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第76話 私服と水着
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『シャルル、気をつけてね』
「うん、大丈夫。お姉ちゃん達もいるから…」
「シャルル様、私も行きたかったです…。メンテール、シャルル様を頼みましたよ」
「大丈夫よシエラ、任せておいて」
朝早くからお母さん達に見送られながら僕たちは川に向かって出発しました。
運転席にはヌエットお姉ちゃんとトリスお姉ちゃんが乗っています。
ヌエットお姉ちゃんが僕に横に乗ってと目で訴えていましたが、まずは川に安全に着かないといけないので案内役のトリスお姉ちゃんに座ってもらいました。
乗客室にはメンテールお姉ちゃんとキルシッカお姉ちゃん、それからもう一人茶色の髪をしたお姉ちゃんが乗っています。
名前はエリオンお姉ちゃんといってキルシッカお姉ちゃんと同じ頃に屋敷に入り、火属性なのだそうです。
僕と同じくらいの身長なのですが、胸は身体に似合わずお母さんぐらい大きさがあります。
「メンテールお姉ちゃん、川まではどれくらいで着くの?」
「早めに出発しましたから、いつもの朝食が食べ終わった頃には着くと思いますよ」
「本当に近いんだね。もっと早く行っておけば良かったよ」
窓の外を見ていると、陽の昇る方角に向かっているようでした。
今回は日帰りで川に遊びに行くだけなので、みんなには私服で参加してもらっています。
「メンテールお姉ちゃんの私服って湖に行った以来だね」
「そうですね。あまり着る機会もないですから…」
「でも今日の服装も綺麗でとてもよく似合っているよ」
今日のメンテールお姉ちゃんは肩の出ている白色の半袖ニットシャツに髪の色に合わせた深い青色の短めのスカートでした。
「シャルル様に褒めてもらえて嬉しい~」
「……」
そう言って抱き付いてくるのですが、たぶんこのシャツは元々お腹まで隠れるようになっているのだと思います。
胸が大きくて裾が捲れ上がっていてお臍が見え、シャツも身体にピッタリとしているので胸の大きめの突起部分も浮き上がって見えています。
「キルシッカお姉ちゃんもかわいいよ」
僕の向かい側に座っていたキルシッカお姉ちゃんは白色の長袖ブラウスに、薄い黄色のフワッとした長めのスカートでした。
「あ、ありがとうございます」
顔を赤くして答えてくれています。
あまり肌を見せたくないそうですが、白いブラウスを着ているととても健康そうで綺麗だと思います。
「エリオンお姉ちゃんの服も綺麗な色で良く似合っているね…」
エリオンお姉ちゃんはピンク色の丈の短い半袖ワンピースでした。
ワンピースの前側で胸元から下までボタンで開け閉めできるようになっているようです。
胸のボタンが…。
「はい、今日は私の一番のお気に入りをがんばって着てきました」
「でも、胸のボタンがちぎれそうですよ…」
僕が思っていたことをメンテールお姉ちゃんが言っています。
二人の話を聞いていると、なんでも胸だけが大きいと着る服がなかなか無いそうです。
エリオンお姉ちゃんがこちらを向いて話してくると、スカートの中から白い下着が見えていましたが黙っておきました。
おそらくエリオンお姉ちゃんも、胸が大きいのでその分ワンピースの丈が短くなっているのでしょう。
「え~っと、エリオンお姉ちゃんはトリスお姉ちゃんに誘ってもらったの?」
今までトリスお姉ちゃんからエリオンお姉ちゃんのことを聞いたことがありませんでした。
「いいえ、私はヌエット先輩からトリス先輩に頼んでいただいて誘っていただけました」
「へぇ~、ヌエットお姉ちゃんと仲が良いんだ」
「ちょっといろいろありまして…。そうです、以前シャルル様がお土産に買ってくださった“やきもい”を私がいただいたんですよ」
「そうだったんだ…。みんなに配れるほど買ってこれなくてごめんね…」
