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第二章 強くなろう
新たな仲間と強くなりたい(3)
しおりを挟む作戦会議は続く。
「魔導大会はいつあるの?」
「5ヶ月後にある」
5ヶ月もあれば、結構強くなれそう。私、5日目でまあまあ強くなっているもの。
「強くなるには迷宮に潜るのが手っ取り早いかな。みんなのレベルはどのくらいなの? 私は、レベル6だよ」
「俺はレベル11」
「わたくしは……レベル上げはしていないので……。あ、ですが、治癒魔法は使えます!」
「――セアサーラとナオヤには言っておくべきだな。実は僕、精霊なんだ」
ホムラの言葉に、2人はぽかんとした。急だったし、驚いたんだろうね。
そりゃ驚くと思うよ。
「レイカの契約精霊。だけど、普通に接してくれたら嬉しい」
「……えっ、凄いです! ホムラさんは精霊だったのですね!」
「俺、初めて精霊に会うよ」
セアサーラちゃんとナオヤ君は嬉しそうに話す。ホムラは少し目を見開いた。
「……ありがとう」
そして、ふわりと微笑んだ。ホムラ、嬉しそうだね。私も嬉しいよ!
「5ヶ月で強くなるには、とにかく頑張らないとね!」
「抽象的だな」
「ぐっ。じゃあホムラはどうしたらいいと思うの?」
「まず、基本的な身体能力をつけるべきだ。身体能力、魔法能力の2つを同時進行で極め、スキルを手に入れる。魔導大会で優勝する並の力を手に入れるのだったら、強化スキル、覚醒スキルをいくつか持っておくべきだな。あと、装備も良い付与効果があるものを完備する必要がある」
……めっちゃ具体的。私とは大違い。
ナオヤ君は、なんか目をキラキラさせてホムラを見ているんだけど。「師匠!」って言い出しそう。
私、覚醒スキル2個持ってる。まだまだ集めたいね!
「身体能力、魔法能力ですか……」
「身体能力を上げるなら、『身体強化』は必要だね。魔法能力なら、『魔力操作』かな? 属性別のスキルもいいと思う。得意の魔法は作るべきかな」
私がそういうと、セアサーラちゃんとナオヤ君は、へぇーといいながら頷いた。嬉しい反応。先生になった気分です。
「みんなの得意な事は?」
「先程言った通り、わたくしは治癒魔法が得意です。逆にそれ以外は……」
「俺は剣が得意。剣神様には天と地ほどの差があるが……」
「僕は火魔法が得意だよ。一応覚醒スキル持ってるし」
初耳。ホムラ、『火魔法』の覚醒スキルを持っているんだ!!
えーっと、みんなの得意なことを活かせるようにしていきたいからね……。
セアサーラちゃんは後方支援、ナオヤ君は前線、ホムラは魔法が得意なら後方支援かな。私は……前線? 怪我してもすぐ治るしね。
「セアサーラちゃんは、光属性持ちってことだよね? 光属性って、治癒の他にできることあったりする?」
「光属性特有の防御壁を張れる、とは聞いたことがありますが……」
防御魔法。極めたら強くなれそうなスキルだよね。防御もできるし、使い方によっては攻撃も出来そう。
『聖女』では、魔力・体力の向上もできるらしいから、何かのスキルでできるのかもしれない。
あー。スキルを知らなかったら調べようがない。
「レイカは何が得意なんだ?」
ナオヤ君からの質問。
……うーん。悩みどころだね。よく使うのは火魔法と風魔法だけど、転移でシュバって倒すのも割と得意になったからなー。
新しいスキルで、『強靭』を獲得したし、これを活用したら前線でもバンバン戦えるだろう。コツはいるかもしれないけど。
「魔法は得意だよ。でも、前線で戦える。任せてくれたまえ」
胸を叩くと、微笑ましげに見られてしまった。解せぬ。
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