186 / 604
第186話【消えたワイズマン】
しおりを挟む
「アスランくん、大丈夫かい。こんな仕事を受けてさ?」
ゴモラタウンの冒険者ギルドを出たところでワイズマンに言われた。
「ついついお金に釣られてしまったぜ……」
120000Gは魅力的だったのだ。
「まあ、秘密基地を作るのに金が必要なんだよね。なんなら私が貸してあげましょうか?」
「利子を取るだろ?」
「当然です」
「なら、要らん!」
俺とワイズマンは二人で馬車に乗った。
ワイズマンが御者に「屋敷まで」と言うと馬車が走り出す。
俺たちは一旦ワイズマンの屋敷で待機することになったのだ。
メトロ・ガイストがダグラス・ウィンチェスターに取り合ってくれるまでである。
おそらく俺がウィンチェスターと会えるのは昼過ぎになるらしいのだ。
俺は馬車に揺られながら考えていた。
何故に、メトロに取り付いたメガロが弟から離脱した直後は倒せないのか?
何故に、メガロはウィンチェスターの家では迷路に迷うのか?
多分だが、メガロの幽霊は、弟の家から逃げ出す時には、幽体らしく壁抜けを使っているのだろう。
しかし、ウィンチェスターの家では迷路に迷っていやがる。
壁を抜けて進めば迷うはずが無いのにだ。
その変が可笑しい。
なんらかの理由があるはずだ。
それが分からなければ、メトロからメガロが抜け出たところを襲っても無駄だろうし、ウィンチェスターの家でメガロを迎え撃っても討伐できる確率は低いだろう。
その謎を解くことが、今回の事件解決の鍵になるのではないかと考えていた。
「なあ、ワイズマン。ちょっと訊いていいか?」
「何かね。私の趣味が知りたいのか?」
俺はワイズマンのお茶目を無視して質問する。
「メトロ・ガイストはどこに住んでるんだ?」
「今は冒険者ギルドに自室を設けて暮らしていると聞いてるが」
「へぇ~」
「それがどうかしたのかね?」
「いや、まだ分からんが、何かのヒントになるかなって思ってさ」
そう、まずは手掛かりを探さなければなるまい。
「お前は、メガロがメトロから分離したところは見たことあるのか?」
「無いが、討伐しようとした冒険者ギルドのメンバーが複数目撃しているし、ウィンチェスター家に使えている召使いも複数目撃していると聞いているが」
「なるほどね~」
メガロの幽霊が存在しているのは間違いなさそうだな。
やはり、それでも謎が多い。
もっと情報を集めないとならんな。
しばらくすると馬車がワイズマンの屋敷に到着した。
俺たちが馬車から下りて屋敷に入ると、ロビーでマヌカハニーさんが待っていた。
そう言えばマヌカハニーさんとワイズマンは、信じられんが出来ているんだっけな。
結婚するらしいのだ。
乙女心は本当に分からん。
何故に、こんなキモイもっちりオヤジを好きになれるんだろう?