それを聞いてキルシッカお姉ちゃんが残念そうにしていたので、たぶん食べられなかったのでしょう…。
「それよりみんな、ちゃんと水着を持ってきた?」
「はい、ちゃんと持ってきましたわよ。私は湖で着ていたものと同じでシャルル様とおそろいです」
「あ~、あの水着だね」
「シャルル様、私もすごい水着を持ってきましたから驚かないでくださいね~」
「私は水着を着るのは初めてですから~」
エリオンお姉ちゃんは自信満々に、キルシッカお姉ちゃんは恥ずかしそうに言っていました。
それからしばらくして、本当にいつもの朝食が終わる頃に川が近くに見えてきて、魔動力車が止まったと思えばトリスお姉ちゃんが乗客室の扉を開けて「着きましたよ」と教えてくれました。
「トリスお姉ちゃん、お疲れ様」
今日は空色の半袖シャツワンピースを着ていました。
「トリスお姉ちゃん、湖の時とはずいぶん印象が違うよね」
「はい、あの時シエラ先輩が着ていた水着の空色が好きだっておっしゃっていましたので、空色のワンピースを探したんですよ」
「どうですか~?」
クルクルっと回って見せてくれました。
裾がフワッとめくれあがり、黄色の下着をつけたプリッとしたお尻も見えました。
「トリスお姉ちゃん、あんまり勢いよく回るからお尻が見えてたよ」
「もう、シャルル様ったら~」
「シャルル様、私も見てくださいよ~」
「ああ~、ごめんね。ヌエットお姉ちゃんも運転ご苦労様」
「帰りはぜひ横に座ってくださいねっ!」
「それより、どうです私の私服姿?」
「う、うん、とっても綺麗だよ。ちょっと想像以上だったから驚いたよ」
ヌエットお姉ちゃんは薄いベージュ色のノースリーブで丈の短いニットワンピースを着ていました。
それにあわせて綺麗な金髪も頭の後ろでくくっています。
「本当ですか~、とっても嬉しいです」
「さわり心地が良いと思うので帰りに触ってくださいね(ボソッ)」
僕の耳元でそう言ってくるのでした。
XX XY
「ここはとても綺麗な場所だね~」
この川辺はリモア湖のような観光地ではないので、遊びに来るのはエルスタイン領都の方がほとんどなのだそうです。
川の上流、左手奥には屋敷ぐらいの高さの滝があり、水が勢いよく流れ落ちていて前にシエラお姉ちゃんに見せてもらった7色の光が滝つぼの近くに見えています。
木々に囲まれた滝つぼは湖のようにボートが出せるほどの広さではありませんが、泳いだり遊ぶには十分な広さがあり、側に見えている岩から滝つぼに飛び込んで遊べるようにもなっているようです。
「では、魔動力車はここに置いて、あちらの川辺に行きましょうか」
「メンテール先輩、良い場所が確保できましたね~」
「そうでしょう。この川に遊びに来るならこの辺りが良いわよ」
「地面が砂になっていて寝転がることも出来るし、小さめの岩がいくつかあって目隠しもされていますからね」
「メンテールお姉ちゃんに付いて来てもらって良かったよ」
「そうでしょう~」
メンテールお姉ちゃんは大きな胸をポヨポヨと弾ませながら喜んでいます。
「じゃあ、私はテーブルと椅子を…、ヌエットはそこに壁を作って水着に着替えられるようにしてくれるかしら…」
「はい、わかりました」
「「あの~メンテール先輩、私達は何をすれば…」」
「そうねぇ、今はいいわ。でも昼食の準備などはキルシッカとエリオンに任せますね」
「「はいっ」」
「ヌエットが目隠しの壁を作ったらさっそく水着に着替えましょう」
「シャルル様、どうですか~」
一番に着替えて出てきたのはやっぱりトリスお姉ちゃんでした。
「うん、似合ってるよ…」
湖で着ていた黄色い水着です。
トリスお姉ちゃんには明るい色が良く似合っています。
「パンツはまだ何とか大丈夫そうですが…、今度は胸が湖に行った時より少しきつく感じますね。また少し大きくなったのかも~」
「ハハ…」
僕の顔をみながら両腕を組んで胸を持ち上げて見せてきます。
