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1.出会い?
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「おーい!神??どういうことだ?聞いてないぞ!」
隼一郎は必死に叫んだが、もう神にその声は届かない。
「誰かぁ!!」
助けを求めていると……。
「だ………のこ…がきこ……たような。どなたですか~?」
隼一郎の声を聞いて、誰かが近づいて来た。
「ん?こんなとこに剣がある……。」
誰かとは、
金色の長く鮮やかな髪、薄暗いこの空間の中でも輝いて見える。
そんな少女だった。
隼一郎は声をかけようとしたが、少女に見とれてしまったのもそうだが、この姿で驚かせてはいけないと思い、様子を見ることにした。
彼が呼んだのにも関わらず…。
「これってあれかな。エクスなんとかとかいう聖剣的なやつかな?たしかこういうのって勇者とかじゃないと抜けないとかじゃなかったっけな。」
そんなことを言いつつ、少女は目の前の剣に手を掛けた。
「ん~~。ダメだ抜けない……。」
隼一郎は心の中で思った。
(おいおい、抜けねぇのかよ。ってか普通に痛ぇよ。)
人間で例えれば、足を固定されて頭から上に引っ張られてるようなものである。
背骨を抜かれるかのような痛みが走る。
「この剣抜ければ、魔王倒せるかもしれないのに……。そうすれば現実に……。」
(魔王?現実?まさか……この子も俺と同じで……現実から!?)
どうやらこの少女も隼一郎のように神からここに送り込まれて来た存在らしい。
「なんとしてでも……。」
その後、何回か挑戦する少女。
しかし抜ける気配はなく、挑戦するたび隼一郎の全身、といってもまっすぐな剣だが、痛みが駆け抜ける。
(頑張って!早く抜いてくれよ。)
「もういいかな……。」
(おい、諦める気か?)
ふと、少女は抜こうとするのをやめた。
諦めたかと思われたが……。
「これ、折っても誰も何も言わないよね。こんなとこにあるんだもの。」
(お嬢様?いまなんておっしゃいました?折る?今折るって言いましたよね?ちょーっとまてぇ~!)
少女は再び剣(隼一郎)に両手を掛けると……、
「えぃ。」
そのまま手前に引っ張った。
バキン!という鋭い音とともに、目の前の剣は折れた。
「案外すぐ折れるのね…。錆びていたからかな?これで前より取り回しがきくようになったかなー。」
「折るなよっ!」
やや強烈な痛みで、思わず声を出してしまった。
「え!?誰ですか?」
少女は周りを見渡す。
しかし、誰かいる気配はない。
いるはずがない、声を出したのは今持っている剣なのだから。
(やばい、つい声を出してしまった。え、でも折れたってことは……。)
隼一郎は下を見た。
「浮いてる!?」
「えっ!?また声が……。」
また思わず声を出してしまった隼一郎。
「この聖剣から聞こえた……ような。」
少女はさすがに気づいたようだ。
「ど……どうも。」
「剣がしゃべった!?」
「あの……、えーなんと説明すれば…いいやら。元は人間……なんですよ。はい。」
「私みたいに神って人からここで魔王倒してくれって言うと感じですか?」
以外なことに少女は、驚きはしたものの怖がったりはしなかった。
「あ、そうですそうです!俺は神城隼一郎、ちなみに17歳です。よろしく。」
「私は宮島 七花。同じく17歳。よろしく。」
自己紹介が終わると―。
「ん?なんか体が熱い……。」
剣(隼一郎)を光が包んだ。
折れて台座に刺さったままの剣先が、光の粒となって蒸発すると、七花の持っているもう片方(隼一郎)の折れた先に、それが集まっていった。
しばらくすると剣は元通り、あたかも台座から抜いたかのようになった。
ちなみにこれが隼一郎の特殊能力。
折れると強くなって復活する剣なのである。
「まぁ、まぁ~こういうのもなんだが、俺はこんな状態だ。剣だけでは当然なにもできない。だから俺を……その…使ってくれないか?」
七花が少し固まったようにも見えたが、
「目的……は一緒みたいだし、剣を手に入れる手間が省けたから使わせて貰うわ。」
「助かる。」
それからいきなり、地響きがした。
