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勇者探索任務~サイテハの洞窟

LV49 蜘蛛の糸

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 あれからどれほどの時間が経ったのであろう。
 
 *フミヤとヤマダは目を覚ました。

「おい、ヤマダ……大丈夫?」
 フミヤは横たわるヤマダの体を揺さぶる。

 ヤマダはふと目を覚ます。
「はい、なんとか……」

「致死性の毒じゃなくて良かった」

「死んだかと思いましたよ」

「でも、この状況はまずいよね?」

「ですね……」

 体をぐるぐる巻きにされたフミヤとヤマダは、洞窟の天井から垂れ下がる糸に逆さまで吊るされている。

「これ、あれですよね?」

「うん、蜘蛛のエサになろうとしてるよね」

「頭に血がのぼって、あんまり考えられないんっスけど……」

「とりあえず、ピンチって事だ」

「…………」

(戦神スキル使うか……でも、アレを使うと死にかけて、回復者がいないとなると……最悪死ぬな)

 フミヤは悩んでいる。そこへ、先ほど振り切ったはずのキングスパイダーが、糸にぶら下がりながらじわじわと降りてくる。

「やっぱり、そうですよねー」

「あーもう、だめっス」

「仕方ないスキル使うか!」
 
 そう、フミヤが意を決した瞬間「ドゴーン」と大きな音が鳴り響く。

 キングスパイダーは轟音と共に吹き飛び、遥か先へ跳んでいった。

 *サイクロプスが現れた。

 サイクロプスが大蜘蛛を殴り飛ばしたのだ。

「今度はこいつかよ! もう絶対死ぬやつじゃん」

 *フミヤは諦めた。

「もう無理っす……」
 ヤマダは白目をむき、口から泡を吹いている。

 ブチッ

 サイクロプスは、何故かフミヤ達が吊るされている蜘蛛糸を引きちぎった。

「えっ?」

 サイクロプスはちぎった糸をそのままゆっくりと地面へ下す。

「助けてくれんの?」

 サイクロプスの肩からメロが顔を覗かせた。

「モキュゥ」

「メロが助けを呼んでくれたのか」
 
 サイクロプスから跳び下りたメロは、フミヤとヤマダに巻き付いた糸を食べていく。

「ありがとうメロ! アイツにもお礼を言ってくれ」

「モキュモキュ」

 *サイクロプスは喜んでいる。

 サイテハの洞窟に住むサイクロプスは絶滅種であり、現在この一体しか発見されていない。そのため常に孤独であり、自分を見る者は逃げだすか襲ってかのどちかでしかない。その中で助けを求めるメロとの出会いは嬉しかったのだ。サイクロプスは温厚で人懐っこい性格の魔物であった。

(こいつテイムできないかな……)

「おーい、おまえ仲間にならない?」

 *フミヤはテイムを使った。しかし、何も起こらない。

「ん~やっぱり伝説のモンスターともなるとそう簡単にはいかないか」

「フミヤさん」

「どうした、ヤマダ」

「サイクロプスさんはこの辺りの守護者なんで一緒にいけないそうです」

「そうか残念……ってヤマダ、あいつと話せんの?」

「はい、一応同じ人型モンスターなんで」
 またも、ヤマダの優秀な一面にフミヤは少し驚くのだった。

「ヤマダ、他に人が通らなかったのか聞いてよ」

「はいっス!」

「k^ん&^:”*ー”#。」

「!q;;+>」

「l$ーー^¥:#&。、*<^-E」

「H*・>」

「誰も見てないって言ってます」

「そう……」

「それでさっきの話なんですが、自分の代わりに息子を連れて行ってほしいって言ってます」

「息子⁇」

 よく見るとヤマダと同じくらいの背たけをした子供のサイクロプスが、父親の足の傍らでモジモジしている。

「O)>¥**-|¥%」

「この子は外の世界に興味がある」

「ほうほう」

「k・<>@@=&l」

「『この子を連れて行ってやってほしい』――だそうです」

『&ー&H$ーー^』

「この子は友達がいなくて可哀そう」

「+T;k・<>@@=&l」

「どうか、この子を連れて行ってやってほしい」

「そうか……」

 *フミヤはテイムを使用した。

 *サイクロコプスは仲間になった。

「わかった。責任を持って預かるよ」

 新たにサイクロコプスを仲間にしたフミヤ達は、しばらくその場で談笑した後、サイクロプスに別れを告げさらなる奥へ進むのであった。

 *フミヤのテイムがLV3に上がった。
 
 *フミヤは神話使いの称号を手に入れた。

―――――――――――――――――――――――――――
サイクロプス 古代神話に出てくる伝説の一つ目巨人。体長は10m程で性格は温厚。
サイクロコプス サイクロプスの子供。
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