今回はなんとか大きさが合わなくて買い替える必要は無かったようです。
「トリス、まだまだね」
トリスお姉ちゃんの後ろからメンテールお姉ちゃんが出てきました。
乗客室で聞いていたように、メンテールお姉ちゃんも湖に着ていた水着と同じです。
「くっ、メンテール先輩も相変わらずすごいですね…」
「どうすればそんな胸だけが大きい体型になるのですか~」
「フフフ…、良いでしょう。でも元々全身が細かったのよ。ただ、“女”になってから胸だけが他より成長したって感じかしら…」
「……」
胸周りの大きさは合っていても胸がこぼれそうです。
「シャルル様、お待たせしました~」
ヌエットお姉ちゃんは上下共にピンク色の水着でした。
「うん、ヌエットお姉ちゃんもすごく似合っているよ」
「みんなとっても上手に選ぶよね」
「男用は灰色しかないから、なんだか面白くないよね…」
「そ、そんなこと無いですよ!」
「シャルル様は私達の水着で華やかな気分にさせてあげますから…」
「ありがとう、皆…」
「そうですよ、シャルル様。ほら私の水着の上も灰色でおそろいなんですから…。それに水着より身体ですよ…」
「ハハ…、身体って…」
メンテールお姉ちゃんが励ましてくれます。
「シャ…シャルル様…、どうでしょう…?」
「「「えっ!?」」」
「キルシッカお姉ちゃん、水着を着るのが初めてだって言ってたよね。こう言うとキルシッカお姉ちゃんは嫌がるかもしれないけれど、お姉ちゃんの薄褐色の肌に白い水着が映えてとても似合っているよ」
「あ、ありがとうございます。そんなに褒めていただけてとても嬉しいです」
一生懸命に水着を選んで良かったわ~。
「そんなキラキラした白色の生地があったのね」
「なんだか、胸の布の幅が細い形なんですね…」
ヌエットお姉ちゃんは生地に、トリスお姉ちゃんは形の違いに興味があるようでした。
「胸の部分の布が細いのもなんだか素敵に見えるわね。次は私もその幅の物にしようかしら…」
「「メンテール先輩があの幅にすると、胸が出ちゃいますよ!」」
ヌエットお姉ちゃんとトリスお姉ちゃんの意見はもっともです。
「いやでも、本当にキルシッカお姉ちゃんの綺麗な髪も映えてかわいいよ」
僕が感心しながら言うと、薄褐色の肌でも分かるぐらい顔を真っ赤にしていました。
「後はエリオンね…」
「乗客室の中でかなり自信満々に言っていたから楽しみだよ」
すると、エリオンお姉ちゃんはみんなと違いタオルを身体に巻いて僕たちの前に出てきました。
あれ、この登場の仕方、どこかで…。
僕は一瞬、メンテールお姉ちゃんの顔を見ました。
すると、ちょうどお姉ちゃんも僕の方を見ています。
「「ま、まさか…」」
僕たち二人の声がそろったところで、エリオンお姉ちゃんが「じゃじゃ~ん」と言いながらタオルを取りました。
「「えっ!? 水着を着ていない…?」」
トリスお姉ちゃんは気付いていなかったのか、ヌエットお姉ちゃんと一緒に驚いています。
「「やっぱり…、“着ていない”(です)か…(ボソッ)」」
キルシッカお姉ちゃんはどんな水着か知っていたのか、僕たちの反応にハラハラしているようです。
「どうですか、シャルル様~?」
「う、うん、エリオンお姉ちゃんにとっても似合っているよ。驚きで言えばこの中で一番だったかな…ハハ…」
小さめの身体に釣り合わない大きな胸、分かっていても一瞬“着ていない”ように見えました。
「そうですかぁ、良かった~。この水着今とっても流行っているんですよ~」
「「「えっ!?」」」
トリスお姉ちゃんもあの時のお母さんの衝撃を思い出したようです。
「あれって特注だって聞いたけどよく用意できたわね」
「メンテール先輩はご存知だったのですね」
「運良く最初に特注された方の試色分が残っていて、お店から売っていただいたんですよ」
お母さんが注文したとは言えない雰囲気です。
「確かにあの胸の大きさならピッタリかもしれませんね…」
トリスお姉ちゃんもエリオンお姉ちゃんの胸を見ながらそう言っています。
「まぁ、とりあえず、みんな用意できたことだしさっそく水遊びしようか…」
「うん、大丈夫。お姉ちゃん達もいるから…」
「シャルル様、私も行きたかったです…。メンテール、シャルル様を頼みましたよ」
「大丈夫よシエラ、任せておいて」
朝早くからお母さん達に見送られながら僕たちは川に向かって出発しました。
運転席にはヌエットお姉ちゃんとトリスお姉ちゃんが乗っています。
ヌエットお姉ちゃんが僕に横に乗ってと目で訴えていましたが、まずは川に安全に着かないといけないので案内役のトリスお姉ちゃんに座ってもらいました。
乗客室にはメンテールお姉ちゃんとキルシッカお姉ちゃん、それからもう一人茶色の髪をしたお姉ちゃんが乗っています。
名前はエリオンお姉ちゃんといってキルシッカお姉ちゃんと同じ頃に屋敷に入り、火属性なのだそうです。
僕と同じくらいの身長なのですが、胸は身体に似合わずお母さんぐらい大きさがあります。
「メンテールお姉ちゃん、川まではどれくらいで着くの?」
「早めに出発しましたから、いつもの朝食が食べ終わった頃には着くと思いますよ」
「本当に近いんだね。もっと早く行っておけば良かったよ」
窓の外を見ていると、陽の昇る方角に向かっているようでした。
今回は日帰りで川に遊びに行くだけなので、みんなには私服で参加してもらっています。
「メンテールお姉ちゃんの私服って湖に行った以来だね」
「そうですね。あまり着る機会もないですから…」
「でも今日の服装も綺麗でとてもよく似合っているよ」
今日のメンテールお姉ちゃんは肩の出ている白色の半袖ニットシャツに髪の色に合わせた深い青色の短めのスカートでした。
「シャルル様に褒めてもらえて嬉しい~」
「……」
そう言って抱き付いてくるのですが、たぶんこのシャツは元々お腹まで隠れるようになっているのだと思います。
胸が大きくて裾が捲れ上がっていてお臍が見え、シャツも身体にピッタリとしているので胸の大きめの突起部分も浮き上がって見えています。
「キルシッカお姉ちゃんもかわいいよ」
僕の向かい側に座っていたキルシッカお姉ちゃんは白色の長袖ブラウスに、薄い黄色のフワッとした長めのスカートでした。
「あ、ありがとうございます」
顔を赤くして答えてくれています。
あまり肌を見せたくないそうですが、白いブラウスを着ているととても健康そうで綺麗だと思います。
「エリオンお姉ちゃんの服も綺麗な色で良く似合っているね…」
エリオンお姉ちゃんはピンク色の丈の短い半袖ワンピースでした。
ワンピースの前側で胸元から下までボタンで開け閉めできるようになっているようです。
胸のボタンが…。
「はい、今日は私の一番のお気に入りをがんばって着てきました」
「でも、胸のボタンがちぎれそうですよ…」
僕が思っていたことをメンテールお姉ちゃんが言っています。
二人の話を聞いていると、なんでも胸だけが大きいと着る服がなかなか無いそうです。
エリオンお姉ちゃんがこちらを向いて話してくると、スカートの中から白い下着が見えていましたが黙っておきました。
おそらくエリオンお姉ちゃんも、胸が大きいのでその分ワンピースの丈が短くなっているのでしょう。
「え~っと、エリオンお姉ちゃんはトリスお姉ちゃんに誘ってもらったの?」
今までトリスお姉ちゃんからエリオンお姉ちゃんのことを聞いたことがありませんでした。
「いいえ、私はヌエット先輩からトリス先輩に頼んでいただいて誘っていただけました」
「へぇ~、ヌエットお姉ちゃんと仲が良いんだ」
「ちょっといろいろありまして…。そうです、以前シャルル様がお土産に買ってくださった“やきもい”を私がいただいたんですよ」
「そうだったんだ…。みんなに配れるほど買ってこれなくてごめんね…」
それを聞いてキルシッカお姉ちゃんが残念そうにしていたので、たぶん食べられなかったのでしょう…。
「それよりみんな、ちゃんと水着を持ってきた?」
