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対面
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──わぁお!
ついに王宮が見えた。素晴らしくご立派でいらっしゃる。白を基調としていて屋根部分が青と水色の、シンプルかつ素敵なデザイン。こんなおとぎ話みたいなところに住むのか。ある意味異世界自体おとぎ話だもんね。
「アリア妃がいらっしゃいました」
王宮の門が開けられる。そこではメイドさんたちがお辞儀をして待っていた。
馬車の中から控えめに手を振ってみる。みんな下向いているから見てないけどね。そして、皇子様は当然のように出迎えてはくださいませんでした。
馬車から降りて王宮に入る。なんか土足なのが気まずい。ここで靴脱ぎ出したらそれこそ非常識だけど、それくらい綺麗だから……。一人暮らししてたアパートの五億倍広いや。
「ようこそいらっしゃいました。さあ、こちらへ。ライン様がお待ちで御座います」
「はい。これから宜しくお願い致します」
「こちらこそ宜しくお願い申し上げます」
執事さんみたいなおじいさんが王宮内へ案内してくれた。そこで別れて、あとはメイドさんたちと歩いていく。
皇子はライン様って言う名前かぁ。ここまで来て名前すら知らないことに気付いてしまった。ごめんなさい。
「アリア様、こちらでご準備させて頂きます」
さっそくライン様に会うのかと思ったら、その準備からだった。婚礼でもないのに会う準備があるのか。王族と会うって大変だな。私も王族になるんだけど、この生活に慣れるのか不安。
「失礼致します」
もしかして王族と会うには専用の服装があるのかと思ったら、ちょっとした髪型の調整やら宝飾品を追加しただけだった。よかった、うちのドレスが駄目って言われるのかと思った。
「整いました」
改めて皇子がいる部屋を目指す。準備をしてくれたメイドさんは付いてこないらしく、今はセリさんと二人きり。
うう、緊張する。出来ればいきなり走り出して王宮を飛び出したい。そんな奇行したらうちの家潰されちゃうから出来ないけど。
冷酷皇子かぁ、怖いなぁ。
二メートルくらいある大男だったりしたらどうしよう。威圧感だけで吹っ飛びそう。
いやいや、皇子の妻になったんだから、もっとどっしり構えて強くいなくちゃ。どんな皇子だって受け入れよう。
「着きました」
セリさんが馬車を降りてから初めて声を出した。
「有難う御座います」
「どうぞ、中へ」
ついに扉が開けられる。この中にライン様がいらっしゃるんだ。
「失礼致します」
姿勢を正して中に入ると、目つきが超絶死亡中のぽっちゃり系がこちらを見つめて立っていた。
──おおお、おやおやぁ!?
ついに王宮が見えた。素晴らしくご立派でいらっしゃる。白を基調としていて屋根部分が青と水色の、シンプルかつ素敵なデザイン。こんなおとぎ話みたいなところに住むのか。ある意味異世界自体おとぎ話だもんね。
「アリア妃がいらっしゃいました」
王宮の門が開けられる。そこではメイドさんたちがお辞儀をして待っていた。
馬車の中から控えめに手を振ってみる。みんな下向いているから見てないけどね。そして、皇子様は当然のように出迎えてはくださいませんでした。
馬車から降りて王宮に入る。なんか土足なのが気まずい。ここで靴脱ぎ出したらそれこそ非常識だけど、それくらい綺麗だから……。一人暮らししてたアパートの五億倍広いや。
「ようこそいらっしゃいました。さあ、こちらへ。ライン様がお待ちで御座います」
「はい。これから宜しくお願い致します」
「こちらこそ宜しくお願い申し上げます」
執事さんみたいなおじいさんが王宮内へ案内してくれた。そこで別れて、あとはメイドさんたちと歩いていく。
皇子はライン様って言う名前かぁ。ここまで来て名前すら知らないことに気付いてしまった。ごめんなさい。
「アリア様、こちらでご準備させて頂きます」
さっそくライン様に会うのかと思ったら、その準備からだった。婚礼でもないのに会う準備があるのか。王族と会うって大変だな。私も王族になるんだけど、この生活に慣れるのか不安。
「失礼致します」
もしかして王族と会うには専用の服装があるのかと思ったら、ちょっとした髪型の調整やら宝飾品を追加しただけだった。よかった、うちのドレスが駄目って言われるのかと思った。
「整いました」
改めて皇子がいる部屋を目指す。準備をしてくれたメイドさんは付いてこないらしく、今はセリさんと二人きり。
うう、緊張する。出来ればいきなり走り出して王宮を飛び出したい。そんな奇行したらうちの家潰されちゃうから出来ないけど。
冷酷皇子かぁ、怖いなぁ。
二メートルくらいある大男だったりしたらどうしよう。威圧感だけで吹っ飛びそう。
いやいや、皇子の妻になったんだから、もっとどっしり構えて強くいなくちゃ。どんな皇子だって受け入れよう。
「着きました」
セリさんが馬車を降りてから初めて声を出した。
「有難う御座います」
「どうぞ、中へ」
ついに扉が開けられる。この中にライン様がいらっしゃるんだ。
「失礼致します」
姿勢を正して中に入ると、目つきが超絶死亡中のぽっちゃり系がこちらを見つめて立っていた。
──おおお、おやおやぁ!?
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