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第一章 まさかの幽霊
レベルを上げたい(3)
しおりを挟む「みてホムラ。糸できたよ!」
「ああ、そうだな」
ホムラに見せびらかしてから、炎花に糸を通す。そして首の後ろで糸同士で括る。
おー。これいいね。可愛い。
「今日はまず……。迷宮に潜るか? 装備は全くないが僕がいるからまあ大丈夫だろう」
「そうだね。期待してるよ! そして、強くなってお金も集めて旅に備えよう!」
おー、と私は手を上げる。ホムラは不思議そうな顔をしていた。
……1人だけテンション高くて恥ず。
と、いうわけで現在迷宮の前。見た目洞窟。中身は知らん。
だけど洞窟の入口は頑丈そうな壁で封鎖されている。
どうやって入んねん。
キョロキョロと周りを見て、近くに家を発見。そこには冒険者らしき人達がぞろぞろ。
「ホムラ、迷宮ってどうやって入るの?」
「そこに受付があるだろう。あそこで申請をして受け入れられたら転移陣で中に入れる」
転移陣……だと……。そんなものもあるのか!
ん? じゃあ空間属性持ちの私は簡単に中に入れるんじゃない? ひょいっと転移したらしゅーりょー。
それに霊体の時だったらすり抜けるし入れそう。
まあでも、初めてだし正規の方法で入らないとね。ルールとかあるかもしれないし。
とか考えながら受付の所へ。受付って言っても見た目お店。
冒険者達に紛れて私達は店に入る。
「冒険者証をお持ちでない方は入口の申請書をお書きになってください!」
受付の女性が大きな声でそう言っている。
申請書ってこれかな?
私はそばにあった紙を手に取る。紙に書いてある内容を読みつつ、机のある所へ行き、羽根ペンで名前等をサラサラ記入していく。
書いてある注意事項復唱します。
Ⅰ.迷宮内で冒険者同士での争いは行わない
Ⅱ.迷宮の破壊行為は行わない
Ⅲ.冒険者の同行がない限り未成年の迷宮の探索は許可しない
以下略。
尚、これらの事を守らない者は、これからの迷宮への探索を禁止する。
だそうです。つまり注意事項守らんやつは出禁や! ってことだね。
うん待てよ。
ホムラってMリング持ってないから成人の証拠なくね!
声に出して言うと聞かれる可能性があるので思念を送る。
『ホムラって未成年じゃないけどMリング持ってないから証拠ないじゃん。50歳です、って言っても絶対受付の人に信じられないよ』
『問題ない』
ホムラは自信たっぷりに頷く。
いや問題大あり。私達出禁になっちまう。
『炎花に隠れていくから』
ホムラはそう言って、店の外に出る。それを見送る。
すると、炎花が一瞬輝いた。
『これで大丈夫だろ?』
ホムラの声が聞こえる。
『え。今ホムラ炎花の中にいるの!? 窮屈じゃない?』
『ああ。これが意外と広いからのびのびできるぞ』
へー。気になる。
だけどそれは置いておいて、申請書の記入を済ませる。
そしてその申請書を受付カウンターらしきところに持っていき、お姉さんに渡す。
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