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第一章 まさかの幽霊
はぐれ精霊(8)
しおりを挟む「私は16! 迷宮に入れるってことだね! ちなみにホムラは何歳なの?」
「今年で50だ」
「……ホワイ?」
50って聞こえなかった今? いや、絶対聞き間違いだ。
だって考えてみてよ? 少年が「50歳です」って言うんだよ? 十六歳が「0歳」もおかしいけど少年が50歳もおかしいよねぇ。
「聞き間違えたみたい。ホムラが50歳なわけないよねー」
「50だぞ?」
「えー!!? 50歳!? 私より下に見えるのに!」
「精霊は人族よりも寿命が長く、成長が遅いからな。人族でいう成人は、精霊からしたら100だ」
年下かと思っていた少年が、実はめっちゃ年上でした! やばい鳥肌がたっている。
少年が50歳ありだったら私も0歳あり!?
「年齢などどうでもいいだろう。ただ、レイカより僕の方が長く生きているだけだ」
「そ、だね」
「話を戻すぞ。人族には確か、成人の証拠があるはずだ。Mリングだったかな?」
ホムラが私をちらりと見る。りょーかい、調べます。「えむりんぐ」っと。
【Mリング】魔力が測れるリング。成人の際に教会から渡される。十分な魔力の時は青、三分の二では緑色、半分以下は黄色、三分の一になると赤色に光る。付けている本人にしか光は見えない。
で、これを読み上げる。
「魔力も測れるんだって。凄いね」
「人族は自分で魔力量を把握することができないものな」
さらりと精霊は魔力分かる発言。やっぱり種族が違うと全然違うんだなぁ。
「教会でもらえるんだって」
と言いながら「きょうかい」を検索。
【教会】エクセラ教を信仰する。創造神であるエクセラを讃える。また、人間界では大きな力を持っている。
お城の横にデデーンって建ってたくらいだからね。そりゃあ大きな力を持ってるでしょう。
「人族は成人していないと色々面倒なことも多いから、まずMリングをもらうべきだな」
「そうだねー。それから次のこと考えよ!」
私達の次の目的が決まった。
――私達の旅は、これから始まる。
数年後。
人族と精霊の相棒が世界にその名を轟かせているのだが、それはまだ、先の話。
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