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トーレムグレイグは今日も活気づく

LV78 夜の街を歩く

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現在、マイホーム改築中のため トーレムグレイグの宿屋で
宿泊しているフミヤ達。

ヤマダとサイトウが、メロを連れて遊びに行ったため
フミヤとヴィオラも久しぶりに デートをする。
夜のトーレムグレイグ街を 二人で手をつなぎ歩く。

世界三大都市のトーレムグレイグの夜は
催し物や露店が多く出ており、それを目当てにの観光客も多い。

「そこの仲良し夫婦、一回やらないかい。3つで200イエンだよ。」

「輪投げか。」
「やるのフミヤ。」
「うん、ちょっとチャレンジしてみる。」

バス
「おお、大当たりーー、やるねお兄ちゃん。」
バス
「これまた、素晴らしい!」
バス
「あ、当・・たりー。」

これ以上やると 申し訳ないな。
何気ない所で活躍するフミヤの狩猟スキルLV10(MAX)。
「すごーい、フミヤ。」
「う、うん。(・・・100発投げても全部入りそうだ)」

「はい、景品のスライム人形。」
店主はそういうと メロそっくりのスライム人形を
腕に3つ巻き付けた。
「うん、色違いのメロって感じだな。」
「そうだね。」
・・・3つもいらないな。

「そこのお兄さん、ストレス発散に【藁人形倒し】どうだい。
魔法で強化してあるこの藁人形、倒せれば賞金だぜ。」

「ヴィオラやってみる?」

「あ、勇者ご夫妻。ヴィオラ様は、ちょっと勘弁してください。
一瞬で壊れちゃいます。」

「フミヤ、やめといてあげよ。」
「そうだな、おっ アレを食べよう。」

二人は屋台で、イチカグリズリーの肉細巻きを買い、
食べながら街をさらに歩く。

フミヤは 街の中心から少し離れた
細い路地裏に ヴィオラを案内する。
「もう少し先に お勧めの場所があるんだ。」

フミヤの進む先から何やら お香のような香りが
漂ってくる。
匂いのする方へ歩いたフミヤは 突き当りにある
扉を開け中に入り 椅子に腰をかけ、ヴィオラにも
座るように促す。

しばらくすると 奥から年配の女性が二人現れた。
フミヤとヴィオラは案内されるがまま 奥の部屋へ入り寝転ぶと
フミヤ達の体をくまなく触りだした。

「ここは マッサージの店で、この人達は ダイナさんとレミタさん。
気功師《きこうし》の達人なんだ。俺が、仕事で疲れた時によく来るんだ。」

「あっ、すごく気持ちいいし、体中に力が漲《みなぎ》ってくる。」

「そうだね、かなり解放状態を維持し続けてたみたいだね。
気の小孔《しょうこう》がかなり傷んでるよ。」

ヴィオラを施術《せじゅつ》するレミタは 話をしながら
巧みな指捌《ゆびさばき》きで、体を指圧している。

「今は 小孔を全開に開かせてるから 力が漲《みなぎ》ってるはず
この後、徐々に小孔を完全に閉じていくからね。」
「あー、体に力が溜まっていくのがわかる。」

「戦いの時になったら 自然に小孔が開いて力が解放し易いだろうよ。
疲れたらまた、いらっしゃい。体が資本だからね。」

ヴィオラとレミタが会話を弾ませるその隣で
同様にダイナはフミヤを施術していた。
「ダイナさん、俺はどうだい。」

「・・・。」
「あんたの小孔、死にかけてるよ。」
「うそ。」

「アンタ、体を酷使《こくし》しすぎだね。
無茶の次元を超えた体の使い方をしてるよ。
このままじゃあ、アンタの命もって2年くらいだね。」
「え!!うそ?」

「嘘ついてどうするんだい。」

「なんとかなりません?」

「んー?」
「アンタはとりあえず、一か月、ここに通いなさい。
なんとか小孔を健康な状態に戻してあげるから。」

「おお、マジか・・・。」

ヴィオラは喜びながら体を動かした。
「すごく体が軽くなったよ、ありがとうレミタさん。」

フミヤは隣で元気にはしゃぐヴィオラを見て思う。
「まさか自分の方が悪いとは・・・。」
自分の体の悪さに 相当なショックを受けたフミヤだった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
スライム人形 手が開いたり、閉じたりできるスライム型の人形
首や腕に挟む事ができる。

気功師 体内に流れる気を操る専門職
気の小孔 気を外に放つためにある小さい穴
一般の人は 一生開かない事もある。
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