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勇者探索任務~サイテハの洞窟
LV47 迷子
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皆とはぐれたフミヤ達は来た道を引き返す。
「たぶん、こっちで合ってるはず」
「フミヤさんこっちでしょ?」
「えっ? そう?」
「じゃあ、そっち行こう」
「こんなところありました?」
「うーむ、わからん……」
「モキュモキュ」
メロが手で示した帰り路が正解。だが、話し合いに夢中のフミヤとヤマダは気づかず正解ルートをスルー、洞窟奥地へと続く道を選択してしまう。
暗い洞窟で視界の悪いなか、頼りになるのは僅かに生えている光ゴケとメロの輝きのみ。ランタン用の油を持ってはいたが、量が少量であるため節約のため使用せずに進む。
ランタンを使おうが使わまいが案内人がいないフミヤとヤマダでは、道の違いがほとんどわからないのであった。
入り口の方向へ戻っていると願いながら一人と二匹は進んで行く。
シュー…………ルル……
「なんか言った?」
「いえ、何もいってませんよ。」
シュー……ル……ル
「なんか言ってるだろ⁉」
「俺じゃないっスよ。後ろから……‼」
後ろを見たヤマダは恐怖で固まる。
ヤマダの異変に気付いたフミヤも、恐る恐る後ろを振り向く。
「うそ‼」
全長5mはありそうな巨大な大蛇が、フミヤ達のすぐ後ろまで迫ってきている。
*キラースネークが現れた。
蛇に睨まれたヤマダ……とフミヤ。
「ど、どうしましょう? フミヤさん……」
「は、走るぞー!」
フミヤはメロを肩に乗せ全速力で走りだした。
「うおおおおおお」
「ひえええぇ。待ってっスーー」
ヤマダも全力でフミヤの後をついて走る。
「フ……フミヤさん。俺達、生きて帰れます?」
「わからーーん!」
フミヤ達は、襲いくる大蛇を振り切るように闇雲に洞窟を走る。もはや正しい道を吟味しながら進む余裕はない。
一進一退の追いかけっこが繰り広げられる最中《さなか》、今度は前方より大きな影が見えてくる。
「はあはあ……フミヤさんなんだか嫌な予感しません?」
「はあはあ、俺もそんな気がする」
*キングスパイダーが現れた。
「マジっすか?」
「……やっぱり、そのパターンよね」
後方には大蛇、前方には2mを超す大蜘蛛。挟まれたフミヤ達は絶対絶命の危機を迎えた。
「もう無理っスよ、フミヤさん!」
「蜘蛛の足の間に飛び込むぞ」
フミヤとヤマダは蜘蛛の足の隙間へ飛び込む。大蛇は止まれず大蜘蛛と激突、怒り狂う二匹の巨大生物は取っ組み合いを始めた。
「ヤマダ! こっちこっち」
フミヤは蜘蛛の足の隙間から、ヤマダの手を強引に引っ張り出す。
フミヤとヤマダは立ち上がり走る。
「はあ、化け物の巣窟だな」
「フミヤさんこっちこ行きましょう」
ヤマダが丁度良い感じの岩を見つけ、二人はその陰に隠れる。
すると今度は「ズズン、ズズン、ズズン」と大きな足跡が聞こえる。
岩陰に隠れるフミヤ達がこっそり覗くと、すぐ横を一つ目の巨人がゆっくりと歩き通り過ぎていく。
*サイクロプスが現れた。
*だが、サイクロプスはこちらに気付いていない。
「アレって神話に出てくるモンスターだよね……?」
「……俺、もう嫌っス」
「俺達、死ぬかもね」
フミヤとヤマダは「はあぁー」と、二人揃ってため息をつくのであった。
「たぶん、こっちで合ってるはず」
「フミヤさんこっちでしょ?」
「えっ? そう?」
「じゃあ、そっち行こう」
「こんなところありました?」
「うーむ、わからん……」
「モキュモキュ」
メロが手で示した帰り路が正解。だが、話し合いに夢中のフミヤとヤマダは気づかず正解ルートをスルー、洞窟奥地へと続く道を選択してしまう。
暗い洞窟で視界の悪いなか、頼りになるのは僅かに生えている光ゴケとメロの輝きのみ。ランタン用の油を持ってはいたが、量が少量であるため節約のため使用せずに進む。
ランタンを使おうが使わまいが案内人がいないフミヤとヤマダでは、道の違いがほとんどわからないのであった。
入り口の方向へ戻っていると願いながら一人と二匹は進んで行く。
シュー…………ルル……
「なんか言った?」
「いえ、何もいってませんよ。」
シュー……ル……ル
「なんか言ってるだろ⁉」
「俺じゃないっスよ。後ろから……‼」
後ろを見たヤマダは恐怖で固まる。
ヤマダの異変に気付いたフミヤも、恐る恐る後ろを振り向く。
「うそ‼」
全長5mはありそうな巨大な大蛇が、フミヤ達のすぐ後ろまで迫ってきている。
*キラースネークが現れた。
蛇に睨まれたヤマダ……とフミヤ。
「ど、どうしましょう? フミヤさん……」
「は、走るぞー!」
フミヤはメロを肩に乗せ全速力で走りだした。
「うおおおおおお」
「ひえええぇ。待ってっスーー」
ヤマダも全力でフミヤの後をついて走る。
「フ……フミヤさん。俺達、生きて帰れます?」
「わからーーん!」
フミヤ達は、襲いくる大蛇を振り切るように闇雲に洞窟を走る。もはや正しい道を吟味しながら進む余裕はない。
一進一退の追いかけっこが繰り広げられる最中《さなか》、今度は前方より大きな影が見えてくる。
「はあはあ……フミヤさんなんだか嫌な予感しません?」
「はあはあ、俺もそんな気がする」
*キングスパイダーが現れた。
「マジっすか?」
「……やっぱり、そのパターンよね」
後方には大蛇、前方には2mを超す大蜘蛛。挟まれたフミヤ達は絶対絶命の危機を迎えた。
「もう無理っスよ、フミヤさん!」
「蜘蛛の足の間に飛び込むぞ」
フミヤとヤマダは蜘蛛の足の隙間へ飛び込む。大蛇は止まれず大蜘蛛と激突、怒り狂う二匹の巨大生物は取っ組み合いを始めた。
「ヤマダ! こっちこっち」
フミヤは蜘蛛の足の隙間から、ヤマダの手を強引に引っ張り出す。
フミヤとヤマダは立ち上がり走る。
「はあ、化け物の巣窟だな」
「フミヤさんこっちこ行きましょう」
ヤマダが丁度良い感じの岩を見つけ、二人はその陰に隠れる。
すると今度は「ズズン、ズズン、ズズン」と大きな足跡が聞こえる。
岩陰に隠れるフミヤ達がこっそり覗くと、すぐ横を一つ目の巨人がゆっくりと歩き通り過ぎていく。
*サイクロプスが現れた。
*だが、サイクロプスはこちらに気付いていない。
「アレって神話に出てくるモンスターだよね……?」
「……俺、もう嫌っス」
「俺達、死ぬかもね」
フミヤとヤマダは「はあぁー」と、二人揃ってため息をつくのであった。
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