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第2章

スカウト

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「「いただきます。」」

お茶会の次の日。
食べ残した茶菓子を温め直して食べることになった。なんだか、昨日の続きを行っているみたいで楽しい。
ちなみに、お茶はジェイドが淹れてくれた。私より上手に淹れている気がして、少し悔しいのはナイショだ。

トントントンッ!

誰か来たようだ。こんな朝早くから誰だろう。
私たちは思わず顔を見合わせた。
郵便はポストに入れてもらっているから、直接渡されることはない。荷物もポスト下に置いてもらえる。ということは、郵便や宅配便ではない。
ジェイドの様子だと、誰かが訪ねてくる予定でもなかったようだ。

「食べてていいよ。僕が出るね。」

この家には覗き穴がない。
扉の前にいるのが誰かわからないから、私は出なくていいと言われている。もし強盗とかだったりすると危ないからだそうだ。
こんな山奥で強盗をしようと考える人がいるかは疑問だが。

「よぉ!・・・いい匂いがするな。朝食中だったか?それは悪いことをしたな。」

この声は・・・!

「ノア、こんな朝早くに何の用だ?」

「おいおい。頼まれてた服を持って来てやった幼馴染に言うことはそれだけか?」

「お前が直接持って来たのか?」

ジェイドの目が少し開かれる。
いつもは別の人が持って来ていたのだろう。そして、こんな朝早くに来ないんだろうな。

「今日はちょっとアカリちゃんに話があってな。」

「アカリに?」

「殺気を向けるな。口説きに来たわけじゃ・・・いや、ある意味口説きに来たのか。・・・・・・違う!恋愛的な意味じゃない!アカリちゃんに、うちで働いてもらえないかと思って!」

働く・・・??

2人の会話は少し離れた場所にいる私にも聞こえている。
食べていていいと言われたけれど、なんとなく食べずに待っていた。

働くって、あそこのブティックで?

「話を聞いてから決めてもらったらいい。毎日、店に来て欲しいって話じゃないんだ。」

「・・・朝食中だ。話を聞くのはその後でいいだろう?」

「もちろんだ。畑を見ていてもいいか?」

「あぁ。」

急いで食べなくていいからね!と言い残して、ノアさんは畑の方へ行ってしまった。

こちらを振り返ったジェイドは、少し不機嫌そうだ。私が働くことに反対なのだろうか。

「話は聞こえていたよね?」

「はい、あの・・・。」

「まずは朝ご飯を食べよう。」

何事もなかったように、美味しい!と食べ始めたジェイド。さっきの不機嫌の理由は聞いてもいいのだろうか。

まだほんのり温かい朝食を、
黙々と食べた。
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