2人いることが分かり、結局その後同じ作業を4回繰り返して全員を山道に引きあげるのでした。
『シャルル、ありがとう』
「「「「お疲れ様です。シャルル様」」」」
「うん、皆こそ引き上げてくれてありがとう」
『まさか女王様一行だったとは…ね』
幸いにも落ちた時に頭を少し打って気を失っているだけのようでした。
お母さんが意識のある女の子に聞くと、二日前の昼過ぎからあの状態だったそうです。
水分と食べ物をとるとだいぶ落ち着いたように見えます。
『エリシア様、私のことが分かりますか?』
「はい…、エルスタイン領主、ルーシャ様ですね。助けていただきありがとうございます」
『とりあえず、移動しますが残念ながら山道から落ちた魔動力車は引き上げられませんので、このまま置いておきますがよろしいですか?』
「はい、問題ありません。ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いいたします」
僕達は倒れている女王様やメイドのお姉さん達を魔動力車に座らせ、がけ崩れを避けながら再び進み始めました。
「今回は荷物を積んでいなくて良かったね」
「そうですね。少し窮屈ですが町までは我慢して座っていただきましょう」
「本当に助かりましたわ、ルーシャ様」
『どうしてこんなところにいらっしゃたのですか?』
「はい、先日私も“女”になりまして、領主様方にご報告するためにケープノット領都で行われる領主会議に参加させていただこうと思ったのです」
「本当はルーシャ様達が王都を通られる時に、ご同行させていただこうと思っていたのですが、エバーミット様のパートナーがお亡くなりになられたと知って、王都には立ち寄られないだろうと、私達も急いでケープノット領都に向かっていたのです」
『そうだったのですか…』
『でも本当に無事で良かったです。それから、おめでとうございます』
「ありがとうございます…」
「ルーシャ様は本当に若々しくてお綺麗なのですね。昨年サリー様が王都に立ち寄られた時にそう聞いていたんですよ」
『サリー様ですか…』
「それに、そちらの方がシャルル様ですね」
「本当に、サリー様のおっしゃるとおりです。かわいくて、格好良くて、なんてたくましい男の子なのかしら…」
「シャルル様、本当に助けてくださってありがとうございます」
「自己紹介が遅れて申し訳ありません。私はエリシア・ローマンです」
「僕はシャルル・エルスタインです。よろしくね」
『シャルル、お友達ではないんですから…』
「いえ、良いんですよ。シャルル様、エリシアと呼んでくださってかまいませんからね。お友達になりましょう」
「うん、じゃあ僕のこともシャルルでいいからね」
「はいっ」と、エリシアはニコッと微笑んでくれました。
「聞けば、シャルルが私の声に気付いてくれたとか…」
『そうですよ。シャルルが気付かなければそのままがけ崩れを避けながら進んでいたところです』
「シャルルは命の恩人ですね」
「う~ん…、ここは…」
「お、お母様、お気づきになられましたか?」
「エ、エリシア…、私達は…」
ハッ…。
「山道から落ちたのでしたね」
「もう、大丈夫ですよ。ルーシャ様に助けていただきましたから…」
「ル、ルーシャ様…。助けていただき本当にありがとうございます。急にがけが崩れてきて、避けようとしたら落ちてしまったようです」
『でも、運が良かったですよ。下まで落ちていたら助からなかったでしょう』
「お母様、こちらのシャルル様が助けてくれたのよ」
「シャルル様って…、今回は助けていただき本当にありがとうございます。なんとお礼を申せば良いか…」
『グレイス様、もういいですよ。エリシア様からもお礼を言っていただけましたし…』
『シャルル、ご挨拶して…』
「はい…、はじめましてグレイス・ローマン様、シャルル・エルスタインです」
「本当にかわいくて、格好良くて、たくましい男の子なんですね」
「私がもう少し若ければ…、エリシアもシャルル様に会えて良かったじゃない…」
「もう、お母様、な、何を言っているんですか…」
そう慌てて答えるエリシアは顔を赤くしていました。
『先ほどエリシア様にも申しましたが、グレイス様の魔動力車は引き上げることが出来ませんでしたので、そのままにして現在は王領内の町に向かっています』
『ちょうど王都に用事がありましたので、良ければ同行させていただきたいと思います』
