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第一章 まさかの幽霊
レベルを上げたい(5)
しおりを挟むとりあえず一番近い扉を開ける。そこにはこれはまた横幅が広い廊下があった。
辺りを気にしつつ、私達は歩みを進める。
――なんか前にあるんだが。
『視覚強化』で見えたのは、暗いから若干ぼやけていたけど私と同じくらいの大きさの何かが見える。
これはなんだ? 迷宮探索仲間か?
ホムラにも聞いてみる。
「ねえ、あそこに見える影ってなんだと思う?」
「魔物だな」
魔物ですかー。
……え、魔物? やばくない? 早速遭遇しちゃう?
「あれはまだ弱いからさっさと倒すぞ」
ホムラがスタスタ歩く。私は待ってよーと言いながら着いていく。
ぼやぼやだった影が段々と良く見えてくる。
そして距離が100メートルくらいになった時に、ようやく影の正体がわかった。
私と同じ大きさのナメクジ。
触覚みたいな角が生えたナメクジ。
目が赤く光っているようにも見えるナメクジ。
叫ばなかった私を褒めて欲しい。こんなやつおるんこの世界!!
ナメクジも私達の存在に気がついたのか、こちらを見ていた。
「どうするのホムラ!」
「攻撃するんだ」
攻撃って何!? ホムラは手を出しそうな雰囲気がない。私が倒せということなのか!?
私ができること。
敵が現れた! どうする?
・傍にある石を投げる ・魔法 ・媚びを売る ・ホムラに頼む ・逃げる
石を投げたら――倒せるわけないでしょただの石で。
媚びを売る――いやナメクジに媚び売って何になるんだよ。
ホムラに頼む――私のレベル上げも目的のひとつだからね。
逃げる――背中向けた方がヤバいって言うよねー。
やっぱり魔法か。
とか考えているうちにナメクジが襲ってくるー!!
ナメクジと思えないくらいのスピード! キモっ。なんか形相やばくなってますよあなた?
「そら、早く倒さないと」
ホムラがそう言うけど……。まあ本当に危なかったら守ってくれるんだろうけど。
仕方ない。
とりあえず魔法を発動しないと。炎の玉でいいかな?
イメージを固めて魔力を固めて外に出す!
手を前に突き出すと、ボワッと炎の玉が出てくる。
それがナメクジに直撃!
やった、倒したかな!
となんかのフラグを立ててしまう。
お察しの通り、ナメクジ生きてます。結構ダメージになってそうだけどね。
「あと一発今のを撃てば倒せるんじゃないか?」
ホムラに敬礼をして了解の意を示す。そして、もう一発ナメクジに炎の玉を当てる。
ナメクジが光って、石に変わった。
……これで倒したの?
「できるじゃないか」
ホムラが満足そうに頷く。もうこの子ったら……。
私はナメクジの魔石を拾う。紫色っぽい光を放っている。
やったぜ! しかしレベルは上がらない。もっと倒さないといけないのかなぁ。
魔石をポッケに突っ込んで、廊下を進んでいく。
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