「ここ崩れるんじゃ!?」
「とりあえず脱出だ!七花。」
七花は出口に向かって走り始めた―。
隼一郎は必死に叫んだが、もう神にその声は届かない。
「誰かぁ!!」
助けを求めていると……。
「だ………のこ…がきこ……たような。どなたですか~?」
隼一郎の声を聞いて、誰かが近づいて来た。
「ん?こんなとこに剣がある……。」
誰かとは、
金色の長く鮮やかな髪、薄暗いこの空間の中でも輝いて見える。
そんな少女だった。
隼一郎は声をかけようとしたが、少女に見とれてしまったのもそうだが、この姿で驚かせてはいけないと思い、様子を見ることにした。
彼が呼んだのにも関わらず…。
「これってあれかな。エクスなんとかとかいう聖剣的なやつかな?たしかこういうのって勇者とかじゃないと抜けないとかじゃなかったっけな。」
そんなことを言いつつ、少女は目の前の剣に手を掛けた。
「ん~~。ダメだ抜けない……。」
隼一郎は心の中で思った。
(おいおい、抜けねぇのかよ。ってか普通に痛ぇよ。)
人間で例えれば、足を固定されて頭から上に引っ張られてるようなものである。
背骨を抜かれるかのような痛みが走る。
「この剣抜ければ、魔王倒せるかもしれないのに……。そうすれば現実に……。」
(魔王?現実?まさか……この子も俺と同じで……現実から!?)
どうやらこの少女も隼一郎のように神からここに送り込まれて来た存在らしい。
「なんとしてでも……。」
その後、何回か挑戦する少女。
しかし抜ける気配はなく、挑戦するたび隼一郎の全身、といってもまっすぐな剣だが、痛みが駆け抜ける。
(頑張って!早く抜いてくれよ。)
「もういいかな……。」
(おい、諦める気か?)
ふと、少女は抜こうとするのをやめた。
諦めたかと思われたが……。
「これ、折っても誰も何も言わないよね。こんなとこにあるんだもの。」
(お嬢様?いまなんておっしゃいました?折る?今折るって言いましたよね?ちょーっとまてぇ~!)
少女は再び剣(隼一郎)に両手を掛けると……、
「えぃ。」
そのまま手前に引っ張った。
バキン!という鋭い音とともに、目の前の剣は折れた。
「案外すぐ折れるのね…。錆びていたからかな?これで前より取り回しがきくようになったかなー。」
「折るなよっ!」
やや強烈な痛みで、思わず声を出してしまった。
「え!?誰ですか?」
少女は周りを見渡す。
しかし、誰かいる気配はない。
いるはずがない、声を出したのは今持っている剣なのだから。
(やばい、つい声を出してしまった。え、でも折れたってことは……。)
隼一郎は下を見た。
「浮いてる!?」
「えっ!?また声が……。」
また思わず声を出してしまった隼一郎。
「この聖剣から聞こえた……ような。」
少女はさすがに気づいたようだ。
「ど……どうも。」
「剣がしゃべった!?」
「あの……、えーなんと説明すれば…いいやら。元は人間……なんですよ。はい。」
「私みたいに神って人からここで魔王倒してくれって言うと感じですか?」
以外なことに少女は、驚きはしたものの怖がったりはしなかった。
「あ、そうですそうです!俺は神城隼一郎、ちなみに17歳です。よろしく。」
「私は宮島 七花。同じく17歳。よろしく。」
自己紹介が終わると―。
「ん?なんか体が熱い……。」
剣(隼一郎)を光が包んだ。
折れて台座に刺さったままの剣先が、光の粒となって蒸発すると、七花の持っているもう片方(隼一郎)の折れた先に、それが集まっていった。
しばらくすると剣は元通り、あたかも台座から抜いたかのようになった。
ちなみにこれが隼一郎の特殊能力。
折れると強くなって復活する剣なのである。
「まぁ、まぁ~こういうのもなんだが、俺はこんな状態だ。剣だけでは当然なにもできない。だから俺を……その…使ってくれないか?」
七花が少し固まったようにも見えたが、
「目的……は一緒みたいだし、剣を手に入れる手間が省けたから使わせて貰うわ。」
「助かる。」
それからいきなり、地響きがした。
「ここ崩れるんじゃ!?」
「とりあえず脱出だ!七花。」
七花は出口に向かって走り始めた―。
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