「もちろんです。ルーシャ様には感謝しかありません。王都に立ち寄られるならぜひ王城に滞在してください。歓迎させていただきますよ」
今日は領界の山を越えて王領内に入ったところの町に着かなければならないからです。
『トリス、ヌエット、山道の運転は気をつけてくださいね』
「「はい!」」
町を出て山道に入ると、商用の魔動力車がギリギリすれ違うことが出来るぐらいの道幅しかありません。
僕達の乗る魔動力車にとっては十分な道幅ですが、それでもがけ下に落ちないように気をつけなければなりません。
『トリスたちも運転が大変でしょうね』
「そうですね。これだけ曲がりくねっていると…。こまめに休憩してヌエットと交代しながら進むと言っていました」
しばらくすると魔動力車が急に止まり、ヌエットお姉ちゃんが乗客室の扉を開けてきました。
「ルーシャ様、前方でがけ崩れのようです」
『通り抜けることは出来ないのですか?』
「はい、私達のような魔動力車なら通れると思います」
休憩がてらに全員が魔動力車から降り、がけ崩れの場所を確認にいきます。
「ルーシャ様、シャルル様は危ないので下がっていてくださいね」
ヌエットお姉ちゃんが小さな岩を砕いて通りやすくなるようにしています。
「岩が落ちてきた時に誰も通っていなくて良かったね」
『そうね。ここはケープノット領と王領のどちらなのかしら? 知らせておかないと危険ですね』
「目印のような物はなかったと思うから、まだケープノット領内じゃない?」
『どちらにしてもこのまま王領に入って、今日向かう町で報告するしかないわね…』
「…けて…、だれ…か…、たす…」
「えっ!? お、お母さん、声が聞こえるよ!」
『ど、どうしたの突然…、私には何も…』
「みんな、ちょっと静かに…」
僕の声で、ヌエットお姉ちゃんも作業を止め静かにこちらを見ています。
「だれ…か…、たす…けて…」
「うん、やっぱり聞こえるよ。お母さん、崖下だよ!」
『シエラ、メルモア、急いで確認してちょうだい!』
「「はいっ」」
二人がそうっと崖下を見に行くと、二人が慌てた顔でこちらを見返してきました。
「ルーシャ様、魔動力車が少し下に落ちています!」
「かろうじて突き出した岩の上に載っているようです」
「お母さん、風属性の魔法で浮かせられない?」
『さすがにあの大きさは…、その場で少し浮かせても動かすことは出来ません』
「そう…」
「ルーシャ様、あの魔動力車、どうやら王都の物のようです」
『そんな…まさか…』
「シエラお姉ちゃん、何か括るものはある?」
「はい、荷物をまとめたり、固定するための物なら…」
「じゃあ、僕に括りつけて…、あの魔動力車から乗っている人を直接抱え出すよ」
「そ、そんな…、シャルル様に危険なことをさせられません」
「大丈夫だよ、お姉ちゃん達が紐を離さなければ僕は落ちないよ。お母さんは僕に魔法を使って手伝って」
『そうですね。それしかなさそうですね』
「ルーシャ様…」
僕はお母さん達に手伝ってもらいながら、山道から少し下に落ちている魔動力車の扉のところにたどり着きました。
落ちた拍子に魔動力車が横に倒れているからです。
乗客室の扉を開けると中には4人が乗っていて、一人の女の子がかろうじて意識のある状態でした。
「お母さ~ん、乗客室には4人いたよ~」
「僕は両腕で2人を抱えられるけれど、お母さん達は引き上げられそう~?」
『そうね~、念のために一人ずつにしてくれるかしら~』
「うん、わかった~」
まずは意識のある女の子を乗客室から引っ張り上げ、腕に抱きかかえます。
「お母さん、いいよ~」と声をかけると、お母さんとお姉ちゃん達の力で山道に引き上げられます。
『やっぱり、あなたはエリシア様…』
『そうしたらまだ中にいらっしゃるのはグレイス様なのね…』
「「「「えっ…、女王様…?」」」」
『シャルル次はグレイス様…、他の二人とは服装の違う女性をお願いね』
「うん…」
僕はさっきと同じように横倒しになっている魔動力車に降り立ち、それらしき女性を引っ張り出し、抱きかかえます。
(うっ…、この女の人、胸がメルモアお姉ちゃんぐらい大きいよ)
抱きかかえると、顔にムニュっと胸が当たってきます。
運転席にも2人いることが分かり、結局その後同じ作業を4回繰り返して全員を山道に引きあげるのでした。
『シャルル、ありがとう』
「「「「お疲れ様です。シャルル様」」」」
「うん、皆こそ引き上げてくれてありがとう」
