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トーレムグレイグは今日も活気づく

LV108 硬派なる鍛冶神

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箱の隙間から光が漏れる・・・。

「わあ、綺麗。」
ヴィオラは思わず声を上げた。

箱の中には 美しい宝飾で飾られた立派な剣であった。
その刃《やいば》の部分は極限までに薄く磨き上げられ
その切っ先は美しく銀色に輝いている。
「ヴィオラ様の専用の武器、名付けて ヴィオラアルティメットソードです。」
「いや、その名前はダサいんで、後で考えます。」
フミヤはアプロディーテーの付けた剣の名前を気に入らなかった。

「まあ、名前はともあれ 勇者専用の剣と言ったところです。
この世界には類を見ない物だと思いますが、いかがですかフミヤ様?」
フミヤは自分の物ではなく ヴィオラのための剣だと聞くと
無碍《むげ》に断りにくかった。
ヴィオラは その綺麗すぎる剣をとても気に入っており
欲しそうな眼差しで、ずっと眺めていたからだ。

「へい、ブラザーどうだい。恩恵ゲット、イエス?ノー?」
「あーこの喋り方がむかつくんだけどなぁ、仕方ないよな。
うむ、仕方ないなー。」
*ヴィオラは目をキラキラさせている。
「あー、受けるよ。受けます、恩恵。」

アプロディーテーの作戦勝ちにより ヘーパイストスの恩恵を
受ける事を決めたフミヤは どこか悔しそうだった。
「それでは レッツ、恩恵。」
ヘーパイストスは 奇妙な踊りをしながら、
フミヤの体に触れると フミヤに恩恵を宿る。
「へい、終わったぜブラザー。」

「・・・、その踊りは必要だったのか?」
「ノー、ただの雰囲気作りさ。」

*フミヤの攻撃
ゴッ。
*ヘーパイストスは 50のダメージを受けた。
フミヤは思わず、ヘーパイストスの顔を軽く殴った。
「なにするんだい、ブラザー?」
「あっ、ゴメン。なんとなく我慢できなくて。」

*フミヤは硬派なる鍛冶神《かじがみ》(ヘーパイストス)の加護を受けた。
*フミヤは絶体捕縛《ぜったいほばく》LV1のスキルを習得した。
*フミヤのステータスは大幅に上がった。
*フミヤの木工スキルが、LV8に上がった。
*フミヤの製鉄スキルが、LV9に上がった。
*フミヤの魔細工スキルが、LV8に上がった。
*フミヤは炎耐性LV10を取得した。
*フミヤは神に振りかざす一撃の称号を手に入れた。
「ん?」
フミヤは自身の体に違和感を感じた。
「えーと、オープン。」
フミヤは久しぶりに自分のステータスを確認すると
改めて驚いた。
「なんか、めちゃめちゃ上がってない?
って、炎耐性いきなりMAXなんですけど・・・。」

するとアプロディーテーは答える。
「ヘーパイストスは鍛冶の神でもあり、火の神でもあるのです。
それぞれの神の恩恵を受けるだけで、スキルも大幅に上がるんですよ。」
「なるほど。ああ!!!」
フミヤはハッと閃く。

「アプロさん、料理の神様っていないの?」
「いますわよ。」
「えええええ。」
「ヘスティアさんが、炉の神と言われで別名料理の神とも呼ばれてます。」
「今度紹介してください。」
「ええ、分かりました、伝えておきますね。
ただ、あの方は特殊ですから・・・。」
アプロディーテーは含みを持たせる言い方をしたが、
それ以上は語らなかった。

フミヤは初めて神に興味を持った。
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