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25,闘技場
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今日は3人一緒で活動する。
俺はテキト宅に行ってその旨を伝える。
「ユキャールさん、色々進めるのはいいですが、自分の結婚式に街に『トラブルが!』なんてならないようにしてくださいよ」
「そうだな、宿泊施設と商業施設の建設は今のペースでいいか、それでも完成は式の後になりそうだしな」
「式が終わったら俺の計画を一気に進める。テキトさんは俺から聞いた報告で自分の仕事が増えないように助手を要請しておいてくれ」
「そして、それが落ち着いた頃、戦争だ!」
「戦争とは物騒な事を言いますね。でもわからなくもありません。東の国は攻めてくるでしょう。施設の発展もいいですけど、防衛拠点の建設もお願いしますよ」
「あぁ、戦関連については俺から王に隊長クラスや兵を要請しておく」
「
それがいいでしょうね、僕は文官ですからね、文官が軍事の事を言っても聞いてもらえなさそうですから」
「俺はどちらかと言えば軍事だと思うが?」
「ユキャールさんは領主です、軍事も文官も両方ですよ」
「そりゃ参ったな」
「ええ、参ってください」
「「ハッハッハッハ」」
今日もテキトの家から2人の男の高笑いが聞こえる。この街の名物と化していて、代官と領主が悪だくみしてる時の合図だと領民が言う。
でも自分達の生活がよくなる事だけなので誰も文句を言う人はいないと言う。
「ママぁ今日もあの声が聞こえるよ~」
「シッ聞いちゃいけません!」
子供の教育には悪いようだ…
俺は家に戻り、最後の村へ向かう、ユノカワ村経由でも行けるが、この街の南東から続く道もあった、俺たちはそこから行くことにした。
道中俺は道作り作成マシーンと化した。後ろからついてくるスピカは「これ便利ね…」と呟く、ただの誉め言葉であってほしいと思う。
こうして俺たちは最後の村へ着いた。
(北と南に高山があり、それが柵代わりかな?ユノカワ村に似ているな。だが村は所々襲われたような箇所もあるな)
俺は村民の男に村長の家について聞く。 村民の男は良い体格をしている。狩人と言うより冒険者向けの体だ。
「余所者が村長になんのようだ!」男が噛みついてくる。
俺はこの領の領主だと伝える。男はそれを聞くとバカにしたように笑いはじめる。
「お前のような弱そうな男が領主だと?これでこの領が収められるとでも思ってるのか!」
男は犬のようによく吠える… レナは俺を侮辱されてる事に腹を立ててるが俺が止めてる、もちろんスピカもだ…
俺が妻達を宥めている所を見て、女に守られないと何もできない貧弱な男か!と言うので俺は男に近寄った…
「なんだやる気か?」男が言うので、「お前がうるさいから遠くに投げ捨てるだけだ」と言い、おれは男の胸倉を掴んで投げ捨てた。
俺たちがいる所を村の東の端だと言えば、俺は西の端まで投げ捨てた。
俺は周りにいる村民に「他に投げられたい奴はいるか?」と聞くが誰も出てくることはなかった。
「誰でもいい村長の所へ案内してくれ」と言うと、あのバカが村長だと言う。
あんなバカでこの村は成り立っていけるのか…と俺は不安になるが、この村は北の山、南の山から魔物や害獣の被害が多く、腕っぷしが強い奴が村長になるのだと言う。
村を政策する文官なような者はなく、被害を防ぐのに精いっぱいでそんな余裕はないのだと言う。
村長が守ってくれるから獣の肉は取れ、無事な畑から収穫もあるので、村民が飢える事はないと言う。
あんなバカでも一応役に立ってると言う事か。
俺たちはバカを探しに西の端に向かった。
「魔物や害獣の被害を抑えればユノカワ村みたいになりそうですね」
レナが俺と同じ感想を言ってくる。
「俺もそう思ったが、同じ者が2つあっても取り合うだけだ、ここはここの良い所を探してこの村にしかない物を作るつもりだ」
「ん~それなら闘技場とかどうかしら?」
スピカが案を出す。闘技場か… 村民たちほとんどが魔物や害獣の戦闘で戦闘慣れしている。村民たちが出場するのではなく村民が荒くれを始末する側になれるのもいいな。
「それは面白そうな案だ、その件で進めてみよう」
「そうなると魔物や害獣の処理はどうするんですか?」
レナが問題点を指摘する。
「そこはまだ、考えてないな、闘技場目当てで来た者にでもやらせようか?」
「それに対して賞金を出せば、よろんで戦ってくれるでしょう、でもそうなると資金面の問題ですね」
ただやってくれ、じゃ誰も動かないだろう。金と言うエサをちらつかせるのが1番だが、俺が出し続けるわけにはいかない」
「それじゃ闘技場を賭け事ができるようにすればいいのよ、賭け事の儲けは胴元が多い、つまりわたし達の儲けが1番多いはずよ。それにここの儲けが無くてもわたし達の生活に何も影響しないでしょ」
「さすが姉さんです…」
「珍しくスピカが良いこ…」 ガンッ!
俺がゲンコツを落とされレナは関心半分心配半分だ、たしかにスピカの案の通りに行けば、この村だけで対処できるようになるな…
「その方向性で話を進めて行こうか」
俺たちはバカ村長の所へ向かった。
「結構遠くまで投げたわね…」
「しかたない…2人の事をバカにされた気分になって手加減があまり効かなかった…」
「主様… ボクHしたくなりました…」
「レナ!気持ちはわかるけど、わたしだって我慢してるんだからレナも我慢しなさい!」
「わかりましたけど姉さん…これはキツイです…」
「これが終わったらユキャールに好きにしてもらうといいわ、わたしが許可します」
俺の許可は?と言うと「妻に求められる事を受け止めてこそ夫よ」と一蹴されてしまった…
俺はバカ村長を見つけ、起こす。「あぁ…いてぇ…」村長はボロボロだった。
これじゃ話にならないと思い、俺は村長に回復する、傷が治っていく感覚に村長は驚いていた。
「すまない!あんたがそこまで強い男とは知らなかったんだ」
こいつも知らないで喧嘩を売るバカか… 俺はこれも領主の務めだと思い、村長に教育する。
「村長、貴族に喧嘩を売ると不敬罪になる。不敬罪は知ってるか?気に入らないだけで殺されるとでも思ってもらえればいい」
村長は顔を青くするが俺は教育を続ける。
「その前に俺の紹介がまだだったな」
俺は自分と2人の妻の紹介をする、3人共貴族だと言う事も教えてやった。
「村長、あんたは俺に喧嘩を売った、それだけで不敬罪だ。今ここで俺に殺されても文句は言えないんだ」
「知らなかったんだ!許してくれ!!」
「村長…知らないと罪を犯してもいいのか?人を殺すと罪になる。当たり前だがその罪を知らないから殺しても罪にならない。そういうわけにはいかないだろう?」
「たしかにその通りだ…」
「俺も俺の大事な領民をこんな形で処罰したくない。今回は不問とするが次はない。他の貴族に対しても気を付けろよ?俺より厳しい貴族なんてたくさんいるぞ」
たしかに、相手は何もしてないのに自分が気に入らないだけで不敬にする腐った貴族もいるのは事実だ。
まぁその時は俺が何とかするつもりだがそうならない事を祈ろう。
「それで村長、今回俺たちがここに来た件だが…」
俺は村長に3人で考えた案を説明する。
「そいつはいい考えだ!さすが大将やお嬢たちだ」
俺が大将と呼ばれるのは俺がそう呼べって言うのでいいが、前の村の事といい2人はお嬢と呼ばれる事が固定されてるな
まぁお嬢でも『様』をつければ、お嬢様。になるからわるい気にはなれまい。
それと各村でやってる温泉の話をする。
「湧き出る湯に浸かるのか… 水浴びより気持ちいいなら是非お願いしたい」
俺は周りを見る… 東の草原も使って闘技場にしたいな。そうすると温泉はこの村だと3か所かな。
俺は温泉施設が3か所になる事と、広さを伝え案内してもらう事を告げる。
村長は快く案内してくれる。その前に村民の前で村長にした教育を簡単でいいのでやってもらいたいと言う。
「ここは力が強い者は偉いって考えをもつヤツが多く大将に絡んでくる奴らもいるでしょう。なので俺を投げ飛ばした事も話せばここで大将に絡むバカはいなくなるはずだ」
「ここに俺より強い奴はいないから、俺に勝てない奴が大将に直接殴りこむ度胸のあるやつはいない!」
「でもお嬢たちはどうなんでしょう?俺は大将の強さしか知らないんだが、お嬢たちはどれ位やれるんで?」
「村長… 妻達は俺よりも容赦ない、最初のやりとりを覚えているか?村長を殺そうと必死だったのを俺が止めてたんだ。ちなみにスピカだと村長はすぐ炭になる。レナだと村長が気付く前に頭と胴がお別れしてるな」
村長は俺より恐ろしいと聞いて青くなる。
「お嬢たち、すいませんでした…」
わかればよろしいと2人はご機嫌だ
村長は村の真ん中に村民を集める様指示を出した、指示を出すと言うより命令したと言う方が合うな…
村民が集まると村長が俺の話をして俺が法律について少し教えてくれると説明した。
村長より強い者として、みんな俺の話を真面目に聞いてくれた。これで少しは大丈夫だろう。
それとみんないることだし、この村の未来についてをこれから作る温泉の話をした。
みんな、水浴びより気持ちいい入浴が楽しみのようだ。
そして村長に温泉地について聞いて回った。
「さて作るか、2人はどうする?」
「わたしは村長からまたみんなを集めてもらって魔法の適正を調べて指導しようと思うわ。力が必要なら魔法も必要よ!」
スピカは大きくなっていく胸を張る。子供の頃と比べて結構育ったなぁ… は!いかんいかん!
「ボクはこの辺の魔物や害獣の確認と駆除になりますね。姉さんが魔法を教えてる間に食事の食材や用意をする人が必要でしょう」
3人の行動が決まった所で行動を開始する。
俺はいつもので終わらせる。
いつもと違うのは温泉の周りの柵を強固にし、入浴中に襲われる事がないようにした。
俺は温泉作りを終えて、スピカの元へ向かった。
スピカは村民たちに魔法を教えている最中だった。
「あ。ユキャールおかえり、もう温泉できたの?」
「あぁ3カ所とも終わらせてきた、もう使えるぞ。」
「さすがユキャール。相変わらず仕事が早いね♪」
俺たちの話を聞いてた村民は「温泉ができた… もう使える…」などど話している。丁度良い機会なのでここで村民に知らせておこう。
「みなさん、聞いての通りこの村に温泉ができました。北東、北西、南の3か所です。どこも使えるようになっているので、みなさんの家の近くの温泉を利用してください。それとこの事をまだ知らない人に教えてもらえると助かります」
俺の説明を聞いた村民は嬉しそうだ。慌てて温泉へ向かう者もいれば、温泉か魔法か悩んでる人もいる。
スピカに慌てて移動した村民は大丈夫なのか聞いてみる。
「あの人たちはもう終わってるから大丈夫、みんな身体強化の適正がある人だね。それよりこの村の人たちって身体強化の人が多いね。火を起こす程度の魔法を使える人でも適正は身体強化だもの」
「魔物や害獣と戦う人たちだから、環境がそうさせてるのかもしれないな」
「そうかもね~、それとユキャール暇でしょ?わたしが適正見るから、ユキャールは身体強化の説明をして」
「了解」
俺はスピカが適正を調べた村民に身体強化について説明する。腕力の強化は簡単だが、脚力の強化は体が慣れるまで訓練するしかないと、多分スピカと同じ説明をしていく。
「ユキャール…身体強化を使うものとして他にないの?」
「そうは言っても、これしか説明できないんだ。脚力を自分の物にすると、あとは自分のスタイルに合わせて戦闘できるようになる。そこで道が分かれるけど、その時には自分でどうしたらいいかわかってしまうんだよ」
「ふ~ん…そんなものなんだ…」
スピカは不満そうなのでスピカに合わせた説明をすることにした。
「スピカで例えれば、魔法を早く連続で撃ちたいのと、魔法をたくさん一気に使いたいのと、素早く動きながら魔法を使いたい。になるかな?どれも全部できないから1つの道になるだろ?」
「あぁ~そう言われるとその通りだわ。ありがとユキャール♪」
スピカは納得してくれたようだ。
そして俺たちは村民に魔法を与えていった。適正がない人もいたが、適正がないだけでたくさんの努力は必要だが使える事も説明した。
すべて終わると食事の用意ができたとレナが呼びに来てくれた。
レナが用意した食事は村民全員を想定していてちょっとした宴になってしまった。
先に温泉に行った人も宴の騒ぎを聞き戻ってきて食事を楽しんでくれた。
俺たちは村長を食事をしている。
「大将・お嬢たち、この村のためにすまねぇ」
「村長、この村はまだまだこれからです、闘技場ができればもっと忙しくなるでしょう。」
「大将、闘技場ができたら俺たちはどうすればいいんで?」
「村民は今までの生活でいいですよ、ただ闘技場への通路の影響で家を移動してもらう人がいそうです、その時はこちらで家を用意します」
「それと村民も闘技場への参加やあとは、外から来た者が暴れた場合の始末ですね。殺すなとは言いませんができるだけ殺さないでください」
「それと、それでも対処できない大きいトラブルがあった場合のために、これを置いていきます」
俺は村長に通信の魔道具を渡す。
「何ですかこれは?」
村長に、ここをこうしてこうすると俺へ連絡できると説明するが、村長は全く理解できないようだ…
「大将すまん!俺はこういうからくりはさっぱりわからん! そうだ!腕っぷしはないが、こういうのが得意そうな奴がいる、ちょっと呼んでくるので待ってくだせい」
村長はそういうと飛び出して行き、1人の女性を連れてきた、奴って言うから男だと思った。その女性はこの村には似合わない知的な女性だった。
「どうしたんですか村長!いきなりひっぱってきて、私の様な力のない者に用はないと思いますけど…」
女性は力がすべてのこの村じゃ序列は最下層なんだろう。村長や俺たちを恐れていた。
「お前に用があるのは確かだ、大将からこいつを預かったのはいいんだが使い方がさっぱりわからん、お前はこういうの得意だったろう?俺の代わりに使ってほしいんだ」
「はぁ、わかりました」
そう言って女性は通信の魔道具を手に取った。
「これは通信の魔道具ですか。しかも私の知る限り最新版ですね。この村で対応できないトラブルが起きた時にこれで大将さんに連絡するんですか」
もうこの人が村長になった方がこの村は発展するんじゃないか? 俺はそんな気がしてきた。
「彼女は優秀な方ですね、この魔道具は一目見ただけじゃ通信の魔道具だとわかりません。」
レナが女性を褒めだした。
「ボクが見た感じだと彼女は統率力と判断力もありそうです。彼女が村長になり、みんなに指示を出した方がこの村のためになるとボクは思います」
レナからそう言われ女性は混乱している。村長はなにやら考え込んでいるようだ。
「しかしお嬢、この村では強い者が長になる。そういう決まりなのです。」
村長は、レナに村の掟を話した。
それではこうしましょう。2人共聞いてください。
レナが村長と女性に話し始める。それが戦略についての話しだ。
「ここがこの村です、山はこうなってますね…。ではこことここから同時に敵に攻められたらどうしますか?どちらの敵も戦力は同じとします」
「お嬢… こんなのバカでもわかりゃぁ、この場合ここから先に攻めるしかないだろう」
村長が自信満々に答える。 が、女性は考えていて答えはまだ出なそうだ。
「なんだお前はこんな簡単な事もそんなに考えなきゃわからんのか?」
村長は女性を煽ってきた。
「レナさん1ついいですか?」
女性がレナに問いかけた。
「いいですよ」
「戦力は同じと言いましたが、敵の体格とかもまったく同じ考えでいいのですか?」
「はいそうです」
レナが答えると女性はすべてわかったように答えた。
「この場合ですと、私は村長とは逆の方向から攻めます」
村長は女性をバカだと思い見ている。レナは冷静に女性の答えを待つ。
「今回の場合ですと村長が言った方向はたしかに楽ですが、そこは放置しても問題ありません。逆方向を先に潰しておかないと村に被害が出ます。」
「なんだ?敵が攻めてるんだから多少の被害はしかたないだろう?」
村長が口を挟むが女性は話し続ける。
「村長、みんな村長みたいに強い人だけじゃありません。私みたいに弱い人もいます。村長のやり方だと確実に犠牲を出すんです」
「あぁ?そんなの弱い奴が悪いんだろう?」
「そこまでです!!」
レナが話を止めた。
「ボクもあなたと同じ意見です。ではなぜ、村長の作戦だとダメなのですか?」
「村長が攻める所は道が狭く1匹や2匹しか通れません、大きさによっては通れない敵もいます。しかし私達は敵が通れない道を知っていてそこを使えば敵の裏を付いて攻撃できます」
「私が先にと言った所は村までは遠いですが、敵の大群までとは言いませんが、ある程度まとまった数で攻めてこれます」
「レナさんは敵の数まで指定しませんでしたが、お互い10匹なら村長の作戦でも問題ないでしょう。しかし、敵が攻める時は最低でも20は超えます。そうなると村長の作戦だと被害が出てしまいます」
女性が村長の欠点を指摘する。村長は弱い相手に言われ面白くなさそうだ。
「では、あなたが先ほど言った20の敵だとして、あなたの作戦だとどうなりますか?」
「その場合、村長を中心とした戦力が高い人たちで攻めます、仮に村長チームと呼びます。場合によってはケガする人もいるかもしれません。でも村長チームは問題なく勝てます。その間の狭い道ですが、1,2匹通った所で村には影響ありません。」
「村長チームとは別に村に残った力の弱い人、私もその1人ですが、それでも私よりか強い人達です、魔物の1匹や2匹では負けません。」
「私達が確実に1,2匹ずつ倒してる間に、村長チームが戻ってきて狭い方向の敵を倒します。これで被害は0です。ケガする人もいると思いますので被害0とは言えないかもしれませんね」
「お見事です、ボクが考える流れと一緒です」
村長はそんなバカなとでもいいたそうだ。自分より弱い者の考えの方がうまくいくと言われたからだ。
「村長、村の掟も大事だと思います。しかし、掟に従って村に被害、この場合は死亡者とします。死亡者が出たらその方が問題ではありませんか?」
「死ぬのは弱いのが悪い、そんな獣のような掟を続けていくのですか?」
「しかしお嬢…掟は掟で…」
村長は掟を主張したいが獣のような掟を守るのが大事かと言われると悩んでるようだ。
「ボクは掟を変える事を薦めます。もし出来ないと言うのであれば村長に勝った主様が村長になればいいでしょう」
レナがとんでもない事を言い出した。
「たしかに俺に勝った大将なら誰も文句を言う奴はいない!」
村長も賛成のようだ。
「そして主様が掟を変えます。」
村長の顔色が変わった。
「どうしました?強い者の言う事に従うのがこの村の掟なんですよね?」
「強い者の主様がどう変えようが誰も文句言わないんですよね?」
村長はぐうの音も出ない程レナにボコボコにされてる… 見てて可哀そうになった…
「それとも強い者に逆らって死にますか?ボクはこの村が変われるならそれでもいいと思ってます」
「ですがいきなりそんな事を言われても誰も急な変化についてこれないでしょう。村長は今まで通り村長を続けて彼女を補佐とし、彼女の意見に従いなさい」
「もし、彼女が失敗したらその魔道具で連絡しなさい。そうしたら彼女を選んだボクが責任を取ります。村長より強いボクかね…」
これ脅しだろ… 村長なにも言えないじゃないか…
とりえあず、女性を補佐として、この村は徐々に変わっていくのであった。
※村長は女性が失敗しても文句言えないと思ってるが、女性が失敗することはなかった。テキトの様に優秀な人物のようだ。
俺はテキト宅に行ってその旨を伝える。
「ユキャールさん、色々進めるのはいいですが、自分の結婚式に街に『トラブルが!』なんてならないようにしてくださいよ」
「そうだな、宿泊施設と商業施設の建設は今のペースでいいか、それでも完成は式の後になりそうだしな」
「式が終わったら俺の計画を一気に進める。テキトさんは俺から聞いた報告で自分の仕事が増えないように助手を要請しておいてくれ」
「そして、それが落ち着いた頃、戦争だ!」
「戦争とは物騒な事を言いますね。でもわからなくもありません。東の国は攻めてくるでしょう。施設の発展もいいですけど、防衛拠点の建設もお願いしますよ」
「あぁ、戦関連については俺から王に隊長クラスや兵を要請しておく」
「
それがいいでしょうね、僕は文官ですからね、文官が軍事の事を言っても聞いてもらえなさそうですから」
「俺はどちらかと言えば軍事だと思うが?」
「ユキャールさんは領主です、軍事も文官も両方ですよ」
「そりゃ参ったな」
「ええ、参ってください」
「「ハッハッハッハ」」
今日もテキトの家から2人の男の高笑いが聞こえる。この街の名物と化していて、代官と領主が悪だくみしてる時の合図だと領民が言う。
でも自分達の生活がよくなる事だけなので誰も文句を言う人はいないと言う。
「ママぁ今日もあの声が聞こえるよ~」
「シッ聞いちゃいけません!」
子供の教育には悪いようだ…
俺は家に戻り、最後の村へ向かう、ユノカワ村経由でも行けるが、この街の南東から続く道もあった、俺たちはそこから行くことにした。
道中俺は道作り作成マシーンと化した。後ろからついてくるスピカは「これ便利ね…」と呟く、ただの誉め言葉であってほしいと思う。
こうして俺たちは最後の村へ着いた。
(北と南に高山があり、それが柵代わりかな?ユノカワ村に似ているな。だが村は所々襲われたような箇所もあるな)
俺は村民の男に村長の家について聞く。 村民の男は良い体格をしている。狩人と言うより冒険者向けの体だ。
「余所者が村長になんのようだ!」男が噛みついてくる。
俺はこの領の領主だと伝える。男はそれを聞くとバカにしたように笑いはじめる。
「お前のような弱そうな男が領主だと?これでこの領が収められるとでも思ってるのか!」
男は犬のようによく吠える… レナは俺を侮辱されてる事に腹を立ててるが俺が止めてる、もちろんスピカもだ…
俺が妻達を宥めている所を見て、女に守られないと何もできない貧弱な男か!と言うので俺は男に近寄った…
「なんだやる気か?」男が言うので、「お前がうるさいから遠くに投げ捨てるだけだ」と言い、おれは男の胸倉を掴んで投げ捨てた。
俺たちがいる所を村の東の端だと言えば、俺は西の端まで投げ捨てた。
俺は周りにいる村民に「他に投げられたい奴はいるか?」と聞くが誰も出てくることはなかった。
「誰でもいい村長の所へ案内してくれ」と言うと、あのバカが村長だと言う。
あんなバカでこの村は成り立っていけるのか…と俺は不安になるが、この村は北の山、南の山から魔物や害獣の被害が多く、腕っぷしが強い奴が村長になるのだと言う。
村を政策する文官なような者はなく、被害を防ぐのに精いっぱいでそんな余裕はないのだと言う。
村長が守ってくれるから獣の肉は取れ、無事な畑から収穫もあるので、村民が飢える事はないと言う。
あんなバカでも一応役に立ってると言う事か。
俺たちはバカを探しに西の端に向かった。
「魔物や害獣の被害を抑えればユノカワ村みたいになりそうですね」
レナが俺と同じ感想を言ってくる。
「俺もそう思ったが、同じ者が2つあっても取り合うだけだ、ここはここの良い所を探してこの村にしかない物を作るつもりだ」
「ん~それなら闘技場とかどうかしら?」
スピカが案を出す。闘技場か… 村民たちほとんどが魔物や害獣の戦闘で戦闘慣れしている。村民たちが出場するのではなく村民が荒くれを始末する側になれるのもいいな。
「それは面白そうな案だ、その件で進めてみよう」
「そうなると魔物や害獣の処理はどうするんですか?」
レナが問題点を指摘する。
「そこはまだ、考えてないな、闘技場目当てで来た者にでもやらせようか?」
「それに対して賞金を出せば、よろんで戦ってくれるでしょう、でもそうなると資金面の問題ですね」
ただやってくれ、じゃ誰も動かないだろう。金と言うエサをちらつかせるのが1番だが、俺が出し続けるわけにはいかない」
「それじゃ闘技場を賭け事ができるようにすればいいのよ、賭け事の儲けは胴元が多い、つまりわたし達の儲けが1番多いはずよ。それにここの儲けが無くてもわたし達の生活に何も影響しないでしょ」
「さすが姉さんです…」
「珍しくスピカが良いこ…」 ガンッ!
俺がゲンコツを落とされレナは関心半分心配半分だ、たしかにスピカの案の通りに行けば、この村だけで対処できるようになるな…
「その方向性で話を進めて行こうか」
俺たちはバカ村長の所へ向かった。
「結構遠くまで投げたわね…」
「しかたない…2人の事をバカにされた気分になって手加減があまり効かなかった…」
「主様… ボクHしたくなりました…」
「レナ!気持ちはわかるけど、わたしだって我慢してるんだからレナも我慢しなさい!」
「わかりましたけど姉さん…これはキツイです…」
「これが終わったらユキャールに好きにしてもらうといいわ、わたしが許可します」
俺の許可は?と言うと「妻に求められる事を受け止めてこそ夫よ」と一蹴されてしまった…
俺はバカ村長を見つけ、起こす。「あぁ…いてぇ…」村長はボロボロだった。
これじゃ話にならないと思い、俺は村長に回復する、傷が治っていく感覚に村長は驚いていた。
「すまない!あんたがそこまで強い男とは知らなかったんだ」
こいつも知らないで喧嘩を売るバカか… 俺はこれも領主の務めだと思い、村長に教育する。
「村長、貴族に喧嘩を売ると不敬罪になる。不敬罪は知ってるか?気に入らないだけで殺されるとでも思ってもらえればいい」
村長は顔を青くするが俺は教育を続ける。
「その前に俺の紹介がまだだったな」
俺は自分と2人の妻の紹介をする、3人共貴族だと言う事も教えてやった。
「村長、あんたは俺に喧嘩を売った、それだけで不敬罪だ。今ここで俺に殺されても文句は言えないんだ」
「知らなかったんだ!許してくれ!!」
「村長…知らないと罪を犯してもいいのか?人を殺すと罪になる。当たり前だがその罪を知らないから殺しても罪にならない。そういうわけにはいかないだろう?」
「たしかにその通りだ…」
「俺も俺の大事な領民をこんな形で処罰したくない。今回は不問とするが次はない。他の貴族に対しても気を付けろよ?俺より厳しい貴族なんてたくさんいるぞ」
たしかに、相手は何もしてないのに自分が気に入らないだけで不敬にする腐った貴族もいるのは事実だ。
まぁその時は俺が何とかするつもりだがそうならない事を祈ろう。
「それで村長、今回俺たちがここに来た件だが…」
俺は村長に3人で考えた案を説明する。
「そいつはいい考えだ!さすが大将やお嬢たちだ」
俺が大将と呼ばれるのは俺がそう呼べって言うのでいいが、前の村の事といい2人はお嬢と呼ばれる事が固定されてるな
まぁお嬢でも『様』をつければ、お嬢様。になるからわるい気にはなれまい。
それと各村でやってる温泉の話をする。
「湧き出る湯に浸かるのか… 水浴びより気持ちいいなら是非お願いしたい」
俺は周りを見る… 東の草原も使って闘技場にしたいな。そうすると温泉はこの村だと3か所かな。
俺は温泉施設が3か所になる事と、広さを伝え案内してもらう事を告げる。
村長は快く案内してくれる。その前に村民の前で村長にした教育を簡単でいいのでやってもらいたいと言う。
「ここは力が強い者は偉いって考えをもつヤツが多く大将に絡んでくる奴らもいるでしょう。なので俺を投げ飛ばした事も話せばここで大将に絡むバカはいなくなるはずだ」
「ここに俺より強い奴はいないから、俺に勝てない奴が大将に直接殴りこむ度胸のあるやつはいない!」
「でもお嬢たちはどうなんでしょう?俺は大将の強さしか知らないんだが、お嬢たちはどれ位やれるんで?」
「村長… 妻達は俺よりも容赦ない、最初のやりとりを覚えているか?村長を殺そうと必死だったのを俺が止めてたんだ。ちなみにスピカだと村長はすぐ炭になる。レナだと村長が気付く前に頭と胴がお別れしてるな」
村長は俺より恐ろしいと聞いて青くなる。
「お嬢たち、すいませんでした…」
わかればよろしいと2人はご機嫌だ
村長は村の真ん中に村民を集める様指示を出した、指示を出すと言うより命令したと言う方が合うな…
村民が集まると村長が俺の話をして俺が法律について少し教えてくれると説明した。
村長より強い者として、みんな俺の話を真面目に聞いてくれた。これで少しは大丈夫だろう。
それとみんないることだし、この村の未来についてをこれから作る温泉の話をした。
みんな、水浴びより気持ちいい入浴が楽しみのようだ。
そして村長に温泉地について聞いて回った。
「さて作るか、2人はどうする?」
「わたしは村長からまたみんなを集めてもらって魔法の適正を調べて指導しようと思うわ。力が必要なら魔法も必要よ!」
スピカは大きくなっていく胸を張る。子供の頃と比べて結構育ったなぁ… は!いかんいかん!
「ボクはこの辺の魔物や害獣の確認と駆除になりますね。姉さんが魔法を教えてる間に食事の食材や用意をする人が必要でしょう」
3人の行動が決まった所で行動を開始する。
俺はいつもので終わらせる。
いつもと違うのは温泉の周りの柵を強固にし、入浴中に襲われる事がないようにした。
俺は温泉作りを終えて、スピカの元へ向かった。
スピカは村民たちに魔法を教えている最中だった。
「あ。ユキャールおかえり、もう温泉できたの?」
「あぁ3カ所とも終わらせてきた、もう使えるぞ。」
「さすがユキャール。相変わらず仕事が早いね♪」
俺たちの話を聞いてた村民は「温泉ができた… もう使える…」などど話している。丁度良い機会なのでここで村民に知らせておこう。
「みなさん、聞いての通りこの村に温泉ができました。北東、北西、南の3か所です。どこも使えるようになっているので、みなさんの家の近くの温泉を利用してください。それとこの事をまだ知らない人に教えてもらえると助かります」
俺の説明を聞いた村民は嬉しそうだ。慌てて温泉へ向かう者もいれば、温泉か魔法か悩んでる人もいる。
スピカに慌てて移動した村民は大丈夫なのか聞いてみる。
「あの人たちはもう終わってるから大丈夫、みんな身体強化の適正がある人だね。それよりこの村の人たちって身体強化の人が多いね。火を起こす程度の魔法を使える人でも適正は身体強化だもの」
「魔物や害獣と戦う人たちだから、環境がそうさせてるのかもしれないな」
「そうかもね~、それとユキャール暇でしょ?わたしが適正見るから、ユキャールは身体強化の説明をして」
「了解」
俺はスピカが適正を調べた村民に身体強化について説明する。腕力の強化は簡単だが、脚力の強化は体が慣れるまで訓練するしかないと、多分スピカと同じ説明をしていく。
「ユキャール…身体強化を使うものとして他にないの?」
「そうは言っても、これしか説明できないんだ。脚力を自分の物にすると、あとは自分のスタイルに合わせて戦闘できるようになる。そこで道が分かれるけど、その時には自分でどうしたらいいかわかってしまうんだよ」
「ふ~ん…そんなものなんだ…」
スピカは不満そうなのでスピカに合わせた説明をすることにした。
「スピカで例えれば、魔法を早く連続で撃ちたいのと、魔法をたくさん一気に使いたいのと、素早く動きながら魔法を使いたい。になるかな?どれも全部できないから1つの道になるだろ?」
「あぁ~そう言われるとその通りだわ。ありがとユキャール♪」
スピカは納得してくれたようだ。
そして俺たちは村民に魔法を与えていった。適正がない人もいたが、適正がないだけでたくさんの努力は必要だが使える事も説明した。
すべて終わると食事の用意ができたとレナが呼びに来てくれた。
レナが用意した食事は村民全員を想定していてちょっとした宴になってしまった。
先に温泉に行った人も宴の騒ぎを聞き戻ってきて食事を楽しんでくれた。
俺たちは村長を食事をしている。
「大将・お嬢たち、この村のためにすまねぇ」
「村長、この村はまだまだこれからです、闘技場ができればもっと忙しくなるでしょう。」
「大将、闘技場ができたら俺たちはどうすればいいんで?」
「村民は今までの生活でいいですよ、ただ闘技場への通路の影響で家を移動してもらう人がいそうです、その時はこちらで家を用意します」
「それと村民も闘技場への参加やあとは、外から来た者が暴れた場合の始末ですね。殺すなとは言いませんができるだけ殺さないでください」
「それと、それでも対処できない大きいトラブルがあった場合のために、これを置いていきます」
俺は村長に通信の魔道具を渡す。
「何ですかこれは?」
村長に、ここをこうしてこうすると俺へ連絡できると説明するが、村長は全く理解できないようだ…
「大将すまん!俺はこういうからくりはさっぱりわからん! そうだ!腕っぷしはないが、こういうのが得意そうな奴がいる、ちょっと呼んでくるので待ってくだせい」
村長はそういうと飛び出して行き、1人の女性を連れてきた、奴って言うから男だと思った。その女性はこの村には似合わない知的な女性だった。
「どうしたんですか村長!いきなりひっぱってきて、私の様な力のない者に用はないと思いますけど…」
女性は力がすべてのこの村じゃ序列は最下層なんだろう。村長や俺たちを恐れていた。
「お前に用があるのは確かだ、大将からこいつを預かったのはいいんだが使い方がさっぱりわからん、お前はこういうの得意だったろう?俺の代わりに使ってほしいんだ」
「はぁ、わかりました」
そう言って女性は通信の魔道具を手に取った。
「これは通信の魔道具ですか。しかも私の知る限り最新版ですね。この村で対応できないトラブルが起きた時にこれで大将さんに連絡するんですか」
もうこの人が村長になった方がこの村は発展するんじゃないか? 俺はそんな気がしてきた。
「彼女は優秀な方ですね、この魔道具は一目見ただけじゃ通信の魔道具だとわかりません。」
レナが女性を褒めだした。
「ボクが見た感じだと彼女は統率力と判断力もありそうです。彼女が村長になり、みんなに指示を出した方がこの村のためになるとボクは思います」
レナからそう言われ女性は混乱している。村長はなにやら考え込んでいるようだ。
「しかしお嬢、この村では強い者が長になる。そういう決まりなのです。」
村長は、レナに村の掟を話した。
それではこうしましょう。2人共聞いてください。
レナが村長と女性に話し始める。それが戦略についての話しだ。
「ここがこの村です、山はこうなってますね…。ではこことここから同時に敵に攻められたらどうしますか?どちらの敵も戦力は同じとします」
「お嬢… こんなのバカでもわかりゃぁ、この場合ここから先に攻めるしかないだろう」
村長が自信満々に答える。 が、女性は考えていて答えはまだ出なそうだ。
「なんだお前はこんな簡単な事もそんなに考えなきゃわからんのか?」
村長は女性を煽ってきた。
「レナさん1ついいですか?」
女性がレナに問いかけた。
「いいですよ」
「戦力は同じと言いましたが、敵の体格とかもまったく同じ考えでいいのですか?」
「はいそうです」
レナが答えると女性はすべてわかったように答えた。
「この場合ですと、私は村長とは逆の方向から攻めます」
村長は女性をバカだと思い見ている。レナは冷静に女性の答えを待つ。
「今回の場合ですと村長が言った方向はたしかに楽ですが、そこは放置しても問題ありません。逆方向を先に潰しておかないと村に被害が出ます。」
「なんだ?敵が攻めてるんだから多少の被害はしかたないだろう?」
村長が口を挟むが女性は話し続ける。
「村長、みんな村長みたいに強い人だけじゃありません。私みたいに弱い人もいます。村長のやり方だと確実に犠牲を出すんです」
「あぁ?そんなの弱い奴が悪いんだろう?」
「そこまでです!!」
レナが話を止めた。
「ボクもあなたと同じ意見です。ではなぜ、村長の作戦だとダメなのですか?」
「村長が攻める所は道が狭く1匹や2匹しか通れません、大きさによっては通れない敵もいます。しかし私達は敵が通れない道を知っていてそこを使えば敵の裏を付いて攻撃できます」
「私が先にと言った所は村までは遠いですが、敵の大群までとは言いませんが、ある程度まとまった数で攻めてこれます」
「レナさんは敵の数まで指定しませんでしたが、お互い10匹なら村長の作戦でも問題ないでしょう。しかし、敵が攻める時は最低でも20は超えます。そうなると村長の作戦だと被害が出てしまいます」
女性が村長の欠点を指摘する。村長は弱い相手に言われ面白くなさそうだ。
「では、あなたが先ほど言った20の敵だとして、あなたの作戦だとどうなりますか?」
「その場合、村長を中心とした戦力が高い人たちで攻めます、仮に村長チームと呼びます。場合によってはケガする人もいるかもしれません。でも村長チームは問題なく勝てます。その間の狭い道ですが、1,2匹通った所で村には影響ありません。」
「村長チームとは別に村に残った力の弱い人、私もその1人ですが、それでも私よりか強い人達です、魔物の1匹や2匹では負けません。」
「私達が確実に1,2匹ずつ倒してる間に、村長チームが戻ってきて狭い方向の敵を倒します。これで被害は0です。ケガする人もいると思いますので被害0とは言えないかもしれませんね」
「お見事です、ボクが考える流れと一緒です」
村長はそんなバカなとでもいいたそうだ。自分より弱い者の考えの方がうまくいくと言われたからだ。
「村長、村の掟も大事だと思います。しかし、掟に従って村に被害、この場合は死亡者とします。死亡者が出たらその方が問題ではありませんか?」
「死ぬのは弱いのが悪い、そんな獣のような掟を続けていくのですか?」
「しかしお嬢…掟は掟で…」
村長は掟を主張したいが獣のような掟を守るのが大事かと言われると悩んでるようだ。
「ボクは掟を変える事を薦めます。もし出来ないと言うのであれば村長に勝った主様が村長になればいいでしょう」
レナがとんでもない事を言い出した。
「たしかに俺に勝った大将なら誰も文句を言う奴はいない!」
村長も賛成のようだ。
「そして主様が掟を変えます。」
村長の顔色が変わった。
「どうしました?強い者の言う事に従うのがこの村の掟なんですよね?」
「強い者の主様がどう変えようが誰も文句言わないんですよね?」
村長はぐうの音も出ない程レナにボコボコにされてる… 見てて可哀そうになった…
「それとも強い者に逆らって死にますか?ボクはこの村が変われるならそれでもいいと思ってます」
「ですがいきなりそんな事を言われても誰も急な変化についてこれないでしょう。村長は今まで通り村長を続けて彼女を補佐とし、彼女の意見に従いなさい」
「もし、彼女が失敗したらその魔道具で連絡しなさい。そうしたら彼女を選んだボクが責任を取ります。村長より強いボクかね…」
これ脅しだろ… 村長なにも言えないじゃないか…
とりえあず、女性を補佐として、この村は徐々に変わっていくのであった。
※村長は女性が失敗しても文句言えないと思ってるが、女性が失敗することはなかった。テキトの様に優秀な人物のようだ。
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