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第104話【巨漢の魔女】
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キルケがちっちゃな可愛らしい手斧をブルンブルンと振り回しながら俺に迫って来る。
俺はショートソードを片手に、その手斧を回避していた。
ひぃやーーーー!!
すげぇーーーー!!
こえぇーーーー!!
もうドデカイババァ~が悪鬼羅刹の表情で丸太のように太い腕を振り回しておりますわ!!
リーチ差が酷いですわ!!
このドデカイババァ~は腕が長過ぎだわ!!
カンっ!!
あっ!!
俺のショートソードが弾かれ飛んで行った
すげーパワーだよ!!
俺はすぐさま異次元宝物庫からショートスピアを取り出して構える。
こうなったらリーチで勝負だぜ!
えいっ!
俺はショートスピアでドデカイババァ~を突きに出る。
しかし──。
カンっ!!
あーーーー!!!!
俺のショートスピアまで弾かれて飛んで行きましたわ!!
なに、このドデカイババァ~わ!!
すげーパワーだよ!!
俺だってマジックアイテムで腕力を向上しているんですよ!!
なのになんでこんなにアッサリキッチリモッチリとパワー負けするかな!?
あー、モッチリはよけいか~。
「ちょこまかとうざったい小僧だね~」
言うなりドデカイババァ~は口元にタバコを吸うようなポーズでVの字を近付けた。
「ふうっ!!」
どわぁーー!!
口から火を吹いたぞ!!
このドデカイババァ~は本当に魔術を使えるのかよ!?
パワー一辺倒じゃあないのね!
あぁ……。
火が家に引火したよ?
猫たちがわんさか逃げ出した。
あーれー、あっと言う間に大炎上だわ。
「オーノー! 私のお家が燃えているわあ!!」
隙有りだ!
俺はドデカイババァ~の隙を付いて、腰からダガーを取り出して投げ付けた。
ダガーが命中して背中にブスリと刺さる。
「痛いわねぇ~」
火事に嘆いていたドデカイババァ~が、ゆっくりと憤怒の表情で振り返った。
こわ!!
やっぱりこのババァ~こえーよ!!
てか、投げダガーは効いてませんよね!?
対して痛く無いんですよね!?
「良くも私のお家を燃やしてくれましたね~。もう怒りましたよ!!!」
ゴゴゴゴゴォォオオオって効果音が聞こえてきますがな!!
それに家を燃やしたのは貴方ではないですか!
それにずっと怒ってますよ、あなた!!
「これでも喰らいなさい!!」
ドデカイババァ~がハチェットを投げ捨てる。
なになになに!?
両手を前に魔法の光球を作り出しちゃったよ!?
いろんな魔法が使えるのね!?
なに、その魔法はさっ!?
「喰らいなさいな。デストラクションストライク!!」
ちょっとその破壊攻撃は大きいね!!
バレーボールサイズは有るじゃんか!?
きっと大きな破壊力だよね!?
「ふうっ!!」
なーげーてーきーたー!!
なんか光る魔法の玉をドッジボールのように投げて来ましたよ!!
俺は身体をくの字に曲げて、スレスレの角度で光るボールを躱して見せる。
狙いを外した光るボールは俺の背後に飛んで行くと、少し離れた場所に落ちて爆発した。
チュドーーーーン!と派手な爆音を奏でる。
爆風が俺の背後から飛んで来て髪の毛を靡かす。
なに、あのドデカイババァ~はさ!!
腕力だけでなく魔力も満点ですか!!
