462 / 611
【第十六章】死海エリアのクラーケン編。
16-2【金塊の禁欲】
しおりを挟む
魔王城前の森の中で、俺と凶介で金塊を埋めては掘り返し、埋めては掘り返しを繰り返していた。
指先程度の大きさの金塊がドンドンと増えていく。
二つが四つに、四つが八つに、八つが十六に──。
十六個が三十四個に──。
んん?
埋めては掘り返し、埋めては掘り返し──。
あっと言うまに金塊が倍々に増えていく。
「凶介、これは凄いな……」
「ですよね、アスランの兄貴……」
俺は掘り出された金塊の山を両手に持って眺めた。
もう何個に増えたかも分からない。持ちきれない程の金塊だ。
ただ、これは警戒が必要だと思う。
財力は人を狂わせる。
どんな善人でも、多額のお金をいきなり掴めば人格が変貌する場合も少なくない。
ここに居る凶介だって、この機能を最初に気付いてから俺に報告するまでの間に、ソドムタウンでゴージャスに遊んでしまったぐらいだ。
だが、神々のスコップを持ち逃げしなかっただけ誉めてやりたい。
これもすべて俺の人望の高さがなしえた功績が大きいのだろう。
うんうん、たぶんそうだ。
「なあ、凶介……」
「なんすか、兄貴?」
「お前、金に目が繰らんで俺を裏切らないよな?」
俺が確認すると、凶介が胸の前で両腕を組んで少し考えた。小首を傾げて唸っている。
そして、考えが纏まったのか意思を語る。
「アスランの兄貴、俺が兄貴を裏切るわけないじゃあないですか!」
「お前、今少し考えたよね?」
「考えてません!」
「本当?」
「本当です!!」
「本当に本当?」
「…………」
凶介が黙る。
俺は沈黙を威圧的な視線に代えて凶介の瞳を凝視した。
すると、いたたまれなくなった凶介が視線を逸らしてゲロった。
「…………ちょっと考えました」
「正直だな、おい……」
「すんません……」
俺は両手で凶介の両肩を掴んで語った。
「なあ、凶介。このスコップに関しては俺たち二人の秘密だ。何故か分かるか?」
誠実な視線で凶介が俺の瞳を見詰めながら答えた。
「大体は……」
でも、何故か喉に魚の骨が引っ掛かっているような歯切れの悪い返事だった。
俺は更に目力を強めて言う。
「金は人の目を眩ます。欲望は人を狂わす。このスコップの存在が他の人間に知れれば争いが始まるぞ」
「争い……」
「スコップを巡って奪い合いだ」
「奪い合いの争い……」
「このスコップのもたらす規模からして、喧嘩レベルじゃあねえぞ。それは戦争レベルだ。下手をしたら世界大戦レベルの戦争になるぞ!」
「せ、世界大戦……」
凶介が喉をゴクリと鳴らして唾を飲む。
「だから、このスコップの存在は、誰にも知られてはならないんだ……」
「分かりました。このスコップを封印するのですね。兄貴の異次元宝物庫に入れてしまえば誰も引き出せません。兄貴以外には……」
「封印?」
「はい……」
このヤンキーエルフは何を言い出してんだ。やっぱり凶介は馬鹿である。
俺はサラリと言った。
「そこまでする気は無いぞ」
「えっ?」
凶介はキョトンとしてしまう。俺が言い出した意味が理解出来ていない様子である。
「まずは一財産築いてからだ」
「は、はあ……」
凶介が気の無い返事を溢した。
それでも俺はテンションを上げて話を続ける。
「これで一財産築いて、魔王城の町をガンガンと築くんだよ!!」
「は、はあ……」
「だからお前は無限に金塊を増幅しろ。掘って埋めて、また掘り返せ!!」
「は、はあ……」
「いいか、この金塊は見た目が同じだ。だから金塊は溶かしてから市場に流せよ。宝石類は複製するな、足が尽きやすいからな!!」
「は、はあ……」
「とにかく警戒だ。警戒心を研ぎ澄まして作業しろよ。誰にも気付かれないようにだ!!」
「は、はあ……」
「そして一財産築いたら、その金で作業員を沢山雇って一気に町を作り上げるぞ!!」
「は、はあ……」
「これでしばらくはお金に困らないぜ!!」
「は、はあ……」
お金の心配が無くなった。これであと必要なのは人脈だ。
お金を積めば容易く町を築けるが、町を維持するならば人脈が大切だろう。
そう、マネーパワーだけに頼っていたら足元を掬われる。
「凶介、とりあえず金塊を樽一杯の二つ分ほど作ってくれ」
「は、はい……」
「一樽は俺に、もう一樽はお前にやるぞ」
「マジっすか!?」
凶介の表情が歓喜に輝く。エルフでも金欲はあるんだな。
「それでお前はエルフの村に貢献してやれ」
「はい!」
「その金で俺は魔王城を復元させるからよ」
「一石二鳥ですね!」
「それで一旦スコップは封印する」
「やっぱり封印するんですか?」
「こう言うアイテムは、使いすぎると災いになりやすいからな。程々に使うか、ピンチのみの使用だ」
「俺も、そのほうがいいと思うッす」
俺は微笑みながら凶介の肩を叩いた。
「思ったよりも、俺たちって小心者なのかな?」
「俺には家族が居ますから。親父や妹の凶子を泣かせられません……」
「家族か~……」
俺の頭の中にも何人かの顔が思い浮かんだ。
スカル姉さん、スバルちゃん、その他の面々……。
皆、血が繋がっていない。
でも、一緒に飯を食い、同じ屋根の下で寝て、一緒に暮らして、一緒の飯を食っているんだ。
あっ、飯を二回言ったな──。
まあ、とにかくだ。
それって、家族なのかな?
