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亡者の大森林へ向かえ

LV118 ヤマダとサイトウとモコ

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ヤマダ(ゴブリン)LV49
HP 581
腕力 332
守備力 238
素早さ 666
運の悪さ 3189
スキル 
 人語
 毒耐性LV2
 即死耐性 LV2
所持スキルポイント 2
習得が可能なスキル
 ため攻撃 2P
 探索 3P
装備
 トゲトゲハンマー
 民族衣装
称号 
 可愛そうなモンスター 強い敵に気付かれない確率UP。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
モコとヤマダがじゃれ合ってる間に
サイトウは スライムエンペラーに攻撃する。

湖に座ったままスライムを吐き続けるスライムエンペラーの
お尻におもいっきり石棍棒を叩きこむ。

ボヨヨーーーン。

大きな波を打ち、スライムエンペラーの体はゼリーのように
ボヨボヨと揺れている。

スライムエンペラー「??」

スライムエンペラーは サイトウの攻撃を気にする事無く
ただひたすら 湖にスライムを放流している。
「お二方どうしましょう?全然攻撃が効かないです。」
困り果てたサイトウ。

「スライムは火に弱いはず!」
*モコはファイアーボールを連発した。
「ファイアーボール。」
「ファイアーボール。」
「ファイアーボール。」
「ファイアーボール。」
「ファイアーボール。」
「ファイアーボール。」

モコのファイアーボールはことごとく弾き返される。
そして、当然の如くそれは ヤマダの方へ向かっていく。
「ひえええええ。モコさん、止めて。止めて。」

「ぎゃふん。」

*スライムエンペラーはダメージを受けていない。
*ヤマダは黒焦げになっている。
「もう嫌っス・・・。」

「駄目だねー。みんなどうする?もう諦めて帰っちゃう?」
モコはスライムエンペラーの事が、段々どうでもよくなってきていた。
「確かに今の僕たちでは 完全に力不足ですね。
敵としても見てもらえてないですし。」
どうやら サイトウも手詰まりの様子。

「うん、帰ろう。」
あっさりと決断するモコ。

「ちょっと待ったっス。」
怒り狂った黒焦げのヤマダが我を忘れ、
スライムエンペラーに立ち向かっていく。

「やいやい、お前どういうつもりなんスか?」
「お前のせいで俺は黒焦げっスよ。(モコのせいです。)」
「それにこの頭を見ろ、チリチリっスよ。(それも モコのせいです。)」
「そんなにスライム放って何するんだ?スライム王国でも作るのか?
おい、なんとか言うっス。」
ヤマダはフミヤ直伝の毒舌攻撃をスライムエンペラーに
浴びせる。

スライムエンペラー「*@$:*##””」
ヤマダ「ん?」
スライムエンペラー「@@:・/>#%」
ヤマダ「フムフム。」
スライムエンペラー「=#&・・<>*」
ヤマダ「なるほど・・・。」

「モコさん、なんかヤマダさん スライムエンペラーと
話せるみたいですよ。」
「えっ、ホント。」

訳の分からない所で、意外に役に立つヤマダは
スライムエンペラーと会話し、何か納得している様子だった。

「おーい、ヤマダくーん。どうしたのー?」
ヤマダはスライムエンペラーのお尻をポンポンと叩くと
モコ達の方へ向かってきた。
「大丈夫っぽいっス。」

「ヤマダさん、どうしたんですか?」
サイトウが不安そうな顔でヤマダに尋ねる。
「実は 今、湖の清掃中だそうっス。」

「えっ。」
「ん?」

ゴイス湖はトーレムグレイグ地方に生息するモンスター達の
重要な水資源である。
そのゴイス湖の水質を保つため スライムエンペラーは年に一度訪れ、
スライムを放つ。
放たれたスライムは雑食であるため
ゴイス湖の汚れやゴミなど食べて、水を綺麗にしてくれる。
「・・・、らしいです。」
ヤマダはスライムエンペラーに聞いた話を そのままモコとサイトウに伝えた。

「そうなんだー。だから相手に敵意がなかったんだ。」
「いいモンスターだったんですね。」
理由を知ったモコとサイトウは 納得し、
しばらく その光景を見守るように眺めていた。

グゥ。

ふと、ヤマダのお腹のなる音が聞こえる。
「お腹空いたっスね。」
「そうね、そろそろ街に帰ってなんか食べよっか?」
「そうっスね。」
「じゃあ、帰りましょう。」

そう思い立った三人は スライムエンペラーに別れを告げ、
ゴイス湖を後にした。
珍しい物を見れた三人は 満足そうに仲良く街へ帰って行く。


「あっ、そういえば 魚一匹も釣れてないっス・・・。」
当初の目的を忘れていたヤマダは
次の日、またその次の日も 皿洗いに勤《いそ》しむのであった。
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