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死者の国 冥界
LV182 緊急会議(上
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突如、トーレムグレイグ城にて緊急会議が開かれた。
それは何故か? 勿論、フミヤのせいである。
トーレムグレイグ城で会議が行なれる理由としては主に二つ。緊急の招集にも関わらず、「神の指令」と聞きつけた冒険者や有名人がトーレムグレイグに挙《こぞ》って集まったのである。その人数ではフミヤ家ので話し合いをするには手狭であったという理由が一つ、そしてもう一つは王の耳に入れなければならない程の重要案件だったからである。
フミヤの過去の悪態と適当な発言がいつの間にか、国を動かす重大な出来事に発展してしまっているのである。
さすがにマズイと思ったのか、フミヤのテンションは猛烈に下がっていた。
トーレムグレイグ城の来賓用広間には多くの席が設けられ、錚々たる面々が集まっていた。
トーレムグレイグ地方からはもちろん、勇者ヴィオラパーティー・フミヤ・ベレッタ・ヤマダ・サイトウ・ブリズエラが出席。
東の国トリニスタントからは、勇者タケル・ショウコ・チン・エミリー。
北の国ゴータスフールから、勇者レイモンド・イレイザ・ガロ。
精霊国家より、精霊妃ミルミル。
魔法国家ムジャールのセレナスに代わり、女王となったロイスホール。
何故かモンペロから、元A級冒険者ジンと店員モコが参加している。
他約30名余り、一度聞いた事のあるような有名な冒険者達が一つの広間に集結した。
広間の奥には5つの玉座が設けられ、トーレムグレイグ王・トリニスタント王・ゴータスフール王・精霊妃ミルミル・魔法女王ロイスホールが座った。
五大王《ごだいおう》が着席して間もなく、大きなドラム音が広間に響き渡りトーレムグレイグ王が口を開く。
「皆の者、急な招集であったが集まり頂き感謝する」
トーレムグレイグ王が集まった者達に労いの言葉をかけると、勇者と冒険者達は椅子から立ち上がり一斉に深々と頭を下げる。
しきたりわからないフミヤ達は、突然の出来事に対応できず座ったまま辺りをキョロキョロ見渡していた。
玉座の前及び勇者・冒険者付近には声がよく聞こえるようにあちこちに魔拡器《まかくき》が設置されている。おかげで王の声は広間に集まる皆にとても鮮明に聞こえた。
「このたび、世界規模案件『S級任務』を発令する」
ゴータスフール王はそう宣言した。
続けてトリニスタント王が口を開く。
「任務の内容は、冥界からの神奪還任務である」
トリニスタント王の発言により、周囲が異様にどよめく。
「冥界?」
「神?」
「そんなの神話だろ?」
すると精霊妃ミルミルは
「信じられないのは無理もない、私達もついさきほどまでは信じられなかったのだ。詳細は、このお方から聞くのが一番であろう」と、言う。
トーレムグレイグ王が手を挙げると、天井の一部分が開きゆっくりと豪華なゴンドラが下りてくる。そこに乗るのは神ゼウス、重々しいオーラを放つ。
(なんか偉そうだな)
*フミヤはイラっとした。
広間にどよめきが起こる。
「神? 本物?」
「いや、さすがにそれはないだろ?」
「神だって! ウケるー」
「ただの半裸のおっさんじゃん」
それぞれが疑念の眼差しで一人のおっさんを眺めている。
ヴィオラ達とフミヤ達以外の者達は神を信じていなかった。
それは何故か? 勿論、フミヤのせいである。
トーレムグレイグ城で会議が行なれる理由としては主に二つ。緊急の招集にも関わらず、「神の指令」と聞きつけた冒険者や有名人がトーレムグレイグに挙《こぞ》って集まったのである。その人数ではフミヤ家ので話し合いをするには手狭であったという理由が一つ、そしてもう一つは王の耳に入れなければならない程の重要案件だったからである。
フミヤの過去の悪態と適当な発言がいつの間にか、国を動かす重大な出来事に発展してしまっているのである。
さすがにマズイと思ったのか、フミヤのテンションは猛烈に下がっていた。
トーレムグレイグ城の来賓用広間には多くの席が設けられ、錚々たる面々が集まっていた。
トーレムグレイグ地方からはもちろん、勇者ヴィオラパーティー・フミヤ・ベレッタ・ヤマダ・サイトウ・ブリズエラが出席。
東の国トリニスタントからは、勇者タケル・ショウコ・チン・エミリー。
北の国ゴータスフールから、勇者レイモンド・イレイザ・ガロ。
精霊国家より、精霊妃ミルミル。
魔法国家ムジャールのセレナスに代わり、女王となったロイスホール。
何故かモンペロから、元A級冒険者ジンと店員モコが参加している。
他約30名余り、一度聞いた事のあるような有名な冒険者達が一つの広間に集結した。
広間の奥には5つの玉座が設けられ、トーレムグレイグ王・トリニスタント王・ゴータスフール王・精霊妃ミルミル・魔法女王ロイスホールが座った。
五大王《ごだいおう》が着席して間もなく、大きなドラム音が広間に響き渡りトーレムグレイグ王が口を開く。
「皆の者、急な招集であったが集まり頂き感謝する」
トーレムグレイグ王が集まった者達に労いの言葉をかけると、勇者と冒険者達は椅子から立ち上がり一斉に深々と頭を下げる。
しきたりわからないフミヤ達は、突然の出来事に対応できず座ったまま辺りをキョロキョロ見渡していた。
玉座の前及び勇者・冒険者付近には声がよく聞こえるようにあちこちに魔拡器《まかくき》が設置されている。おかげで王の声は広間に集まる皆にとても鮮明に聞こえた。
「このたび、世界規模案件『S級任務』を発令する」
ゴータスフール王はそう宣言した。
続けてトリニスタント王が口を開く。
「任務の内容は、冥界からの神奪還任務である」
トリニスタント王の発言により、周囲が異様にどよめく。
「冥界?」
「神?」
「そんなの神話だろ?」
すると精霊妃ミルミルは
「信じられないのは無理もない、私達もついさきほどまでは信じられなかったのだ。詳細は、このお方から聞くのが一番であろう」と、言う。
トーレムグレイグ王が手を挙げると、天井の一部分が開きゆっくりと豪華なゴンドラが下りてくる。そこに乗るのは神ゼウス、重々しいオーラを放つ。
(なんか偉そうだな)
*フミヤはイラっとした。
広間にどよめきが起こる。
「神? 本物?」
「いや、さすがにそれはないだろ?」
「神だって! ウケるー」
「ただの半裸のおっさんじゃん」
それぞれが疑念の眼差しで一人のおっさんを眺めている。
ヴィオラ達とフミヤ達以外の者達は神を信じていなかった。
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