最強勇者の夫～陰であなたを支えます。

トーレムグレイグは今日も活気づく

LV95 フミヤの帰り道

ヴィオラは泣いている。
「まさか、フミヤさんが・・・。」
「ち・・・違うんだ、ヴィオラ。」

少し時間は戻り。

いつものように【モンペロ】で仕事を終えたフミヤは
夕方に上がり、街をぶらつく。
イチカグリズリーの肉細巻きを3本買うと、それを食べながら
いつも通り街を散策。

ダイナとレミタのマッサージ店（78話参照）で、体をほぐしてもらい
疲れを癒したフミヤ。
辺りは次第に暗くなり家に帰ろうとしていた時だった。

ドン。
「あ、すいません。」
咄嗟にフミヤが謝る。

グルルルル。

目の前には少女が一人、どうやらお腹を空かしているようだ。
「親と離れたの？」
フミヤの問いに少女は　答える事なく
「腹減った・・・。」
お腹を押さえてうずくまった。

「お前、腹減ってんのか？」
そういうとフミヤは　懐にしまっていた袋を取り出し、中に入っていた
イチカグリズリーの肉細巻きを２本、少女に差し出した。
「おお。」
目を輝かせた少女は　イチカグリズリーの肉細巻きを手にすると
一瞬のうちに平らげてしまった。
「親が心配するぞ、早く帰りな。」
フミヤはその場を後にする。

テクテクテク。

フミヤの後を少女は追っていく。
「・・・。」
「もうないぞ。」

「腹減った。」

「家に帰りなさい。」

「家ない。」

フミヤは悟った。
・・・捨て子か。

「家に来るか？何か作ってやるぞ。」
「行く。」

少女はフミヤに着いていく。
家に着いたフミヤはさっそく料理を作り、

グランドフィッシュの煮つけ
突撃イノシシのステーキ・イイチコトリュフ添え
アロマイルフィッシュスープ
を　少女に食べさせた。

「うっまーい。」
少女は次第に元気になっていった。
様子を見て　満足げなフミヤに少女は一言。
「お礼に何かして欲しい事あるか？」

フミヤが笑いながら答える。
「子供が気を遣わなくていいよ、それより　お前行くとこあるのか？」
「ない。」
「この家にしばらくいるか？」
捨て子を放っておけないと　フミヤは少女に聞くと
「それが、お前の望みか？」
「いや、望みって言うか　お前が困るだろ？」

少女は軽くうなずいた。
「よし、お前の従者となろう。」
フミヤと少女が明るく光で結ばれる。
＊フミヤは　ベレッタをテイムした。
フミヤのテイムLV3がLV８に上がった。

「えっ？」
驚いたフミヤが、モンスター図鑑（43話参照）を開き、
確認する。

「えっ、んんー。」
＊フミヤは混乱している。

ベレッタ　太古の魔王
LV　523
HP　87000
腕力　34000
魔力　99000
守備　51200
素早さ　2012

＊フミヤは理解できないでいる。
そこへ　ヴィオラ帰宅。
「ただいまーフミヤ。」
「！！！！。」
「う・・・浮気。」

フミヤは冷静にツッコむ。
「いやいや、どう見ても少女だよ、さすがにそんな趣味はないぞ。」

「・・・まさかフミヤが、少女を誘拐するなんて。」
「いや、違うぞヴィオラ。」

「うわーん。」
ヴィオラは泣き出した。
「いや、だから誤解だって・・・。」

ベレッタは不思議そうに二人を見ていた。