「本当にちょこまかと!」
ドデカイババァ~が今度は両手に一つずつ光球を作り出す。
「それ、それ!!」
二連続で投球される魔法のボールが順々に俺に迫った。
「ひぃーーー!!」
一投目をしゃがんで躱す。
二投目は大きく足を開いてジャンプで躱した。
すると後方で爆発した爆風に押されて俺の身体が前に飛ばされる。
「のわぁぁあああ!!」
そしてドデカイババァ~の眼前に着地した。
「ど、どうも~……」
「お帰りなさい~♡」
俺が見上げればドデカイババァ~がニヤリと微笑んで居た。
「やば~~……」
「ふぅぬっ!!」
ドデカイババァ~のアッパーカットが下から飛んで来た。
俺はガードするしかなかった。
両腕のガードを突き破りアッパーの衝撃が俺の身体を浮かせる。
痛覚耐性スキルが無かったら気絶したかも知れないほどの衝撃だった。
そして空中に浮き上がった俺が下を見ればババァ~の顔があった。
俺は2メートル以上跳ね浮いたのかと知る。
そこに、ブーメランフックが打ち込まれた。
野球のピッチングホームからのパンチだ。
大きな強拳が俺の土手っ腹にめり込み殴り飛ばす。
「げふ、ごほ!!」
ボディーを殴られ地面に叩き付けられた俺がゴロゴロと転がった。
気が付けば俺は、大の字で晴々としたそらを眺めていた。
その視界に大きな影が入り込む。
あのドデカイババァ~がジャンプして落ちて来る。
やばっ!!
俺が横に転がると、ドデカイババァ~の片膝が地面に突き刺さった。
殺伐とした地鳴りが、転がった俺にまで届いて来る。
ニードロップですか!!
畜生め!
いつまでも寝てられない。
俺はダメージを我慢しながら立ち上がる。
そして異次元宝物庫からバトルアックスを引き抜く。
ドデカイババァ~が片膝立ち状態から魔法の光球を投げて来た。
しかし怖じけ付かない、俺。
迫り来る光球を打ち落としてやる!
「なぁろう!」
一か八かで光球をぶった斬ると、光球が俺の眼前で爆発した。
灼熱の光が俺の顔面を焼くが耐える。
俺はそのまま走った。
顔面から煙りを上げながらドデカイババァ~に走り寄る。
「うらぁぁああ!!」
ドデカイババァ~はまだ片足立ちだった。
やっぱり更年期障害なのか、立つのが遅いぜ!
それとも自爆で膝をやられましたか!?
「ウェポンスマッシュ!」
俺はババァ~の頭を狙って必殺技の一撃を繰り出した。
縦振りの斧がドデカイババァ~の頭部に迫ったが、ドデカイババァ~は太い腕を盾に斧を防ぐ。
ガツンと音が鳴った。
ドデカイババァ~の太い腕に斧が半分ぐらい突き刺さっている。
だが、止められた。
必殺技の一撃ですら腕を切断出来ませんか!!
骨で止まりやがったぞ!!
ならば!!
「ヘルムクラッシャー!!」
斧を引き抜き更なる必殺技の一撃を繰り出した。
縦斬りに繰り出される戦斧の強打。
ドデカイババアは頭を腕で守る。
ウェポンスマッシュの攻撃力上昇は1.25倍だが、ヘルムクラッシャーは1.5倍だ。
これで腕ごと斬り落とす!
「りぃゃゃぁあああ!!」
ザクリ!
ズトン!!
「あ、はぁ……」
ドデカイババァ~の口から力無い声が漏れた。
俺の繰り出した兜割りの強打が腕を斬り落として、その下に在ったドデカイババァ~の頭に突き刺さる。
流石にこれなら死んだだろう。
俺がバトルアックスを引っこ抜くと、ドデカイババァ~がグッタリと後ろに倒れた。
【おめでとうございます。レベル16に成りました!】
よし、勝ったぞ……。
なんだろう、もう喜ぶ元気すらねーわ。
俺が安堵に尻餅をつくと、キルケが飼っていた猫たちが周りに集まって来た。
なんだ、この猫たちは?
すると猫たちが光り出す。
今日は光る物が多いよな……。
そんな感じで光り出した猫たちを俺が眺めて居ると、猫たちは大きくなって人型を築き出す。
猫たちが人間に変わった。
ただし、全員全裸だった。
おっさん、おっさん、お兄さん、一つ飛ばしておっさんと、ほとんどがおっさんたちだった。
俺は全裸のおっさんたちに囲まれる。
なに、この下品な空間は……。
【つづく】
俺はショートソードを片手に、その手斧を回避していた。
ひぃやーーーー!!
すげぇーーーー!!
こえぇーーーー!!
もうドデカイババァ~が悪鬼羅刹の表情で丸太のように太い腕を振り回しておりますわ!!
リーチ差が酷いですわ!!
このドデカイババァ~は腕が長過ぎだわ!!
カンっ!!
あっ!!
俺のショートソードが弾かれ飛んで行った
すげーパワーだよ!!
俺はすぐさま異次元宝物庫からショートスピアを取り出して構える。
こうなったらリーチで勝負だぜ!
えいっ!
俺はショートスピアでドデカイババァ~を突きに出る。
しかし──。
カンっ!!
あーーーー!!!!
俺のショートスピアまで弾かれて飛んで行きましたわ!!
なに、このドデカイババァ~わ!!
すげーパワーだよ!!
俺だってマジックアイテムで腕力を向上しているんですよ!!
なのになんでこんなにアッサリキッチリモッチリとパワー負けするかな!?
あー、モッチリはよけいか~。
「ちょこまかとうざったい小僧だね~」
言うなりドデカイババァ~は口元にタバコを吸うようなポーズでVの字を近付けた。
「ふうっ!!」
どわぁーー!!
口から火を吹いたぞ!!
このドデカイババァ~は本当に魔術を使えるのかよ!?
パワー一辺倒じゃあないのね!
あぁ……。
火が家に引火したよ?
猫たちがわんさか逃げ出した。
あーれー、あっと言う間に大炎上だわ。
「オーノー! 私のお家が燃えているわあ!!」
隙有りだ!
俺はドデカイババァ~の隙を付いて、腰からダガーを取り出して投げ付けた。
ダガーが命中して背中にブスリと刺さる。
「痛いわねぇ~」
火事に嘆いていたドデカイババァ~が、ゆっくりと憤怒の表情で振り返った。
こわ!!
やっぱりこのババァ~こえーよ!!
てか、投げダガーは効いてませんよね!?
対して痛く無いんですよね!?
「良くも私のお家を燃やしてくれましたね~。もう怒りましたよ!!!」
ゴゴゴゴゴォォオオオって効果音が聞こえてきますがな!!
それに家を燃やしたのは貴方ではないですか!
それにずっと怒ってますよ、あなた!!
「これでも喰らいなさい!!」
ドデカイババァ~がハチェットを投げ捨てる。
なになになに!?
両手を前に魔法の光球を作り出しちゃったよ!?
いろんな魔法が使えるのね!?
なに、その魔法はさっ!?
「喰らいなさいな。デストラクションストライク!!」
ちょっとその破壊攻撃は大きいね!!
バレーボールサイズは有るじゃんか!?
きっと大きな破壊力だよね!?
「ふうっ!!」
なーげーてーきーたー!!
なんか光る魔法の玉をドッジボールのように投げて来ましたよ!!
俺は身体をくの字に曲げて、スレスレの角度で光るボールを躱して見せる。
狙いを外した光るボールは俺の背後に飛んで行くと、少し離れた場所に落ちて爆発した。
チュドーーーーン!と派手な爆音を奏でる。
爆風が俺の背後から飛んで来て髪の毛を靡かす。
なに、あのドデカイババァ~はさ!!
腕力だけでなく魔力も満点ですか!!
「本当にちょこまかと!」
ドデカイババァ~が今度は両手に一つずつ光球を作り出す。
「それ、それ!!」
二連続で投球される魔法のボールが順々に俺に迫った。
「ひぃーーー!!」
一投目をしゃがんで躱す。
二投目は大きく足を開いてジャンプで躱した。
すると後方で爆発した爆風に押されて俺の身体が前に飛ばされる。
「のわぁぁあああ!!」
そしてドデカイババァ~の眼前に着地した。
「ど、どうも~……」
「お帰りなさい~♡」
俺が見上げればドデカイババァ~がニヤリと微笑んで居た。
「やば~~……」
「ふぅぬっ!!」
ドデカイババァ~のアッパーカットが下から飛んで来た。
俺はガードするしかなかった。
両腕のガードを突き破りアッパーの衝撃が俺の身体を浮かせる。
痛覚耐性スキルが無かったら気絶したかも知れないほどの衝撃だった。
そして空中に浮き上がった俺が下を見ればババァ~の顔があった。
俺は2メートル以上跳ね浮いたのかと知る。
そこに、ブーメランフックが打ち込まれた。
野球のピッチングホームからのパンチだ。
大きな強拳が俺の土手っ腹にめり込み殴り飛ばす。
「げふ、ごほ!!」
ボディーを殴られ地面に叩き付けられた俺がゴロゴロと転がった。
気が付けば俺は、大の字で晴々としたそらを眺めていた。
その視界に大きな影が入り込む。
あのドデカイババァ~がジャンプして落ちて来る。
やばっ!!
俺が横に転がると、ドデカイババァ~の片膝が地面に突き刺さった。
殺伐とした地鳴りが、転がった俺にまで届いて来る。
ニードロップですか!!
畜生め!
いつまでも寝てられない。
俺はダメージを我慢しながら立ち上がる。
そして異次元宝物庫からバトルアックスを引き抜く。
ドデカイババァ~が片膝立ち状態から魔法の光球を投げて来た。
しかし怖じけ付かない、俺。
迫り来る光球を打ち落としてやる!
「なぁろう!」
一か八かで光球をぶった斬ると、光球が俺の眼前で爆発した。
灼熱の光が俺の顔面を焼くが耐える。
俺はそのまま走った。
顔面から煙りを上げながらドデカイババァ~に走り寄る。
「うらぁぁああ!!」
ドデカイババァ~はまだ片足立ちだった。
やっぱり更年期障害なのか、立つのが遅いぜ!
それとも自爆で膝をやられましたか!?
「ウェポンスマッシュ!」
俺はババァ~の頭を狙って必殺技の一撃を繰り出した。
縦振りの斧がドデカイババァ~の頭部に迫ったが、ドデカイババァ~は太い腕を盾に斧を防ぐ。
ガツンと音が鳴った。
ドデカイババァ~の太い腕に斧が半分ぐらい突き刺さっている。
だが、止められた。
必殺技の一撃ですら腕を切断出来ませんか!!
骨で止まりやがったぞ!!
ならば!!
「ヘルムクラッシャー!!」
斧を引き抜き更なる必殺技の一撃を繰り出した。
縦斬りに繰り出される戦斧の強打。
ドデカイババアは頭を腕で守る。
ウェポンスマッシュの攻撃力上昇は1.25倍だが、ヘルムクラッシャーは1.5倍だ。
これで腕ごと斬り落とす!
「りぃゃゃぁあああ!!」
ザクリ!
ズトン!!
「あ、はぁ……」
ドデカイババァ~の口から力無い声が漏れた。
俺の繰り出した兜割りの強打が腕を斬り落として、その下に在ったドデカイババァ~の頭に突き刺さる。
流石にこれなら死んだだろう。
俺がバトルアックスを引っこ抜くと、ドデカイババァ~がグッタリと後ろに倒れた。
【おめでとうございます。レベル16に成りました!】
よし、勝ったぞ……。
なんだろう、もう喜ぶ元気すらねーわ。
俺が安堵に尻餅をつくと、キルケが飼っていた猫たちが周りに集まって来た。
なんだ、この猫たちは?
すると猫たちが光り出す。
今日は光る物が多いよな……。
そんな感じで光り出した猫たちを俺が眺めて居ると、猫たちは大きくなって人型を築き出す。
猫たちが人間に変わった。
ただし、全員全裸だった。
おっさん、おっさん、お兄さん、一つ飛ばしておっさんと、ほとんどがおっさんたちだった。
俺は全裸のおっさんたちに囲まれる。
なに、この下品な空間は……。
【つづく】
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