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トーレムグレイグは今日も活気づく

LV94 新居完成

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ゴータスフール王とレイモンド達は
トーレムグレイグから自身の国へ帰って行った。

ゴータスフール王はレイモンドの非礼を
ヴィオラ達に深く詫びた。
王様に頭を下げられたヴィオラ達はタジタジだったと言う。

レイモンドの素行《そこう》の悪さに腹を立てたゴータスフール王は
レイモンドチームの解散と解雇を言い渡すが、
トーレムグレイグ王とヴィオラの助言により
なんとか謹慎処分だけで、許してもらえたのだった。
レイモンドは意気消沈し、トーレムグレイグを去るのだった。

そして・・・
このドタバタの間、ついにフミヤ達の新居が完成した。
今日はその引っ越し日。

それぞれの荷物を運び自分の部屋に荷物を運ぶフミヤ達。
それが終わると みんなで協力し、家具を運ぶ。
「ここで いいですか?」
「あーいいぞ、ヤマダはそのテーブルをこっちに運んでくれ。」

フミヤとヴィオラの家は平屋の部屋は4つと倉庫一つ。
リビングとキッチンのある部屋と フミヤ・ヴィオラの部屋。
そして寝室だ。
渡り廊下でつながるモンスター部屋は全部で6つ、
フミヤはテイマーのスキルがあるため
今後、新たなモンスターが仲間になってもいいように
多めに部屋を作る事にしたのだ。
フミヤ達の家は街から少し離れた街はずれにあるため
土地は十分の広さがあった。

「フミヤさん、この花瓶もらっていいですか?」
「あーいいぞ、サイトウ。」
「ありがとうございます、花を飾りたくて・・・。」
「俺、この台と椅子、部屋に置いていいっスか?」
「ああ いいよ。」
初めて自分の部屋ができたヤマダとサイトウは
とても嬉しそうにしていた。

「おーい、ヴィオラ。」
イルイルの声が遠くから聞こえる。
次にラオ老の声が聞こえる。
「手伝いに来てやったぞーい。」
勇者パーティーが、フミヤ家《け》の引っ越しを手伝いに
来てくれたのだ。

*ダンは物理防御強化結界を使った。
*ファリスはバブリ・デ・エ・マジカ(魔法防御結界)を唱えた。
二人はまたも壊れてしまわないように 長期的に持続する防御結界を
家全体に施してくれた。
「まあ、一年くらいはもつから また効果がなくなってきたら呼んでくれ。」
「ありがとう、ダンさん。」
「ダンでいいよ、フミヤ。付き合いも長くなってきたしな。」

*イルイルは花の精霊を呼び出した。
ヤマダ達のモンスターハウスの周囲を精霊達が
粉を振りかけていくと 次々と花が咲いていく。
「私からのお祝いよ。」
「ありがとうございます。」
サイトウは喜び、イルイルにお辞儀をした。

「じゃあ、次はワシかの。」
ラオ老は地面に魔法陣を書くと魔法を詠唱し始めた。
「出でよ、酒呑童子《しゅてんどうじ》。」
地面の結界からゆっくりと茶褐色《ちゃかっしょく》の鬼が現れた。
酒呑童子が手を振りかざすと 地面には大きな穴が開くと
その穴から勢いよく水のような物が噴き出してくる。
役目を終えた酒呑童子は 去って行く。
「これは 酒の泉じゃ、これでいつでも酒が飲み放題じゃぞ。」

・・・これはあんまりいらないな。
と 思いながらもラオ老の好意を無下《むげ》にできない
ヴィオラとフミヤは愛想笑いをする。

ひと通り引っ越しを終え、フミヤは勇者パーティーに
お礼に料理をもてなすのだった。

ちなみにライガは
「何もないぞ。」
の一言だった。
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