61 / 567
第61話 領主会議ーカプランド領編18
しおりを挟む
『カプランド領都の“転移の祠”も久しぶりですね…』
「ルーシャ様はあまり使用されなかったですからね…」
『シエラは魔動力車の誘導を、メルモアはここの警備の者に許可の確認をお願いします』
「「かしこまりました」」
魔動力車はシエラお姉ちゃんの誘導でゆっくりと中に進みます。
“転移の祠”の中は奥に行くほど広くなっているようで、先には商用の魔動力車が余裕で止められるくらいの円形上の空間が見えています。
たぶんあの中央付近まで行くと、そこから転移が出来るのでしょう。
「「ルーシャ様、準備が出来ました」」
メルモアお姉ちゃんとシエラお姉ちゃんも乗客室に戻ってきました。
『じゃあ、メルモア準備をお願いします』
「はい」
お母さんがそう言うと、メルモアお姉ちゃんが乗客室内の後部からいくつか魔道具を取り出しています。
僕も初めて見ましたが、それは掌に乗るほどの四角い形状の物でした。
それが4個です。
「これが魔力を蓄えておく魔道具なの?」
『ええ、そうよ』
「魔力を蓄えるのは難しいの?」
魔動力車にも同じ物が使われているそうです。
『いいえ、そんなことはないわよ。魔力は流し込むと言うわけではなく、簡単に言えば吸収されていく感じなの。だから、魔力を持っている者が持っているだけで自然に蓄えられていくのよ』
『でも蓄えられる速さは人によって違うでしょうけどね…』
「そうなんだ~」
「うわっ、眩しいっ!」
僕がその内の一つに触らせてもらうと、その魔道具が一瞬ピカッと灯りのように輝きました。
「なにっ!?」
「光りましたよ!?」
『シャ、シャルル…、今あなた…何かしたの!?』
「ううん、何もしていないよ…。眩しくてびっくりしたね。落としそうになっちゃたよ」
お母さんは僕からその魔道具を受け取り、ジィ~っと見つめています。
『……』
いったい今のはなんだったのでしょう。
この魔道具の魔力の蓄積量はほぼいっぱいのはず。
シャルルに反応するなんて…。
メルモアが見ているから聞けませんが、機会があったら確認してみましょう。
『と、とりあえずエルスタイン領都へ帰りましょうか…』
「そ、そうですね」
そう言ってお母さんは4個の魔道具に触れ、【転移】の魔法を発動させたのです。
一瞬だけ身体を上下に揺さぶられた感覚になったと思うと、次の瞬間には同じような祠の中にいることが分かりました。
『着きましたよ…』
「えぇ~っ! 本当にもう着いたの?」
さっきまでカプランド領都にいたのに…。
僕が驚いている間にも、魔動力車が動き出します。
“転移の祠”を出ると警備の人がいて、こちらを確認しにきました。
ハッ…!
「ル、ルーシャ様、おかえりなさいませ」
『ご苦労様です』
『今回の領主会議は終わり、みんな無事に戻ったことを報告しておきます』
「皆様、お疲れ様でした…」
(こんなところにもメイドじゃないお姉ちゃんがいるんだ…)
祠を出ると、ここは街から少し離れたところでしたが、魔動力車ではすぐのところです。
“転移の祠”は屋敷から近くても遠くてもダメなんだそうです。
「もう屋敷が見えてきましたね」
「あれだけ日数を掛けて行ったのに、もう屋敷だなんてまだ不思議な気分だよ」
『また来年も領主会議に行く事になりますからね。シャルルにはいい経験になって良かったです』
フフ…、私やシエラ達にも良い経験になりましたね…。
「うん、お母さんありがとう、とても楽しかったよ」
お父さんやみんなに早く“コロケ”を食べさせてあげようと思うのでした。
XX XX XX XX XX XX
修正するのも大変なほど稚拙な文章でしたが、ここまで読んでいただきありがとうございます。
まだまだ続きますので、のんびり楽しんでいただけると嬉しいです。
「ルーシャ様はあまり使用されなかったですからね…」
『シエラは魔動力車の誘導を、メルモアはここの警備の者に許可の確認をお願いします』
「「かしこまりました」」
魔動力車はシエラお姉ちゃんの誘導でゆっくりと中に進みます。
“転移の祠”の中は奥に行くほど広くなっているようで、先には商用の魔動力車が余裕で止められるくらいの円形上の空間が見えています。
たぶんあの中央付近まで行くと、そこから転移が出来るのでしょう。
「「ルーシャ様、準備が出来ました」」
メルモアお姉ちゃんとシエラお姉ちゃんも乗客室に戻ってきました。
『じゃあ、メルモア準備をお願いします』
「はい」
お母さんがそう言うと、メルモアお姉ちゃんが乗客室内の後部からいくつか魔道具を取り出しています。
僕も初めて見ましたが、それは掌に乗るほどの四角い形状の物でした。
それが4個です。
「これが魔力を蓄えておく魔道具なの?」
『ええ、そうよ』
「魔力を蓄えるのは難しいの?」
魔動力車にも同じ物が使われているそうです。
『いいえ、そんなことはないわよ。魔力は流し込むと言うわけではなく、簡単に言えば吸収されていく感じなの。だから、魔力を持っている者が持っているだけで自然に蓄えられていくのよ』
『でも蓄えられる速さは人によって違うでしょうけどね…』
「そうなんだ~」
「うわっ、眩しいっ!」
僕がその内の一つに触らせてもらうと、その魔道具が一瞬ピカッと灯りのように輝きました。
「なにっ!?」
「光りましたよ!?」
『シャ、シャルル…、今あなた…何かしたの!?』
「ううん、何もしていないよ…。眩しくてびっくりしたね。落としそうになっちゃたよ」
お母さんは僕からその魔道具を受け取り、ジィ~っと見つめています。
『……』
いったい今のはなんだったのでしょう。
この魔道具の魔力の蓄積量はほぼいっぱいのはず。
シャルルに反応するなんて…。
メルモアが見ているから聞けませんが、機会があったら確認してみましょう。
『と、とりあえずエルスタイン領都へ帰りましょうか…』
「そ、そうですね」
そう言ってお母さんは4個の魔道具に触れ、【転移】の魔法を発動させたのです。
一瞬だけ身体を上下に揺さぶられた感覚になったと思うと、次の瞬間には同じような祠の中にいることが分かりました。
『着きましたよ…』
「えぇ~っ! 本当にもう着いたの?」
さっきまでカプランド領都にいたのに…。
僕が驚いている間にも、魔動力車が動き出します。
“転移の祠”を出ると警備の人がいて、こちらを確認しにきました。
ハッ…!
