上 下
36 / 71

35.なにが真実なのか

しおりを挟む
「やっぱり……フレイヤの言った通りだったのか。」

「最悪のパターンですね。」 




それは…少し前のこと。

「幸多、これは私の予測ですがそのおじいさん、おばあさんと大天使ミカエルには関係があるのではないかと思います。」

「関係……?」

「その……これはあくまでも予想ですが、おじいさんまたはおばあさんのどちらかが、大天使ミカエルの契約者なのではないかと。」

フレイヤは幸多だけに聞こえるよう話した。

「なに!?フレイヤ……それはないと…思うが。」

「ですが、いきなり大天使ミカエルが出て来て真希を操るなんて不自然ではありませんか。」

「たまたま……って可能性は?」

「たまたま、大天使ミカエルが真希を狙ったと……ですがその可能性はかなり低いと思いますよ。
さらになぜ、大天使ミカエルは真希を使って沙夜とブリュンヒルデを狙ったのでしょうか……。もしかしたらそこにもなにか関係があるのかもしれません。」

おじいさん、おばあさんの正体に加え……謎は深まる一方である。

「ん……。」

幸多は考え込んだ……、がどうにもその仮説が受け入れられないようだ。

「この仮説が外れていればいいのですか……。」



場面は戻る。

「アズラーイール……また次から次と現れるな。」

「とりあえず朝までもう少しですが、休みましょう。」

時刻は4時。
今度は彼らを疲労が襲う。

「部屋はそこが空いてるぞ。」

とりあえず真希を部屋に案内し、それぞれ日の出まで休むこととなった。



朝、7時40分―。

「まとめるわよ。」

これまでのことをまとめることにした幸多たち。

幸多にとっての一番の問題は、小林さんを殺害した者の正体。

「サタナエルが小林さんを狙ってないとすれば、アズラーイール、大天使ミカエル、サハクィエルか他のだれかになるが……。」

「サハクィエルとその契約者については謎ですが、まず消していいでしょう。
彼らは私たちの敵ではないと言っていました。サハクィエルが小林さんを殺害したのなら、私たちと繋がっていることは知っているでしょう。」

フレイヤが説明した。

「じゃあ、大天使ミカエルかアズラーイールの可能性が大きい。またはそれか他の誰かかもしれないわね。」

沙夜が次々とまとめる。

「沙夜、大天使ミカエルとの関係はありますか?」

「さっぱり……、と言いたいところだけど思ったのよ。私の両親を殺したのは大天使ミカエルじゃないかとね。あのときは気づかなかったけど、あのオーラ……覚えがあるわ。」

沙夜の話が当たっているのであれば、色々話が繋がってくる。

「ん?」

続いて幸多の携帯が活動を始めた。

『もしもし。』

『お~、幸多くん、田島・ハーパーだ。』

『あ、田島さん!どうしましたか?』

『小林さんの事件についてわかったことがある。』

『どんなことですか?』

『小林さんの殺害に使用されたのは刃物。』

『剣とかですか?』

『いや、大きな鎌のような物だな。あっ、会議の時間だ。またなんかわかったら連絡する!じゃあ。』

電話は切れてしまった。

「フレイヤ……。」

幸多はフレイヤを見た。

「おそらく、小林さんを殺したのはアズラーイールと見ていいかもしれませんね。」

少しずつ、真実は繋がり始めるのだった―。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

【完結】逃がすわけがないよね?

春風由実
恋愛
寝室の窓から逃げようとして捕まったシャーロット。 それは二人の結婚式の夜のことだった。 何故新妻であるシャーロットは窓から逃げようとしたのか。 理由を聞いたルーカスは決断する。 「もうあの家、いらないよね?」 ※完結まで作成済み。短いです。 ※ちょこっとホラー?いいえ恋愛話です。 ※カクヨムにも掲載。

ああ、もういらないのね

志位斗 茂家波
ファンタジー
……ある国で起きた、婚約破棄。 それは重要性を理解していなかったがゆえに起きた悲劇の始まりでもあった。 だけど、もうその事を理解しても遅い…‥‥ たまにやりたくなる短編。興味があればぜひどうぞ。

ヒューストン家の惨劇とその後の顛末

よもぎ
恋愛
照れ隠しで婚約者を罵倒しまくるクソ野郎が実際結婚までいった、その後のお話。

転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。 全力でお母さんと幸せを手に入れます ーーー カムイイムカです 今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします 少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^ 最後まで行かないシリーズですのでご了承ください 23話でおしまいになります

処理中です...