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第134話【三日目の戦利品】

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大玉で出口を塞がれた俺は、少し遠回りして地上に帰還した。

その際にレイスが二体居る部屋を通過することとなる。

しかし、珍しい話も有るものだ。

なんとそのレイスたちは理性が有り、正気を保っていたのである。

しかも、その二体のレイスは夫婦だと言うのだ。

愛のパワーで理性を保っているらしい。

愛って凄いのね。

そんなこんなで俺はしばらく夫婦のレイスと対話をして、彼らの部屋を通過させて貰えることとなった。

今度は通過する度に、地上から線香を持って来る約束をしてだ。

なんでも線香の煙が、リラックスの効果が凄いらしく、とても欲しているようなのだ。

アンデットに変わってから好みが変化して線香がとても好きになったとか。

まあ、人の良いレイスだったから、約束は果たすつもりだ。

ちょっとぐらい良い線香でも買って行ってやろうと思う。

そんな感じて少し遠回りとなったが地上に戻れた。

俺が地上に戻るといつも通りパーカーさんが待っていた。

俺がダンジョンを出ると鉄扉が施錠される。

それから直ぐにピーターさんが夕飯を作ってくれたので、俺たち四人は男ばかりで楽しく夕飯を食べた。

今日は唐辛子が効いた辛い料理だったのだが、調味料はピーターさんが実家から持ってきた奮発品らしい。

普通なら城の兵士風情が口に出きる調味料ではないらしいのだ。

少し辛かったが、久々の味に満足である。

食後に俺は、自室に戻ってお楽しみのタイムを迎える。

オ◯ニータイムじゃあないぞ。

新スキルと戦利品チェックである。

レベル20で習得出来た新スキルは三つであった。

流石はレベル20の節目だぜ。

ナイスな新スキルを期待します。

そして俺はステータス画面から新スキルをチェックする。

まず、一つ目は──。

【パッシブ・ロングソードマスタリー。長剣系武器の戦闘技術が向上】

うむ、やっとロングソードマスタリーをゲットだぜ。

これでロングソードが巧みに扱えるだろう。

では、二つ目は──。

【パッシブ・アイアンハンマーマン。金槌器系武器の戦闘技術が向上】

あれ、メイサーとは違うのか?

鈍器と金槌で別なのね。

よし、三つ目だ──。

【トラップ発見スキル。トラップを感知して見付けやすくなる。解除できるわけではない】

おお、これは良いね。

簡単にはトラップに引っ掛からなくなるわけだ。

出来たらトラップの解除スキルも習得したいものだな。

今度どこかで練習してみるか。

まあ、今回の新スキルはこんなものだ。

続きましては、マジックアイテムとスクロールである。

今回の戦利品は、レザーアーマーに、ショートソード、ダガー、プレートの左腕のほかに、レイス夫婦から魔法の羊皮紙スクロールを一枚だけ貰っているのだ。

これが今回の戦利品である。

まずは貰い物のスクロールから鑑定してみるかな。

【魔法スピリットトーク。術者が普段は見えない霊体を呼び出して会話が可能になる。ただし夜や暗い場所のみでの効果。一日に術者のレベルの4おきに一回使える。効果時間はレベル数×かける1分間】

おや~、なんだか使い方しだいな魔法だな。

情報収集ようですが、この手の魔法って使うの忘れるんだよね~。

まあ、習得しておきますか。

では、続いてマジックアイテムの鑑定ですわん。

まず、期待の低いアイテムから行こうかな。

はい、ではダガーからだ。

【ダガー+1。一日一回、ライトの魔法で三時間ほど輝く】

あれ、これって遥か昔に拾ったことが有るような無いような?

有るよね~?

まあ、良いか。

レイスとかの霊体アンデットは魔法の武器しか効かないんだからマジックアイテムは少しでも有ったほうか良いんだし。

これも投擲用のダガーだな。

続きまして鑑定するは、ショートソードです。

【ショートソード+1。この武器に魔法サンダーエンチャントウェポンが掛けられる。武器に雷属性の効果を与える。効果時間は5分。回数は一日一回。発動条件は魔法名を口に出す】

うん、これは当たりかな?

当たりっぽいよね?

なんか使える魔法がチャージされてますね。

これはショートソードの二刀流とか、カッコイイスタイルとかが出来そうだな。

よーーし、気合いが入ってきましたぞ!

続きましてはレザーアーマーだ。

【レザーアーマー+2。強度向上。耐冷気向上】

おおっ、+2ですよ。

しかも安定の能力ですわ。

これは次から着込みますわな。

さて、最後はジャイアントグールが来ていたフルプレートの左腕だ。

これだけでも魔法の反応が残っているからマジックアイテムなのだろうけれど、効果はどうなっているのだろう。

兎に角鑑定してみるか。

【プレートメイルの左腕+3。耐火向上。魔法耐久向上。体術向上】

おお、+3ですね。

この腕だけでも結構な代物ではないですか。

もしも全身が揃ってたら凄い一品だったんじゃあね?

そう考えると勿体無いな。

あの大玉が憎らしいぞ。

それにしてもだ。

耐火向上と魔法耐久向上は分かるが、体術向上って何だろう?

あの空手家グールが速かったのと関係するならば、スピードの向上系なのかな?

おそらくそうだろう。

そう言うことにしておくか。

さてさて、最後は金馬のトロフィーだな。

これはレベル20の祝いで貰えたアイテムだ。

これは何だろう?

とりあえずアイテム鑑定をしてみるか。

【金馬のトロフィー+1。疲れ知らずの鍛えられた黒馬を召喚できる。一日に何度でも召喚できるが、同時に一頭だけである】

おお!?

何これ!?

乗り物の召喚アイテムですか!!

よかったー、危うく馬がほしいとか普通の願いをしちゃうところだったぜ。

これで今後は旅の移動時間が短縮できますな。

わっひゃわっひゃだわ~。

まあ、これで今回の戦利品はすべてである。

よしよし、まあまあ良い成果だったかな。

特に最後の金馬のトロフィーは最高ですわ。

ではマジックアイテムを異次元宝物庫にしまってから、全裸になって寝ようかな。

お休みなさ~い。

服を脱ぎ捨てた俺は、ベッドに潜り込むとヌクヌクと眠る。

睡魔は直ぐに訪れた。

俺はすやすやと眠る。

そして朝になり目が覚めると、俺はベッドから上半身を起こして背伸びを行った。

「ふぅあ~~ん、良く寝たぜ……」

うん?

何か槍が何本も俺に向けられてね?

うーん、寝起きなのに何故か槍を向けた兵士に囲まれてない、俺?

そして兵士の一人がベッドの上で全裸な俺に述べた。

「アスラン殿、逮捕いたします!」

「なんで!?」

早朝からビックリである。

俺は全裸のまま逮捕された。

そして俺は荒縄で縛られる。

勿論ながら全裸であった。

ちょっと痛い……。


【つづく】
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