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第一章 まさかの幽霊
精霊探しの道中(2)
しおりを挟むそれにしてもレベル上げかぁ。どうやって魔物って倒すんだろう? デカい蟻を倒していた人達は何で倒していた?
剣を使ってたよね。あと魔法……。
魔法か!
魔法ってどうやって使うんだ? 魔力を固めて放出とか何とか書いてあったね。
魔力か。
身体の中にあるエネルギー。どうやって見つけるんでしょう?
そこまで説明があったら完璧なのになぁ。そういうのは自分で考えろって? 確かに考えた方が自分のためにはなるけどさぁ。
集中するためにちょっと立ち止まり(空中に浮いているから宙に止まる)、目を瞑って身体中に意識を向ける。
魔力核は何処だ? 大切なものそうだから心臓の近くか?
というか私の心臓動いてるの?
集中力が途切れた。手を胸に当ててみる。
動いてねー。そりゃそうだよねー。幽霊だものねー。
そういえば呼吸もしてないねー。でも瞬きはしてるねー。どういうことだろうねー。
気にしても分かることでは無いような気がする。もうほっておこう。幽霊なのに生きている(? 矛盾してない?)時点でおかしいから。
と、いうわけでもう1回集中。身体中に意識を向ける。
想像力……。きっと大切なのは想像力だ。体内を想像して、魔力核がありそうな所を見つけるんだ。
むむむ……と探していると、身体の中心あたりに暖かい「なにか」を発見! これが魔力か!?
そこから手に糸を伸ばすように魔力を持ってくる。
来てるよ来てるよ! 手が温かくなってきたよ!
そしてなんだか溢れてきそう!
うん。
どうやって魔法は発動するんだよ!
とりあえず魔力出してみる? というかもうこれ出るわ、勝手に。
と思った瞬間。
ドバッ!!
と私の手から七色の光を伴いながらモヤが出てくる。
なんじゃーこりゃー!
絶叫してしまった。怖っ。何これ。自分の手から出てきたことが信じられない。
モヤはそのまま天まで登っていって消えてしまった。
もしやこのモヤは私の魔力なのかな? めっちゃ綺麗やったけど……。
今のが魔法? いやいやいや。魔法ってもっとこう、かっこいいものでしょ!
エクスブローション! とか言ってでっかい爆発起こしたりさぁ。起こしたらあかんけど。
これも想像かな?
そういえば魔法の説明に、「己の属性により使える魔法は異なってくる」ってあったけど、私の属性ってどうやって知るんだ?
わっかんねー。
エクランドリー様にもっと聞いとけばよかった。
まあいっか。当たって砕けろ! 砕けたくないけど!
想像します。ちっさい炎の塊。それこそファイアーボールみたいな。マリオさんが投げてるあれでいっか。
お。想像しやすい。
これで、魔力を固めてたらいいのかな? まん丸おにぎりを作る時みたいにニギニギと……。
よしできた!
いでよ!ファイ――
ボワっ!!
うぎゃあ! うっわ、めっちゃ変な声出た!
ファイアーボールって言う前に、手から炎の玉が出てきたんやけど! これってもしや詠唱とかいらない系? それやったら恥ずかしっ! 厨二やん!
あー。でも発動した。魔法。これで私は火属性があるってわかったね!
じゃあこれ、私が持ってる属性調べるために全部の魔法使ったらいいんちゃう?
試すべ!
魔力をニギニギして今度は水玉!
成功しました!
魔力をニギニギして土団子!
成功しました!
魔力を布みたいにして風を吹かせる!
成功しました!
まじ!? 私こんなに属性持ってるん? いやこれが普通? 普通の人がどれくらい持ってるのかとか分かんねー。
まだ属性ってあったよね。光と闇と空間だったっけ。
光って? ライトボールみたいな?
じゃあ、魔力をニギニギして光の玉!
出てこない!
闇って? ダークボールみたいな?
じゃあ、魔力をニギニギして闇の玉!
出てこない!
光属性と闇属性は持ってないのかな? あ、ちょっと調べてみよ。「ひかりぞくせい」と「やみぞくせい」ね。
【光属性】主に治癒魔法を操る属性。
【闇属性】主に影魔法を操る属性。
ああ、治癒魔法ね! あのデカい蟻倒した人達の1人が私の死体の傷を直してくれていたのは治癒魔法ね!
んで、影魔法ってなんだ? 検索ー。「かげまほう」っと。
【影魔法】暗闇をもたらす魔法。影の中を移動することも可能。
『影魔法』影魔法の発動が少し楽に行える。影魔法であれば全てに機能する。
〈獲得条件〉闇属性持ち、闇属性の使用が一定値に達する
ほほう。暗闇をもたらす……。部屋を暗くするとかそんな感じかな?
あら? スキルもあるんですか? ということは全部の属性にあったり?
調べてみよっかな。
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