上 下
86 / 314
トーレムグレイグは今日も活気づく

LV85 腕力対決

しおりを挟む
「メロちゃんにしたら良かったんじゃない?」
ヴィオラの発言により はっと気づくフミヤだが、
時すでに遅し、フミヤ痛恨の采配ミスにより いきなり一敗となった。

「ヴィオラチーム、ヤマダの不調により 早くも一敗!
さあ どんどん行きましょう。」
「強きものに欠かせないものは やはり腕力、
 二回戦は 腕相撲対決だー。」

「なんか地味だな・・・。」
フミヤが不満をもらす。
「そうっスね。この広さの意味がない気がするっス。」
ヤマダも同意見。

レイモンドチームからは 力自慢のゴウリキが手をグルグルと
回しながら、中央に置かれたテーブルに歩み寄る。
「俺にかなう者など 人間でいるはずがない。」
と、自信満々のゴウリキ。

「俺が、行こう。」
世界最強の壁と言われるダンが、名乗りを上げる

双方テーブルの前に立ち、腕を組む。
「腕を折ってしまわぬように 手加減してやるから
安心してくれ。」
「おお、そいつは助かる。」
ゴウリキの挑発をダンは受け流し、笑う。

「それでは行きましょう。二回戦、腕相撲開始!」

ゴッ!!

「タ・・・ターイム。」
仕切り役のウンサーが思わず、止めに入る。
二人の力に耐え切れず、テーブルが真っ二つに割れてしまったのだ。

ワー!
客席が盛り上がるなか、召使い達が数人がかりで
分厚い鉄板でできたテーブルを運ぶ。

「皆様、申し訳ありません。トラブルにより仕切り直しです。
お二人準備はいいですか?」
ゴウリキとダンが改めて 腕を組む。

「それでは 再戦です・・・。始め!」
双方が、目を合わせ力を込めていく。
「ぬっ。なかなかやるではないか。」
ゴウリキが、ダンに話しかけても
ダンは無言のままだった。
組んだ腕が、真ん中から動かない。

ダンがゴウリキに対して ボソっと呟いた。
「手加減してもらえるのはありがたいが、
もう少し力込めてもらって かまわないよ。」

「なんだと?」
ゴウリキの表情に余裕がなくなっていく。

「・・・。」

この時、もうすでにゴウリキは全力で力を込めていた。
「ぬおおおおお。」
「何故だ、ピクリともしない。」
「スキルだ、絶対に何かつかっているぞ。審判反則だ!」

「五月蠅《うるさ》い男だ、俺は何も使っておらぬよ。」

ドン。

ダンが力を込めると体ごとゴウリキはひっくり返ってしまった。

レイモンド「チッ、恥さらしが。」

「勝者、ダン!」
ウンサーがヴィオラチームの勝利を宣言すると
さらに歓声が大きくなる。

去り際にダンはゴウリキの方を向き、
「腕相撲で、お前より強い奴を俺は
5人は知ってるぞ。」
そういうと ヴィオラ達の方へ戻っていく。

この後、三回戦の【知識対決】では ファリスが豊富な知識量により
ゴータスフール側の相手、インテに圧勝した。

これにより ヴィオラチーム2勝、レイモンドチーム1勝と
トーレムグレイグ側がリードする。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます

ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう どんどん更新していきます。 ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。

彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。 父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。 わー、凄いテンプレ展開ですね! ふふふ、私はこの時を待っていた! いざ行かん、正義の旅へ! え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。 でも……美味しいは正義、ですよね? 2021/02/19 第一部完結 2021/02/21 第二部連載開始 2021/05/05 第二部完結

婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな

カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界 魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた 「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね? それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」 小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く 塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう 一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが…… ◇◇◇ 親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります (『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です) ◇◇◇ ようやく一区切りへの目処がついてきました 拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです

【完結】間違えたなら謝ってよね! ~悔しいので羨ましがられるほど幸せになります~

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
「こんな役立たずは要らん! 捨ててこい!!」  何が起きたのか分からず、茫然とする。要らない? 捨てる? きょとんとしたまま捨てられた私は、なぜか幼くなっていた。ハイキングに行って少し道に迷っただけなのに?  後に聖女召喚で間違われたと知るが、だったら責任取って育てるなり、元に戻すなりしてよ! 謝罪のひとつもないのは、納得できない!!  負けん気の強いサラは、見返すために幸せになることを誓う。途端に幸せが舞い込み続けて? いつも笑顔のサラの周りには、聖獣達が集った。  やっぱり聖女だから戻ってくれ? 絶対にお断りします(*´艸`*) 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2022/06/22……完結 2022/03/26……アルファポリス、HOT女性向け 11位 2022/03/19……小説家になろう、異世界転生/転移(ファンタジー)日間 26位 2022/03/18……エブリスタ、トレンド(ファンタジー)1位

【完結】精霊に選ばれなかった私は…

まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。 しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。 選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。 選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。 貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…? ☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

処理中です...