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お風呂上がりのお父さん

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 軽めの運動ということで、その場でジャンプしたりステップを踏んでもらったりした。基本は私と同じ動きをやってもらった。動くたびにたぷたぷお腹が揺れて可愛いなと思ったりもしたけど、今回の目的はあくまでライン様に自信をつけてもらうこと。それに、私はライン様ならぽっちゃりでも痩せていてもどちらでもOKだし。

 三十分して、今日のメニューが終了した。ライン様がタオルで顔の汗を拭く。

「お疲れ様でした。もう一杯いかがですか?」
「もらおう」

 腰に手を当て紅茶を一気のみする様は、まるで温泉上がりに瓶牛乳を飲むお父さんって感じだった。こういう人見たことある。

「これが軽めか……」
「大変でしたら、無理のないよう少しずつ増やしていきましょう」
「いや、どんどん増やしてほしい。最近国も平和で遠征もなかなか無く、運動不足だった」
「承知しました」

 身支度を整えたライン様は、心なしか入ってきた時よりすっきり見えた。多分気のせいだけど、だけども、この一歩が大切だから。

「また明日も頼む」
「こちらこそ宜しくお願いします」

 ライン様が帰った後、さっそく花瓶をもらってお花を生けてみた。

 お花のおかげで部屋の中がもっと明るくなった。やっぱりライン様って優しい。冷酷皇子なんて噂早く無くしたいな。

 噂はいつからあるんだろう。普段会わない貴族の間でも噂されているってことは、国民全体に広がっている可能性もある。

 見た目が変わったってすぐに良い方向へ行くとは限らないけど、ライン様が悲しまないように私がいつも横にいよう。

「ん~、良い匂い」

 お花が来てくれたから天然の香水が部屋の中を彩ってくれる。私ももうひと踏ん張り出来そう。今日中に料理本も読み終わっちゃうぞ。

 ライン様からやる気をもらった私は、寝るまで本の読み込みを続け、疲れも伴い夜ぐっすり九時間半も寝た。しかも、セリさんのノックの音で起きた。赤ちゃんかな。

 よし、今日も妃修行とライン様極秘ダイエット全力で取り組むぞ。
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