『まさか女王様一行だったとは…ね』
幸いにも落ちた時に頭を少し打って気を失っているだけのようでした。
お母さんが意識のある女の子に聞くと、二日前の昼過ぎからあの状態だったそうです。
水分と食べ物をとるとだいぶ落ち着いたように見えます。
『エリシア様、私のことが分かりますか?』
「はい…、エルスタイン領主、ルーシャ様ですね。助けていただきありがとうございます」
『とりあえず、移動しますが残念ながら山道から落ちた魔動力車は引き上げられませんので、このまま置いておきますがよろしいですか?』
「はい、問題ありません。ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いいたします」
僕達は倒れている女王様やメイドのお姉さん達を魔動力車に座らせ、がけ崩れを避けながら再び進み始めました。
「今回は荷物を積んでいなくて良かったね」
「そうですね。少し窮屈ですが町までは我慢して座っていただきましょう」
「本当に助かりましたわ、ルーシャ様」
『どうしてこんなところにいらっしゃたのですか?』
「はい、先日私も“女”になりまして、領主様方にご報告するためにケープノット領都で行われる領主会議に参加させていただこうと思ったのです」
「本当はルーシャ様達が王都を通られる時に、ご同行させていただこうと思っていたのですが、エバーミット様のパートナーがお亡くなりになられたと知って、王都には立ち寄られないだろうと、私達も急いでケープノット領都に向かっていたのです」
『そうだったのですか…』
『でも本当に無事で良かったです。それから、おめでとうございます』
「ありがとうございます…」
「ルーシャ様は本当に若々しくてお綺麗なのですね。昨年サリー様が王都に立ち寄られた時にそう聞いていたんですよ」
『サリー様ですか…』
「それに、そちらの方がシャルル様ですね」
「本当に、サリー様のおっしゃるとおりです。かわいくて、格好良くて、なんてたくましい男の子なのかしら…」
「シャルル様、本当に助けてくださってありがとうございます」
「自己紹介が遅れて申し訳ありません。私はエリシア・ローマンです」
「僕はシャルル・エルスタインです。よろしくね」
『シャルル、お友達ではないんですから…』
「いえ、良いんですよ。シャルル様、エリシアと呼んでくださってかまいませんからね。お友達になりましょう」
「うん、じゃあ僕のこともシャルルでいいからね」
「はいっ」と、エリシアはニコッと微笑んでくれました。
「聞けば、シャルルが私の声に気付いてくれたとか…」
『そうですよ。シャルルが気付かなければそのままがけ崩れを避けながら進んでいたところです』
「シャルルは命の恩人ですね」
「う~ん…、ここは…」
「お、お母様、お気づきになられましたか?」
「エ、エリシア…、私達は…」
ハッ…。
「山道から落ちたのでしたね」
「もう、大丈夫ですよ。ルーシャ様に助けていただきましたから…」
「ル、ルーシャ様…。助けていただき本当にありがとうございます。急にがけが崩れてきて、避けようとしたら落ちてしまったようです」
『でも、運が良かったですよ。下まで落ちていたら助からなかったでしょう』
「お母様、こちらのシャルル様が助けてくれたのよ」
「シャルル様って…、今回は助けていただき本当にありがとうございます。なんとお礼を申せば良いか…」
『グレイス様、もういいですよ。エリシア様からもお礼を言っていただけましたし…』
『シャルル、ご挨拶して…』
「はい…、はじめましてグレイス・ローマン様、シャルル・エルスタインです」
「本当にかわいくて、格好良くて、たくましい男の子なんですね」
「私がもう少し若ければ…、エリシアもシャルル様に会えて良かったじゃない…」
「もう、お母様、な、何を言っているんですか…」
そう慌てて答えるエリシアは顔を赤くしていました。
『先ほどエリシア様にも申しましたが、グレイス様の魔動力車は引き上げることが出来ませんでしたので、そのままにして現在は王領内の町に向かっています』
『ちょうど王都に用事がありましたので、良ければ同行させていただきたいと思います』
「もちろんです。ルーシャ様には感謝しかありません。王都に立ち寄られるならぜひ王城に滞在してください。歓迎させていただきますよ」
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