「ル、ルーシャ様、おかえりなさいませ」
『ご苦労様です』
『今回の領主会議は終わり、みんな無事に戻ったことを報告しておきます』
「皆様、お疲れ様でした…」
(こんなところにもメイドじゃないお姉ちゃんがいるんだ…)
祠を出ると、ここは街から少し離れたところでしたが、魔動力車ではすぐのところです。
“転移の祠”は屋敷から近くても遠くてもダメなんだそうです。
「もう屋敷が見えてきましたね」
「あれだけ日数を掛けて行ったのに、もう屋敷だなんてまだ不思議な気分だよ」
『また来年も領主会議に行く事になりますからね。シャルルにはいい経験になって良かったです』
フフ…、私やシエラ達にも良い経験になりましたね…。
「うん、お母さんありがとう、とても楽しかったよ」
お父さんやみんなに早く“コロケ”を食べさせてあげようと思うのでした。
XX XX XX XX XX XX
修正するのも大変なほど稚拙な文章でしたが、ここまで読んでいただきありがとうございます。
まだまだ続きますので、のんびり楽しんでいただけると嬉しいです。
0
お気に入りに追加
148
あなたにおすすめの小説
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
スカートの中を覗きたい騎士団員達
白木 白亜
ファンタジー
超美人で噂の新米騎士、クレナ。
彼女が騎士団に入団すると決まったとき、騎士団には女性用の制服がなく、クレナ専用にわざわざデザインされた。
しかし、それは黒く、短くてしかも横にスリットの入ったタイトスカートで……
そんな中で、いろんな団員が偶然を装ったり連携したりして必死にパンチラを狙う下品な話。
※この物語はスライムにマッサージされて絶頂しまくる女の話のスピンオフ的作品となります。
不定期更新です。
異世界から元の世界に派遣された僕は他の勇者たちとは別にのんびり暮らします【DNAの改修者ー外伝】
kujibiki
ファンタジー
異世界で第二の人生の大往生を迎えた僕は再びあの場所へ飛ばされていた。
※これは『DNAの改修者』のアフターストーリーとなります。
『DNAの改修者』を読まなくても大丈夫だとは思いますが、気になる方はご覧ください。
転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます
ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう
どんどん更新していきます。
ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。
セイギの魔法使い
喜多朱里
ファンタジー
社畜が極まって死んでしまった男は、神の手によって異世界転生を果たす。
AVや成年漫画やエロゲ――R18作品の力を発動できる性技魔法を授かったアルベルト・ハルフォードだが、折角の貴族生まれも性技魔法のせいで追放されてしまい、その日暮らしの冒険者となることに。
人前では力を隠しながら、アルベルトは性欲の力で異世界で成り上がっていく。
修羅場を観察していたら巻き込まれました。
夢草 蝶
恋愛
異様な空気の社交場。
固まる観衆。
呆然とする第三王子。
そして──、その中央でキャットファイトを繰り広げる二人の少女。
片や、名門貴族のご令嬢。
片や、平民ながらに特別な魔力を持つ少女。
その口からは泥棒猫やら性悪女やらと品に欠ける言葉が飛び出す。
しかし、それに混じってヒロインがどうの、悪役令嬢がどうの、乙女ゲームがどうのと聞こえる。
成程。どうやら二人は転生者らしい。
ゲームのシナリオと流れが違うなーって思ってたからこれで納得。
実は私も転生者。
乙女ゲームの展開を面白半分で観察してたらまさかこんなことになるなんて。
でも、そろそろ誰か止めに入ってくれないかなー?
おお! 悪役令嬢の巴投げが決まった! ヒロインが吹っ飛んで──ん? え? あれ?
なんかヒロインがこっちに飛んできたんですけど!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる