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死者の国 冥界
LV193 神薙の神力
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勇者タケル――メロの体内で回復中。
その間に話は進む。
「それで、なぜ池に入らないとダメなんだ?」
「そ、それはですね。斯々然々で……」
8匹の餓鬼達はフミヤ達の前で正座をし、ブリズエラの問いに答える。
「なるほど、次の場所に行くにはこの池の中を潜っていかないといけないのですね」
神薙は頷く。
「だから、俺泳げないんだけど。むしろ、そんなに長い距離息がもたないだろ?」
すると、フミヤに餓鬼長であろう餓鬼が手を挙げて言う。
「それは大丈夫です。ここに入った者は皆、溺死か忌魚に全身を喰われて死にます……が、一週間ほどでその場所から再生しますので」
「大丈夫じゃないだろ!!」
*フミヤはツッコんだ。
「前回の場所もそう聞いたが、冥界では死んでも時間の経過でその場に復活する仕組みなのだな」
ブリズエラは冥界の仕組みに気付く。
ふと、神薙が言う。
「溺死や忌魚の心配はないと思います」
「えっ?」
フミヤ達は神薙の方を振り向いた。
神薙の説明によると、神薙が先ほど発動させた神力の一つ『蛙面水』は水中でも呼吸できるというもの。そして、次に使った『隠匿』を使えば忌魚にも気づかれずに水中を移動できるとの事であった。
「やるじゃん、神薙」
フミヤは神薙を頼もしく思う。
「まあ、俺は元々水中でも呼吸できるけど」
ブリズエラは神薙に対抗心を燃やしていた。
「じゃあ、行こう!」
フミヤ達は一斉に池に飛び込む。
「結局、俺達ってやられ損じゃない?」
餓鬼達は少し納得がいかない様子であった。
水中深くに潜っていくフミヤ達の周りには餓鬼達が言っていた通り、夥《おびただ》しい数の忌魚が泳いでいる。それぞれの大きさは30㎝前後と小ぶりな魚ではあるが、この数の人喰い魚に襲われると如何にフミヤ達でも無傷では済まないないだろう。
フミヤは心底、神薙に感謝した。
その後、フミヤ達は順調に第二の業の門へと進む。
――ハズであったが、
「ばばばばばばばば(ああああああああ)」
*フミヤは雄たけびをあげた。
「ばびばぼごぼごごごぼごごごぼごぼごご(飽きたーー!! どこまで続くんだよ。どれだけ進んだんだよ! ここどこだよ)」
フミヤ発狂中。
真っ暗な水の中、ある灯りはメロの体だけ。そして見渡す限り同じ景色……。フミヤ達は方角がわからなくなり数時間彷徨い続けていた。
これも第2の業の試練のひとつである。
「ごぼごぼぼぼごぼごぼぼぼごぼぼ(俺、ちょっと上の方を確かめてきます)」
ブリズエラはフミヤ達を残し、水面に上がっていく。
しばらくしてブリズエラは戻ってくる。
「ばべばぶぼごぼぼぼばぼびぼぼぼ(ダメだ。どこも陸地がみえない)」
「ばぼびべぼばばばばばばばびぼ(何いてるかわかないぞ)」
話すら通じない状態にフミヤのイラ立ちは募る一方。
フミヤ達は一旦中断し、全員で水面へと上がっていく。
その間に話は進む。
「それで、なぜ池に入らないとダメなんだ?」
「そ、それはですね。斯々然々で……」
8匹の餓鬼達はフミヤ達の前で正座をし、ブリズエラの問いに答える。
「なるほど、次の場所に行くにはこの池の中を潜っていかないといけないのですね」
神薙は頷く。
「だから、俺泳げないんだけど。むしろ、そんなに長い距離息がもたないだろ?」
すると、フミヤに餓鬼長であろう餓鬼が手を挙げて言う。
「それは大丈夫です。ここに入った者は皆、溺死か忌魚に全身を喰われて死にます……が、一週間ほどでその場所から再生しますので」
「大丈夫じゃないだろ!!」
*フミヤはツッコんだ。
「前回の場所もそう聞いたが、冥界では死んでも時間の経過でその場に復活する仕組みなのだな」
ブリズエラは冥界の仕組みに気付く。
ふと、神薙が言う。
「溺死や忌魚の心配はないと思います」
「えっ?」
フミヤ達は神薙の方を振り向いた。
神薙の説明によると、神薙が先ほど発動させた神力の一つ『蛙面水』は水中でも呼吸できるというもの。そして、次に使った『隠匿』を使えば忌魚にも気づかれずに水中を移動できるとの事であった。
「やるじゃん、神薙」
フミヤは神薙を頼もしく思う。
「まあ、俺は元々水中でも呼吸できるけど」
ブリズエラは神薙に対抗心を燃やしていた。
「じゃあ、行こう!」
フミヤ達は一斉に池に飛び込む。
「結局、俺達ってやられ損じゃない?」
餓鬼達は少し納得がいかない様子であった。
水中深くに潜っていくフミヤ達の周りには餓鬼達が言っていた通り、夥《おびただ》しい数の忌魚が泳いでいる。それぞれの大きさは30㎝前後と小ぶりな魚ではあるが、この数の人喰い魚に襲われると如何にフミヤ達でも無傷では済まないないだろう。
フミヤは心底、神薙に感謝した。
その後、フミヤ達は順調に第二の業の門へと進む。
――ハズであったが、
「ばばばばばばばば(ああああああああ)」
*フミヤは雄たけびをあげた。
「ばびばぼごぼごごごぼごごごぼごぼごご(飽きたーー!! どこまで続くんだよ。どれだけ進んだんだよ! ここどこだよ)」
フミヤ発狂中。
真っ暗な水の中、ある灯りはメロの体だけ。そして見渡す限り同じ景色……。フミヤ達は方角がわからなくなり数時間彷徨い続けていた。
これも第2の業の試練のひとつである。
「ごぼごぼぼぼごぼごぼぼぼごぼぼ(俺、ちょっと上の方を確かめてきます)」
ブリズエラはフミヤ達を残し、水面に上がっていく。
しばらくしてブリズエラは戻ってくる。
「ばべばぶぼごぼぼぼばぼびぼぼぼ(ダメだ。どこも陸地がみえない)」
「ばぼびべぼばばばばばばばびぼ(何いてるかわかないぞ)」
話すら通じない状態にフミヤのイラ立ちは募る一方。
フミヤ達は一旦中断し、全員で水面へと上がっていく。
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