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前途遼遠

LV270 勇者の試練

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 フミヤとヴィオラが迷いの森から帰還してから数日後、メイカは五人の護衛を付け商業都市テクニカへと帰っていった。フミヤは驚いていたが、メイカは三大国家にとって要人である。メイカは通称『不可侵の才女』と呼ばれ「決して独占してはいけない」と、三国協定が結ばれている。メイカを一国が独占し、メイカによる開発が軍事的に利用されれば、世界の均衡が崩れてしまう。そのため、三国は協定を結び、周辺諸国や悪だくみする集団に睨みを利かせているのである。

 
 そして、ひと月が経つ。

 三大勇者は各王の命により、勇者の試練所『導きの塔』(LV213話参照)で修練を行っている。レベルアップの底上げの他に目的は二つ、未取得であるレイモンドが勇者闘気を習得する事と極限魔法の習得である。

「極限魔法は三人の勇者集まりし時発動する」

 勇者の書にはこう記されており、さらに言えば勇者の書には未取得のスキルや魔法が多々存在する。勇者の書は歴代の勇者達が職を辞する時に書き溜めた書。
 書の内容は膨大で決して全て学べる訳ではない。勇者の属性や個性に合わせ、それぞれが自分に合う能力のみを取得し、さらに自分のオリジナルへと進化させていくのだ。ヴィオラのスキル『雷帝降臨』のちには、この書に記される予定である。

 そして、二か月が経つ。

 現代で特異とされる点は、勇者が三人だという事。これは過去に一度しかないく、遥か昔に遡る。そして、各重要書物によると『厄災』と『三人の勇者の出現』は時期が重なる。王達は極限魔法こそ『厄災』を止める唯一つの方法だと考えている。
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