まさに謎だわ。
女性には謎が多すぎるぜ。
「おはようございます、ワイズマン様。あら、アスラン殿も御一緒でしたか」
「ああ、ちょっとゴモラタウンに立ち寄ってな。昨晩宿を借りたんだ」
「そうでしたか」
マヌカハニーさんは柔らかく微笑んだ。
それにしても乳が大きいな……。
う、うぐぅぅぅううわ……。
危うく血を吐くところだったぜ。
気を付けないとな……。
ワイズマンがマヌカハニーに言う。
「ハニー、仕事の書類は応接間に積んであるから頼むよ」
「それの計算ならば、お待ちしている間に済ませました」
「相変わらず仕事が早いな」
「それほどでも」
「では、少し早いが昼食にするかね」
と、ワイズマンが言うと、マヌカハニーがヒールの踵で強く床を踏んだ。
ダンっと脅迫的な音が鳴る。
「ワイズマン様、今日のトレーニングはお済みになりましたか?」
マヌカハニーが微笑みながら言うと、ワイズマンが怯えながら答える。
「い、いや……。今日の午前中はメトロ・ガイスト殿と仕事の話が有ったから……」
「それはそれ、これはこれ、トレーニングはトレーニングです。見ればトレーニングをサボったのが分かるんですからね!」
マヌカハニーが目を見開きワイズマンを睨み付ける。
彼女の背後でドス黒いオーラが揺らいでいた。
それは殺気である。
睨まれていない俺ですら怖かった。
「結婚式までに40キロ痩せるって言いましたよね!」
「そ、それは言わされたのであり、その……」
マヌカハニーがギロリと睨み付けながら脅すように言う。
「言わされたですって!?」
「自主的に言いました!!」
「じゃあトレーニングを始めましょう!!」
「い、今からかい……」
指をポキポキ鳴らしながらマヌカハニーが答える。
「今からです。直ぐにです。即にです!!」
「は、はい……」
「スクワット100回、腕立て伏せ100回、腹筋100回、背筋100回です。昼食後に更にもう一セットですからね」
「は、はい……」
ワイズマンが泣きそうな顔でスクワットを始めた。
こりゃあマヌカハニーさんと結婚したら、間違いなくあの大きな尻に敷かれるな。
俺はスクワットをするワイズマンを睨み付けながら監視しているマヌカハニーさんの隣に移動した。
マヌカハニーさんに訊く。
「なあ、マヌカハニーさん。メトロ・ガイストの兄貴の話って知ってるかい?」
「死んだメガロ・ガイスト様のお話ですか?」
「ああ、幽霊になってウィンチェスター家を祟っているヤツだ」
「はい、有名な話ですからね。毎晩町の上空を飛んでメガロ・ガイスト様の幽霊が、ウィンチェスター家に飛んで行くところは多く見られていますからね」
「目撃例が有るんかい」
「はい、数年前からちょくちょくと」
「なるほどね~」
メガロの幽霊は存在するんだ。
ならば何故に、ウィンチェスター家の迷路に迷うかだな。
それが最大の謎だぜ。
「ところでマヌカハニーさん」
「なんでしょうか?」
「なんでワイズマンと結婚するん。こいつのどこが良いのだ?」
「まず、彼の魅力は財力かしらね」
「うわ、超リアリストだな!」
「それと───」
「それと?」
「痩せればけっこうカッコイイんですよ、ワイズマンさまって……」
「見たことあるのか、痩せてるワイズマンを!!」
信じられん!?
ワイズマンに痩せてる時代が有ったなんて!!
こいつは産まれた時から豚野郎で黒歴史しかないかと思ってたのにさ!!
「見てごらんなさい、後ろを」
俺はマヌカハニーさんに言われて振り返った。
そこには汗だくで息を荒くした男性が立っていた。
金髪で細マッチョのジャニーズ系の美男子が立っているのだ。
「ワ、ワイズマンが消えた!?」
するとジャニーズ系美男子が述べる。
「ぜぇはー、ぜぇはー……。私がワイズマンだよ、アスランくん……」
「ワ、ワイズマンの声は聞こえるが、姿が見えないぞ!? 何故だ!!」
何故か俺にはワイズマンの存在が確認できなかった。
見えないのだ。
幾ら探せど聞こえるのは声ばかりである。
「どこに消えた、ワイズマン!?」
「目の前に居ますよ!!」
【つづく】
ゴモラタウンの冒険者ギルドを出たところでワイズマンに言われた。
「ついついお金に釣られてしまったぜ……」
120000Gは魅力的だったのだ。
「まあ、秘密基地を作るのに金が必要なんだよね。なんなら私が貸してあげましょうか?」
「利子を取るだろ?」
「当然です」
「なら、要らん!」
俺とワイズマンは二人で馬車に乗った。
ワイズマンが御者に「屋敷まで」と言うと馬車が走り出す。
俺たちは一旦ワイズマンの屋敷で待機することになったのだ。
メトロ・ガイストがダグラス・ウィンチェスターに取り合ってくれるまでである。
おそらく俺がウィンチェスターと会えるのは昼過ぎになるらしいのだ。
俺は馬車に揺られながら考えていた。
何故に、メトロに取り付いたメガロが弟から離脱した直後は倒せないのか?
何故に、メガロはウィンチェスターの家では迷路に迷うのか?
