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トーレムグレイグは今日も活気づく

LV80 デーメーテールは短気である

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「それでは。」
アプロディーテーはフミヤの同意により、神の恩恵を授ける。

*フミヤは至高の美(アプロディーテー)の加護を受けた。
*フミヤはアプロバブルLV1のスキルを習得した。
*フミヤは変装LV1のスキルを習得した。

さすが、数多くの男達を虜《とりこ》にしてきたアプロディーテー。
なんなくフミヤとの交渉を終える。
「それでは 皆様、私は用事も終わりましたので、
失礼しますわ。」
残った2人の神にそう伝えるとそそくさと宿を後にした。

どこか、イラつきを隠せないデーメーテールに
寂しそうな眼差《まなざ》しををするヘーパイストス。

「次は私の番かな?」
ヘーパイストスが話し出すと デーメーテールが割って入る。
「フミヤ様、これを見てください。」
「これは なんです?」

デーメーテールは手の平にのる金色に輝く一粒の米を見せた。
「これは 私達の聖域にしかない食材、【ゴッドライス】です。」

フミヤは目を輝かせながら デーメーテールの方を見た。
「それもレア素材ですか?」
「そうです。」
「どれどれ?」

パク。

「ああああああああああ!」
フミヤは味見《あじみ》のつもりで、いきなりデーメーテールの手の平の
米粒を食べた。
「ん、普通の米と味かわりませんが・・・。」

何故だか落胆しているデーメーテール。
「ん。」
今にも泣きだしそうなデーメーテール。
「そのゴッドライスは 米粒のまま大地に植えると
一瞬にして辺り一面に実りをつけ、その後100年は
耐える事なく実り続けるという 貴重な米なんですよ。」
「えー、だって 米粒一粒だけって思わないだろ?普通。」
*フミヤは少し慌てている。

「もしかして もうない?」
「ありません。」

フミヤ「・・・。」
「交渉決裂です。」

「はああああ?」
「あなた 食べましたよね?」
「はい。」
「あれは 数百年に一度、天から授かると言われる
貴重中の貴重な食材ですよ。」
「だって もう食べちゃったから。」
「はぁー。」
あまりの出来事に一瞬、気が遠のいたデーメーテール。

横からヘーパイストスが、フミヤに話しかける。
「フミヤ殿、では私の恩恵を。」
「ヘーパイストス、少し黙っててくれてませんか?」
「お、お・・う。」
怒りに震えるデーメーテールの威圧を受け、
ヘーパイストスは委縮した。
宿屋がぐらぐらと揺れる。

「じ、地震・・・。」
その時、ドライアドは おどおどしていた。
「フミヤ様、これはデーメーテール様の怒りです。
デーメーテール様が大地を揺らしているんです。」

「あーなるほど。」
「フミヤ様、どうかデーメーテール様の恩恵を受けてあげてください。」
「いやー、素材の一つくらいでそんなに怒らなくても・・・。
神なのに心が狭いなぁ。」

*デーメーテールは発狂した。
「ムキー!もうあなたなんか知りません、
人間界なんかどうにでもなればいいわ。」
そう言うと デーメーテールは怒って帰ってしまった。

ドライアド「フミヤさん・・・。」
ドライアドはちょっとフミヤにイラっとした。

「あの人、短気過ぎません?」
強心臓のフミヤは そんな事も気にも留めず平然としていた。
なぜなら 神の恩恵をそんなに欲していないから。

この後、デーメーテールは ゼウスに宥《なだ》められ
なんとか正気に戻ったと言う。
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