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前途遼遠
LV251 ヴィオラ発つ
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現在、ファリスはトーレムグレイグから更に南東に位置する『ワイへ修道院』にいる。『ワイへ修道院』は最南端の施設であり、ファリスが育った場所でもある。
ファリスは、時折『ワイへ修道院』へ戻り孤児達の世話を行っている。『ワイへ修道院』は海辺にポツンと建っている。大きさは普通の一軒家程しかないこの修道院で、修道院長夫婦は11人の孤児達と一緒に生活している。ファリスも元々は孤児であった。
ファリスは捨てられたのではなく魔物に両親を殺された。その魔物からファリスを救ったのは修道院長のイゾルノだった。イゾルノは、ファリスを修道院に住ませ、生活する術と魔物に立ち向える魔法を教えた。ファリスが師匠であるイゾルノを越える聖職魔法の使い手となったのは13歳の頃だった。
ヴィオラはファリスを迎えに行くため、ワイへ修道院を目指しトーレムグレイグを発った。
*フミヤは暇になった。
フミヤは勤務を終えた後、『モンペロ』で食事を済ませて家に戻ると風呂にも入らずにベッドで横になった。
(家に帰ってもヴィオラがいないとつまらないなぁ……)
フミヤはふと物思いにふける。
(やっぱり、暗黒大陸に行かないといけないのかな? でも、俺なんかが行っても何の役にも立たないだろうし、面倒くさい……行かなくて良い方法ないかな?)
(でも、世界がどうこう言ってるし、行かないといけないかな? 救世主ってだけで妙に期待されてし……)
(救世主をやめる? おお、救世主を誰かに譲ればいいんじゃない?)
「…………です」
「……駄目ですよ」
「出た! この不快な感じは……」
「そうです。ヘーラーです」
「また、人のココロの声を盗み聞きしていたのか」
「盗むとは失礼な。勝手に聞こえるです」
(で……無理なの?)
*フミヤは心の声で話し出した。
「ちゃんと話しなさい!」
「ちっ」
「救世主は誰でもなれるものではございません。資質が必要なのです」
「じゃあ、その資質あるヤツを探せばいいんだな」
「それはそうですが、それに……」
「わかった、わかった。何人か心当たりがあるから、連れて来てやるよ。明日の夜また集合で!」
(あまり良い予感がしない)
ヘーラーは思う。
次の日、フミヤは休日を利用し、人材を集めた。
ファリスは、時折『ワイへ修道院』へ戻り孤児達の世話を行っている。『ワイへ修道院』は海辺にポツンと建っている。大きさは普通の一軒家程しかないこの修道院で、修道院長夫婦は11人の孤児達と一緒に生活している。ファリスも元々は孤児であった。
ファリスは捨てられたのではなく魔物に両親を殺された。その魔物からファリスを救ったのは修道院長のイゾルノだった。イゾルノは、ファリスを修道院に住ませ、生活する術と魔物に立ち向える魔法を教えた。ファリスが師匠であるイゾルノを越える聖職魔法の使い手となったのは13歳の頃だった。
ヴィオラはファリスを迎えに行くため、ワイへ修道院を目指しトーレムグレイグを発った。
*フミヤは暇になった。
フミヤは勤務を終えた後、『モンペロ』で食事を済ませて家に戻ると風呂にも入らずにベッドで横になった。
(家に帰ってもヴィオラがいないとつまらないなぁ……)
フミヤはふと物思いにふける。
(やっぱり、暗黒大陸に行かないといけないのかな? でも、俺なんかが行っても何の役にも立たないだろうし、面倒くさい……行かなくて良い方法ないかな?)
(でも、世界がどうこう言ってるし、行かないといけないかな? 救世主ってだけで妙に期待されてし……)
(救世主をやめる? おお、救世主を誰かに譲ればいいんじゃない?)
「…………です」
「……駄目ですよ」
「出た! この不快な感じは……」
「そうです。ヘーラーです」
「また、人のココロの声を盗み聞きしていたのか」
「盗むとは失礼な。勝手に聞こえるです」
(で……無理なの?)
*フミヤは心の声で話し出した。
「ちゃんと話しなさい!」
「ちっ」
「救世主は誰でもなれるものではございません。資質が必要なのです」
「じゃあ、その資質あるヤツを探せばいいんだな」
「それはそうですが、それに……」
「わかった、わかった。何人か心当たりがあるから、連れて来てやるよ。明日の夜また集合で!」
(あまり良い予感がしない)
ヘーラーは思う。
次の日、フミヤは休日を利用し、人材を集めた。
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