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死者の国 冥界

LV195 第二地区総餓鬼長ダングル

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 時間は経過し、フミヤ達は着実にハデス城に近付く。

 ――と、言っても頑張っているのはブリズエラだけであるが……


 またもブリズエラは、死者と餓鬼の集まる場所を発見し、地上に降り立つ。そこには新たな業が待ち受ける。

 釜茹の業

 面積670.4k㎡の巨大な釜、中には特殊な冥界水が入っている。大釜の下には灼熱のマグマが流れ、釜の中の冥界水は常に500度以上の高温を維持している。
 罪ある死者は餓鬼によりこの巨大釜へ強制的に入れられる。
 死者は釜の中へ入れられ、死と再生を繰り返しながら許しをもらえるまで出る事ができない。


 釜の周辺には飛び込み台が数十カ所設けられ、各場所に餓鬼が配置されている。

 餓鬼は死者を飛び込み台へと一列に並ばせる。そして、拒絶する人間やモンスターを次々に巨大釜へ放り込む。

 ブリズエラは辺りをキョロキョロと見渡す。

 餓鬼達は各々の仕事に夢中でブリズエラに気付いていない。

「忙しそうだな」
 ブリズエラは抱えていたメロを優しく下ろす。

「モキュキュ」
 メロは口をモグモグさせるとフミヤ達を吐き出した。

「うーん、よく寝た! ここどこ?」
 フミヤは背伸びをしながらブリズエラに聞く。

「今からその辺の餓鬼に聞こうかなと思っていたところですよ」
と、ブリズエラは答えた。

 ブリズエラは一番近くにいる見張りの餓鬼に声をかける。

「おい、ここどこはどこだ?」

「ギャワッ」

「どこに行けば神に会える?」

「ギャワワ」

「駄目です。フミヤさん、こいつは話ができないみたいです」

 ブリズエラが声をかけたのは下級餓鬼だった。

 下級餓鬼は突如としてブリズエラに襲い掛かった。

 ドン!

 *ブリズエラは下級餓鬼を倒した。

「ギャワーーッ」

 下級餓鬼は大きな雄たけびあげた後、黒い靄《もや》となり消えていく。その声に気付きワラワラと餓鬼が集まる。

 ここは終点に近い業、餓鬼の量も増している。フミヤ達を中心に100匹近い餓鬼の群れが集まっていく。

「すぐやっつけるからこうなるだろ」

「すいません、フミヤさん」

 いきり立つ餓鬼は今にも襲い掛かって来そうだった。

「ギャワワーー!!」

 しかし、一匹の餓鬼の激しい雄叫びで場は静まり返る。

 フミヤ達を囲むように円型となった群れの一部がサッと道を開き、そこから左右に部下を連れた2m程の大型餓鬼がゆっくりと近付いて来る。

「なかなか骨のありそうな者達だ。普通の死者ではないな」

「話が通じそうな奴だ」
 フミヤは喜ぶ。

「我は第二地区総餓鬼長、ダングルである」

「我は右官、ウグル」

「我は左官、サグル」

 ダングルの左右に並ぶ餓鬼も同じような身の丈をし、いかにも強そうな感じがする。

「ちょっと聞きたいですが、神はどこにいますか?」
 タケルがダングルに問う。

「我がそう易々と話すと思うか?」

「うーん、思わない……」
 フミヤ即答。

「その通りだ。ウグル・サグルよ、相手してやれ」
 ダングルの命令によりウグルとサグルが襲い掛かる。

 *ウグル・サグルが現れた。
 *ウグル・サグルはいきなり襲い掛かってきた。

 *ミス、フミヤはウグルの攻撃をかわした。
 *ミス、ブリズエラはサグルの攻撃をかわした。

 *フミヤの攻撃
 *フミヤ会心の一撃、フミヤはウグルを倒した。
 *ブリズエラの攻撃
 *ブリズエラ会心の一撃、ブリズエラはサグルを倒した。

「……」

「えっと、普通に軽く一発殴っただけなんですけど……」
 戸惑うフミヤ。

「ずっとこんな感じなんです」
 とても残念そうなブリズエラ。

 ダングルはフミヤ達の強さに驚き
「なんて強さだ……まずいぞ、非常にまずい! お前等、やってしまえ‼」
と、餓鬼達に号令をかける。

 命令を受けた餓鬼は一斉にフミヤ達に襲い掛かった。
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