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第21話【キング】
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廃鉱内に俺の怒声が轟き響く。
「オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、わら、オラ、オラ!!!!!!」
怒りが頂点に達した俺は八つ当たりをブチ撒けるようにコボルトたちを襲った。
今は取っ捕まえたコボルトのマウントを取って、ボコボコに殴り続けている最中であった。
俺は下にある柴犬顔が、ブルドック顔に変わったのを確認してから馬乗りをやめる。
そして、新たなる獲物を探す。
直ぐにコボルトたちと目が合った。
悪鬼羅刹のごとき俺の振るまいに恐れをなして、コボルトたちが逃げ出した。
完全に廃鉱内は大パニックと化していた。
俺は兎に角追った。
そして襲った。
もう立ち向かって来るコボルトは一匹も居ない。
と、言うか、もうほとんどのコボルトたちが死んでいる。
俺の被害者たちである。
俺は最後の一匹だと思われるコボルトの背中を追った。
その時には気付いていなかったが、逃げるコボルトは、廃鉱の出入り口側に逃げずに、奥の大部屋を目指して逃げていた。
そう、俺は誘きだされていたのだ。
そんなことにも気が付かずに俺は逃げるコボルトを追って大部屋に飛び込んだ。
丸いドーム型の部屋だった。
直径20メートルぐらいである。
その大部屋の奥には粗末な玉座があり、大柄のコボルトがふてぶてしく座っていた。
ハスキー顔のコボルトは、マッチョなボディーに革鎧を着込んでいる。
逃げていたコボルトは、その玉座の陰に逃げ込み隠れた。
コボルトのくせして玉座とは生意気だ。
まるで自分がコボルトキングだと言いたげな態度である。
何より生意気なのは、玉座の周りに、ふかふかの毛皮の絨毯が敷き詰められており、その上にビキニやらハイレグやらの水着を纏った雌コボルトたち四匹が、セクシーポーズで大柄のコボルトに寄り添うように寝っ転がっているのだ。
このコボルトはハーレムを築いていやがる!!
超むかつく!!
俺が糞女神の呪いでハーレムどころか、イチャラブ行為にすら励めないのに、このコボルトはハーレムを築いていやがるぞ!!
こ、ろ、す!!
こ、ろ、し、て、や、る、ぞ!!!
俺は怒りのままにマジックトーチがかけられたショートソードを強く握り締めた。
俺が怨霊のような顔で大部屋の中を歩んで近付くと、大柄のコボルトは玉座から立ち上がる。
そして胸を張りながら両腕を広げると、雌コボルトたちがシミターを手渡し、逆の腕に丸いシールドを持たせた。
てかよ、そのぐらい自分で取ってこいや!
ハーレムの女子にやらせてンじゃあねえぞ、このハレンチコボルトが!!
やっぱ、めっちゃむかつくわ!!
嫉妬が燃料となり、俺の怒りが更に燃え上がる。
羨ましい!
まさかコボルトのようなザコモンスターが俺が禁じられた理想を叶えているなんて許せない。
絶対に許せないぞ!!
何よりふしだらだ!!
ハーレムなんて不潔よ!!
一匹なのに四匹の雌を可愛がれるなんて法律違反じゃあねえ!?
何それ、この世界では一夫多妻制が許されているのか!?
それともコボルトだけなのか!?
それなら俺もコボルトになって人間の女の子をはべらかせるよ!
する、絶対にするわ!
したいわ!
ぁぁぁああああ!!!
いーたーいー!!!
心臓が痛いよーー!!!
呪いがぁぁあああ!!!
また、やってしまった!!
落ち着け!!!
てか、俺が下らない妄想をしてたらコボルトキングが襲い掛かって来た。
ヤバイ!!
今はヤバイぞ!!
ちょっとまってよ!!
今は呪いで苦しいから待ってよ!!
でも、やっぱり問答無用だよね!!
てか、このコボルト、でかくね……?
身長2メートルとかねえ?
すげーマッチョだしさ……。
うわぁ~、振りかぶったシミターが高いわぁ……。
力一杯振り下ろして来た。
防御だ!
俺はショートソードを頭上で横にして、両手でシミターの一撃を受け止めた。
重い!!
全身に衝撃がのし掛かる。
今までのコボルトとは段違いに強いぞコイツ!
うわ、横から盾付きパンチが飛んでくる。
避けるも防ぐも無理だった。
俺は右肩を殴られて、横にふっ飛んだ。
まさかコボルト風情にダメージを喰らうなんて!
甘かった。余裕をかましすぎていた。
反省しなくては……。
コイツの強さは、まさにキングだ。
コボルトキングだ。
もう舐めない。傲らない。
真面目にやるぞ!
コボルトキングが盾を前にして突っ込んで来る。
そのまま盾をブチ当てて来る積もりのようだ。
俺はショートソードを前にシールドアタックを受け止めた。
だが、押される。力負けしていた。
そのまま壁際まで押されて行った。
オレの身体が岩壁とシールドに挟まれる。
苦しくないが動けない。
そこにコボルトキングがシミターを振りかざした。
切っ先で突いてくる気だ。
俺は突かれる瞬間に全力を出して、盾の圧縮から必死に逃れた。
的を逃したシミターが岩壁に当たって火花を散らしていた。
直ぐにコボルトキングは俺を追って来る。
シミターを力任せに何度も振り回して、俺を追い詰める。
逃げるように避けて回る俺。
だが、戦ってて俺は感じていた。
こいつは力任せ過ぎる。
戦術が乱暴なだけで、技術が低い。
そこに付け込んだ。
「マジックアロー!!」
俺はシミターの届かない距離から魔法を撃った。
狙いはコボルトキングの脛だ。
右足の脛を魔法の矢で撃たれたコボルトキングは、傷みからバランスを崩して片膝を突いてしまう。
そこに俺はウェポンスマッシュを打ち込んだ。
「ウェポンスマッシュ!!」
横振りの剣技が煌めいた。
煌めく一閃がコボルトキングの口を切り裂いた。
上顎と下顎が大きく別れて飛んで行く。
コボルトキングの頭部が離れた場所に落ちた。
そして、大きな身体が鮮血を噴き上げながら倒れる。
コボルトキングの絶命。
俺の勝ちだ!
【つづく】
───────────
⬛作者からのお願い⬛
───────────
面白かった、続きが気になる、今後どうなるの!?
……と思ったら【しおり】や【お気に入り】を挟んでくださいませ!!
また、作品への応援お願いいたします。
メッセージ付きのレビューなどを頂けますと大変励みになります。
面白かった、つまらなかった、正直に感じた気持ちだけでも構いません。
何卒よろしくお願いいたします。
by、ヒィッツカラルド
「オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、オラ、わら、オラ、オラ!!!!!!」
怒りが頂点に達した俺は八つ当たりをブチ撒けるようにコボルトたちを襲った。
今は取っ捕まえたコボルトのマウントを取って、ボコボコに殴り続けている最中であった。
俺は下にある柴犬顔が、ブルドック顔に変わったのを確認してから馬乗りをやめる。
そして、新たなる獲物を探す。
直ぐにコボルトたちと目が合った。
悪鬼羅刹のごとき俺の振るまいに恐れをなして、コボルトたちが逃げ出した。
完全に廃鉱内は大パニックと化していた。
俺は兎に角追った。
そして襲った。
もう立ち向かって来るコボルトは一匹も居ない。
と、言うか、もうほとんどのコボルトたちが死んでいる。
俺の被害者たちである。
俺は最後の一匹だと思われるコボルトの背中を追った。
その時には気付いていなかったが、逃げるコボルトは、廃鉱の出入り口側に逃げずに、奥の大部屋を目指して逃げていた。
そう、俺は誘きだされていたのだ。
そんなことにも気が付かずに俺は逃げるコボルトを追って大部屋に飛び込んだ。
丸いドーム型の部屋だった。
直径20メートルぐらいである。
その大部屋の奥には粗末な玉座があり、大柄のコボルトがふてぶてしく座っていた。
ハスキー顔のコボルトは、マッチョなボディーに革鎧を着込んでいる。
逃げていたコボルトは、その玉座の陰に逃げ込み隠れた。
コボルトのくせして玉座とは生意気だ。
まるで自分がコボルトキングだと言いたげな態度である。
何より生意気なのは、玉座の周りに、ふかふかの毛皮の絨毯が敷き詰められており、その上にビキニやらハイレグやらの水着を纏った雌コボルトたち四匹が、セクシーポーズで大柄のコボルトに寄り添うように寝っ転がっているのだ。
このコボルトはハーレムを築いていやがる!!
超むかつく!!
俺が糞女神の呪いでハーレムどころか、イチャラブ行為にすら励めないのに、このコボルトはハーレムを築いていやがるぞ!!
こ、ろ、す!!
こ、ろ、し、て、や、る、ぞ!!!
俺は怒りのままにマジックトーチがかけられたショートソードを強く握り締めた。
俺が怨霊のような顔で大部屋の中を歩んで近付くと、大柄のコボルトは玉座から立ち上がる。
そして胸を張りながら両腕を広げると、雌コボルトたちがシミターを手渡し、逆の腕に丸いシールドを持たせた。
てかよ、そのぐらい自分で取ってこいや!
ハーレムの女子にやらせてンじゃあねえぞ、このハレンチコボルトが!!
やっぱ、めっちゃむかつくわ!!
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まさかコボルトのようなザコモンスターが俺が禁じられた理想を叶えているなんて許せない。
絶対に許せないぞ!!
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ハーレムなんて不潔よ!!
一匹なのに四匹の雌を可愛がれるなんて法律違反じゃあねえ!?
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それともコボルトだけなのか!?
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いーたーいー!!!
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ヤバイ!!
今はヤバイぞ!!
ちょっとまってよ!!
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でも、やっぱり問答無用だよね!!
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俺は右肩を殴られて、横にふっ飛んだ。
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コイツの強さは、まさにキングだ。
コボルトキングだ。
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切っ先で突いてくる気だ。
俺は突かれる瞬間に全力を出して、盾の圧縮から必死に逃れた。
的を逃したシミターが岩壁に当たって火花を散らしていた。
直ぐにコボルトキングは俺を追って来る。
シミターを力任せに何度も振り回して、俺を追い詰める。
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こいつは力任せ過ぎる。
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「マジックアロー!!」
俺はシミターの届かない距離から魔法を撃った。
狙いはコボルトキングの脛だ。
右足の脛を魔法の矢で撃たれたコボルトキングは、傷みからバランスを崩して片膝を突いてしまう。
そこに俺はウェポンスマッシュを打ち込んだ。
「ウェポンスマッシュ!!」
横振りの剣技が煌めいた。
煌めく一閃がコボルトキングの口を切り裂いた。
上顎と下顎が大きく別れて飛んで行く。
コボルトキングの頭部が離れた場所に落ちた。
そして、大きな身体が鮮血を噴き上げながら倒れる。
コボルトキングの絶命。
俺の勝ちだ!
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