多分だが、メガロの幽霊は、弟の家から逃げ出す時には、幽体らしく壁抜けを使っているのだろう。
しかし、ウィンチェスターの家では迷路に迷っていやがる。
壁を抜けて進めば迷うはずが無いのにだ。
その変が可笑しい。
なんらかの理由があるはずだ。
それが分からなければ、メトロからメガロが抜け出たところを襲っても無駄だろうし、ウィンチェスターの家でメガロを迎え撃っても討伐できる確率は低いだろう。
その謎を解くことが、今回の事件解決の鍵になるのではないかと考えていた。
「なあ、ワイズマン。ちょっと訊いていいか?」
「何かね。私の趣味が知りたいのか?」
俺はワイズマンのお茶目を無視して質問する。
「メトロ・ガイストはどこに住んでるんだ?」
「今は冒険者ギルドに自室を設けて暮らしていると聞いてるが」
「へぇ~」
「それがどうかしたのかね?」
「いや、まだ分からんが、何かのヒントになるかなって思ってさ」
そう、まずは手掛かりを探さなければなるまい。
「お前は、メガロがメトロから分離したところは見たことあるのか?」
「無いが、討伐しようとした冒険者ギルドのメンバーが複数目撃しているし、ウィンチェスター家に使えている召使いも複数目撃していると聞いているが」
「なるほどね~」
メガロの幽霊が存在しているのは間違いなさそうだな。
やはり、それでも謎が多い。
もっと情報を集めないとならんな。
しばらくすると馬車がワイズマンの屋敷に到着した。
俺たちが馬車から下りて屋敷に入ると、ロビーでマヌカハニーさんが待っていた。
そう言えばマヌカハニーさんとワイズマンは、信じられんが出来ているんだっけな。
結婚するらしいのだ。
乙女心は本当に分からん。
何故に、こんなキモイもっちりオヤジを好きになれるんだろう?
まさに謎だわ。
女性には謎が多すぎるぜ。
「おはようございます、ワイズマン様。あら、アスラン殿も御一緒でしたか」
「ああ、ちょっとゴモラタウンに立ち寄ってな。昨晩宿を借りたんだ」
「そうでしたか」
マヌカハニーさんは柔らかく微笑んだ。
それにしても乳が大きいな……。
う、うぐぅぅぅううわ……。
危うく血を吐くところだったぜ。
気を付けないとな……。
ワイズマンがマヌカハニーに言う。
「ハニー、仕事の書類は応接間に積んであるから頼むよ」
「それの計算ならば、お待ちしている間に済ませました」
「相変わらず仕事が早いな」
「それほどでも」
「では、少し早いが昼食にするかね」
と、ワイズマンが言うと、マヌカハニーがヒールの踵で強く床を踏んだ。
ダンっと脅迫的な音が鳴る。
「ワイズマン様、今日のトレーニングはお済みになりましたか?」
マヌカハニーが微笑みながら言うと、ワイズマンが怯えながら答える。
「い、いや……。今日の午前中はメトロ・ガイスト殿と仕事の話が有ったから……」
「それはそれ、これはこれ、トレーニングはトレーニングです。見ればトレーニングをサボったのが分かるんですからね!」
マヌカハニーが目を見開きワイズマンを睨み付ける。
彼女の背後でドス黒いオーラが揺らいでいた。
それは殺気である。
睨まれていない俺ですら怖かった。
「結婚式までに40キロ痩せるって言いましたよね!」
「そ、それは言わされたのであり、その……」
マヌカハニーがギロリと睨み付けながら脅すように言う。
「言わされたですって!?」
「自主的に言いました!!」
「じゃあトレーニングを始めましょう!!」
「い、今からかい……」
指をポキポキ鳴らしながらマヌカハニーが答える。
「今からです。直ぐにです。即にです!!」
「は、はい……」
「スクワット100回、腕立て伏せ100回、腹筋100回、背筋100回です。昼食後に更にもう一セットですからね」
「は、はい……」
ワイズマンが泣きそうな顔でスクワットを始めた。
こりゃあマヌカハニーさんと結婚したら、間違いなくあの大きな尻に敷かれるな。
俺はスクワットをするワイズマンを睨み付けながら監視しているマヌカハニーさんの隣に移動した。
マヌカハニーさんに訊く。
「なあ、マヌカハニーさん。メトロ・ガイストの兄貴の話って知ってるかい?」
「死んだメガロ・ガイスト様のお話ですか?」
「ああ、幽霊になってウィンチェスター家を祟っているヤツだ」
「はい、有名な話ですからね。毎晩町の上空を飛んでメガロ・ガイスト様の幽霊が、ウィンチェスター家に飛んで行くところは多く見られていますからね」
「目撃例が有るんかい」
「はい、数年前からちょくちょくと」
「なるほどね~」
メガロの幽霊は存在するんだ。
ならば何故に、ウィンチェスター家の迷路に迷うかだな。
それが最大の謎だぜ。
「ところでマヌカハニーさん」
「なんでしょうか?」
「なんでワイズマンと結婚するん。こいつのどこが良いのだ?」
「まず、彼の魅力は財力かしらね」
「うわ、超リアリストだな!」
「それと───」
「それと?」
「痩せればけっこうカッコイイんですよ、ワイズマンさまって……」
「見たことあるのか、痩せてるワイズマンを!!」
信じられん!?