家族だといいな。
「とにかくだ。凶介、俺はお前も家族だと思ってるからな。信じているぞ」
「アスランの兄貴……。俺も兄貴を本当の兄貴だと思っていやすから!」
凶介が俺の言葉に感動している。まったく単純なヤンキーだぜ。
「そうか……。だが、俺が凶子と結婚したら、お前を兄貴と呼ぶかもしれないがな」
「それはダメでしょう。妹は兄貴みたいな変態の嫁には出せませんよ!!」
「誰が変態だ!!」
「兄貴が!」
「きぃーーーー、こんにゃろう!!」
俺は凶介に掴み掛かりリーゼントをグシャグシャにしてやった。
指先程度の大きさの金塊がドンドンと増えていく。
二つが四つに、四つが八つに、八つが十六に──。
十六個が三十四個に──。
んん?
埋めては掘り返し、埋めては掘り返し──。
あっと言うまに金塊が倍々に増えていく。
「凶介、これは凄いな……」
「ですよね、アスランの兄貴……」
俺は掘り出された金塊の山を両手に持って眺めた。
もう何個に増えたかも分からない。持ちきれない程の金塊だ。
ただ、これは警戒が必要だと思う。
財力は人を狂わせる。
どんな善人でも、多額のお金をいきなり掴めば人格が変貌する場合も少なくない。
ここに居る凶介だって、この機能を最初に気付いてから俺に報告するまでの間に、ソドムタウンでゴージャスに遊んでしまったぐらいだ。
だが、神々のスコップを持ち逃げしなかっただけ誉めてやりたい。
これもすべて俺の人望の高さがなしえた功績が大きいのだろう。
うんうん、たぶんそうだ。
「なあ、凶介……」
「なんすか、兄貴?」
「お前、金に目が繰らんで俺を裏切らないよな?」
俺が確認すると、凶介が胸の前で両腕を組んで少し考えた。小首を傾げて唸っている。
そして、考えが纏まったのか意思を語る。
「アスランの兄貴、俺が兄貴を裏切るわけないじゃあないですか!」
「お前、今少し考えたよね?」
「考えてません!」
「本当?」
「本当です!!」
「本当に本当?」
「…………」
凶介が黙る。
俺は沈黙を威圧的な視線に代えて凶介の瞳を凝視した。
すると、いたたまれなくなった凶介が視線を逸らしてゲロった。
「…………ちょっと考えました」
「正直だな、おい……」
「すんません……」
俺は両手で凶介の両肩を掴んで語った。
「なあ、凶介。このスコップに関しては俺たち二人の秘密だ。何故か分かるか?」
誠実な視線で凶介が俺の瞳を見詰めながら答えた。
「大体は……」
でも、何故か喉に魚の骨が引っ掛かっているような歯切れの悪い返事だった。
俺は更に目力を強めて言う。
「金は人の目を眩ます。欲望は人を狂わす。このスコップの存在が他の人間に知れれば争いが始まるぞ」
「争い……」
「スコップを巡って奪い合いだ」
「奪い合いの争い……」
「このスコップのもたらす規模からして、喧嘩レベルじゃあねえぞ。それは戦争レベルだ。下手をしたら世界大戦レベルの戦争になるぞ!」
「せ、世界大戦……」
凶介が喉をゴクリと鳴らして唾を飲む。
「だから、このスコップの存在は、誰にも知られてはならないんだ……」
「分かりました。このスコップを封印するのですね。兄貴の異次元宝物庫に入れてしまえば誰も引き出せません。兄貴以外には……」
「封印?」
「はい……」
このヤンキーエルフは何を言い出してんだ。やっぱり凶介は馬鹿である。
俺はサラリと言った。
「そこまでする気は無いぞ」
「えっ?」
凶介はキョトンとしてしまう。俺が言い出した意味が理解出来ていない様子である。
「まずは一財産築いてからだ」
「は、はあ……」
凶介が気の無い返事を溢した。
それでも俺はテンションを上げて話を続ける。
「これで一財産築いて、魔王城の町をガンガンと築くんだよ!!」
「は、はあ……」
「だからお前は無限に金塊を増幅しろ。掘って埋めて、また掘り返せ!!」
「は、はあ……」
「いいか、この金塊は見た目が同じだ。だから金塊は溶かしてから市場に流せよ。宝石類は複製するな、足が尽きやすいからな!!」
「は、はあ……」
「とにかく警戒だ。警戒心を研ぎ澄まして作業しろよ。誰にも気付かれないようにだ!!」
「は、はあ……」
「そして一財産築いたら、その金で作業員を沢山雇って一気に町を作り上げるぞ!!」
「は、はあ……」
「これでしばらくはお金に困らないぜ!!」
「は、はあ……」
お金の心配が無くなった。これであと必要なのは人脈だ。
お金を積めば容易く町を築けるが、町を維持するならば人脈が大切だろう。
そう、マネーパワーだけに頼っていたら足元を掬われる。
「凶介、とりあえず金塊を樽一杯の二つ分ほど作ってくれ」
「は、はい……」
「一樽は俺に、もう一樽はお前にやるぞ」
「マジっすか!?」
凶介の表情が歓喜に輝く。エルフでも金欲はあるんだな。
「それでお前はエルフの村に貢献してやれ」
「はい!」
「その金で俺は魔王城を復元させるからよ」
「一石二鳥ですね!」
「それで一旦スコップは封印する」
「やっぱり封印するんですか?」
「こう言うアイテムは、使いすぎると災いになりやすいからな。程々に使うか、ピンチのみの使用だ」
「俺も、そのほうがいいと思うッす」
俺は微笑みながら凶介の肩を叩いた。
「思ったよりも、俺たちって小心者なのかな?」
「俺には家族が居ますから。親父や妹の凶子を泣かせられません……」
「家族か~……」
俺の頭の中にも何人かの顔が思い浮かんだ。
スカル姉さん、スバルちゃん、その他の面々……。
皆、血が繋がっていない。
でも、一緒に飯を食い、同じ屋根の下で寝て、一緒に暮らして、一緒の飯を食っているんだ。
あっ、飯を二回言ったな──。
まあ、とにかくだ。
それって、家族なのかな?
家族だといいな。
「とにかくだ。凶介、俺はお前も家族だと思ってるからな。信じているぞ」
「アスランの兄貴……。俺も兄貴を本当の兄貴だと思っていやすから!」
凶介が俺の言葉に感動している。まったく単純なヤンキーだぜ。
「そうか……。だが、俺が凶子と結婚したら、お前を兄貴と呼ぶかもしれないがな」
「それはダメでしょう。妹は兄貴みたいな変態の嫁には出せませんよ!!」
「誰が変態だ!!」
「兄貴が!」
「きぃーーーー、こんにゃろう!!」
俺は凶介に掴み掛かりリーゼントをグシャグシャにしてやった。
0
お気に入りに追加
55
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
ハクスラ異世界に転生したから、ひたすらレベル上げしながらマジックアイテムを掘りまくって、飽きたら拾ったマジックアイテムで色々と遊んでみる物語
ヒィッツカラルド
ファンタジー
ハクスラ異世界✕ソロ冒険✕ハーレム禁止✕変態パラダイス✕脱線大暴走ストーリー=166万文字完結÷微妙に癖になる。
変態が、変態のために、変態が送る、変態的な少年のハチャメチャ変態冒険記。
ハクスラとはハックアンドスラッシュの略語である。敵と戦い、どんどんレベルアップを果たし、更に強い敵と戦いながら、より良いマジックアイテムを発掘するゲームのことを指す。
タイトルのままの世界で奮闘しながらも冒険を楽しむ少年のストーリーです。(タイトルに一部偽りアリ)
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
Lunaire
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
婚約破棄は結構ですけど
久保 倫
ファンタジー
「ロザリンド・メイア、お前との婚約を破棄する!」
私、ロザリンド・メイアは、クルス王太子に婚約破棄を宣告されました。
「商人の娘など、元々余の妃に相応しくないのだ!」
あーそうですね。
私だって王太子と婚約なんてしたくありませんわ。
本当は、お父様のように商売がしたいのです。
ですから婚約破棄は望むところですが、何故に婚約破棄できるのでしょう。
王太子から婚約破棄すれば、銀貨3万枚の支払いが発生します。
そんなお金、無いはずなのに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる