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不安なティータイム

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「はぁ・・・。」

「あら、珍しいですね。溜め息なんて。」

紅茶を注いでくれていたカラが、溜め息を聞いて手をとめた。

「私だって、たまにはつきたくもなるわよ。」

そう言って誤魔化したけど、彼女にはきっと原因までお見通しなんだろう。

私の最近の悩みの種といえば、やはりアメリア嬢のこと。

エリーから聞いた話によると、彼女の敵は私。そしてターゲットはライト様。物語とは違う展開になってるから、どう動くかわからないとも言っていたし不安にもなるわよね。

基本的にはポジティブに生きてきた。というより、細かいことを気にしていたらライト様の隣になんていられなかった。
私はライト様に気に入っていただけたというだけで、彼の一番の婚約者候補と言われていたのは他でもないエミリアだったから。でも、早々に第三王子と婚約してしまい婚約には至らなかった。

あのパーティーでライト様に気に入ってもらえなかったら、私はこんな不安になることはなかった。だからといって、エミリアと彼が婚約して欲しかった訳ではないけれど。

自分でも持て余しているこの感情。これがアメリア嬢を攻撃する予兆なのかもと思うと余計に不安だった。

“悪役令嬢”にはなりたくない。

彼に嫌われたくない。

何よりも、自分に自信が足りていない。いつもの自分は虚勢だ。

「お嬢様、そんな難しい顔をしていても解決しません。でも、吐き出したら解決するかもしれませんよ?」

「どういうこと?」

「自分1人の頭では想像するにも限界があります。もちろん、できることにも。ですが話した相手には解決できる話かもしれませんし、その人がくれる言葉がお嬢様のお気持ちを軽くしてくれるかもしれません。」

「もう、かもしれないばっかりじゃない。」

「でも、お一人で悩まれるより解決する可能性は上がるじゃないですか。」

「それは・・・そうね。」

「お嬢様には手を差し伸べてくれるお方がおられるじゃないですか。その方達のことを忘れてはなりませんよ。」

「ありがとう。そうよね。」

カラの言う通りだわ。明日にでも、ライト様に私の気持ちを話してみよう。

天気に合った気持ちで、ティータイムを過ごした。
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