がらくた置き場~SS集

豆丸

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可哀想な女の子~水の乙女~ ☆SS

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 ザアザアと降りしきる雨の中、ずぶ濡れで男に後ろから貫かれた。屈強な男の大きすぎる熱くて硬い杭のような陰茎に無理やり散らされ、裂かれた場所がずきずきと痛い。絶対切れてしまった。

「あ、ひっ、い、ぐぅ」

 振り子のように揺すぶれ目の前の木の幹にすがる。裂かれた中を擦られる痛みに悲鳴すらあげられない。恐怖に歯をガチガチ鳴らした。 呼吸を忘れ、ただ空気を出し入れし苦しく喘いだ。

 痛い……早く終わって、早く抜いて。
 こんなの拷問だよ。
 ポロポロ流れた涙は大雨と共に大地に染みこの地を潤す。

 初めてなのに外なんて酷い。
 私なんて外で処女を散らすのがお似合いだと言いたいかな?…そんなのは悲しい。 

 夢中で私を貪るこの国の第二王子にして護衛隊長のアンリ・サルバドーレを涙で滲ませ見上げた。
 
 私を護り元の世界に帰還させると誓ったのに、全て嘘だったの?
 
「はぁ、はぁ、やっと貴女と一つになれました!
 水の乙女……いや、もう純潔を失った。処女でもなく元の世界にも帰れない!はは、私だけのナナミだ!」
 
 恍惚の表情を浮かべ、抽送を繰り返すアンリが押し返そうとする硬い中で膨張した。苦しいほどに押し上げられる。その意味が理解し、逃げ出そうと身を捻っても巨大な男の束縛からは逃げられない。

「…い、いゃあぁーっ!」
 
「はっ、出ます!俺で孕んでっ!」 
 どくりどくりと別の生き物のように脈打ち奥に温かい体液の広がりを感じて、その意味が解り絶望で目の前が赤くなる。 

 震えて泣く私をアンリはいとおしいそうに抱き締めると、耳元で囁いた。

「ははっ、泣くほど嬉しいですか?
 俺も嬉しいですよ。貴女と繋がれる日を一日千秋の思いで待っていたんですから」  

「な、なんで?ひっぐ。無理やりこんなこと……酷い…」  
 ポロポロ泣きながら非難の目を向けると、穏やかだったアンリの表情が反転した。まるで悪鬼のように。 

「ひっ」  
 恐怖に身がすくむ。

「無理やり?何を言っているのですか?最初に誘ったのはナナミです」
 怯えて縮こまる私を労るように抱き締め、あやすように髪の毛を撫でる。

「さ、誘ってなんか」 
 アンリの大きな指が唇に触れ、小さな形をなぞる。

「…聖水が出ないからと私に手伝いを願いました」     
 深い闇を連想させる瞳で私をじっと見つめた。 

 
 ーー私が……悪かったの?

 
 ◇



 野々村七海16歳。
 
 産まれた時から水は私の味方だった。
 幼児から泳ぐことを何よりもこの上なく好んだ。

 水も私を好いてくれたと思う。一掻きすれば踊るように手を足を舞う水は、私を速く速く前に押し出した。 
 気持ち良くて心地よい…陸に居るより水の中で私は自由だった。ヒステリックな母も、家庭を省みない父もここには存在しない。
 だから私が水泳選手を目指したのは必然だった。小学で県大会、中学で全国出場にまで出場出来るようになった。高校も水泳のスポーツ推薦で有名高校に通えた。地元の新聞は小柄で色素の薄い私を『水の妖精』と、褒めあげた。
 「さすが私たちの娘だわ」私を初めて父母が褒めた。
 今思えばあの頃は出来すぎていた、気持ち悪いほどに。  
 それは交通事故に巻き込まれた私の怪我で全て壊れてしまったけど。 

 リハビリ続けても前のように動かない足に絶望した。水は停滞し淀んだ。もう私を輝かせてはくれない。
 絶望に追い討ちをかけるように、持て囃してくれた部員は手のひらを返した。「泳げないのに何しに来たの?役立たず」と、嘲り笑う。
 居たたまれなくて水泳部を退部した。顧問の先生はマネージャーにと引き留めてくれたけどその瞳は安堵の色を隠しても居なかった。

