1 / 1
番は無理です!
しおりを挟む「僕と番になって下さい」
黒竜に巨大な頭を下げられ私は硬直した。竜は首を下げたまま、私をうるうる見ています。
いや。可愛くありません!
目の大きさは成人男性の拳ぐらいです。
鼻腔なんて狢の巣ぐらいの穴です。
爪なんか短剣みたい、私なんか簡単に八つ裂きにされます。
大きさ違い過ぎます…。
私成人女性にしては上背ありますけど、竜さんかるーく私の2倍あります。
無理無理無理です。
「ごめんなさい。お気持ちは嬉しいのですが、体の大きさ違い過ぎますので」私はやんわり断ろうとしますが、竜さん被せ気味に「嬉しいなら考えて下さい」と引き下がりません。むしろ一歩二歩前に鼻息荒く進んできます。
私は一歩二歩後ろに逃げます。
鼻息ストーム止めて下さい。
うわ~っ、番なんてなったら毎日迫られるに決まっています。繁殖したい本能を受け入れられません。
大きさ違います。
本当の意味で殺されます。
無理に決まってます。
うら若き乙女として恥ずかしい話題ですが、お断りするために言います。はっきりキッパリと!
「え、えっとですね。つ、番になると言うことは家族を作るんですよね?」言いにくいので吃ります。
「もちろんです。君によく似た竜がいいです!」竜は笑っているつもりなのか口を開きました。
口内に鋭い牙がびっしり生えているのが見えます。
こ、このままでは、食われますお食事的に。
「家族を作るにあたって、私と黒竜様は体の大きさが違うのでいろいろ難しいと思うのですが?」私が焦りながら言い募ると竜の一瞬動きが止まりました。
ひえ、怒っているのでしょうか?
「愛があれば大きさなんて大丈夫です!」ひどくキッパリ竜は言いました。
「あ、愛ですか?」
「はい!愛です」
え、どこにありますか?私には見えないのですが?
呆然とする私の体を竜が鋭い爪に当たらないように掴みました。
「きゃ!何ですか!」
捕まれて驚愕する私に竜は鼻息ストームをかけます。
「心配でしたら、試してみましょう?」
「え?え?何をですか?」
「大丈夫です!優しくしますから」
竜は、うるうると熱い目で私を見ました。
「え!お試し?大丈夫じゃありません!無、無理です!」
このままでは食われます、肉体的に。
そして、悲鳴をあげる私を無視し竜は飛び立ちました。
7
お気に入りに追加
22
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
夫に惚れた友人がよく遊びに来るんだが、夫に「不倫するつもりはない」と言われて来なくなった。
ほったげな
恋愛
夫のカジミールはイケメンでモテる。友人のドーリスがカジミールに惚れてしまったようで、よくうちに遊びに来て「食事に行きませんか?」と夫を誘う。しかし、夫に「迷惑だ」「不倫するつもりはない」と言われてから来なくなった。
番なんてお断り! 竜王と私の7日間戦争 絶対に逃げ切ってみせる。貴方の寵愛なんていりません
ピエール
恋愛
公園で肉串食べてたら、いきなり空から竜にお持ち帰りされてしまった主人公シンシア
目が覚めたら ベッドに見知らぬ男が一緒に寝ていて、今度は番認定!
シンシアを無視してドンドン話が進んでいく。
『 何なの、私が竜王妃だなんて••• 勝手に決めないでよ。
こんなの真っ平ゴメンだわ!番なんてお断り 』
傍若無人な俺様竜王からなんとか逃げ切って、平和をつかもうとする主人公
果たして、逃げ切る事が出来るか•••
( 作者、時々昭和の映画•アニメネタに走ってしまいます 。すみません)
ザマァはありません
作者いちゃらぶ、溺愛、苦手でありますが、頑張ってみようと思います。
R15は保険です。エロネタはありません
ツッコミ処満載、ご都合主義ではごさいますが、温かい目で見守っていて下さい。
映画関連、間違えがありましたら教えて下さい
(*´ω`*)
全九話です。描き終えてありますので最後までお読みいただけます。
その断罪、三ヶ月後じゃダメですか?
荒瀬ヤヒロ
恋愛
ダメですか。
突然覚えのない罪をなすりつけられたアレクサンドルは兄と弟ともに深い溜め息を吐く。
「あと、三ヶ月だったのに…」
*「小説家になろう」にも掲載しています。
妹の妊娠と未来への絆
アソビのココロ
恋愛
「私のお腹の中にはフレディ様の赤ちゃんがいるんです!」
オードリー・グリーンスパン侯爵令嬢は、美貌の貴公子として知られる侯爵令息フレディ・ヴァンデグリフトと婚約寸前だった。しかしオードリーの妹ビヴァリーがフレディと一夜をともにし、妊娠してしまう。よくできた令嬢と評価されているオードリーの下した裁定とは?
最悪なお見合いと、執念の再会
当麻月菜
恋愛
伯爵令嬢のリシャーナ・エデュスは学生時代に、隣国の第七王子ガルドシア・フェ・エデュアーレから告白された。
しかし彼は留学期間限定の火遊び相手を求めていただけ。つまり、真剣に悩んだあの頃の自分は黒歴史。抹消したい過去だった。
それから一年後。リシャーナはお見合いをすることになった。
相手はエルディック・アラド。侯爵家の嫡男であり、かつてリシャーナに告白をしたクズ王子のお目付け役で、黒歴史を知るただ一人の人。
最低最悪なお見合い。でも、もう片方は執念の再会ーーの始まり始まり。
婚約破棄したら食べられました(物理)
かぜかおる
恋愛
人族のリサは竜種のアレンに出会った時からいい匂いがするから食べたいと言われ続けている。
婚約者もいるから無理と言い続けるも、アレンもしつこく食べたいと言ってくる。
そんな日々が日常と化していたある日
リサは婚約者から婚約破棄を突きつけられる
グロは無し
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
この先はどうなったんでしょう…
気になります🤚
感想ありがとうございます。
紅い竜の赤ちゃん産まれる予定です。続きはRになっちゃうので(笑)