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トーレムグレイグは今日も活気づく
LV96 太古の魔王ベレッタ
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フミヤです。
魔王拾いました。
今、我が家にいます。
テーブルに座ってます。
・・・。
「・・・ヤ。」
「・・フミヤ、聞いてる。」
ヴィオラが、何度も声を掛け ようやく気付くフミヤ。
食卓を囲みヴィオラとフミヤは ベレッタに質問する。
「で、ベレッタは 今、地上を侵略しようとしている魔王ではないの。」
「おう、違うぞ。我は遊びに来たのだ。
人間界では飯《めし》が、うまいと言うし、いろんな生物がいると聞いて
一度遊びに行きたかったのだ。」
「ほうほう。」
「今、地上にいるもう一人の魔王は たぶん、ビーンデスグリオラだのぅ。」
「離れてるのに 誰かわかるの?」
「うむ、何となくな。アイツは魔王の中でも 新参者でまだまだ小物よ。
野心だけは人一倍《ひといちばい》いや、魔王一倍多かったからの。」
「小物って・・・。それに 魔王って何人いるんだよ。」
「んー、魔界は広いのだ。何層にも別れ、地下に奥深く広がる。
当然、我も知らないようなヤツも魔王を名乗る者がいるのだろうな。」
「ベレッタは一人で来たの?」
「うむ。」
「魔王クラスが人間界へ来る場合、大量の魔力と贄《にえ》を
要するって聞くんだけど・・・。」
「なので、魔力すっからかんで、腹減ってたのだ。」
・・・それで、俺が拾ったのか。
現在、人間界を侵略中の魔王ビーンデスグリオラですら ゲートを越える際、
自分の魔力だけでは足らず、多くの配下達の命を捧げ、
こちらの世界に来たのだが、なんとベレッタは自分の力だけで
そのゲートをくぐり抜けて来たのだと言う。
なんとなく 悪いヤツではなさそうなので、
フミヤ達は しばらく一緒に住む事にしたのだった。
そんなある日、ついにフミヤ家に 魔王ビーンデスグリオラからの
刺客が放たれた。
空より巨竜に乗り、訪れる魔人。
それを取り囲むガーゴイルの群れおよそ100匹。
情報屋より報告を受け、フミヤはモンペロから急いで帰宅。
勇者パーティーを招集したヴィオラとフミヤ、
そして フミヤの仲間モンスター達で、フミヤ家の庭で
魔人達を待ち受ける。
「ついに来たか。」
ダンは大盾を構え臨戦態勢に入る。
「アンタはいつも巻き込まれるよね。」
イルイルの一言に フミヤは軽くため息が出た。
「そうだよな、俺 料理人なんだけどなー。」
「ん、フミヤ。アイツら迷惑なのか?」
不思議そうにベレッタがフミヤに聞いた。
「当たり前だろ、せっかく新しく家建てたのに
壊されたら 住む場所なくなってしまうぞ。」
「それはこまるな。」
ベレッタは納得。
「それより お前、自分の命の心配しろよ。」
*ライガはフミヤをツッコんだ。
「のう、フミヤ。」
続けてベレッタがフミヤに話しかける。
「ん?」
「あの者ども 追い払うか?」
「ああ、当然。何としても 家を守るぞ。」
「・・・わかった。」
空より魔人が辺り一帯に響くほどの大声で叫ぶ。
「我こそは 魔王様の側近、魔人五将軍が一人・・・。」
ゴゴゴゴゴゴゴ。
ベレッタが空に両手をかざすと、上空に黒い闇が広がり、
魔人とガーゴイルの群れを包み込んでいく。
「なんだ、これは・・・。」
魔人とガーゴイル達は慌てるも 体が思うように動かない。
パン。
ベレッタが、かざした両手を合わせると その黒い闇は一気に縮んでいく。
魔人達は 凝縮していく闇の中へと引きずり込まれ、そして 塵となった。
「終わったぞ。」
*勇者達は口が開いている。
*フミヤは口が開いている。
*仲間モンスター達は口が開いている。
魔人五将軍の一人、名前を聞く前に討伐完了。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ガーゴイル 飛行種人間型モンスター。