 深く傷ついても学校を辞める訳にはいかなかった。
 同級生にもいじめられるようになった。嫌みに仲間外れ、教科書、上履きを隠され、時に壊された。 

 水泳推薦で入学したのに退部した私に担任は冷たかった。いじめを訴えても気のせいだと黙殺された。父母は泳げなくなり人々の期待を裏切ったお前が悪いと責め立てられた。

 ーー全てに絶望し、死にたいと川波を見つめていると、水が形を変えた。私の目の前でさざ波たち、水柱が立った。水柱は彫刻の石像のように美しい二人の男性に姿を変えた。 

「見つけた水の乙女」 
「どうか渇れ果てた僕らの大地リリエンスを聖水で潤してほしい」
 クスクス笑う美しい声が聞こえた。驚き動けない私を濁流が呑み込んだ。 


 気がつけばサルバドーレ王宮の神殿に私は居た。
 
 「お前が水の乙女か?貧相だな」と美女を侍らせ尊大にふんぞり返る第一王子。
 膝を降り深く敬礼する第二王子を前に、混乱する私に大神官が説明した。 

 水を司る双子神が私を水の乙女と選んだ。
 リリエンス各地を巡り、枯れた大樹を聖水で復活させてほしい。全ての大樹が復活すれば大地に恵みの雨が降る。どうか水の乙女の使命を果たして下さいと懇願された。 

「…泳げない私が水の乙女だなんて間違っています。無理です…今すぐ家に帰して下さい」
 ポロポロ泣く私を鬱陶しいと思ったのか、第一王子は舌打ちし「お前がやる気にさせろ」と、第二王子に押し付けて美女と共に辞してしまった。 

 
「申し訳ありません。双子神から提示された帰還条件は全ての大樹を聖水で満たし、尚且つ清い体のままならだそうです」 
 残された第二王子は言いにくそうに私に頭を下げた。 


 そうして第二王子にして護衛隊長のアンリ・サルバドールの一団と私はリリエンスを巡ることになった。旅は順調とは行かなかった。
 平民の側室の産んだ第二王子を疎ましく思う第一王子からの妨害が度々入って、渓谷を渡る橋を落とされた。騎士団と分断させられてしまう。

 たった二人きりになってしまった私とアンリの主従関係は中洲が川に飲み込まれるごとく、少しずつ壊れていった。
 アンリも初めは護衛対象として私を崇め大切にしてくれた。
 だけど、私の事故の後遺症のある足では満足に道を歩けない。アンリに荷物のように担がれ険しい山、過酷な砂漠を進んだ。
 道中は魔物も出没した。とうてい騎士でない私に戦うすべはない。孤立無援でガクガク震える私を護り戦う。血にまみれ剣を奮い続ける。大樹を聖水で満たすために。アンリは満身創痍で精神的にも負担が大きい。私を気遣う余裕はない。 

 私は両手を幹に触れ、手のひらから溢れる聖水を注ぐ。やり方が下手なのか違うのか僅かしか満たせない。 

 「……それがナナミ様の全力ですか?」
 彼は苛立ち始めた。予定より大樹を満たす速度が遅いから。日にちも掛かって軍資金も底をつきそうだから。傷だらけの体が痛むから。 

「……ご、ごめんなさい」 
 下を向きスカートを掴む。ああ情けない。ここでも役立たずだわ。ポロポロと涙が溢れた。 

「…はぁ、泣きたいのは私です。こんなに時間がかかるとは……。どうやら我々は水の乙女に期待し過ぎたようです」 
 大きな溜め息、責めるような視線が突き刺さる。
 そのアンリの顔に人々の期待を裏切ったお前が悪いと責め立てた父母の顔が重なる。 

 「……こんな……お荷物なら……いっそ」
 恐ろしいほどの無表情。ぽっかり空いた黒い瞳。

 「ひぃっ」 
 言葉に込められた意味にカチカチと歯が鳴る。お荷物なら、いらない?
 こんな魔物だらけの知らない土地で置いてきぼりにされたら、先には死しか待っていない。 

「ア、アンリさん、待って下さい」 

「…これ以上、何を待てばいいのですか?」 
 
「…その、実は大神官に手のひらの他に聖水を作る方法を教わっています……違う方法も試します」

 置いていかれる恐怖が羞恥に勝って、私は大樹の根本に近寄ると、スカートをたくしあげ、ショーツを勢いよく下ろした。大きく股を開き座りこんだ。

 アンリに背を向けたので見えていないはずだから。

「…気でも触れましたか?何をするんですか?」  

「お、オシッコを…します。私の体液に聖水と同じ効果があるんです…だから」 
 涙は量が少なすぎるし血液は痛くて怖い。残る選択肢は尿だった。 
 
「…っ、オシッコですか?」
 
「はい、少し待っていて下さい…んっ、ふぁ」
 お腹に力を入れて排尿を促す。緊急のためかはてまた恐怖のためか、力を入れても出る気配がない。焦っているとスッと上から影が差した。

「待っているのですが?出ませんか?」 
 
「きゃ!アンリさん!」 
 
 いつの間にか後ろに居たはずのアンリが斜め前から見下ろしていた。角度的に大きく開いたアソコが鮮明に見えている。閉じようとした膝をアンリが上から押さえた。 

「閉じてはいけません…早く出しなさい」 
 冷たく言われ身がすくみ、益々尿意が遠ざかる。

「あっ」
 アンリの視線は親の敵のように毛のない大事な場所に注がれている。
 視線の鋭さに太ももに鳥肌が立つ。遅れてきた羞恥が私を苛む。恥ずかしくて居たたまれなくてポロポロ涙を流した。 

「アンリさん、見ないで下さいっ。恥ずかしいです」 

「これは大樹を聖水で満たす神聖な儀式です。恥ずかしがる必要はありません。
 一人でお出来になれないようでしたら、このままでは埒があきませんのでオシッコが出るよう手助けしましょう」 

「でも、手助けなんて…そんな」 

「手助けは無用ですか?まあ、体液なら別の採集方法もありそうですね」
 アンリは剣を柄を意味深にトントン叩いた。 

「ひっ、手助け……お願いします」 
 泣きじゃくって言う私に、アンリはにこりと笑った。
 

「ひゃ、あっ!ああっ」 
 大きく開けたアンリの舌が私のアソコを舐めまわす。ささくれだった指が小さな芽を摘まみ、コスコスと擦る。芽が膨らんだらトントンと指の腹で押して潰される。鋭利な気持ちいい感覚が広がる。それはお腹をきゅうと締めて尿意を共に押し上げた。芽をいじめていない方の手が膀胱の上をぐっぐっと押した。 

「はっ、ちゅッ…ほら、早く聖水を出してしまいなさい」
 尖らせた舌がオシッコの穴をツンツンと刺激し、アソコ全体に吸いついた。仕上げのようにぢゅろろろーと吸い上げた。 

「あーっ!!」 
 びくん、びくんと腰が跳ねて、解放された聖水がジョロロローと神聖と程遠い音をたてて、大樹の根本に降り注ぐ。 

 満たされた大樹は光輝くと大きな葉っぱを空に伸ばした。
 


 聖水のため、確かに……手伝いをお願いした。オシッコが出ないからとなし崩し的に毎回アンリに舐められるようになった。そこに深い意味なんてないと誤魔化してきた。
 
 お前が悪い……責めるように見つめられ、居たたまれなくて視線を反らした。  

「……御理解いだだけましたか?」 
 アンリは薄く笑うと、正面から抱き合うように
 私の小さな体を抱え込んだ。痛むアソコに再び硬い陰茎の先がずりりと当たる。 

「ひいっ」 
「さあ、続きをしましょうか」 
 
 ぐっ、ぐっ、と荒々しく入ってきた陰茎が痛むアソコを再び押し開き、蹂躙する。
 ごつんと中を貫かれる生々しい音と衝撃、苦痛。
 出された液体を掻き出される嫌悪感に吐き気がしてきた。嫌なのに逃げられない。
 細い腰を鷲掴みにされ、冷たい雨の中着ていた服さえ剥ぎ取られ、貪られる。何度も中を穢され注がれ、もう日本に帰れない。泣いても謝っても終わらない……続く悪夢。


 ◆ 



  くすくす。 
      
       くすくす。

 遥か天界、神々が住まう神殿で双子神は機嫌よく笑う。

 あー、面白かったね。 
 
 本当だよ。 

 でもさ、今回は最後の大樹まで水の乙女が処女だったら僕の勝ちだね? 

 チェっ!負けたよ。
 この前の騎士は我慢出来なくてソッコーで突っ込んで雨降らなくて人も国も沢山死んで、それはそれで面白かったけど。今回は優秀だったね。 

 まあ、どちらにしても水の乙女は帰れないけどね。 

 次は100年後にする?
 良いね?
 今度は乙女の数を増やそうか? 

 ……双子神は邪悪に笑った。
 
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