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【第20章】喧嘩祭り編
20-33【阿修羅の必殺技】
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俺は六本腕に六本のロングソードを振るいながら式神たちを威嚇した。
「さぁ~て、暴れますかぁ~」
俺を囲むように陣取ったカンガルーやカピバラが四方からつぶらな瞳で睨み付けて来る。徐々に間合いを詰めて来る式神たちが姿勢を低くした。
「来るぞ」
まずはカンガルーから先に動いた。
カンガルー二体が左右から挟み込むように突っ込んで来る。頭を突き出してヘッドバッドを狙ってやがるぞ。
そして、カンガルーたちよりも速い走りでカピバラも前後から突っ込んで来た。
先に動いたのはカンガルーたちだったが、俺の間合いに先に入ったのは速度で勝るカピバラたちのほうだった。
カピバラのほうが、足が速い。その速度は韋駄天だ。
「ええいっ!!」
俺は身体を回すと全方向にロングソードを振るった。六本の腕が六本の剣を上段中段下段の三方向に回るように隙間無く振るう。剣撃の弾幕である。
「六刀同時回転斬ッ!!」
俺の全方位攻撃が式神たちを切り付けた。四体の頭や身体にロングソードがヒットする。しかしながら当たりが浅い。一撃必殺を果たしていない。
回りながらの攻撃だから一撃一撃が雑だったのだろう。致命傷を負わせていないのだ。
でも、殆どの式神がダメージに転倒した。
「今だ!!」
式神たちの陣形に隙が出来た。俺はカピバラの頭をジャンプで越えて、ギレンの元に走り寄る。
「ぬぬぬっ!」
両手の指を絡めて印を組み続けるギレンが叫ぶ。
「やはり本体を狙ってくるか!!」
「当然ッ!」
するとギレンの両腕にしがみ付いてたコアラたちが大口を開けた。
「また、毒素かな?」
的中。予想通りである。
「食らえ、幽狩り毒素!!」
二体のコアラが口から深緑の液体を吐き出した。酸性毒のスプレー攻撃だ。
俺は迫り来る毒液に対して四本のロングソードを並べて盾を作って防いで見せる。
「うげ、あちち……」
ロングソードの防壁にガードされた毒液がジュジュっと音を鳴らして煙を上げた。酸の臭いが鼻に届いて不快を誘う。だが、俺はロングソードの盾を築いたまま突き進んだ。
「うらぁぁああああ!」
そして、ギレンに接近すると残り二本の腕で攻撃を仕掛ける。
四本のロングソードの隙間から残り二本のロングソードを付き出した。突き出されたロングソードの切っ先が二体のコアラをザクザクと串刺しにする。
そして、コアラたちがギレンの腕から落ちると俺はロングソードを捨ててギレンの両腕を掴んで締め上げた。
「いたたっ! なんと言う握力だ!!」
ギレンが痛みの余りに組んでいた印を解いてしまう。すると俺の背後に居たカンガルーやカピバラたちが霧となって消えて行く。式神の術が解かれた。
「やはり印を組んで集中していないと式神を保ってられなかったんだな」
ビンゴだろう。
「己れ、小僧が!!」
俺は眉無し表情で凄むギレンの身体を抱え上げると天高くジャンプした。
「何をするっ!?」
「大技狙いだよ!!」
俺は空中でギレンの身体をブレーンバスターのように持ち上げると、両腕、両足首、両腕太股を六本腕で固定した。そのまま急降下して行く。
「これで終わりだ! 阿修羅ブレーンバスター!!」
「貴様ッ!!!」
俺が床に尻餅を付くとギレンの全身が引きちぎられるような激しい苦痛に襲われる。手足が伸びきり、首や腰が砕けそうな苦痛だっただろう。
「ぐはっ!!!」
俺は血を吐いたギレンを床に投げ捨てると見下ろしながら述べた。
「前から一度でいいから掛けて見たかったんだよね。この大技を──」
だからワザワザ六本腕に変身したのだ。これで夢が一つ叶ったぞ。満足である。
「ひ、酷い……」
床に倒れているギレンが動かなくなった。気絶しちゃったのかな?
【おめでとうございます。レベル49になりました!】
おっ、レベルアップだな。って、ことは俺の勝ちってわけだ~。
よしよし、これでレベル49だぜ。あと一つでレベル50だな。
「さてと~」
俺は異次元宝物庫からロープを取り出してギレンの身体を縛り上げる。両手を背中に回して手と手の甲を合わせながら拘束すると両足首も縛り上げた。
「これで逃げれないだろうし、印が組めないから呪術も使えないだろう」
それから気絶している鬼たちの装備を魔法感知スキルで調べて見た。
「金棒と鎖鎌、それに虎柄のビキニがマジックアイテムじゃあねえか~」
俺は金棒と鎖鎌を奪い取ると、目を瞑りながら虎柄ビキニを剥ぎ取った。
いてて……。
目を閉じてても少し心臓が痛むわ~。何せ般若みたいな顔でも女性のビキニを脱がしているのだもの……。そりゃあ興奮の一つもしちゃうよね。
うぐぐぅ……。
俺は全裸の鬼女にベッドシーツを掛けると入り口で見ていたキシリアお嬢様を呼び寄せる。
「なあ、キシリアお嬢様~。お兄様をどうする?」
「ど、どうするって……?」
「お前の親父さんは捕まえて連れて来てくれと言ってたけれど、最悪は殺してもいいって言ってたぞ。俺的には連れ帰るのが面倒臭いから殺して解決でもいいんだがな」
「酷いっ!!」
殺すのは嘘だけど、面倒臭いのは本当である。
「なら、お前がギレンをガルマルまで運べよ。道中の警護ぐらいしてやるからさ」
「わ、分かったわ……」
よし、押し付け成功である。チョロいな。
俺は縛られているギレンを担ぎ上げると地下の階段を上ってボロ屋敷を出た。
鬼たちはどうするかな。捨て置けないよね。
まあ、鬼に変化して生命力は上がってるだろうから、直ぐには死なないと思うけれど、ギレンが目を覚ましたら締め上げて呪いを解いて貰おうかな。
あとはギレンに俺の女神の呪いが解けるか否かを訊いて、ガルマルに連れ帰ればミッション完了だぜ。
「さぁ~て、暴れますかぁ~」
俺を囲むように陣取ったカンガルーやカピバラが四方からつぶらな瞳で睨み付けて来る。徐々に間合いを詰めて来る式神たちが姿勢を低くした。
「来るぞ」
まずはカンガルーから先に動いた。
カンガルー二体が左右から挟み込むように突っ込んで来る。頭を突き出してヘッドバッドを狙ってやがるぞ。
そして、カンガルーたちよりも速い走りでカピバラも前後から突っ込んで来た。
先に動いたのはカンガルーたちだったが、俺の間合いに先に入ったのは速度で勝るカピバラたちのほうだった。
カピバラのほうが、足が速い。その速度は韋駄天だ。
「ええいっ!!」
俺は身体を回すと全方向にロングソードを振るった。六本の腕が六本の剣を上段中段下段の三方向に回るように隙間無く振るう。剣撃の弾幕である。
「六刀同時回転斬ッ!!」
俺の全方位攻撃が式神たちを切り付けた。四体の頭や身体にロングソードがヒットする。しかしながら当たりが浅い。一撃必殺を果たしていない。
回りながらの攻撃だから一撃一撃が雑だったのだろう。致命傷を負わせていないのだ。
でも、殆どの式神がダメージに転倒した。
「今だ!!」
式神たちの陣形に隙が出来た。俺はカピバラの頭をジャンプで越えて、ギレンの元に走り寄る。
「ぬぬぬっ!」
両手の指を絡めて印を組み続けるギレンが叫ぶ。
「やはり本体を狙ってくるか!!」
「当然ッ!」
するとギレンの両腕にしがみ付いてたコアラたちが大口を開けた。
「また、毒素かな?」
的中。予想通りである。
「食らえ、幽狩り毒素!!」
二体のコアラが口から深緑の液体を吐き出した。酸性毒のスプレー攻撃だ。
俺は迫り来る毒液に対して四本のロングソードを並べて盾を作って防いで見せる。
「うげ、あちち……」
ロングソードの防壁にガードされた毒液がジュジュっと音を鳴らして煙を上げた。酸の臭いが鼻に届いて不快を誘う。だが、俺はロングソードの盾を築いたまま突き進んだ。
「うらぁぁああああ!」
そして、ギレンに接近すると残り二本の腕で攻撃を仕掛ける。
四本のロングソードの隙間から残り二本のロングソードを付き出した。突き出されたロングソードの切っ先が二体のコアラをザクザクと串刺しにする。
そして、コアラたちがギレンの腕から落ちると俺はロングソードを捨ててギレンの両腕を掴んで締め上げた。
「いたたっ! なんと言う握力だ!!」
ギレンが痛みの余りに組んでいた印を解いてしまう。すると俺の背後に居たカンガルーやカピバラたちが霧となって消えて行く。式神の術が解かれた。
「やはり印を組んで集中していないと式神を保ってられなかったんだな」
ビンゴだろう。
「己れ、小僧が!!」
俺は眉無し表情で凄むギレンの身体を抱え上げると天高くジャンプした。
「何をするっ!?」
「大技狙いだよ!!」
俺は空中でギレンの身体をブレーンバスターのように持ち上げると、両腕、両足首、両腕太股を六本腕で固定した。そのまま急降下して行く。
「これで終わりだ! 阿修羅ブレーンバスター!!」
「貴様ッ!!!」
俺が床に尻餅を付くとギレンの全身が引きちぎられるような激しい苦痛に襲われる。手足が伸びきり、首や腰が砕けそうな苦痛だっただろう。
「ぐはっ!!!」
俺は血を吐いたギレンを床に投げ捨てると見下ろしながら述べた。
「前から一度でいいから掛けて見たかったんだよね。この大技を──」
だからワザワザ六本腕に変身したのだ。これで夢が一つ叶ったぞ。満足である。
「ひ、酷い……」
床に倒れているギレンが動かなくなった。気絶しちゃったのかな?
【おめでとうございます。レベル49になりました!】
おっ、レベルアップだな。って、ことは俺の勝ちってわけだ~。
よしよし、これでレベル49だぜ。あと一つでレベル50だな。
「さてと~」
俺は異次元宝物庫からロープを取り出してギレンの身体を縛り上げる。両手を背中に回して手と手の甲を合わせながら拘束すると両足首も縛り上げた。
「これで逃げれないだろうし、印が組めないから呪術も使えないだろう」
それから気絶している鬼たちの装備を魔法感知スキルで調べて見た。
「金棒と鎖鎌、それに虎柄のビキニがマジックアイテムじゃあねえか~」
俺は金棒と鎖鎌を奪い取ると、目を瞑りながら虎柄ビキニを剥ぎ取った。
いてて……。
目を閉じてても少し心臓が痛むわ~。何せ般若みたいな顔でも女性のビキニを脱がしているのだもの……。そりゃあ興奮の一つもしちゃうよね。
うぐぐぅ……。
俺は全裸の鬼女にベッドシーツを掛けると入り口で見ていたキシリアお嬢様を呼び寄せる。
「なあ、キシリアお嬢様~。お兄様をどうする?」
「ど、どうするって……?」
「お前の親父さんは捕まえて連れて来てくれと言ってたけれど、最悪は殺してもいいって言ってたぞ。俺的には連れ帰るのが面倒臭いから殺して解決でもいいんだがな」
「酷いっ!!」
殺すのは嘘だけど、面倒臭いのは本当である。
「なら、お前がギレンをガルマルまで運べよ。道中の警護ぐらいしてやるからさ」
「わ、分かったわ……」
よし、押し付け成功である。チョロいな。
俺は縛られているギレンを担ぎ上げると地下の階段を上ってボロ屋敷を出た。
鬼たちはどうするかな。捨て置けないよね。
まあ、鬼に変化して生命力は上がってるだろうから、直ぐには死なないと思うけれど、ギレンが目を覚ましたら締め上げて呪いを解いて貰おうかな。
あとはギレンに俺の女神の呪いが解けるか否かを訊いて、ガルマルに連れ帰ればミッション完了だぜ。
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