「はい、ちゃんと持ってきましたわよ。私は湖で着ていたものと同じでシャルル様とおそろいです」
「あ~、あの水着だね」
「シャルル様、私もすごい水着を持ってきましたから驚かないでくださいね~」
「私は水着を着るのは初めてですから~」
エリオンお姉ちゃんは自信満々に、キルシッカお姉ちゃんは恥ずかしそうに言っていました。
それからしばらくして、本当にいつもの朝食が終わる頃に川が近くに見えてきて、魔動力車が止まったと思えばトリスお姉ちゃんが乗客室の扉を開けて「着きましたよ」と教えてくれました。
「トリスお姉ちゃん、お疲れ様」
今日は空色の半袖シャツワンピースを着ていました。
「トリスお姉ちゃん、湖の時とはずいぶん印象が違うよね」
「はい、あの時シエラ先輩が着ていた水着の空色が好きだっておっしゃっていましたので、空色のワンピースを探したんですよ」
「どうですか~?」
クルクルっと回って見せてくれました。
裾がフワッとめくれあがり、黄色の下着をつけたプリッとしたお尻も見えました。
「トリスお姉ちゃん、あんまり勢いよく回るからお尻が見えてたよ」
「もう、シャルル様ったら~」
「シャルル様、私も見てくださいよ~」
「ああ~、ごめんね。ヌエットお姉ちゃんも運転ご苦労様」
「帰りはぜひ横に座ってくださいねっ!」
「それより、どうです私の私服姿?」
「う、うん、とっても綺麗だよ。ちょっと想像以上だったから驚いたよ」
ヌエットお姉ちゃんは薄いベージュ色のノースリーブで丈の短いニットワンピースを着ていました。
それにあわせて綺麗な金髪も頭の後ろでくくっています。
「本当ですか~、とっても嬉しいです」
「さわり心地が良いと思うので帰りに触ってくださいね(ボソッ)」
僕の耳元でそう言ってくるのでした。
XX XY
「ここはとても綺麗な場所だね~」
この川辺はリモア湖のような観光地ではないので、遊びに来るのはエルスタイン領都の方がほとんどなのだそうです。
川の上流、左手奥には屋敷ぐらいの高さの滝があり、水が勢いよく流れ落ちていて前にシエラお姉ちゃんに見せてもらった7色の光が滝つぼの近くに見えています。
木々に囲まれた滝つぼは湖のようにボートが出せるほどの広さではありませんが、泳いだり遊ぶには十分な広さがあり、側に見えている岩から滝つぼに飛び込んで遊べるようにもなっているようです。
「では、魔動力車はここに置いて、あちらの川辺に行きましょうか」
「メンテール先輩、良い場所が確保できましたね~」
「そうでしょう。この川に遊びに来るならこの辺りが良いわよ」
「地面が砂になっていて寝転がることも出来るし、小さめの岩がいくつかあって目隠しもされていますからね」
「メンテールお姉ちゃんに付いて来てもらって良かったよ」
「そうでしょう~」
メンテールお姉ちゃんは大きな胸をポヨポヨと弾ませながら喜んでいます。
「じゃあ、私はテーブルと椅子を…、ヌエットはそこに壁を作って水着に着替えられるようにしてくれるかしら…」
「はい、わかりました」
「「あの~メンテール先輩、私達は何をすれば…」」
「そうねぇ、今はいいわ。でも昼食の準備などはキルシッカとエリオンに任せますね」
「「はいっ」」
「ヌエットが目隠しの壁を作ったらさっそく水着に着替えましょう」
「シャルル様、どうですか~」
一番に着替えて出てきたのはやっぱりトリスお姉ちゃんでした。
「うん、似合ってるよ…」
湖で着ていた黄色い水着です。
トリスお姉ちゃんには明るい色が良く似合っています。
「パンツはまだ何とか大丈夫そうですが…、今度は胸が湖に行った時より少しきつく感じますね。また少し大きくなったのかも~」
「ハハ…」
僕の顔をみながら両腕を組んで胸を持ち上げて見せてきます。
今回はなんとか大きさが合わなくて買い替える必要は無かったようです。
「トリス、まだまだね」
トリスお姉ちゃんの後ろからメンテールお姉ちゃんが出てきました。
乗客室で聞いていたように、メンテールお姉ちゃんも湖に着ていた水着と同じです。
「くっ、メンテール先輩も相変わらずすごいですね…」
「どうすればそんな胸だけが大きい体型になるのですか~」
「フフフ…、良いでしょう。でも元々全身が細かったのよ。ただ、“女”になってから胸だけが他より成長したって感じかしら…」
「……」
胸周りの大きさは合っていても胸がこぼれそうです。
「シャルル様、お待たせしました~」
ヌエットお姉ちゃんは上下共にピンク色の水着でした。
「うん、ヌエットお姉ちゃんもすごく似合っているよ」
「みんなとっても上手に選ぶよね」
「男用は灰色しかないから、なんだか面白くないよね…」
「そ、そんなこと無いですよ!」
「シャルル様は私達の水着で華やかな気分にさせてあげますから…」
「ありがとう、皆…」
「そうですよ、シャルル様。ほら私の水着の上も灰色でおそろいなんですから…。それに水着より身体ですよ…」
「ハハ…、身体って…」
メンテールお姉ちゃんが励ましてくれます。
「シャ…シャルル様…、どうでしょう…?」
「「「えっ!?」」」
「キルシッカお姉ちゃん、水着を着るのが初めてだって言ってたよね。こう言うとキルシッカお姉ちゃんは嫌がるかもしれないけれど、お姉ちゃんの薄褐色の肌に白い水着が映えてとても似合っているよ」
「あ、ありがとうございます。そんなに褒めていただけてとても嬉しいです」
一生懸命に水着を選んで良かったわ~。
「そんなキラキラした白色の生地があったのね」
「なんだか、胸の布の幅が細い形なんですね…」
ヌエットお姉ちゃんは生地に、トリスお姉ちゃんは形の違いに興味があるようでした。
「胸の部分の布が細いのもなんだか素敵に見えるわね。次は私もその幅の物にしようかしら…」
「「メンテール先輩があの幅にすると、胸が出ちゃいますよ!」」
ヌエットお姉ちゃんとトリスお姉ちゃんの意見はもっともです。
「いやでも、本当にキルシッカお姉ちゃんの綺麗な髪も映えてかわいいよ」
僕が感心しながら言うと、薄褐色の肌でも分かるぐらい顔を真っ赤にしていました。
「後はエリオンね…」
「乗客室の中でかなり自信満々に言っていたから楽しみだよ」
すると、エリオンお姉ちゃんはみんなと違いタオルを身体に巻いて僕たちの前に出てきました。
あれ、この登場の仕方、どこかで…。
僕は一瞬、メンテールお姉ちゃんの顔を見ました。
すると、ちょうどお姉ちゃんも僕の方を見ています。
「「ま、まさか…」」
僕たち二人の声がそろったところで、エリオンお姉ちゃんが「じゃじゃ~ん」と言いながらタオルを取りました。
「「えっ!? 水着を着ていない…?」」
トリスお姉ちゃんは気付いていなかったのか、ヌエットお姉ちゃんと一緒に驚いています。
「「やっぱり…、“着ていない”(です)か…(ボソッ)」」
キルシッカお姉ちゃんはどんな水着か知っていたのか、僕たちの反応にハラハラしているようです。
「どうですか、シャルル様~?」
「う、うん、エリオンお姉ちゃんにとっても似合っているよ。驚きで言えばこの中で一番だったかな…ハハ…」
小さめの身体に釣り合わない大きな胸、分かっていても一瞬“着ていない”ように見えました。
「そうですかぁ、良かった~。この水着今とっても流行っているんですよ~」
「「「えっ!?」」」
トリスお姉ちゃんもあの時のお母さんの衝撃を思い出したようです。
「あれって特注だって聞いたけどよく用意できたわね」
「メンテール先輩はご存知だったのですね」
「運良く最初に特注された方の試色分が残っていて、お店から売っていただいたんですよ」
お母さんが注文したとは言えない雰囲気です。
「確かにあの胸の大きさならピッタリかもしれませんね…」
トリスお姉ちゃんもエリオンお姉ちゃんの胸を見ながらそう言っています。
「まぁ、とりあえず、みんな用意できたことだしさっそく水遊びしようか…」
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