ワイズマンに痩せてる時代が有ったなんて!!
こいつは産まれた時から豚野郎で黒歴史しかないかと思ってたのにさ!!
「見てごらんなさい、後ろを」
俺はマヌカハニーさんに言われて振り返った。
そこには汗だくで息を荒くした男性が立っていた。
金髪で細マッチョのジャニーズ系の美男子が立っているのだ。
「ワ、ワイズマンが消えた!?」
するとジャニーズ系美男子が述べる。
「ぜぇはー、ぜぇはー……。私がワイズマンだよ、アスランくん……」
「ワ、ワイズマンの声は聞こえるが、姿が見えないぞ!? 何故だ!!」
何故か俺にはワイズマンの存在が確認できなかった。
見えないのだ。
幾ら探せど聞こえるのは声ばかりである。
「どこに消えた、ワイズマン!?」
「目の前に居ますよ!!」
【つづく】
0
お気に入りに追加
383
あなたにおすすめの小説
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
転生したら神だった。どうすんの?
埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの?
人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。
ハズレスキル【分解】が超絶当たりだった件~仲間たちから捨てられたけど、拾ったゴミスキルを優良スキルに作り変えて何でも解決する~
名無し
ファンタジー
お前の代わりなんざいくらでもいる。パーティーリーダーからそう宣告され、あっさり捨てられた主人公フォード。彼のスキル【分解】は、所有物を瞬時にバラバラにして持ち運びやすくする程度の効果だと思われていたが、なんとスキルにも適用されるもので、【分解】したスキルなら幾らでも所有できるというチートスキルであった。捨てられているゴミスキルを【分解】することで有用なスキルに作り変えていくうち、彼はなんでも解決屋を開くことを思いつき、底辺冒険者から成り上がっていく。
微妙なバフなどもういらないと追放された補助魔法使い、バフ3000倍で敵の肉体を内部から破壊して無双する
こげ丸
ファンタジー
「微妙なバフなどもういらないんだよ!」
そう言われて冒険者パーティーを追放されたフォーレスト。
だが、仲間だと思っていたパーティーメンバーからの仕打ちは、それだけに留まらなかった。
「もうちょっと抵抗頑張んないと……妹を酷い目にあわせちゃうわよ?」
窮地に追い込まれたフォーレスト。
だが、バフの新たな可能性に気付いたその時、復讐はなされた。
こいつら……壊しちゃえば良いだけじゃないか。
これは、絶望の淵からバフの新たな可能性を見いだし、高みを目指すに至った補助魔法使いフォーレストが最強に至るまでの物語。
幼馴染の彼女と妹が寝取られて、死刑になる話
島風
ファンタジー
幼馴染が俺を裏切った。そして、妹も......固い絆で結ばれていた筈の俺はほんの僅かの間に邪魔な存在になったらしい。だから、奴隷として売られた。幸い、命があったが、彼女達と俺では身分が違うらしい。
俺は二人を忘れて生きる事にした。そして細々と新しい生活を始める。だが、二人を寝とった勇者エリアスと裏切り者の幼馴染と妹は俺の前に再び現れた。
転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった
お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。
全力でお母さんと幸せを手に入れます
ーーー
カムイイムカです
今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします
少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^
最後まで行かないシリーズですのでご了承ください
23話でおしまいになります
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる