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第95話【鷹の馬】
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どんどんとトリンドルの化けの皮が剥がれて行った。
俺はそれが面白くて更に剥がしてやろうと奮闘する。
「でぇ、なんでアンタは冒険者の俺にヒッポグリフを倒して貰いたいんだ?」
「だ、だから私じゃあ倒せないから……」
俺はわざとらしく冷たい目でトリンドルを見詰める。
トリンドルが翻弄されていた。
「ほ、ほら、私は茨の管理の魔法使いだからさ、戦闘とかは論外なのよね~」
「意味が分からねえよ」
「私は魔法使いギルドにこの茨の森の管理を依頼されているだけなのよ!」
あー、なんか興奮し始めたぞ。
面白いな~。
「なんで魔法使いギルドが、こんな茨の森なんて管理しているんだ?」
「ここの茨は魔法の触媒に使われているの。ポピュラーな触媒品なのよ!」
「で、お前がそれを管理していると?」
「そうですのよ、えっへん」
なんで威張る?
罰を与えよう。
「じゃあ、お前がヒッポグリフを倒せばいいじゃあないか?」
「そ、それが出来ないから、貴方を依頼で呼んだんじゃないですか!?」
「なんで?」
「私が大した攻撃魔法を使えないからですよ!」
それはさっき聞いたな。
「それでも魔法使いギルドに頼んだらいいんじゃあないか?」
「ほら、新しくここの管理人に任命されたばかりなのに、そんなこと本部に頼めませんよ~」
「お前、もしかして新人なの?」
「そんな新人なわけが無いですよ。こう見えても先代の管理人に十年ばかり弟子入りしていたんですから!」
「先代はどうした?」
「先月亡くなりました……」
「なるほどね」
大体分かってきた。
そして、ハッキリと分かったことは、このトリンドルたる魔法使いはヘッポコだ。
自分が管理を任された場所の防衛すら出来ない魔法使いなのだ。
でも、金だけは持っているらしいな。
ヒッポグリフの討伐に1500Gも出してくれるんだもの。
「分かった、引き受けるよ」
「本当ですか、有り難う御座います。ところで、お仲間さんは?」
「居無いぞ。俺はソロだ」
「え、本当に一人……?」
「ああ、一人だ」
「た、倒せますか、ヒッポグリフを……?」
「分からんが、やるだけやってみる」
「そ、そうですか……」
こいつ、俺を信用していないな。
まあ、しゃあないか。
「でも、こんな茨だらけだと移動もままならないな」
「それなら御安心あれ」
言いながら席を立ったトリンドルが戸棚からランタンを一つ持って来る。
「これを持って行けば茨が避けてくれますわ」
「避ける?」
「はい、このランタンの灯りが茨の蔓を退けるのですよ。魔法のアイテムですわ。お貸ししますとも」
「ありがとう。じゃあ借りるぜ」
「油が切れたら、ここから入れてくださいな」
「え、どこ?」
「ここです」
「開かないぞ?」
「あ、間違えました。こちらですね」
大丈夫かな、このランタンとこの魔法使いは……?
「で、どの辺にヒッポグリフは現れるんだ?」
「この塔から見て、北のほうから飛んで来ます」
「それ以外に詳しい情報は無いのか?」
「これと言って何も」
「じゃあ仕事は調査からだ。調査中はここを拠点にするからいいよな?」
「それは構いませんが、寝床と水ぐらいしか提供できませんよ?」
「それだけあれば十分だ」
「私のベットはお貸ししませんからね。十年ぶりのベットなんですから」
「お前さん、先代にベットすら貰えなかったのか?」
「はい、先代は大変厳しい方でしたから……」
「もうそれはパワハラだな」
「そうですよね!」
こうして俺はヒッポグリフ討伐の依頼を承諾した。
しかし、しばらく俺はトリンドルに捕まりお茶をするはめとなる。
ほとんどトリンドルの愚痴を一方的に聞かされていた。
その愚痴が嫌になったので俺は仕事に出ると述べて塔の部屋を出た。
かなりメンタルがやられたぜ……。
他人の愚痴話は苦手である。
兎に角マイナス話は苦手かな。
それから俺は、塔の一階で立っている朧気な人物に挨拶をすると外に出た。
まだ空は明るかったが、魔法のランタンに火を灯した。
ランタンの灯りをつけるとワサワサっと茨が逃げて行く。
俺を中心に直径10メートルぐらいの範囲だろうか。
なるほどね。
俺はランタンを床に置いて茨に近付いた。
根本を良く見れば、根は足のようになっており、深く土には食い込んでいない。
ここの茨はこうして移動する魔法植物なのだろう。
これを食べれる猛者ならば、栄養満点なのだろうな。
ヒッポグリフもパクパクムシャムシャと行くわけだ。
ランタンを拾った俺は北のほうに向かって歩いてみる。
すると1キロぐらい進んだところで茨の森から抜けた。
そこからは普通の森となる。
そこで幸運なことにヒッポグリフの姿を見つけた。
西の空からこちらに飛んで来ると、ヒッポグリフは眼前の森の中に身を落とした。
おお、ラッキーだぜ。
この辺の森に巣くって居るのかな?
空を見上げれば太陽がオレンジ色に変わり出していた。
ヒッポグリフって頭が鷹だから、おそらく鳥目だろう。
暗闇には慣れていないはずだ。
だからこの辺に巣くって居るのだろう。
ならばこのままもう少しヤツのいどころを探してみるか。
そう考えて俺は森の中に足を進めた。
しばらく歩くと高い岩場を見付ける。
上のほうを見ると、モッサリとした巨大な鳥ノ巣のような物が見えた。
あそこがヒッポグリフの巣かな?
てか、巣くってるってことは、卵でも産んでるのか?
だとすると、つがいなの?
二匹居るのか?
二匹なら厄介だな。
さて、二匹居るかだけでも確認したいな。
もう少し巣の様子が見える場所を探そうか。
おっ、あそこの岩場なら巣の様子が良く見えそうだな。
よし、上がってみるか。
そう思い俺は向かいの岩場によじ登って行った。
岩の陰から向かえの巣を覗き込む。
すると可笑しな光景が目に入った。
一匹のヒッポグリフが巣の中で大きな鏡を覗き込んでいた。
女性が使う化粧鏡のようだ。
その鏡をヒッポグリフはひたすら覗き込んでいる。
化粧鏡の前には茨の蔓や花が飾られていた。
んー、これはなんだ?
もしかして、嫁さんは鏡に映った自分ですか?
そんなパターンですか?
なんともナルシストなの?
いやいや、鏡の中の自分を別の牝だと思っているのなら、ナルシストとは違うよな。
まあ、このまま夜になるのを待とうか。
夜になったら夜襲かな。
んんー、また夜襲か……。
なんか俺は不意打ち魔神化してないかな……?
なんだか、どんどんと理想から離れて行ってないか……。
【つづく】
俺はそれが面白くて更に剥がしてやろうと奮闘する。
「でぇ、なんでアンタは冒険者の俺にヒッポグリフを倒して貰いたいんだ?」
「だ、だから私じゃあ倒せないから……」
俺はわざとらしく冷たい目でトリンドルを見詰める。
トリンドルが翻弄されていた。
「ほ、ほら、私は茨の管理の魔法使いだからさ、戦闘とかは論外なのよね~」
「意味が分からねえよ」
「私は魔法使いギルドにこの茨の森の管理を依頼されているだけなのよ!」
あー、なんか興奮し始めたぞ。
面白いな~。
「なんで魔法使いギルドが、こんな茨の森なんて管理しているんだ?」
「ここの茨は魔法の触媒に使われているの。ポピュラーな触媒品なのよ!」
「で、お前がそれを管理していると?」
「そうですのよ、えっへん」
なんで威張る?
罰を与えよう。
「じゃあ、お前がヒッポグリフを倒せばいいじゃあないか?」
「そ、それが出来ないから、貴方を依頼で呼んだんじゃないですか!?」
「なんで?」
「私が大した攻撃魔法を使えないからですよ!」
それはさっき聞いたな。
「それでも魔法使いギルドに頼んだらいいんじゃあないか?」
「ほら、新しくここの管理人に任命されたばかりなのに、そんなこと本部に頼めませんよ~」
「お前、もしかして新人なの?」
「そんな新人なわけが無いですよ。こう見えても先代の管理人に十年ばかり弟子入りしていたんですから!」
「先代はどうした?」
「先月亡くなりました……」
「なるほどね」
大体分かってきた。
そして、ハッキリと分かったことは、このトリンドルたる魔法使いはヘッポコだ。
自分が管理を任された場所の防衛すら出来ない魔法使いなのだ。
でも、金だけは持っているらしいな。
ヒッポグリフの討伐に1500Gも出してくれるんだもの。
「分かった、引き受けるよ」
「本当ですか、有り難う御座います。ところで、お仲間さんは?」
「居無いぞ。俺はソロだ」
「え、本当に一人……?」
「ああ、一人だ」
「た、倒せますか、ヒッポグリフを……?」
「分からんが、やるだけやってみる」
「そ、そうですか……」
こいつ、俺を信用していないな。
まあ、しゃあないか。
「でも、こんな茨だらけだと移動もままならないな」
「それなら御安心あれ」
言いながら席を立ったトリンドルが戸棚からランタンを一つ持って来る。
「これを持って行けば茨が避けてくれますわ」
「避ける?」
「はい、このランタンの灯りが茨の蔓を退けるのですよ。魔法のアイテムですわ。お貸ししますとも」
「ありがとう。じゃあ借りるぜ」
「油が切れたら、ここから入れてくださいな」
「え、どこ?」
「ここです」
「開かないぞ?」
「あ、間違えました。こちらですね」
大丈夫かな、このランタンとこの魔法使いは……?
「で、どの辺にヒッポグリフは現れるんだ?」
「この塔から見て、北のほうから飛んで来ます」
「それ以外に詳しい情報は無いのか?」
「これと言って何も」
「じゃあ仕事は調査からだ。調査中はここを拠点にするからいいよな?」
「それは構いませんが、寝床と水ぐらいしか提供できませんよ?」
「それだけあれば十分だ」
「私のベットはお貸ししませんからね。十年ぶりのベットなんですから」
「お前さん、先代にベットすら貰えなかったのか?」
「はい、先代は大変厳しい方でしたから……」
「もうそれはパワハラだな」
「そうですよね!」
こうして俺はヒッポグリフ討伐の依頼を承諾した。
しかし、しばらく俺はトリンドルに捕まりお茶をするはめとなる。
ほとんどトリンドルの愚痴を一方的に聞かされていた。
その愚痴が嫌になったので俺は仕事に出ると述べて塔の部屋を出た。
かなりメンタルがやられたぜ……。
他人の愚痴話は苦手である。
兎に角マイナス話は苦手かな。
それから俺は、塔の一階で立っている朧気な人物に挨拶をすると外に出た。
まだ空は明るかったが、魔法のランタンに火を灯した。
ランタンの灯りをつけるとワサワサっと茨が逃げて行く。
俺を中心に直径10メートルぐらいの範囲だろうか。
なるほどね。
俺はランタンを床に置いて茨に近付いた。
根本を良く見れば、根は足のようになっており、深く土には食い込んでいない。
ここの茨はこうして移動する魔法植物なのだろう。
これを食べれる猛者ならば、栄養満点なのだろうな。
ヒッポグリフもパクパクムシャムシャと行くわけだ。
ランタンを拾った俺は北のほうに向かって歩いてみる。
すると1キロぐらい進んだところで茨の森から抜けた。
そこからは普通の森となる。
そこで幸運なことにヒッポグリフの姿を見つけた。
西の空からこちらに飛んで来ると、ヒッポグリフは眼前の森の中に身を落とした。
おお、ラッキーだぜ。
この辺の森に巣くって居るのかな?
空を見上げれば太陽がオレンジ色に変わり出していた。
ヒッポグリフって頭が鷹だから、おそらく鳥目だろう。
暗闇には慣れていないはずだ。
だからこの辺に巣くって居るのだろう。
ならばこのままもう少しヤツのいどころを探してみるか。
そう考えて俺は森の中に足を進めた。
しばらく歩くと高い岩場を見付ける。
上のほうを見ると、モッサリとした巨大な鳥ノ巣のような物が見えた。
あそこがヒッポグリフの巣かな?
てか、巣くってるってことは、卵でも産んでるのか?
だとすると、つがいなの?
二匹居るのか?
二匹なら厄介だな。
さて、二匹居るかだけでも確認したいな。
もう少し巣の様子が見える場所を探そうか。
おっ、あそこの岩場なら巣の様子が良く見えそうだな。
よし、上がってみるか。
そう思い俺は向かいの岩場によじ登って行った。
岩の陰から向かえの巣を覗き込む。
すると可笑しな光景が目に入った。
一匹のヒッポグリフが巣の中で大きな鏡を覗き込んでいた。
女性が使う化粧鏡のようだ。
その鏡をヒッポグリフはひたすら覗き込んでいる。
化粧鏡の前には茨の蔓や花が飾られていた。
んー、これはなんだ?
もしかして、嫁さんは鏡に映った自分ですか?
そんなパターンですか?
なんともナルシストなの?
いやいや、鏡の中の自分を別の牝だと思っているのなら、ナルシストとは違うよな。
まあ、このまま夜になるのを待とうか。
夜になったら夜襲かな。
んんー、また夜襲か……。
なんか俺は不意打ち魔神化してないかな……?
なんだか、どんどんと理想から離れて行ってないか……。
【つづく】
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