上 下
16 / 24

第十六話

しおりを挟む
あれ? 結局何故目が見える様になったんだ…?
ドラゴンの力との親和性が高すぎるって言うのは分かる。
が、理解が出来ていない。

「不思議そうな顔をしているな。 それは家族になった事により聖草の効果の一部がユースにも…といったところだろう。 それと、その風の竜の剣の力もあるのであろう」

やっぱり、ドラゴンには下位でも上位でも関係なく特殊な力があるのだろうか。
家族となったこの二人…? とは争いたくは無いが、いつかは他のドラゴンと本気で手合わせをしてみたいものだ。
だが、強者との戦いを考えると胸が躍る!

「おい、それは竜の意志だ! 呑まれるな!!!」

元々の気質と竜の意志が混ざったのか。
感情コントロールみたいなのも覚えないといけない感じになる…?

「我がコントロールを手伝う故安心せよ。 これでもエンシェントドラゴンなのでな! がっはっはっはっは!!!!」

笑い声が非常にうるさい。 鼓膜が破れそうになってしまったけども。
いや、普通の人間だったら破れていたのだろうな。

「さぁ! 街に降りようぞ!」

「じゃあ紋に入ってよ!」

「「むぅ!」」

なんだよこのドラゴン!!!

「我は親であろ? 少しは融通してくれてもよかろうて…」

「いや、それは…」

一瞬の沈黙、の後に少し落ち込んだフレイニア。
なんだか可哀想そうではあるが。
ところで、すり寄ってきているグラスの事をどうにかして欲しい。

だがそれに気付いたフレイニアがグラスを除ける。
俺の意思がまるで伝わっている様だ。

「これで良かろう?」

「やめろー! やめろー! 横暴だー!!!」

横暴の使い方を間違えて…いや、あっているかもしれないが。
わからん。
懐かれているのは嬉しいが少し困惑してしまうな。
“家族” だなんて言っても距離感は知らない。
だが、一切悪い気はしないのでまぁ良いんだが。

(グラスも紋の中に連れ込んだ故に気にしなくて良いぞ)

それは有難い。
そうして門へと着いた。

「おや、ユーグス君じゃないか!」

門に居たのはルインツァルトさんだった。

「君は山に行っていたのだろう? アレは…取って来れたのか?」

「いえ、ですが…目は見えています。 多少のイレギュラーの様ですけど」

「だとしても良かった。 領主様の客人だ、この場はそのまま通っても良いだろう?」

「はっ!」

「うむ。 では、行こうではないか!」

「は、はい!」

結局そのままシュヴァルグラン様の所へと連行…もとい案内されていく事となった。
いや、元々向かう予定だったので大丈夫だが。

しかし、街というのは目で見るとこんなにも綺麗なんだな…。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。

克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位 11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位 11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位 11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位

旦那様に離婚を突きつけられて身を引きましたが妊娠していました。

ゆらゆらぎ
恋愛
ある日、平民出身である侯爵夫人カトリーナは辺境へ行って二ヶ月間会っていない夫、ランドロフから執事を通して離縁届を突きつけられる。元の身分の差を考え気持ちを残しながらも大人しく身を引いたカトリーナ。 実家に戻り、兄の隣国行きについていくことになったが隣国アスファルタ王国に向かう旅の途中、急激に体調を崩したカトリーナは医師の診察を受けることに。

7個のチート能力は貰いますが、6個は別に必要ありません

ひむよ
ファンタジー
「お詫びとしてどんな力でも与えてやろう」 目が覚めると目の前のおっさんにいきなりそんな言葉をかけられた藤城 皐月。 この言葉の意味を説明され、結果皐月は7個の能力を手に入れた。 だが、皐月にとってはこの内6個はおまけに過ぎない。皐月にとって最も必要なのは自分で考えたスキルだけだ。 だが、皐月は貰えるものはもらうという精神一応7個貰った。 そんな皐月が異世界を安全に楽しむ物語。 人気ランキング2位に載っていました。 hotランキング1位に載っていました。 ありがとうございます。

《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。

友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」 貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。 「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」 耳を疑いそう聞き返すも、 「君も、その方が良いのだろう?」 苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。 全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。 絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。 だったのですが。

公爵家の末っ子娘は嘲笑う

たくみ
ファンタジー
 圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。  アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。  ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?                        それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。  自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。  このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。  それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。 ※小説家になろうさんで投稿始めました

私の家族はハイスペックです! 落ちこぼれ転生末姫ですが溺愛されつつ世界救っちゃいます!

りーさん
ファンタジー
 ある日、突然生まれ変わっていた。理由はわからないけど、私は末っ子のお姫さまになったらしい。 でも、このお姫さま、なんか放置気味!?と思っていたら、お兄さんやお姉さん、お父さんやお母さんのスペックが高すぎるのが原因みたい。 こうなったら、こうなったでがんばる!放置されてるんなら、なにしてもいいよね! のんびりマイペースをモットーに、私は好きに生きようと思ったんだけど、実は私は、重要な使命で転生していて、それを遂行するために神器までもらってしまいました!でも、私は私で楽しく暮らしたいと思います!

アイテムボックスだけで異世界生活

shinko
ファンタジー
いきなり異世界で目覚めた主人公、起きるとなぜか記憶が無い。 あるのはアイテムボックスだけ……。 なぜ、俺はここにいるのか。そして俺は誰なのか。 説明してくれる神も、女神もできてやしない。 よくあるファンタジーの世界の中で、 生きていくため、努力していく。 そしてついに気がつく主人公。 アイテムボックスってすごいんじゃね? お気楽に読めるハッピーファンタジーです。 よろしくお願いします。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

処理中です...