背中には大きな羽を付け、顔は人間に近く 2本角を生やしている。
鋭利な爪での攻撃が主であるが、たまに武器を使う者もいる。
魔王拾いました。
今、我が家にいます。
テーブルに座ってます。
・・・。
「・・・ヤ。」
「・・フミヤ、聞いてる。」
ヴィオラが、何度も声を掛け ようやく気付くフミヤ。
食卓を囲みヴィオラとフミヤは ベレッタに質問する。
「で、ベレッタは 今、地上を侵略しようとしている魔王ではないの。」
「おう、違うぞ。我は遊びに来たのだ。
人間界では飯《めし》が、うまいと言うし、いろんな生物がいると聞いて
一度遊びに行きたかったのだ。」
「ほうほう。」
「今、地上にいるもう一人の魔王は たぶん、ビーンデスグリオラだのぅ。」
「離れてるのに 誰かわかるの?」
「うむ、何となくな。アイツは魔王の中でも 新参者でまだまだ小物よ。
野心だけは人一倍《ひといちばい》いや、魔王一倍多かったからの。」
「小物って・・・。それに 魔王って何人いるんだよ。」
「んー、魔界は広いのだ。何層にも別れ、地下に奥深く広がる。
当然、我も知らないようなヤツも魔王を名乗る者がいるのだろうな。」
「ベレッタは一人で来たの?」
「うむ。」
「魔王クラスが人間界へ来る場合、大量の魔力と贄《にえ》を
要するって聞くんだけど・・・。」
「なので、魔力すっからかんで、腹減ってたのだ。」
・・・それで、俺が拾ったのか。
現在、人間界を侵略中の魔王ビーンデスグリオラですら ゲートを越える際、
自分の魔力だけでは足らず、多くの配下達の命を捧げ、
こちらの世界に来たのだが、なんとベレッタは自分の力だけで
そのゲートをくぐり抜けて来たのだと言う。
なんとなく 悪いヤツではなさそうなので、
フミヤ達は しばらく一緒に住む事にしたのだった。
そんなある日、ついにフミヤ家に 魔王ビーンデスグリオラからの
刺客が放たれた。
空より巨竜に乗り、訪れる魔人。
それを取り囲むガーゴイルの群れおよそ100匹。
情報屋より報告を受け、フミヤはモンペロから急いで帰宅。
勇者パーティーを招集したヴィオラとフミヤ、
そして フミヤの仲間モンスター達で、フミヤ家の庭で
魔人達を待ち受ける。
「ついに来たか。」
ダンは大盾を構え臨戦態勢に入る。
「アンタはいつも巻き込まれるよね。」
イルイルの一言に フミヤは軽くため息が出た。
「そうだよな、俺 料理人なんだけどなー。」
「ん、フミヤ。アイツら迷惑なのか?」
不思議そうにベレッタがフミヤに聞いた。
「当たり前だろ、せっかく新しく家建てたのに
壊されたら 住む場所なくなってしまうぞ。」
「それはこまるな。」
ベレッタは納得。
「それより お前、自分の命の心配しろよ。」
*ライガはフミヤをツッコんだ。
「のう、フミヤ。」
続けてベレッタがフミヤに話しかける。
「ん?」
「あの者ども 追い払うか?」
「ああ、当然。何としても 家を守るぞ。」
「・・・わかった。」
空より魔人が辺り一帯に響くほどの大声で叫ぶ。
「我こそは 魔王様の側近、魔人五将軍が一人・・・。」
ゴゴゴゴゴゴゴ。
ベレッタが空に両手をかざすと、上空に黒い闇が広がり、
魔人とガーゴイルの群れを包み込んでいく。
「なんだ、これは・・・。」
魔人とガーゴイル達は慌てるも 体が思うように動かない。
パン。
ベレッタが、かざした両手を合わせると その黒い闇は一気に縮んでいく。
魔人達は 凝縮していく闇の中へと引きずり込まれ、そして 塵となった。
「終わったぞ。」
*勇者達は口が開いている。
*フミヤは口が開いている。
*仲間モンスター達は口が開いている。
魔人五将軍の一人、名前を聞く前に討伐完了。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ガーゴイル 飛行種人間型モンスター。
背中には大きな羽を付け、顔は人間に近く 2本角を生やしている。
鋭利な爪での攻撃が主であるが、たまに武器を使う者もいる。
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