9 / 26
第9話【洞窟の中っておもしれぇかも。】
しおりを挟む
あらすじ:村に戻ると一変していた。家は焼かれ村人は無惨な姿になっていた。キースとライルの家族も皆…ライルの弟がお腹に帝国の印がある布を隠していた。遠くに追っ手の可能性がある集団が見られ3人は北西の洞窟に向かった。
しばらく歩くとすっかり夜になっていた。ライルが森に向かう時に家からカンテラを持ってきたのがここで役にたった。キースも家から地図を持ってきていた。そして秀吉は…
「キャン!」
「オラァ!キャンキャン騒ぐなら近寄ってくんじゃねーよ!ワン公が!」
絶賛ナイトウルフの群れとバトル中であった。
「秀吉の強さは並みじゃないな。」
「うん。ナイトウルフって大人でも油断できないのに…」
10匹以上いた群れが瞬く間に3匹、2匹減っていく。
△△△△△△△△△△
レッドウルフ
HP1800/MP500
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
「そこの赤っぽいのがボスだなぁ?かかってこい…殴り飛ばしてやる!」
レッドウルフは左右に移動しながら秀吉に襲いかかるが軽々と避けられる。
「少しは早いが…俺の敵じゃないなぁオラァ!」
レッドウルフのアゴを拳で殴り飛ばす。空中をクルクルと回り地面に落ちて煙と消えた。
残ったナイトウルフが逃げ出した。
「さてとキース、ライル。終わったぞぉ。」
「秀吉。お前本当に強いな。」
「お見事ですね。」
「あんまし誉めんなって。それより俺は土地勘とかねぇから頼むわぁ。」
「任せとけ。もうすぐ洞窟だから…って見えてきたぜ。」
キースが指差す方向にゴツゴツした岩の塊が見られ真ん中にくり貫いた様に穴があった。
「あれが洞窟だよ。もう遅いから洞窟の側で休もうよ。」
「だな。腹も減ったし。」
洞窟まで着くと近くにたき火した痕跡があった。
「ここで野宿にするか。秀吉は敵がいないか確認してくれ。ライルは飯の準備だ。」
「キース。お前は?まさかサボるつもりかぁ!」
「サボるか!大事な火種の準備するから。」
「あっ、秀吉。バトルポーチそこに置いといて。お肉使いたいから。」
3人それぞれ役割を担当した。
「よし、モンスターの気配はないなぁ。そっちは?」
「フゥ~。今火種が完成したよ。火打ち石があれば簡単だったのに。」
そう言えばカンテラの火も割りと時間かかっていたなぁ。
「火が出来た?お鍋そっちに置くよ。」
ライルは調理した肉や薬草、果物を入れ水を注いだ鍋を火の上に吊るす。
「随分と手際がいいなぁライル。」
「以前から…父さん母さんの見て覚えたからね…」
少し村の事を思い出すライル。
「秀吉。ライルの飯…マジで旨いからな。」
「マジか!腹減った~。」
キースが話題を替えてライルの飯を誉める。
「それに秀吉のバトルポーチから大判の毛皮があったから布団代りにしようぜ。」
「それがいいよね。うん。」
「ん~このモフモフな毛玉はアイツか。」
秀吉はケダモコの毛皮が気に入ったらしい。
ライル特製の詰めこみスープが完成した。そのお味は…
「うっ、旨い!」
「なっ?旨いだろ?」
「うーん少し濃いかな。」
ライルはやや不満があるが秀吉とキースは満足感に浸った。
その夜、秀吉は用を足しにその場を少し離れた。
「う~。地球と違って星が綺麗じゃねーかよ。」
盛大に用を足しながら空を眺める。
2人の場所に戻ると2人のつぶった眼から涙が流れていた。
「…家族を亡くしたからな。チッ、強くならなくちゃならねぇーな。」
夜に寂然と輝く星を見つめながら秀吉は眠りに入った。
朝、ガチャガチャと音がして秀吉が眼を覚ました。
「おー、起きたか。」
「秀吉。おはよう。」
「ん~朝か。…よし。洞窟を進むか。」
「秀吉。ちょっと待ってろ。」
キースが自分のアイテムポーチから小瓶を取り出して要らない布に少し振りかけて布を木の棒にくくり付けた。
「ガポの油だ。鉄鎚の修繕に使う物だがこうやるとたいまつに代用できる。」
たき火の火を付けるとすぐにメラメラと燃えた。
「たいまつは俺が持つ。キースとライルはカンテラで俺の後ろからきな。」
秀吉達は洞窟に入って行った。進むと奥からの暗さが広がる。すると地面にブヨブヨした水溜まりの塊が正面から現れた。
△△△△△△△△△
スライム
HP700/MP1200
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
「スライムかぁ。初めて見るな。」
「あっ、本当だよ。回復薬に役立つ素材が手に入るから倒してね。」
後ろからライルがはしゃぐ。
スライムが秀吉に向けて液体を飛ばす。避けると付着した石がジワジワと溶けていく。
「溶解液だよ。気よつけて。」
ライルから注意が飛ぶと秀吉は後ろに回り込み殴り付けた。
スライムはまだブヨブヨと動く。
「打撃が効かねぇのか?んっ?せぇや!」
スライムの中に丸い核の様なものがあり破壊した。するとスライムは煙に消えた。
「なるほどなぁ。あれが弱点だな。」
バトルポーチから先程倒したスライムの素材を見てみる。
△△△△△△△△△△
ブルーウォーター:スライムから生成される癒しの水。飲むと僅かにHPが回復する。回復薬の材料に用途されている。
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
秀吉はライルに渡すとすぐにモンスターが現れた。今度はカエルなのだがウサギの様な耳がついている。
「おっ、秀吉。あれがガポだ。丁度油が少なかったから確実に仕留めてくれ。」
△△△△△△△△△△
ガポ
HP1200/MP200
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
秀吉は手早くガポを蹴り飛ばす。煙と消えたのを確認してバトルポーチから素材を出す。
△△△△△△△△△△
ガポの油:日常の油はすべてガポの油が主流。ガポから生成される油は工具や食用と利用する幅が広い。
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
…何だか俺だけ欲しい物がないんじゃないのか?あの2人だけ得してさぁ。どうなのよ?これ?
秀吉はガポの油をキースに渡した。2人はホクホク顔で秀吉に言った。
「秀吉!この洞窟いいな!」
「秀吉頑張るですよ。」
「まっ、おもしれぇからいいか。」
秀吉達はサクサクと進んで行った。
しばらく歩くとすっかり夜になっていた。ライルが森に向かう時に家からカンテラを持ってきたのがここで役にたった。キースも家から地図を持ってきていた。そして秀吉は…
「キャン!」
「オラァ!キャンキャン騒ぐなら近寄ってくんじゃねーよ!ワン公が!」
絶賛ナイトウルフの群れとバトル中であった。
「秀吉の強さは並みじゃないな。」
「うん。ナイトウルフって大人でも油断できないのに…」
10匹以上いた群れが瞬く間に3匹、2匹減っていく。
△△△△△△△△△△
レッドウルフ
HP1800/MP500
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
「そこの赤っぽいのがボスだなぁ?かかってこい…殴り飛ばしてやる!」
レッドウルフは左右に移動しながら秀吉に襲いかかるが軽々と避けられる。
「少しは早いが…俺の敵じゃないなぁオラァ!」
レッドウルフのアゴを拳で殴り飛ばす。空中をクルクルと回り地面に落ちて煙と消えた。
残ったナイトウルフが逃げ出した。
「さてとキース、ライル。終わったぞぉ。」
「秀吉。お前本当に強いな。」
「お見事ですね。」
「あんまし誉めんなって。それより俺は土地勘とかねぇから頼むわぁ。」
「任せとけ。もうすぐ洞窟だから…って見えてきたぜ。」
キースが指差す方向にゴツゴツした岩の塊が見られ真ん中にくり貫いた様に穴があった。
「あれが洞窟だよ。もう遅いから洞窟の側で休もうよ。」
「だな。腹も減ったし。」
洞窟まで着くと近くにたき火した痕跡があった。
「ここで野宿にするか。秀吉は敵がいないか確認してくれ。ライルは飯の準備だ。」
「キース。お前は?まさかサボるつもりかぁ!」
「サボるか!大事な火種の準備するから。」
「あっ、秀吉。バトルポーチそこに置いといて。お肉使いたいから。」
3人それぞれ役割を担当した。
「よし、モンスターの気配はないなぁ。そっちは?」
「フゥ~。今火種が完成したよ。火打ち石があれば簡単だったのに。」
そう言えばカンテラの火も割りと時間かかっていたなぁ。
「火が出来た?お鍋そっちに置くよ。」
ライルは調理した肉や薬草、果物を入れ水を注いだ鍋を火の上に吊るす。
「随分と手際がいいなぁライル。」
「以前から…父さん母さんの見て覚えたからね…」
少し村の事を思い出すライル。
「秀吉。ライルの飯…マジで旨いからな。」
「マジか!腹減った~。」
キースが話題を替えてライルの飯を誉める。
「それに秀吉のバトルポーチから大判の毛皮があったから布団代りにしようぜ。」
「それがいいよね。うん。」
「ん~このモフモフな毛玉はアイツか。」
秀吉はケダモコの毛皮が気に入ったらしい。
ライル特製の詰めこみスープが完成した。そのお味は…
「うっ、旨い!」
「なっ?旨いだろ?」
「うーん少し濃いかな。」
ライルはやや不満があるが秀吉とキースは満足感に浸った。
その夜、秀吉は用を足しにその場を少し離れた。
「う~。地球と違って星が綺麗じゃねーかよ。」
盛大に用を足しながら空を眺める。
2人の場所に戻ると2人のつぶった眼から涙が流れていた。
「…家族を亡くしたからな。チッ、強くならなくちゃならねぇーな。」
夜に寂然と輝く星を見つめながら秀吉は眠りに入った。
朝、ガチャガチャと音がして秀吉が眼を覚ました。
「おー、起きたか。」
「秀吉。おはよう。」
「ん~朝か。…よし。洞窟を進むか。」
「秀吉。ちょっと待ってろ。」
キースが自分のアイテムポーチから小瓶を取り出して要らない布に少し振りかけて布を木の棒にくくり付けた。
「ガポの油だ。鉄鎚の修繕に使う物だがこうやるとたいまつに代用できる。」
たき火の火を付けるとすぐにメラメラと燃えた。
「たいまつは俺が持つ。キースとライルはカンテラで俺の後ろからきな。」
秀吉達は洞窟に入って行った。進むと奥からの暗さが広がる。すると地面にブヨブヨした水溜まりの塊が正面から現れた。
△△△△△△△△△
スライム
HP700/MP1200
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
「スライムかぁ。初めて見るな。」
「あっ、本当だよ。回復薬に役立つ素材が手に入るから倒してね。」
後ろからライルがはしゃぐ。
スライムが秀吉に向けて液体を飛ばす。避けると付着した石がジワジワと溶けていく。
「溶解液だよ。気よつけて。」
ライルから注意が飛ぶと秀吉は後ろに回り込み殴り付けた。
スライムはまだブヨブヨと動く。
「打撃が効かねぇのか?んっ?せぇや!」
スライムの中に丸い核の様なものがあり破壊した。するとスライムは煙に消えた。
「なるほどなぁ。あれが弱点だな。」
バトルポーチから先程倒したスライムの素材を見てみる。
△△△△△△△△△△
ブルーウォーター:スライムから生成される癒しの水。飲むと僅かにHPが回復する。回復薬の材料に用途されている。
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
秀吉はライルに渡すとすぐにモンスターが現れた。今度はカエルなのだがウサギの様な耳がついている。
「おっ、秀吉。あれがガポだ。丁度油が少なかったから確実に仕留めてくれ。」
△△△△△△△△△△
ガポ
HP1200/MP200
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
秀吉は手早くガポを蹴り飛ばす。煙と消えたのを確認してバトルポーチから素材を出す。
△△△△△△△△△△
ガポの油:日常の油はすべてガポの油が主流。ガポから生成される油は工具や食用と利用する幅が広い。
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
…何だか俺だけ欲しい物がないんじゃないのか?あの2人だけ得してさぁ。どうなのよ?これ?
秀吉はガポの油をキースに渡した。2人はホクホク顔で秀吉に言った。
「秀吉!この洞窟いいな!」
「秀吉頑張るですよ。」
「まっ、おもしれぇからいいか。」
秀吉達はサクサクと進んで行った。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした
葉柚
恋愛
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢のレイチェルは幸せいっぱいに暮らしていました。
でも、妊娠を切っ掛けに前世の記憶がよみがえり、悪役令嬢だということに気づいたレイチェルは皇太子の前から逃げ出すことにしました。
本編完結済みです。時々番外編を追加します。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
来訪神に転生させてもらえました。石長姫には不老長寿、宇迦之御魂神には豊穣を授かりました。
克全
ファンタジー
ほのぼのスローライフを目指します。賽銭泥棒を取り押さえようとした氏子の田中一郎は、事もあろうに神域である境内の、それも神殿前で殺されてしまった。情けなく申し訳なく思った氏神様は、田中一郎を異世界に転生させて第二の人生を生きられるようにした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる