285 / 604
第285話【魔改造】
しおりを挟む
さてさて、今晩は新しい寝床でゆっくりと寝ようと考えていた。
今俺が居るのはソドムタウンの郊外に在るログハウスの自室だ。
ベッドの横には転送絨毯が敷かれている。
繋がっているのはターナー村の宿屋だ。
俺はマジックトーチを掛けたダガーをテーブルに置いてベッドに座っていた。
夕飯も食べ終わりベッドに腰かけゆっくりとしていたのだ。
「よし、遺品整理もだいぶ落ち着いたな~。そうだ、忘れていたぜ。ステータス!」
俺はステータス画面を開いて新スキルのチェックを始める。
いろいろと忙しくて、すっかり新スキルのチェックを忘れていたのだ。
まあ、この際だから今やってしまおう。
どれどれ、おお、三つも新スキルを覚えているな。
流石はレベル30の節目だぜ。
では、どんなのがあるか見てみましょうね~。
まず一つ目は~。
【落下ダメージ軽減スキルマスタリー。落下ダメージを更に軽減してくれる】
あー、まー、そうだね~。
マスタリーか~。
メイドたち十三人を犠牲にしたんだ、このぐらい覚えたいよね。
では、二つ目は~。
【パッシブ・ポールウェポナリー。薙刀系武器の戦闘技術が向上】
ほほう、斬馬刀って薙刀なのか。
じゃあハルバードとかも薙刀なのかな?
まあ、今回は、狙って斬馬刀を使ったもんな。
これでスキルを習得しなかったら嘘だろう。
さて、最後の三つ目は~。
【毒耐性スキル。毒系攻撃に対して抵抗力が向上する】
まあ、覚えるよね~。
何せ腕一本を失うぐらいにさ、毒に苦しんだんだもの……。
兎に角だ。
これで今後は毒に苦しめられることが少なくなるだろう。
正直なところ毒で寝込むのは、もうごめんだわ……。
あれは結構辛いよ……。
さーて、スキルチェックも終わったし寝るか~。
っと、俺がベッドに横になると異次元宝物庫からプロ子が顔を出した。
「あのー、アスランさま~。今、少しよろしいでしょうか?」
「うわ、びっくりした!」
「ああ、すみません。驚かせるつもりは無かったのですが……」
「いや、いいよ、別に。でえ、なんだい、プロ子?」
「メイドたちの修復が済んだので、ヒルダちゃんが見てもらいたいと……」
「はぁ?」
なんだろう、こんな真夜中に?
まあメイドたちはアンデッドだから真夜中のほうが活発に活動するのかな?
それにしてもプロ子のヤツ、何故に気まずそうに言ってるんだ?
てか、それにヒルダも可笑しなことを言っていやがるな。
「修復が済んだのなら、普通に異次元宝物庫から出てこいばいいじゃんか」
「それなんですが……」
やっぱり気まずそうだな?
「何か言いずらいことでもあるのか?」
「それがですね、ヒルダちゃんが、だいぶ大きく魔改造をしちゃって……」
「ま、ま、魔改造!?」
「はい……」
あのヒルダが魔改造だと!?
しかも、だいぶ大きく魔改造だと!?
確かにヒルダはそんなに乳が大きくなかった。
それを魔改造したのか!?
プロ子がただの改造と述べずに魔改造と表現するぐらいだから、かなり大きく改造してしまったのか!?
まさに魔改造なのか!!??
う、ぅぅがああああ!!!
やーべーえーーー!!!
ちょっと嫌らしいことを考えてててしまったぁぁああああがあががああ!!!
まーかーいーぞーおーー!!
しーんーぞーうーがーー!!
「アスランさま、大丈夫ですか!?」
「大丈夫じゃあねえけど、大丈夫だーかーらー!!!」
「はわわわわっ!!」
落ち着け!!
落ち着く!!
落ち着いてきたぞ!!
あー、落ち着いたかな……。
よし、落ち着いた……。
さて、話を戻そうか。
「プロ子、何故にヒルダは魔改造なんてしたんだ?」
「前々から大きいほうが良かったらしいです。私は止めたのですが……」
「俺も大きいほうがいいとおもぉぉおおおおおおうううう!!!」
「アスランさま!!」
駄目だー!!
また考えてしまった!!
俺って学習能力が低いな!!
ぜぇはー、ぜぇはー……。
「まあ、修復は済んだんだな……」
「はい、負傷した全員が修復しましたが……」
なんだよ、まだ歯切れが悪いな?
「じゃあ、なんで修復が済んだのに異次元宝物庫から出てこないんだ、ヒルダは?」
「それが、ここでは狭くて……」
「狭い?」
そんなに大きくしたのか!?
この部屋が狭いって、どんだけの巨乳だよ!?
爆乳や魔乳を通り越して単位が分からないぐらいデカイのか!?
それだと流石に興奮しないぞ……。
逆に引いちゃうわ……。
「それで、ヒルダちゃんが、外の広い場所でアスランさまに披露したいと言ってまして。何せ十三人分ですから」
あー、なるほど。
俺の勘違いか~。
そうだよね。
十三人のメイドが一斉に修復された自分を主人である俺に見てもらいたいんだもの、この部屋じゃあせまいか。
「分かったよ、プロ子。じゃあ外に出ようか。今は夜だし丁度いいだろう」
「はい。では外に……」
俺はプロ子と一緒に部屋を出た。
リビングを通らないと外に出れないのだが、リビングにはガイアとパンダが遊んでいた。
ガイアとパンダは綾取りをしている。
無限綾取りかな?
流石は眠らない不老不死の幼女だぜ。
「あっ……」
そして、俺に気付いたガイアが、ぼぉ~っとした感じで話しかけて来る。
「アスラン。こんな夜更けにお出掛けか?」
「いや、家の前に出るだけだ」
「プロ子とデートか?」
「いや、こんなチンチクリンは俺の好みじゃあない」
「そうか、貧乳は駄目か」
「ああ、貧乳は駄目だ」
「酷いですね、アスランさま……」
「プロ子、更に言えば、アンデッドはなお駄目だ」
「やっぱりペチャパイの死人は駄目なんですね」
「ああ、せめて巨乳だ」
「じゃあアスラン、私も駄目か?」
「ガイア、俺はロリコンじゃあない。だが、お前にはお前を求める層が間違いなく居るから安心しろ」
「うわー……、全然安心できないわ~……」
「まあ、兎に角外に出るぞ、プロ子」
「はい、アスランさま」
「私も行く~」
俺たちはゾロゾロとログハウスを出た。
ガイアは自分で歩かずに、四つん這いのパンダに股がっていた。
なんだかいいな。
俺もパンダに乗りたいな……。
「では、ヒルダちゃんたちを呼んで参りますね」
「ああ、頼む」
俺とガイアはログハウスから漏れる明かりの前に立っていた。
明かりはそれで十分だろう。
プロ子はスチャスチャと歩いて先に進むと振り返った。
「では、呼びますね……」
そう言うとプロ子は異次元宝物庫を開いて声を張った。
「ヒルダちゃん、よろしいですよ~」
すると異次元宝物庫の扉がググッンと大きく広がった。
その広さは縦横3メートルほどのサイズである。
えっ!?
なに!!
ヒルダのヤツは、そんなに派手な登場を企んでいるのかな?
なんともサービス旺盛だな。
すると───。
ゴォォオオオオオオオ!!
えっ、なに、この音は??
地鳴りか!?
『アースーラーンーさーまー……』
ハモってるのか!?
声が十三人分、ハモってるのか!?
ゴォォオオオオオオオ!!
『ご覧になってくださいまーせー、私たちの新ボディーぉぉおおおをををを!!!』
なに、なに、なに!!!
なんなの、この迫力は!?
なんか怖いぞ!!
ゴォォオオオオオオオ!!
なんか出てきた!?
3×3メートルの出入り口から巨大な塊がゴォォオオオオって出て来る。
それは縦横3メートルの巨大な肉の塊だった。
二十六本の足をバタつかせながら、一つに縫い合わされたメイドたちの巨体を引き摺りながら異次元宝物庫から出て来るのだ。
腕には腕が連結させられ長く延長されている。
頭部は一塊に纏められ、ヒルダ以外は目隠しされていた。
その成りは、まさに魔改造だった。
しかし、総合する感想は……。
キモッ!!
キモイぞ!!
それに、これを見たことあるぞ!!
確か地下の小ダンジョンで、三体分のドールを束ねたガーディアンドールのプロトタイプだ。
あれの十三人分の超巨大なガーディアンドールだわ!!
キモイっ!!
マジでキモイぞ!!!
俺の隣でガイアとパンダも、あんぐりと口を開けて固まってるしさ!!
ヤバイわ!!
なに、この魔改造わさ!?
『アスランさまー、どうですかー。私たちの新しいボディーはー? 戦闘力満点ですよ!!』
俺は冷静に答える。
「ヒルダ、キモイわ……」
『えっ、キモイ??』
ヒルダは意外なことを言われたかのような表情をしていた。
「うん、すげーキモイ……」
『カッコイイじゃあなくて??』
「うん、マジでキモイよ……。ほら、見て、この二人を」
俺は口を開けたまま固まるガイアとパンダを指差した。
「これで分かってもらえるかな?」
『いいえ、カッコイイはずです!!』
「認めないのね……」
『み、認められませんわ!!』
あー、こいつは、こいつを作った魔法使いと同じセンスなんだな……。
そして同じミスを繰り返してやがる……。
親のミスを子が繰り返す……。
遺伝だわ……。
完全に遺伝子を引き継いでますわ……。
俺は深い溜め息を吐いてから言った。
「ヒルダ、お前はメイドだろう。戦闘マシーンじゃあないだろう。ちゃんと奉仕が出きるような体に戻しておけ。命令だからな。じゃないと粗大ゴミとして捨てるぞ!」
『なんて酷い。酷いですわ、アスランさま……。でも、うっかり奉仕のことを忘れていましたわ……。確かにこれでは奉仕が出来ませんね……』
「うっかりかよ……」
あー、馬鹿だ。
ヒルダが馬鹿になってやがる。
高いところから落ちて、頭のネジが全部ユルユルに緩んだのかな……。
アンデッドのネジって、どうやって締め直せばいいのかな?
【つづく】
今俺が居るのはソドムタウンの郊外に在るログハウスの自室だ。
ベッドの横には転送絨毯が敷かれている。
繋がっているのはターナー村の宿屋だ。
俺はマジックトーチを掛けたダガーをテーブルに置いてベッドに座っていた。
夕飯も食べ終わりベッドに腰かけゆっくりとしていたのだ。
「よし、遺品整理もだいぶ落ち着いたな~。そうだ、忘れていたぜ。ステータス!」
俺はステータス画面を開いて新スキルのチェックを始める。
いろいろと忙しくて、すっかり新スキルのチェックを忘れていたのだ。
まあ、この際だから今やってしまおう。
どれどれ、おお、三つも新スキルを覚えているな。
流石はレベル30の節目だぜ。
では、どんなのがあるか見てみましょうね~。
まず一つ目は~。
【落下ダメージ軽減スキルマスタリー。落下ダメージを更に軽減してくれる】
あー、まー、そうだね~。
マスタリーか~。
メイドたち十三人を犠牲にしたんだ、このぐらい覚えたいよね。
では、二つ目は~。
【パッシブ・ポールウェポナリー。薙刀系武器の戦闘技術が向上】
ほほう、斬馬刀って薙刀なのか。
じゃあハルバードとかも薙刀なのかな?
まあ、今回は、狙って斬馬刀を使ったもんな。
これでスキルを習得しなかったら嘘だろう。
さて、最後の三つ目は~。
【毒耐性スキル。毒系攻撃に対して抵抗力が向上する】
まあ、覚えるよね~。
何せ腕一本を失うぐらいにさ、毒に苦しんだんだもの……。
兎に角だ。
これで今後は毒に苦しめられることが少なくなるだろう。
正直なところ毒で寝込むのは、もうごめんだわ……。
あれは結構辛いよ……。
さーて、スキルチェックも終わったし寝るか~。
っと、俺がベッドに横になると異次元宝物庫からプロ子が顔を出した。
「あのー、アスランさま~。今、少しよろしいでしょうか?」
「うわ、びっくりした!」
「ああ、すみません。驚かせるつもりは無かったのですが……」
「いや、いいよ、別に。でえ、なんだい、プロ子?」
「メイドたちの修復が済んだので、ヒルダちゃんが見てもらいたいと……」
「はぁ?」
なんだろう、こんな真夜中に?
まあメイドたちはアンデッドだから真夜中のほうが活発に活動するのかな?
それにしてもプロ子のヤツ、何故に気まずそうに言ってるんだ?
てか、それにヒルダも可笑しなことを言っていやがるな。
「修復が済んだのなら、普通に異次元宝物庫から出てこいばいいじゃんか」
「それなんですが……」
やっぱり気まずそうだな?
「何か言いずらいことでもあるのか?」
「それがですね、ヒルダちゃんが、だいぶ大きく魔改造をしちゃって……」
「ま、ま、魔改造!?」
「はい……」
あのヒルダが魔改造だと!?
しかも、だいぶ大きく魔改造だと!?
確かにヒルダはそんなに乳が大きくなかった。
それを魔改造したのか!?
プロ子がただの改造と述べずに魔改造と表現するぐらいだから、かなり大きく改造してしまったのか!?
まさに魔改造なのか!!??
う、ぅぅがああああ!!!
やーべーえーーー!!!
ちょっと嫌らしいことを考えてててしまったぁぁああああがあががああ!!!
まーかーいーぞーおーー!!
しーんーぞーうーがーー!!
「アスランさま、大丈夫ですか!?」
「大丈夫じゃあねえけど、大丈夫だーかーらー!!!」
「はわわわわっ!!」
落ち着け!!
落ち着く!!
落ち着いてきたぞ!!
あー、落ち着いたかな……。
よし、落ち着いた……。
さて、話を戻そうか。
「プロ子、何故にヒルダは魔改造なんてしたんだ?」
「前々から大きいほうが良かったらしいです。私は止めたのですが……」
「俺も大きいほうがいいとおもぉぉおおおおおおうううう!!!」
「アスランさま!!」
駄目だー!!
また考えてしまった!!
俺って学習能力が低いな!!
ぜぇはー、ぜぇはー……。
「まあ、修復は済んだんだな……」
「はい、負傷した全員が修復しましたが……」
なんだよ、まだ歯切れが悪いな?
「じゃあ、なんで修復が済んだのに異次元宝物庫から出てこないんだ、ヒルダは?」
「それが、ここでは狭くて……」
「狭い?」
そんなに大きくしたのか!?
この部屋が狭いって、どんだけの巨乳だよ!?
爆乳や魔乳を通り越して単位が分からないぐらいデカイのか!?
それだと流石に興奮しないぞ……。
逆に引いちゃうわ……。
「それで、ヒルダちゃんが、外の広い場所でアスランさまに披露したいと言ってまして。何せ十三人分ですから」
あー、なるほど。
俺の勘違いか~。
そうだよね。
十三人のメイドが一斉に修復された自分を主人である俺に見てもらいたいんだもの、この部屋じゃあせまいか。
「分かったよ、プロ子。じゃあ外に出ようか。今は夜だし丁度いいだろう」
「はい。では外に……」
俺はプロ子と一緒に部屋を出た。
リビングを通らないと外に出れないのだが、リビングにはガイアとパンダが遊んでいた。
ガイアとパンダは綾取りをしている。
無限綾取りかな?
流石は眠らない不老不死の幼女だぜ。
「あっ……」
そして、俺に気付いたガイアが、ぼぉ~っとした感じで話しかけて来る。
「アスラン。こんな夜更けにお出掛けか?」
「いや、家の前に出るだけだ」
「プロ子とデートか?」
「いや、こんなチンチクリンは俺の好みじゃあない」
「そうか、貧乳は駄目か」
「ああ、貧乳は駄目だ」
「酷いですね、アスランさま……」
「プロ子、更に言えば、アンデッドはなお駄目だ」
「やっぱりペチャパイの死人は駄目なんですね」
「ああ、せめて巨乳だ」
「じゃあアスラン、私も駄目か?」
「ガイア、俺はロリコンじゃあない。だが、お前にはお前を求める層が間違いなく居るから安心しろ」
「うわー……、全然安心できないわ~……」
「まあ、兎に角外に出るぞ、プロ子」
「はい、アスランさま」
「私も行く~」
俺たちはゾロゾロとログハウスを出た。
ガイアは自分で歩かずに、四つん這いのパンダに股がっていた。
なんだかいいな。
俺もパンダに乗りたいな……。
「では、ヒルダちゃんたちを呼んで参りますね」
「ああ、頼む」
俺とガイアはログハウスから漏れる明かりの前に立っていた。
明かりはそれで十分だろう。
プロ子はスチャスチャと歩いて先に進むと振り返った。
「では、呼びますね……」
そう言うとプロ子は異次元宝物庫を開いて声を張った。
「ヒルダちゃん、よろしいですよ~」
すると異次元宝物庫の扉がググッンと大きく広がった。
その広さは縦横3メートルほどのサイズである。
えっ!?
なに!!
ヒルダのヤツは、そんなに派手な登場を企んでいるのかな?
なんともサービス旺盛だな。
すると───。
ゴォォオオオオオオオ!!
えっ、なに、この音は??
地鳴りか!?
『アースーラーンーさーまー……』
ハモってるのか!?
声が十三人分、ハモってるのか!?
ゴォォオオオオオオオ!!
『ご覧になってくださいまーせー、私たちの新ボディーぉぉおおおをををを!!!』
なに、なに、なに!!!
なんなの、この迫力は!?
なんか怖いぞ!!
ゴォォオオオオオオオ!!
なんか出てきた!?
3×3メートルの出入り口から巨大な塊がゴォォオオオオって出て来る。
それは縦横3メートルの巨大な肉の塊だった。
二十六本の足をバタつかせながら、一つに縫い合わされたメイドたちの巨体を引き摺りながら異次元宝物庫から出て来るのだ。
腕には腕が連結させられ長く延長されている。
頭部は一塊に纏められ、ヒルダ以外は目隠しされていた。
その成りは、まさに魔改造だった。
しかし、総合する感想は……。
キモッ!!
キモイぞ!!
それに、これを見たことあるぞ!!
確か地下の小ダンジョンで、三体分のドールを束ねたガーディアンドールのプロトタイプだ。
あれの十三人分の超巨大なガーディアンドールだわ!!
キモイっ!!
マジでキモイぞ!!!
俺の隣でガイアとパンダも、あんぐりと口を開けて固まってるしさ!!
ヤバイわ!!
なに、この魔改造わさ!?
『アスランさまー、どうですかー。私たちの新しいボディーはー? 戦闘力満点ですよ!!』
俺は冷静に答える。
「ヒルダ、キモイわ……」
『えっ、キモイ??』
ヒルダは意外なことを言われたかのような表情をしていた。
「うん、すげーキモイ……」
『カッコイイじゃあなくて??』
「うん、マジでキモイよ……。ほら、見て、この二人を」
俺は口を開けたまま固まるガイアとパンダを指差した。
「これで分かってもらえるかな?」
『いいえ、カッコイイはずです!!』
「認めないのね……」
『み、認められませんわ!!』
あー、こいつは、こいつを作った魔法使いと同じセンスなんだな……。
そして同じミスを繰り返してやがる……。
親のミスを子が繰り返す……。
遺伝だわ……。
完全に遺伝子を引き継いでますわ……。
俺は深い溜め息を吐いてから言った。
「ヒルダ、お前はメイドだろう。戦闘マシーンじゃあないだろう。ちゃんと奉仕が出きるような体に戻しておけ。命令だからな。じゃないと粗大ゴミとして捨てるぞ!」
『なんて酷い。酷いですわ、アスランさま……。でも、うっかり奉仕のことを忘れていましたわ……。確かにこれでは奉仕が出来ませんね……』
「うっかりかよ……」
あー、馬鹿だ。
ヒルダが馬鹿になってやがる。
高いところから落ちて、頭のネジが全部ユルユルに緩んだのかな……。
アンデッドのネジって、どうやって締め直せばいいのかな?
【つづく】
0
お気に入りに追加
386
あなたにおすすめの小説
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
転生調理令嬢は諦めることを知らない
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
主人公が酷く虐げられる描写が苦手な方は、回避をお薦めします。そういう意味もあって、R15指定をしています。
追放令嬢ものに分類されるのでしょうが、追放後の展開はあまり類を見ないものになっていると思います。
2章立てになりますが、1章終盤から2章にかけては、「令嬢」のイメージがぶち壊されるかもしれません。不快に思われる方にはご容赦いただければと存じます。
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。
ハズレスキル【分解】が超絶当たりだった件~仲間たちから捨てられたけど、拾ったゴミスキルを優良スキルに作り変えて何でも解決する~
名無し
ファンタジー
お前の代わりなんざいくらでもいる。パーティーリーダーからそう宣告され、あっさり捨てられた主人公フォード。彼のスキル【分解】は、所有物を瞬時にバラバラにして持ち運びやすくする程度の効果だと思われていたが、なんとスキルにも適用されるもので、【分解】したスキルなら幾らでも所有できるというチートスキルであった。捨てられているゴミスキルを【分解】することで有用なスキルに作り変えていくうち、彼はなんでも解決屋を開くことを思いつき、底辺冒険者から成り上がっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる